起立性調節障害が夏休み明けに悪化する理由|9月の壁を越えるために知っておきたいこと|福岡市・常若整骨院

結論から言うと、起立性調節障害が夏休み明けに悪化しやすいのは、夏休み中に崩れた生活リズムが自律神経の切り替え能力をさらに低下させてしまうからです。

要点をまとめます。

  • 起立性調節障害のある体は、立ち上がったときに血圧を維持する力がもともと弱い。夏休みの夜更かしや朝寝坊は、その切り替えリズムをさらに乱す
  • 整体でできることは、体の慢性的な緊張をゆるめ、自律神経が働きやすい土台を整えるサポートをすること。9月前の「体の準備」として活用するご家族が増えている
  • この記事は、起立性調節障害のお子さんを持つ親御さんと、症状に悩む中高生・大学生本人を想定して書いている

起立性調節障害とはどんな状態か

起立性調節障害とは、立ち上がったときに血圧や血流のコントロールがうまくいかなくなる自律神経の機能不全です。

健康な体であれば、立ち上がった瞬間に交感神経がすばやく働いて、下半身に血液が溜まるのを防ぎます。血圧を維持し、脳への血流を確保する。この切り替えは、健康な体では0.5秒ほどで完了します。しかし起立性調節障害では、この切り替えが遅れたり弱くなっていて、脳への血流が一時的に減ってしまいます。その結果、朝なかなか起き上がれない、立ち上がったときにふらつく、午前中は特につらい、頭がぼんやりする、という状態が続きます。

日本小児心身医学会の診断基準によれば、起立性調節障害には大きく4つのサブタイプがあります。起立直後に血圧が下がる起立直後性低血圧、長時間立っていると意識が遠くなる体位性頻脈症候群、血圧が段階的に下がっていく神経調節性失神、横になっていても脈が速い過剰反応型、といった分類があり、タイプによって症状の出方が異なります。

患者数は多く、小学生の約5%、中学生の約10%にみられるとされています。多感な思春期に重なるため、本人も「怠けているわけじゃない」とわかっていながら、周囲からの目に苦しむことが少なくありません。常若整骨院にお越しになった方の声の中にも「周りからは怠けていると誤解されることも多くて、引きこもりになる方もおられる」という言葉がありました。症状は本物で、体の中で起きている現象も明確です。それなのに外から見えないだけで「気のせいだ」「根性が足りない」と言われてしまう。その孤独さは、長年この症状を見てきた私には強く伝わります。

症状は起床困難、頭痛、動悸、倦怠感、食欲低下、腹痛、立ちくらみなど多岐にわたります。特に朝がつらく、昼から夕方にかけてやや楽になるのが特徴です。子ども本人が一番わかっているのは「やる気はあるのに体が動かない」という感覚です。これは本当の話であり、精神論でどうにかなる話ではありません。

なぜ夏休み明けに悪化しやすいのか

毎年8月末から9月にかけて、起立性調節障害が急激に悪化したり、それまでなんとか通えていた子どもが急に起きられなくなったりするケースが増えます。

その背景には、複数の要因が重なっています。

まず、夏休み中の生活リズムの乱れです。普段より2〜3時間ずつ夜更かしをして、朝も遅くまで眠る生活が1〜2か月続くと、体内時計が後ろにずれていきます。思春期はもともと体内時計が夜型に傾きやすい時期です。これはメラトニンという睡眠ホルモンの分泌タイミングが大人より遅いためで、思春期の体の自然な傾向です。夏休みでその傾向がさらに強まります。

体内時計が乱れると、自律神経の1日のリズムも乱れます。朝に交感神経が活発になるタイミングが遅れ、体を起こす力が弱くなってしまう。これが「夏休みを経て9月に悪化する」体の側の正体の一つです。

次に、夏の室内環境の問題があります。猛暑の夏、ほとんどの時間をエアコンの効いた室内で過ごす子どもが多い。冷えた室内から熱い外へ、また冷えた室内へという温度差が毎日繰り返されると、体温調節を担う自律神経が疲弊していきます。体が「暑いのか寒いのかわからない」状態に置かれ続けることで、アクセルとブレーキの切り替えがますます不安定になります。

