良性発作性頭位めまい症が何度も繰り返す理由|福岡市・常若整骨院

良性発作性頭位めまい症が何度も繰り返す理由|福岡市・常若整骨院

エプリー法をしてもらって、しばらくは落ち着く。でも数か月後にまた起きる。また耳鼻科に行って、また同じ施術を受けて、また少し落ち着いて、また起きる。

この繰り返しが2年、3年と続いている。

そのたびに「なんで自分だけ何度も繰り返すんだろう」という気持ちになる。外出先でいつ来るか分からないから、頭を急に動かすのが怖くなってきた。

じつは、良性発作性頭位めまい症(BPPV)を繰り返しやすい体質的な背景というものがあります。耳石が剥がれやすくなる原因を変えないかぎり、エプリー法で耳石を戻しても、また剥がれるサイクルが続きます。このページでは、BPPVが繰り返す本当の理由と、東洋医学から見た体質的なアプローチについてくわしく説明します。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)とは

良性発作性頭位めまい症(BPPV)とは、内耳にある炭酸カルシウムの結晶(耳石)が三半規管に迷い込むことで、頭を動かしたときに激しい回転性のめまいが数秒から数十秒続く疾患です。

英語表記「Benign Paroxysmal Positional Vertigo」の略で、「体位変換性めまい」とも呼ばれます。

主な症状は次のとおりです。

  • 寝返りを打ったとき・起き上がったときに突然の回転性めまいが起きる
  • 上を向く・頭を下に傾けるとめまいが起きる
  • 数秒から数十秒でおさまる
  • 耳鳴りや難聴を伴わない(これがメニエール病との大きな違いです)
  • 吐き気・嘔吐を伴うことがある

「良性」という名前がついているのは、生命を直接脅かす危険性が低い疾患だからです。ただし、繰り返す場合には生活の質を大きく損なうため、軽視してよいものではありません。

疑われる場合は耳鼻咽喉科・神経内科への受診が基本です。エプリー法(頭位変換法)が有効な手技として広く使われており、多くの方が施術後に症状が落ち着きます。

ただし、BPPVの再発率は6か月以内で約30%という報告があります。一度エプリー法で落ち着いても、3人に1人は数か月以内に再発します。なぜ繰り返すのかを理解せずにいると、同じサイクルを永遠に繰り返すことになります。

BPPVはなぜ繰り返すのか

BPPVが繰り返す最大の理由は、「耳石が剥がれやすい体質的な背景」を変えられていないからです。

耳石(炭酸カルシウムの結晶)は内耳の前庭にある感覚上皮に付着しています。何らかの衝撃や体質的要因によってこの耳石が剥がれると、三半規管に入り込んでBPPVを引き起こします。

エプリー法は、三半規管に入り込んだ耳石を前庭に戻す手技です。これは非常に有効な手技ですが、「耳石が剥がれやすい体質」そのものには作用しません。

耳石が剥がれやすくなる体質的背景は、大きく4つあります。

ひとつ目は、カルシウム代謝の乱れです。耳石は炭酸カルシウムでできているため、カルシウムや骨密度の問題が耳石の質に影響します。特に更年期以降の女性は、エストロゲン低下によりカルシウム代謝が乱れ、耳石が脆くなると考えられています。

ふたつ目は、内耳への血流低下です。内耳は非常に細い血管に支配されており、首・肩の慢性緊張、自律神経の乱れ、冷え性、運動不足などによって内耳への血流が慢性的に低下します。内耳が酸素不足になると、前庭感覚上皮の機能が落ち、耳石が外れやすくなります。

みっつ目は、前庭機能そのものの低下です。加齢や慢性的な緊張により、内耳の前庭(耳石を保持する部位)の機能が落ちると、耳石を正確に保持する力が弱まります。

よっつ目は、自律神経の慢性的な乱れです。交感神経が優位な状態が続くと、内耳周囲の血管が収縮します。ストレス、睡眠不足、首肩の慢性緊張はすべて交感神経優位の状態をつくります。