東洋医学の見立てでは、夏の冷房環境が「脾」と「腎」という臓器のエネルギーを慢性的に消耗させると見ます。脾は気血の製造を担い、腎は体全体の生命力の源です。この2つが夏の冷えによって削られると、9月に入ったとき体の底力が著しく落ちた状態になります。そこへ「学校に戻らなければ」という生活の急変が重なります。

そして、心理的なプレッシャーの問題があります。8月後半になると、多くの子どもが「また学校が始まる」という重さを感じ始めます。友人関係、勉強の遅れ、先生の視線、朝起きられなかったら親をがっかりさせてしまうという恐れ。これらが体の交感神経を過剰に刺激し、夜に体がオフに切り替わりにくくなります。

夜に眠れない、眠れないまま朝を迎える、起きられない、自分を責める、また夜に眠れない。この悪循環が一気に出てきやすいのが8月後半から9月です。

さらに、夏休み中の運動不足も影響します。体を動かす機会が減ると、血管の収縮・拡張の反射が鈍くなります。立ち上がったときに下半身に血液が溜まるのを防ぐ血管の反応が遅くなり、起立時の血圧維持がさらに難しくなります。

これだけの要因が重なって9月が来ます。体内時計のズレ、自律神経の疲弊、腎・脾のエネルギー消耗、心のプレッシャー、運動不足による血管反応の鈍化。この全部を背負ったまま、突然「毎朝7時に起きなければ」という生活に戻ることを求められる。これが起立性調節障害の子どもにとっての「9月の壁」です。

起立性調節障害と整体の関係

整体は起立性調節障害に医療的に関与するものではありません。整体でできることは、体の慢性的な緊張をゆるめ、自律神経が切り替わりやすい状態をつくるサポートをすること、という立場をとっています。

整体でできることを具体的に言うと、以下のようなことです。

まず、首と後頭部の慢性的な緊張をゆるめることです。首には自律神経の幹線路と言える神経の通り道があります。起立性調節障害のある子どもを診ると、首の後ろがびっくりするほど固まっていることがよくあります。骨の周りの筋肉が板のように硬く、血流が通りにくい状態です。施術の際にそこへ触れると、子ども自身が「ここ、冷たいです」と言うことがあります。その緊張がゆるむだけで、朝の目覚めが変わることがあります。

次に、横隔膜の硬さをほぐすことです。横隔膜は呼吸の筋肉ですが、同時に自律神経に大きく影響する迷走神経の通り道でもあります。心配やプレッシャーを抱えていると横隔膜は固まりやすく、固まると深呼吸ができなくなります。深呼吸ができない体は、副交感神経が働きにくくなります。夜に体がオフに切り替えられなくなると、翌朝の立ち上がりにも影響します。

そして、体全体の緊張パターンを整えることです。起立性調節障害のある子どもは、学校や人間関係のプレッシャーを体の緊張として溜め込んでいることが多くあります。その緊張が慢性化すると、体はいつも戦闘態勢のままになります。副交感神経が優位になれない状態が続き、夜も昼も体が本当の意味で休まらなくなっていきます。

整体は、その「慢性的な戦闘態勢」をゆるめるための一つの手段です。体の緊張がゆるんだとき、その変化を本人が体感できることが多くあります。「体が温かくなった」「肩の力が抜けた」「頭がすっきりした」という感覚を通じて、体が変われるということを実感してもらうところから始まります。

福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと

起立性調節障害で整体を探すとき、確認しておくとよい点があります。

一つは、小児科や専門医と並行して整体を活用する、という視点を持つことです。起立性調節障害は、症状によっては薬物療法が必要なケースもあります。昇圧薬の処方、塩分・水分摂取指導、体位変換の指導など、医療機関でのサポートが基盤になることがあります。整体は医療に代わるものではなく、医療機関のケアと組み合わせて使うものです。「薬を使わず整体だけで」という考えより、「医師のケアを受けながら、体の緊張をゆるめるサポートとして整体を使う」という組み合わせが安全です。

もう一つは、子どもの施術に慣れている院かどうかです。起立性調節障害は思春期の子どもに多い症状ですが、体の状態だけでなく、心の繊細さも一緒に関わってきます。知らない場所で体を触られることへの緊張、「またダメかもしれない」という諦め、「親に心配をかけたくない」という気遣いを抱えて来る子どもも多くいます。親御さんが安心して任せられる、子どもとのコミュニケーションを丁寧にしてくれる院を選ぶことが大切です。

福岡市内には複数の整体院があります。自律神経専門・病院で異常なし・薬以外の選択肢、という言葉を打ち出している院が多くありますが、実際に違いが出るのは施術の中身と、子ども・家族への向き合い方です。延べ25,000名を診てきた経験の中で蓄積した、起立性調節障害特有の見立てと接し方を、常若整骨院では大切にしています。

常若整骨院の考え方

常若整骨院では、起立性調節障害のお子さんの施術に際して、体だけでなく心の側面にも丁寧に向き合うようにしています。

最初のカウンセリングでは、日常の生活習慣、食事の内容、学校や家庭でのプレッシャーの状況を時間をかけて伺います。起立性調節障害の背景には、「いい子でいなければ」というプレッシャーを内側に溜め込んできたケースが多く見られます。本人には自覚がなくても、体が先に疲弊していることがよくあります。外では頑張って普通にふるまっているのに、家に帰ると動けない、という子どもを何人も見てきました。

カウンセリングで伺う中で、小さいころの性格と今の状態に大きなズレがある子がいます。もともと活発で外が大好きだったのに、いつの間にかぐったりして家から出られなくなっている。この変化が不調のサインであることが多い。

施術では、首・後頭部・横隔膜の緊張をゆるめることを中心に行います。気功を軸とした当院の施術は、体に強い力をかけるものではなく、子どもでも受けやすい形で行います。施術を重ねる中で体の緊張がゆるんでいくと、「自分の気持ちを優先していい」「頑張らなくてもいい」という感覚が体に入りやすくなります。頭で理解するより先に、体がゆるむことで気持ちが軽くなっていく。そのプロセスを一緒に見ていきます。

親御さんへも、子どもとの関わり方について一緒に話し合います。「なぜ起きられないのか」が理解できると、接し方が変わります。接し方が変わると、子どもの体の緊張もゆるみやすくなります。親子で一緒に来院される方も多く、お子さんだけでなく親御さんの緊張もゆるめながら、家全体の流れを整えていくイメージで向き合っています。

東洋医学から見た起立性調節障害

東洋医学では、起立性調節障害を単に「自律神経の病気」とは見ません。体全体のエネルギー(気・血・水)の流れが滞った結果として症状が出ている、という見立てをします。

特に関わりが深い臓器は「腎」「脾」「肝」の3つです。

腎(じん)は、東洋医学では成長・発育・生命力の源とされる臓器です。思春期の子どもが起立性調節障害になりやすいのは、急激な成長のために腎のエネルギーを大量に使っている時期だからという見方もできます。腎のエネルギーが低下すると、体を「起こす」力が弱くなり、朝に体がなかなか動き出せなくなります。立ち上がったときに血流を維持する力も、腎の力と深く関係しています。腎のエネルギーが低い体は、足腰が冷えやすく、疲れが取れにくく、夜中に目が覚めやすい傾向があります。

脾(ひ)は、東洋医学でいう消化器全般の働きを担う臓器です。脾が元気であれば、食べたものを気と血に変え、全身にエネルギーを届けることができます。しかし夏の冷飲食や、エアコンの冷え、夏休みの不規則な食事でこの脾の働きが弱ると、起きた後もだるい、頭がぼんやりする、食欲がわかない、お腹の調子が乱れる、という状態が出てきます。脾は「考えすぎ」によっても弱ります。「学校のことばかり考えてしまう」「眠れないまま不安を繰り返す」という状態は、脾を消耗させ続けます。

肝(かん)は、東洋医学でいう気の流れを調節する臓器です。学校のプレッシャー、先の見えない不安、友人関係の悩みなど、思春期特有のストレスは肝の気の流れを詰まらせます。気が詰まると体全体の流れが滞り、夜に体がオフに切り替わりにくくなります。眠れない夜が続き、朝に起きられない朝が続く、という悪循環の核心に肝の詰まりがあることが多い。肝の気が詰まった体は、夜9時〜11時ごろに目が冴えてしまう、朝3時ごろに目が覚める、といったパターンが出やすくなります。