これら4つの背景を変えないまま、エプリー法で耳石を元の位置に戻しても、また耳石が剥がれるサイクルが続きます。「繰り返す」という状態は、体質的な問題が未解決のまま残っているサインです。

更年期後にBPPVが急増する理由

BPPVは50〜70代女性に圧倒的に多い疾患です。特に更年期以降から急に「めまいが繰り返すようになった」という方が多く見られます。この背景には、エストロゲン(女性ホルモン)と内耳の密接な関係があります。

エストロゲンは、カルシウムの骨への沈着を促す作用を持ちます。更年期になるとエストロゲンが急激に低下するため、カルシウム代謝が乱れ、耳石の質が変化します。耳石が脆くなったり、本来付着しているべき感覚上皮への接着力が弱まったりすることで、些細な体位変換でも耳石が剥がれやすくなるのです。

加えて、エストロゲンには内耳の血管を保護する作用があります。更年期後はこの保護作用が失われ、内耳への血流が低下しやすくなります。

更年期のめまいというと「更年期障害のひとつ」とまとめられることが多いですが、BPPVとして診断される例も少なくありません。更年期後に初めてBPPVを経験した方、または更年期を境に明らかに繰り返す頻度が増えた方は、この「エストロゲン低下と耳石の関係」を念頭に置くことが大切です。

なお、更年期のめまいにはBPPV以外にもメニエール病・前庭神経炎・低血圧性めまいなど様々な原因があります。繰り返すめまいがある場合は、まず耳鼻咽喉科・神経内科への受診をお勧めします。

「また来たらどうしよう」がめまいを引き起こすしくみ

BPPVを何度も繰り返した方に多く見られるのが、「予期不安フィードバックループ」です。

一度強いめまいを経験すると、「また起きるかもしれない」という不安が生まれます。すると体は潜在的な危険に備えようとして、常に少し緊張した状態になります。

この緊張は、首・肩・後頭部の筋肉の慢性硬直を生み、内耳周辺の血流低下を引き起こします。その結果、本当にめまいが起きやすい体の状態がつくられます。

つまり、「また来たらどうしよう」という不安が、実際にめまいが来やすい体をつくるという悪循環です。

外出先でめまいが来ることを恐れて引きこもりがちになると、運動不足と筋力低下が加速し、さらに血流が落ちます。外の情報が減ることで脳の感覚処理の柔軟性も落ち、小さな体位変換でもめまいを感じやすくなります。

このループを断ち切るには、不安を「ゼロにしよう」と頑張るよりも、体が予期不安に反応しにくい状態をつくることが先決です。体の緊張が緩むと、不安があっても以前ほどの反応が起きにくくなります。

東洋医学から見た「BPPV体質」の3タイプ

東洋医学では、BPPVの繰り返しを「耳石の物理的問題」として切り離して考えません。全身の気・血・水(き・けつ・すい)の流れとバランスを見て、どのような体質的背景がめまいを繰り返させているかを読み取ります。

常若整骨院で繰り返すBPPVにお悩みの方を拝見すると、大きく3つの体質タイプに分かれることが多いです。

腎陰虚型(じんいんきょがた)

腎は東洋医学において、生命エネルギーの根本(腎精)を蓄え、骨・内耳・脳を養う臓です。「腎陰」とは腎の持つ潤い・津液(体の水分)を指し、これが不足した状態が「腎陰虚」です。

このタイプは、更年期以降の女性に特に多く見られます。

主な特徴は次のとおりです。

  • 夕方から夜にかけてめまいや体の不調が悪化する
  • 耳鳴り(高音・セミが鳴くような音)を伴うことがある
  • 手足のほてり、夜間の発汗
  • 頭がのぼせる感覚
  • 口が乾きやすい

腎陰虚型のBPPVには、内耳の津液不足によって耳石の保持力が低下しているという東洋医学的な理解があります。腎を養うツボ(太渓・腎兪・三陰交)を使ったアプローチと、腎精を消耗する夜更かし・過労・冷えの見直しが中心になります。

肝陽上亢型(かんようじょうこうがた)

東洋医学において「肝」はストレス処理と気の流れを司ります。感情を飲み込んできた・緊張感を長期間抱えてきた・怒りや不満を抑え続けてきた方に、肝の「陽」(エネルギー)が上昇し、頭部・内耳に過剰な熱と圧が生じます。

このタイプは、首・肩のこりが強く、ストレスが多い時期にめまいが起きやすい傾向があります。

主な特徴は次のとおりです。

  • ストレス・緊張・睡眠不足のあとにめまいが起きやすい
  • 首・肩・後頭部の重さやこわばりが強い
  • イライラ・情緒不安定になることがある
  • 頭の上の方が重い・圧迫感がある
  • 目の疲れ・充血

肝陽上亢型のBPPVには、肝の「陽」を鎮め、気の上昇を抑えるアプローチが中心です。風池・太衝・肝兪などのツボ、そして首・肩・横隔膜の緊張を緩めることで、内耳周囲の血流改善を狙います。感情を抑え込んできた方に多いタイプでもあります。

脾虚水湿型(ひきょすいしつがた)

「脾」は東洋医学において水分の代謝・吸収・輸送を担います。脾が弱ると体内に水分が滞留し、「水湿(すいしつ)」と呼ばれる余剰な水分・浮腫みの問題が生じます。内耳のリンパ液の代謝にも脾の機能が関わっているため、脾虚水湿タイプでは水分の偏在が内耳に影響すると考えます。

このタイプは、朝一番・起き上がりにめまいが起きやすく、むくみ体質・胃腸が弱いという傾向があります。

主な特徴は次のとおりです。

  • 朝起きたとき・起き上がりにめまいが多い
  • 体がだるく、むくみやすい
  • 食欲が安定しない・胃腸が弱い
  • 梅雨や低気圧の日に体調が落ちやすい
  • 舌に白い苔がつきやすい

脾虚水湿型のBPPVには、脾の働きを高め水分代謝を整えるアプローチが中心です。足三里・豊隆・水分(ツボ)などと、甘いもの・冷たいものの取りすぎ見直し、規則的な食事のリズム確立が養生の軸になります。

3つの事例

ここでは、繰り返すBPPVに悩んでいた方のご状況をご紹介します(プライバシー保護のため、一部改変・フィクション化しています)。

事例1:54歳女性・更年期後から繰り返すBPPV(腎陰虚型)

48歳頃からBPPVを年に1〜2度繰り返すようになり、耳鼻科でエプリー法を受けてきた54歳の女性。5年間で7回以上めまいを繰り返し、「これが一生続くのかと思うと憂うつ」という状態でご相談にいらっしゃった。

夕方から夜にかけて体が疲れやすく、耳鳴りもあった。手足のほてりが強く、夜中に何度も目が覚める日が続いていた。

体の状態を確認したところ、全体的に乾きやすい・潤いが足りない体質が見てとれた。首の後ろから後頭部にかけての緊張が強く、内耳周辺への血流が低下していた。

施術では腎を養うツボを中心に、後頭部・頸部の緊張緩和と全身の血流改善を進めた。養生として夜10時以降の活動を控え、温かい食事を意識していただいた。数か月の施術経過の中で、BPPVの再発頻度が明らかに落ち着いてきたとご本人から報告をいただいた。

事例2:42歳女性・デスクワーク中心・首肩こりから来るBPPV(肝陽上亢型)

在宅ワークが多く、パソコン作業が1日8時間を超えることが多かった42歳の女性。首・肩・後頭部のこわばりが慢性化していた。仕事の繁忙期にBPPVが起きることが多く、「なんで忙しい時期に限って来るのか」という状態だった。