3つの証タイプ

起立性調節障害には大きく3つのタイプがあります。当院での見立てをもとにした分類です。

腎虚型(じんきょがた)は、生まれつきか、または成長の過程で体の元気が消耗しやすいタイプです。朝が特にきつく、午後から少し動けるようになる傾向があります。足腰が冷えやすく、疲れが抜けにくい。思春期の体の成長スピードに、体の土台が追いついていない状態です。

脾気虚型(ひきょがた)は、胃腸が弱く、食事が乱れると一気に体調が崩れるタイプです。夏休みの不規則な食事や冷たいものの取りすぎが、秋に向けて体調を崩す引き金になりやすい。「食べても食べてもだるさが取れない」「朝食を食べると余計に眠くなる」という感覚があることが多い。

肝気鬱滞型(かんきうったいがた)は、真面目で気を遣いやすく、ストレスを体の緊張として溜めやすいタイプです。学校のことを考えると体が固まる、夜になるとぐるぐると考えが止まらない、ため息が多い、というパターンが典型的です。「行かなければいけないとわかっている。でも体が動かない」という葛藤が最も強いのがこのタイプです。

関連するツボ

体のセルフケアの一部として、ツボを使った刺激を日常に取り入れることができます。押すのに強い力は必要なく、親指の腹でゆっくり5秒押して、ゆっくり離す動作を数回繰り返す程度で十分です。入浴後、体が温まった状態で行うと届きやすくなります。

太渓(たいけい)は、足首の内側、内くるぶしの頂点とアキレス腱の間のくぼみにあります。腎のエネルギーを補うとされる代表的なツボです。朝起きにくい、疲れが取れにくい体質の方に特によく使います。

三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわにあります。脾・腎・肝の3つの臓器すべてに関わるとされるツボで、全身の疲労回復や睡眠の改善にも使われます。起立性調節障害の体に関わる3つの臓器すべてに届く、使いやすいツボです。

足三里(あしさんり)は、ひざのお皿の外側の下から指4本ぶん下、すねの外側の筋肉のくぼみにあります。脾の働きを補い、体全体の気血を補う代表的なツボです。食欲がない、食べても疲れが取れない、という状態の体に使います。

湧泉(ゆうせん)は、足の裏の前から3分の1、土踏まずのすぐ上のくぼみにあります。腎のエネルギーを底から補うツボとして知られています。寝る前に足裏全体をほぐしてからこのツボを温めるように押すと、翌朝の目覚めが変わることがあります。

これらのツボは「必ず効果がある」とは言えませんが、毎日のセルフケアの一つとして、無理のない範囲で続けることができます。

自律神経と起立性調節障害の関係

自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経系です。アクセル(交感神経)は活動や覚醒を担い、ブレーキ(副交感神経)は休息や回復を担います。

健康な状態では、朝になれば交感神経が活発になって体が目覚め、立ち上がるときに血圧を上げ、夜になれば副交感神経が優位になって体と心を休ませます。起立性調節障害では、このアクセルとブレーキの切り替えがうまくいっていません。特に朝、体を起こすためのアクセルが弱く、立ち上がったときに脳への血流が確保できなくなります。

夏休みの生活リズムの乱れは、この切り替え能力をさらに鈍らせます。体内時計は光と生活リズムのシグナルで動いていますが、夜ふかしと朝寝坊が続くと、光を受け取るタイミングがズレ、体内時計が後ろにずれ込んでいきます。9月になっていきなり学校のリズムに戻そうとしても、体内時計はそのズレのままです。

これが「9月に学校に行けない」の体の側の正体です。根性や気持ちの問題ではなく、体の時計と学校の時間がかみ合っていない、という生理的な問題です。

体内時計を整えるには、だいたい3〜4週間かかると言われています。8月が終わってから急に整えようとしても、9月の最初の週には間に合わないことが多い。だからこそ、8月のうちから少しずつ生活リズムを整え始めることが、9月への準備として意味を持ちます。

また、起立性調節障害では慢性的な睡眠不足が体を消耗させていることが多くあります。睡眠の質の低下は、腎のエネルギー回復を妨げ、体全体の回復力を下げます。睡眠と自律神経の関係については、不眠についての記事でも詳しく書いています。