首の後ろを確認すると筋肉が板状に硬く、後頭骨の際にある完骨・風池のあたりに強い圧迫感があった。気が頭部に上りやすい体質が見てとれた。

施術では、横隔膜・頸部・後頭部の緊張を段階的に緩めることを重点的に進めた。肝のツボを使い、気の上りを鎮めるアプローチを並行した。繁忙期に入ってもBPPVが起きなかったと半年後にお話しいただいた。腹式呼吸で横隔膜を緩めるセルフケアも継続していただいていた。

事例3:61歳女性・朝のめまい・むくみ体質(脾虚水湿型)

毎朝起き上がったときのめまいが3年以上続いていた61歳の女性。耳鼻科でBPPVと診断され、エプリー法を繰り返しているが根本的に変わらないと感じていた。

むくみやすく、雨の日や低気圧の前日に体がだるくなる。胃腸が弱く、食欲が安定しない日が多いとのことだった。

体を確認すると、脚全体に重だるさがあり、特にふくらはぎから足首にかけての水分代謝の滞りが顕著だった。舌には白い苔が見られた。

施術では、内臓(特に消化器系)の緊張緩和と、全身の水分代謝を整えることを軸に進めた。足三里・豊隆を丁寧に刺激するセルフケアを案内した。冷たい飲みものを控え、1日3回規則的に食事を取るよう養生を整えた結果、朝のめまいの頻度と強度が落ち着いてきたと経過報告をいただいた。

上記の事例は一例であり、すべての方に同様の経過が見込まれるわけではありません。BPPVに類似した他のめまい疾患(メニエール病・前庭神経炎・脳由来のめまいなど)との鑑別のために、まず専門医への受診をお勧めします。

常若整骨院でのアプローチ

常若整骨院(福岡市)では、整体・気功・東洋医学を組み合わせた体質改善的なアプローチを行っています。

BPPVそのものへの対応は耳鼻咽喉科での診察が基本ですが、「なぜ繰り返すのか」という体質的な背景には、整体の観点から取り組める部分があります。

首・肩・後頭部の慢性緊張の緩和:内耳周辺の血流を圧迫している筋肉の硬直を段階的に緩めます。特に胸鎖乳突筋・後頭下筋群・斜角筋群のアプローチが中心になります。

自律神経の切り替え改善:交感神経優位が続いていると内耳周辺の血管は収縮します。全身の骨格バランスを整えながら、副交感神経への切り替えを促す施術を行います。

体質的な根本へのアプローチ:腎陰虚・肝陽上亢・脾虚水湿それぞれの体質に応じたツボの活用と、生活養生の具体的な指導を行います。

施術の方向性は、「症状を抑える」ことよりも「繰り返しにくい体質に向かっていく」ことを目指しています。一度で大きく変わるわけではなく、体が少しずつ変わっていく過程を一緒に確認しながら進める施術です。

BPPVが繰り返す人に多い生活パターン

繰り返すBPPVにお悩みの方を拝見していると、いくつかの生活パターンが共通して見られます。耳石そのものとは直接関係ないように思えるものが多いですが、「内耳へのダメージが慢性的に積み重なる環境」という点では、どれも無視できない要素です。

長時間のデスクワーク・スマートフォン使用:一日中パソコンやスマートフォンを使う生活では、自然と頭が前に出る前傾姿勢になります。この姿勢は後頭下筋群(頭の付け根にある細かい筋肉群)を慢性的に緊張させます。後頭下筋群の硬直は、内耳に向かう細い動脈を圧迫し、内耳への血流を慢性的に低下させます。

夜更かし・不規則な睡眠:自律神経は睡眠中に整えられます。夜更かしや睡眠の乱れが続くと、交感神経優位の状態が慢性化し、内耳周辺の血管収縮が解消されにくくなります。東洋医学では夜更かしは腎精を消耗するとも考えます。腎が弱ると内耳・骨・耳石の質に影響が出るというのは、前述のとおりです。

冷たい飲みもの・クーラーの効かせすぎ:冷えは全身の血流を低下させます。特に内耳は非常に細い血管に支配されているため、冷えの影響を受けやすい部位のひとつです。夏場に特にBPPVが悪化しやすい方は、空調による体の冷やしすぎを見直す価値があります。

水分不足またはむくみ体質:一見矛盾するようですが、水分不足もむくみも、ともに体内の水分代謝の問題として現れることがあります。水分不足は内耳リンパ液の濃度を上げ、むくみは体内への水分の偏りを生みます。どちらも内耳の環境に影響します。

感情を抑え込む・休まずに頑張り続ける:これも生活パターンのひとつです。「忙しい時期にBPPVが来る」という方の多くは、休憩を取らずに頑張り続ける傾向があります。感情を表に出さず、緊張感を飲み込んできた方に肝陽上亢型のBPPVが多い理由とも関係します。

運動不足:全身の筋肉が使われないと、血液循環が低下します。ウォーキング程度の軽い有酸素運動を習慣にするだけで、内耳への血流を支える全身循環が改善されやすくなります。ただし、BPPVが起きやすい時期に激しい頭の動きを伴う運動は避けてください。

これらのパターンは、一つひとつは些細に見えますが、複数が重なることで「耳石が剥がれやすい内耳環境」を慢性的に維持してしまいます。

3証タイプ別セルフチェック

「自分はどのタイプかな」を把握するための簡単なセルフチェックです。3つ以上当てはまるタイプがあれば、そのタイプの傾向が強い可能性があります(複数タイプが重なることもあります)。

腎陰虚型のチェック項目:

  • 40代後半以降で更年期の症状がある、または過ぎた
  • 夕方から夜にかけて体の不調が悪化しやすい
  • 耳鳴り(特に高音)がある
  • 手足のほてり、夜間の寝汗がある
  • 口・目・皮膚が乾きやすい
  • 夜中に何度も目が覚める

肝陽上亢型のチェック項目:

  • 首・肩・後頭部のこわばりが常にある
  • ストレスが続いた後にめまいが来やすい
  • イライラしやすい、または逆に感情をずっと抑えている
  • 頭の上の方に圧感・のぼせがある
  • 目の疲れ・充血が多い
  • 仕事や育児・介護などで休まずに頑張ってきた

脾虚水湿型のチェック項目:

  • 朝起きたとき・起き上がりにめまいが多い
  • むくみやすい、体が重だるい
  • 胃腸が弱い・食欲が波打つことが多い
  • 雨の日・低気圧の前に体調が落ちやすい
  • 冷たいもの・甘いものをよく食べる
  • 舌を見ると苔が厚い(白っぽい苔)

3つ以上当てはまるタイプが複数ある場合は、主の体質と副の体質が重なっているケースです。その場合は主になっているタイプから優先的に養生を整えていくのがポイントです。

なお、このセルフチェックは参考です。実際の施術では体の状態を直接確認しながら、より詳細に体質タイプを読み取ります。

自宅でできるセルフケア

以下のツボ押しと養生は、BPPVが落ち着いている時期のセルフケアとして参考にしてください。めまいの最中は無理に行わず、安静を優先してください。

ツボ

完骨(かんこつ)
耳の後ろにある骨の出っ張り(乳様突起)の真下から少し後ろのくぼみ。後頭部・内耳周辺への血流に関係するツボです。両手の親指で、頭を前に倒しながら軽く持続的に押す(5秒×3回)。首肩が硬い方は、強く押さず圧をゆっくりかける。

風池(ふうち)
後頭部の中央と完骨の中間、首の筋肉の際にあるくぼみ。自律神経の乱れ・頭部への気・血の流れに関係します。完骨と同様に、両手の親指で持続的に刺激する。

太渓(たいけい)
内くるぶしとアキレス腱の中間のくぼみ。腎の働きを補うツボです。腎陰虚型(更年期後・ほてり・耳鳴りあり)の方に特に使いやすいツボです。

内関(ないかん)
手首の内側、手首のシワから指3本分肘側に上った真ん中。吐き気・めまいに全般的に使われるツボです。BPPVによる吐き気がある時期に特に有効とされます。