親御さんへ。「どう関わればいいか」という問いへの答え

親御さんからよく聞かれるのが、「どう関わればいいかわからない」という言葉です。

起こしたほうがいいのか、起こさないほうがいいのか。責めたら悪化するとわかっていても、焦りは出てくる。「学校に行ってほしい」という親の気持ちも本物で、「行きたいけど体が動かない」という子どもの気持ちも本物です。

一つだけ言えることは、「焦りは体に伝わる」という事実です。起立性調節障害の体は、すでに「朝起きなければ」「また行けなかった」というプレッシャーで緊張しています。そこに「早く良くなってほしい」という焦りが重なると、体はさらに緊張を増します。

延べ25,000名を診てきた現場でよく見るのは、親御さんの体の緊張がゆるむと、子どもの回復が進むというパターンです。子どもは親の感情とエネルギーに敏感です。親御さんが「ゆっくりでいい」と体から思えるようになると、子どもの体にもその空気が届きます。

「自分の気持ちを優先していいんだよ」という言葉を、院長として子どもに伝えることがあります。学校を休むことへの罪悪感、自分を責める気持ちを手放せた子どもの体は、その翌週から目に見えて変わることがあります。

カウンセリングでは、親御さんの気持ちも一緒に整理できる時間を設けています。子どもだけでなく、親御さん自身の緊張もゆるめる場として使っていただければと思います。

実際に多いご相談

常若整骨院に起立性調節障害でお越しになる方には、いくつかの共通したパターンがあります。

「夏休み前はなんとか通えていたのに、夏休みが終わったら起きられなくなった」という相談が、毎年8〜9月に集中します。夏休み中に完全に崩れてしまった生活リズムが、そのまま固定化してしまったケースです。本人も「また学校に行けなかったらどうしよう」という不安が加わり、夜に眠れなくなって悪循環に入ることが多い。

「病院で検査を受けたが異常なしと言われた」という方も多くいます。起立性調節障害は血液検査や画像検査では数値に出にくく、体のしんどさが「証拠のない症状」として扱われてしまうことがあります。「本当に病気なのか自分でもわからなくなってきた」という言葉を聞くことがあります。

「中3・高3なのに受験がある」という焦りを抱えて来られる方もいます。そのプレッシャーが体をさらに固めていることもあり、まず「受験がある年でも、焦って急ぎすぎると体は動かない」という話をするところから始まることがあります。

「親の言うことは聞かないけど、先生のアドバイスは素直に聞く」という言葉を親御さんから聞くことがあります。第三者という立場が、時に大きな役割を果たします。

実際の変化(3人のケース)

以下は、常若整骨院でご縁をいただいた方のエピソードをもとにしています。効果には個人差があり、変化を保証するものではありません。

10代の女性は、高校をやめることまで考えていたそうです。朝、自分一人では起きられない日が続き、学校に行けない状態が続いていました。「ワラをもすがる思いで何でも受けてみようと思い」と言いながら来院されました。初回の施術では体に触れていないのに体全体が温かくなったと感じたとのこと。6回ほど施術を重ねる中で、自分の目覚まし時計で起きて、遅刻せずに学校に行けるようになっていきました。「朝、起きて動くことが普通だったんだと体に思い出させてあげれるようになった」という言葉が、今も印象に残っています。

(効果には個人差があり、変化を保証するものではありません)

10代の男性は、中学3年生のときに来院されました。起立性調節障害の診断を受けており、高校受験ができるかどうかが心配でした。受験当日に朝6時30分に起きて試験会場に向かうことを目標に、受験前の期間は週1回のペースで施術を続けました。「施術してもらうと、身体が軽くなりポカポカして身体の調子も良くなってきました」という言葉とともに、受験当日は無事に起きることができ、志望校を受験できました。ご家族の「真剣に話を聞いて下さり、体調を良くして下さった」という言葉も印象深く残っています。

(効果には個人差があり、変化を保証するものではありません)

10代の女性は、食事についてのアドバイスを受けてから生活を少しずつ変えていきました。それまで気にしていなかったレトルト食品や外食を控えるようになり、徐々に症状がやわらいでいきました。「だんだん症状が良くなり、学校に毎日通えるようになり、安心しています」と親御さんが話してくださいました。体の緊張が食事から変わっていく、そのプロセスを一緒に見ていくことが、当院が大切にしていることの一つです。

(効果には個人差があり、変化を保証するものではありません)