足三里(あしさんり)
膝の皿の外下側から指4本分下。脾胃の働きを高め全身の体力を支えるツボです。脾虚水湿型の方に特に。

生活養生

水分摂取:脱水は内耳リンパ液の濃度変化を招きます。1日1.5〜2リットル程度を意識して、冷たいものは避けて常温か温かいものを。

睡眠:内耳の機能は夜間に整えられます。夜10時から11時台には入眠できる生活リズムを意識する。特に腎陰虚型の方は夜更かしが腎を消耗します。

前傾姿勢の改善:長時間のスマートフォン・パソコン使用での前傾姿勢は、後頭下筋群の慢性緊張と内耳血流低下を招きます。画面を目の高さに合わせる工夫を。

体位変換をゆっくりと:BPPVがある時期はゆっくりと体位を変える習慣を。朝の起き上がりはまず横向きになってから、時間をかけて起き上がる。

よくある質問

Q1. 良性発作性頭位めまい症とはどんな病気ですか?

良性発作性頭位めまい症(BPPV)とは、内耳の耳石が三半規管に迷い込むことで、頭の向きを変えたときに激しい回転性のめまいが数秒から数十秒続く疾患です。耳鳴りや難聴を伴わないことが多く、これがメニエール病との大きな違いです。「良性」という名前ですが、繰り返す場合は生活の質に大きく影響します。

Q2. エプリー法をしてもらったのにまた繰り返します。なぜですか?

エプリー法は三半規管に入った耳石を正しい位置に戻す有効な手技ですが、「耳石が剥がれやすい体質的背景」には作用しません。カルシウム代謝の乱れ、内耳への血流低下、自律神経の慢性的な乱れなどが未解決のまま残ると、また耳石が剥がれるサイクルが繰り返されます。

Q3. 更年期とBPPVは関係がありますか?

関係があります。更年期以降の女性はエストロゲン低下によってカルシウム代謝が乱れ、耳石の質が変化して脱落しやすくなります。またエストロゲンには内耳の血管を保護する作用があり、その低下によって内耳血流も落ちます。50〜70代女性にBPPVが多い背景のひとつがここにあります。

Q4. 何科を受診すればよいですか?

まず耳鼻咽喉科への受診が基本です。神経内科でも対応できます。エプリー法をはじめとする頭位変換療法は医療機関での確認が必要です。脳由来のめまい(脳卒中・腫瘍など)を除外するためにも、繰り返すめまいは必ず専門医に診てもらってください。

Q5. 自然に落ち着きますか?

多くの場合、数日から数週間で自然に落ち着くことがあります。ただし繰り返すBPPVの場合は「自然に落ち着くのを待つ」だけのサイクルが延々続く可能性があります。繰り返しが多い場合は体質的な背景へのアプローチが重要です。

Q6. めまいの最中にしてはいけないことはありますか?

強いめまいの最中は、無理に動こうとせず、まず安全な場所でゆっくりと横になることを最優先にしてください。車の運転・高所作業・お風呂での一人入浴は危険です。目を開けていると景色が回って見えるため、めまい中は目を閉じると楽になることがあります。

Q7. ストレスや自律神経はBPPVと関係がありますか?

関係があります。ストレスや自律神経の乱れ(交感神経優位)は、内耳周辺の血管収縮を引き起こします。首・肩の慢性緊張も血流低下につながります。繁忙期・強いストレスの時期にBPPVが重なりやすいという方は、この連動を疑う価値があります。

Q8. 首こりがひどいとBPPVになりやすいですか?

直接の因果関係は医学的に確立されていませんが、首・肩・後頭部の慢性緊張が内耳への血流を低下させるという観点では、関連する可能性があります。特に後頭下筋群の硬直が続くと、内耳の栄養血管への影響が出やすいと考えられます。

Q9. 低気圧の日にめまいが起きやすいのはなぜですか?

気圧の変化は内耳のリンパ液圧・血流に影響します。脾虚水湿型(水分代謝が弱い体質)の方は特に低気圧への反応が強くなりやすい傾向があります。東洋医学では、気圧変化で症状が出やすい方には水分代謝の改善アプローチを取ります。

Q10. 「また来たらどうしよう」という不安が強く、外出が怖くなってきました。

この予期不安はBPPVを繰り返した方に非常に多い状態です。不安があること自体はおかしくありません。ただ、「不安をゼロにしよう」と頑張るより、「体が不安に反応しにくい状態にする」ことが実際に助けになります。体の緊張が緩むと、不安があっても以前ほど反応しなくなってきます。この部分は整体のアプローチが力を発揮しやすい領域のひとつです。

Q11. BPPVとメニエール病の違いは何ですか?

BPPVとメニエール病の大きな違いは耳鳴り・難聴の有無と、発作の持続時間です。BPPVは頭の向きを変えたときに数秒から数十秒のめまいが起き、耳鳴り・難聴を伴わないのが典型的です。メニエール病は数分から数時間続くめまい、低音の耳鳴り、難聴が特徴です。鑑別には専門医の診察が必要です。

Q12. 妊娠中・産後にもBPPVは起きますか?

起きることがあります。妊娠中はホルモン変化・カルシウム代謝の変化・睡眠不足などが重なり、BPPVが起きやすくなることがあります。産後も同様です。妊娠中の方は施術前に産婦人科への相談をお勧めします。

Q13. 整体でBPPVにできることは何ですか?

整体がBPPVの「耳石を直接戻す」ことはしません(それは耳鼻科でのエプリー法の役割です)。整体では、繰り返しにくい体質に向かっていくための体質的背景(首・肩の緊張、自律神経、内耳血流、東洋医学的な証タイプ)へのアプローチを行います。

Q14. 施術を受けるタイミングはいつが良いですか?

強いめまいが続いている時期は、まず耳鼻科への受診を優先してください。めまいが落ち着いた状態で、「繰り返しの根本原因に取り組みたい」と感じた時期が、整体を活用しやすいタイミングです。

Q15. 子どもや若い人にもBPPVは起きますか?

BPPVは中高年以降に多い疾患ですが、若い方に起きることもあります。外傷(頭部打撲)後に発症することがあり、スポーツで頭を強く打った後のめまいで診断される例もあります。年齢に関わらず、頭の向きを変えたときに回転性めまいが起きる場合は耳鼻科への受診をお勧めします。

最後に

良性発作性頭位めまい症は、一度経験すると「またあのめまいが来るかもしれない」という不安と一緒に生活することになります。繰り返すたびに体の自信が少しずつ削られていく感覚を持つ方も少なくありません。

エプリー法は有効な手技です。ただ、同じめまいを何度も繰り返しているとしたら、「耳石を戻す」だけでなく、「耳石が剥がれにくい体に向かっていく」ことに目を向ける時期かもしれません。

更年期後の体の変化、長年積み重なった首肩の緊張、水分代謝のクセ、予期不安が作る体の緊張。これらは一夜で変わるものではありませんが、丁寧に取り組めば変わっていく部分です。

常若整骨院では、「めまいを繰り返しにくい体の状態に向かっていく」ことを施術の軸に置いています。福岡市でBPPVの繰り返しにお悩みの方のご相談をお待ちしています。

院情報

常若整骨院
所在地:福岡市
院長:冨高誠治(整体・気功・東洋医学 施術歴20年・延べ25,000名)
ご予約:公式LINEよりお問い合わせください。

本記事はBPPVに関する一般的な情報提供を目的としています。診察・受診は必ず専門医にご相談ください。特に初めてのめまい・強いめまいが持続する場合・歩行困難を伴うめまいは、脳疾患の可能性を除外するために速やかに医療機関を受診してください。