自宅でできるセルフケア

起立性調節障害のセルフケアで最も大切なのは、「今すぐ元に戻ろう」という焦りを手放すことです。体は急かされると固まります。以下のことを、無理のない範囲で続けてみてください。

朝は急に起き上がらないことです。目が覚めたら、まず横になったまま足首を上下にゆっくり動かし、血流が下半身に滞るのを防ぎます。その後、ゆっくり半身を起こして数分座り、それから立ち上がる。この手順だけで、立ちくらみが軽減することがあります。

夜は、寝る前の1時間はスマートフォンを手放します。画面の光が交感神経を刺激し、脳が覚醒した状態のまま眠りに入ろうとすることになります。眠りの質が下がると、翌朝の体の立ち上がりにも影響します。

毎晩、足を温めることをセルフケアの習慣にします。湯船に15分ほどゆっくり浸かるか、足湯だけでも効果があります。腎のエネルギーを補う意味でも、足を温めることは回復の基本になります。夏でも、夜だけはシャワーを浴びるのでなく湯船に入ることをすすめています。

食事は、冷たいものや砂糖の多いものを少し減らします。脾の働きをゆるめず、気血の製造ラインを守るためです。特に夏休み中に乱れた食事を、少しずつ整えていくことが秋の回復の土台になります。朝は胃腸に負担のかからない温かいものを少しだけ食べることから始めると、体が動きやすくなっていきます。

「良くなろう」と気に病みすぎないことも、立派なセルフケアです。考えすぎること自体が脾を消耗させ、体の回復を遅らせることがあります。

医療機関との連携について

起立性調節障害は、症状が重い場合には小児科や内科での診察と医療的なケアが優先されます。

以下の状態がある場合は、まず医療機関での診察を優先してください。立ちくらみや失神を繰り返す場合、体重減少が著しい場合、極度の頭痛・腹痛が続く場合、強い脱力やしびれがある場合です。医師の処方する薬(水分・塩分摂取指導や昇圧薬など)が必要なケースがあります。

整体は、医師のケアと並行して活用できるものです。「薬で体の状態を整えながら、整体で体の緊張をゆるめ、回復しやすい土台をつくっていく」という組み合わせが、当院で多くのご家族に活用されているパターンです。

また、学校への配慮が必要な場合は、かかりつけの小児科医や内科医に相談の上で診断書を作成してもらうことが、学校との連携において有効です。起立性調節障害について詳しくは、済生会のウェブサイト(https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/orthostatic_dysregulation/)でも一般的な情報を確認できます。

よくある質問

起立性調節障害は整体で変わりますか?

整体は医療行為ではありませんが、体の慢性的な緊張をゆるめ、自律神経が働きやすい状態を整えるサポートができます。首や横隔膜の緊張がゆるむことで、朝の体の動き出しが変わったと感じる方は少なくありません。ただし、症状の程度や体質によって変化の出方は異なります。医療機関との並行活用をおすすめしています。

何歳くらいから受けられますか?

当院では小学生からお受けしています。施術は体への負担が少ない気功を主体としており、お子さんが怖がらずに受けられるよう、最初に丁寧に説明してから始めます。緊張が強いお子さんの場合は、親御さんが付き添って一緒に施術室に入ることもできます。

夏休み中から通い始めたほうがよいですか?

9月に向けて体を整えたいなら、8月のうちに始めるほうが体の準備になります。体の緊張はすぐにゆるむものではなく、数回の施術で少しずつ変化が出てくることが多いためです。「9月から学校に戻りたい」という目標があるなら、8月のうちに体と心の準備を始めておくことが、よりスムーズな移行につながりやすくなります。

夏休み明けに急に悪化した場合、すぐに来てもよいですか?

はい、急な悪化でも相談をお受けしています。ただし、高熱、激しい立ちくらみや失神、強い腹痛が続く場合は先に医療機関を受診してください。急な悪化で最も大切なのは、焦らず体と心を落ち着かせることです。まずご連絡いただければ、状況に応じてお伝えします。

親が一緒に来院する必要がありますか?

未成年のお子さんは、原則として保護者の方と一緒にお越しください。初回はカウンセリングに時間をかけますので、親御さんも日常の生活状況や家庭の様子を一緒に話していただけると、より精度の高い見立てができます。

毎週通わないといけませんか?

最初のうちは週1回のペースを提案することが多いですが、状態によって柔軟に対応しています。学校に通いながら通院する方もいれば、学校を休んでいる時期に集中して来られる方もいます。無理のない範囲で続けられるペースを一緒に考えます。

食事を変えることは本当に関係しますか?

体質という観点からは、食事は大きく関係します。特に砂糖・小麦・乳製品・冷たい飲食物は、東洋医学でいう「脾」の働きを弱めやすいと見ています。脾が弱ると気血の製造が滞り、体全体の回復力も低下します。食事を変えることで体の底力が上がり、症状がやわらいでいくケースを多く見てきました。完璧にしなくてよく、少しずつ変えていくことから始めてください。

思春期を過ぎても症状が続くことはありますか?

あります。起立性調節障害の多くは思春期に落ち着いていきますが、ストレスや体質によっては20代以降も続くことがあります。当院でも、成人してからも症状が続いている方の相談をお受けしています。体の緊張と自律神経のパターンが慢性化した状態を、東洋医学で言う「腎虚」や「肝気鬱滞」として見立て、体質から整えるアプローチをとります。

不登校の状態から来院することはできますか?

はい、現在不登校のお子さんも多く来院されています。「学校に行けない自分はダメだ」という自己否定の気持ちを抱えながら来られる方も少なくありません。当院では、学校に行けるかどうかより、体と心が楽になることを目標に向き合います。「早く学校に行かせよう」という焦りより先に、まず体の緊張をゆるめることから始めます。

医師から「様子を見ましょう」と言われているが整体を試してもよいですか?

医師の指示を優先してください。「様子を見ましょう」という段階でも、整体を並行して活用することは一般的に問題ありませんが、医師に相談の上でご判断ください。心配な場合は当院へご連絡いただければ、状況をお聞きした上でアドバイスします。

整体の後に好転反応はありますか?

まれに、施術後に体がだるくなったり眠くなったりする方がいます。これは体が変化に慣れていく過程と考えられます。多くの場合、1〜2日で落ち着きます。ただし施術後に体調が大きく崩れる場合は、無理せずご連絡ください。症状が心配な場合は医療機関に相談することをおすすめします。

起立性調節障害に関連する別の症状も一緒に診てもらえますか?

はい、対応しています。起立性調節障害のある方には、頭痛、不眠、慢性疲労、消化器の不調などが重なることが多くあります。これらは東洋医学では体の根本的なエネルギーの問題としてつながっていることが多く、一つひとつ別々に診るより、体全体の状態を見ながら整えていくほうが変化が出やすいと考えています。

まとめ

福岡市で起立性調節障害に悩むお子さんとご家族へ、最後にひとつだけお伝えします。

「なぜ起きられないのか」には、ちゃんと理由があります。怠けでも根性が足りないわけでもなく、体の中で自律神経の切り替えがうまくいっていないのです。夏休みを経て9月にそれが悪化しやすい仕組みも、体の生理として理解できることです。

体は責められると緊張を増します。しかし「大丈夫だよ」という空気に触れると、少しずつゆるんでいきます。

整体は、その「ゆるむための入り口」として機能できると考えています。体の緊張がゆるむと、眠りが変わります。眠りが変わると、朝の目覚めが変わります。体が動けるようになると、心も少しずつ前を向けるようになります。

9月の学校復帰だけを目標にするのではなく、まずお子さんの体が楽になる状態をつくることを、一緒に考えさせてください。

病院で「異常なし」と言われた、薬だけでは変わらない、どこに相談していいかわからない、という方のご相談もお受けしています。体と心の両方から、丁寧に向き合っていきます。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたかせいじ)。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏内にある常若整骨院の院長。整体師として20年、延べ25,000名を施術。東洋医学・気功を軸に、体の緊張をゆるめ自律神経が整いやすい体をつくる施術を行っています。子どもから大人まで、「どこに行っても変わらなかった」「検査で異常なしと言われた」という方の相談を多く受けています。施術は体に強い力をかけないものを主体としており、お子さんでも安心して受けていただける環境を整えています。整体は医療行為ではなく、症状や薬に関する判断は必ず医師にご相談ください。カウンセリングは院長と奥様(カウンセラー担当)の二名体制で行っています。

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