鎮痛剤を飲み続けても生理痛が変わらない理由|東洋医学から読む月経痛の本当の背景

結論から言うと、生理痛が毎月繰り返すのは、子宮そのものだけでなく、体全体の緊張や血の巡り、五臓の消耗が深く関係しているからです。東洋医学には「不通則痛(ふつうそくつう)」という言葉があります。気と血の流れが通じなければ、そこに痛みが生まれる——という考え方です。鎮痛剤は痛みのシグナルを抑えるものであって、滞りそのものを解消するものではありません。だから飲み続けても、また来月も繰り返す。

この記事が届いてほしいのは、「鎮痛剤がないと生理を乗り越えられない」「毎月この辛さは仕方ないと諦めている」「若いから気のせいと言われた経験がある」という方です。

まず大切なことをお伝えします。強い生理痛の背景には、子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣嚢腫などの婦人科疾患が関係していることがあります。これらは婦人科での診断・治療が最優先で、整体が直接対処できるものではありません。この記事は、婦人科での検査で器質的な異常が見当たらない方(機能性月経困難症)や、婦人科治療と並行して体の緊張を整えたいという方を主な対象にしています。生理痛が急に強くなった、年々ひどくなっている、性交痛がある、という方は、まず婦人科を受診してください。

なぜ生理痛は長引くのですか

結論として、生理痛が毎月繰り返す方には、体の深部の緊張が抜けていないケースが多くあります。

生理が始まると、子宮はプロスタグランジンという物質を分泌し、収縮して古くなった子宮内膜を剥がします。このプロスタグランジンの分泌量が多いほど、子宮の収縮が強くなり、子宮の血管が絞られて血流が一時的に途絶え(虚血)、そこに痛みが生じます。鎮痛剤はこのプロスタグランジンの働きを抑えることで効果を出しています。

では、プロスタグランジンが過剰に分泌されやすい「体の状態」とは何でしょうか。体が慢性的に冷えている、睡眠の質が低い、慢性的なストレスが続いている、骨盤まわりの筋肉が常に緊張している——こうした条件が重なったときです。

これらの条件に共通しているのは、自律神経の交感神経(体のアクセル)が慢性的に優位になっているということです。交感神経が過活動の状態では、末梢の血管が収縮します。子宮は血管の豊富な臓器ですから、その収縮が直接、生理時の痛みの強さに影響します。

20年の臨床で延べ25,000名を診てきた経験では、生理痛が強い方に共通してよく見られるのは、みぞおちから骨盤にかけての体幹が板のように固まっている、骨盤まわりが触れるとそこだけ冷たい、呼吸が浅く鎖骨から上でしか動いていない——という所見です。これは、毎日のストレスや疲労が体幹の緊張として積み重なり、内臓の血流を慢性的に低下させている状態です。

鎮痛剤でその月の痛みは乗り越えられても、体のこの状態が変わらない限り、来月も同じ条件でまた痛みが始まります。これが「飲み続けても変わらない理由」です。

生理痛とはどのような状態ですか

生理痛とは、月経期間中に下腹部・腰・背中などに痛みが生じる状態です。医学的には「月経困難症(dysmenorrhea)」と呼ばれ、大きく2種類に分類されます。

ひとつは器質性月経困難症で、子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣嚢腫などの病変が原因のものです。生理のたびに痛みが強くなる、生理以外の時期にも下腹部痛がある、性交痛がある、という場合はこのタイプを疑い、婦人科での精査が必要です。

もうひとつは機能性月経困難症で、器質的な異常が見当たらないにも関わらず強い痛みが起きるものです。「婦人科で検査したが異常なしと言われた」という方の多くが、このタイプに該当します。現代医学では主にプロスタグランジンの過剰分泌が原因とされており、プロスタグランジンを抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs系鎮痛剤)が標準的な治療法です。

日本産科婦人科学会は、月経困難症を「月経時にあらわれ、月常生活を妨げるほどの病的な状態」として、適切な治療の対象としています(<a href="https://www.jsog.or.jp/" target="_blank" rel="noopener">日本産科婦人科学会</a>)。毎月鎮痛剤を飲まないと動けない状態は、我慢すべきことではありません。ただし、鎮痛剤で症状を抑えながらも、体の根本的な状態を整えていくアプローチが、長い目で見ると重要です。

生理痛に整体はどこまでできますか

整体が生理痛に対して貢献できることとできないことを、はっきりお伝えします。

整体でできないことは、婦人科疾患(子宮内膜症・筋腫など)への直接的な対処です。これらの器質的な病変は、整体では変えられません。婦人科での治療・管理が主体です。また、生理痛の診断・薬の処方も整体ではできません。

整体でできることは、骨盤・腰まわりの慢性的な緊張をゆるめること、体の冷えが改善しやすい状態をつくること、自律神経が副交感神経側に切り替わりやすい状態をサポートすること、です。

機能性月経困難症の場合、「プロスタグランジンが過剰に分泌されやすい体の条件」を少しずつ変えていくことが整体の役割です。子宮を取り巻く環境——自律神経のバランス・骨盤内の血流・体の緊張のパターン——これらが整ってくることで、毎月の鎮痛剤の量が少しずつ減る、痛みのピークが和らいでくる、経血の状態が変わってくる——こうした経過をたどる方が少なくありません。

ただし、これはすぐに起きることではありません。体に蓄積した緊張のパターンは、時間をかけて変わっていきます。「3か月・半年単位で、少しずつ変わってくる」という経過をイメージしてください。

福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか

整体院を選ぶ際に最初に確認したいのは、「初回にカウンセリング(問診)がきちんとある院かどうか」という点です。

生理痛は、痛みの場所・タイミング・強さだけでなく、生活習慣・ストレスの背景・体の冷えの状態・睡眠の質・食事の内容・月経周期の規則性など、多くの情報が関係しています。これらを丁寧に聞き取らずに施術だけを行う院では、本質的なアプローチが難しくなります。施術前にカウンセリングの時間をとっている院を選ぶことが、まず大切です。

次に確認したいのは、「婦人科への受診を適切に勧めてくれる院かどうか」です。「整体で全部なんとかなる」という院は、器質的な疾患を見落とす危険があります。整体院が「まず婦人科に行ってください」と言えるかどうかが、安全性の指標になります。

また、「自律神経や内臓の不調も見られる院かどうか」という点も重要です。生理痛は骨盤の骨の構造だけでなく、自律神経・内臓の状態が深く関わっています。骨格矯正だけに特化した院より、体全体の状態を診られる院のほうが、この症状には対応しやすいと言えます。

常若整骨院では生理痛をどう見ていますか

常若整骨院では、生理痛に対してカウンセリング・施術・セルフケアの3つをセットで行っています。

初回のカウンセリングでは、まず婦人科での受診歴と診断結果を確認します。器質的な疾患が除外されているか、現在何かの治療を受けているか——この確認が最初のステップです。その上で、痛みの強さ・タイミング(生理前から始まるか、生理初日が最もつらいか)・経血の色と量・血塊の有無・冷えの状態・睡眠の質・日常のストレス背景などを丁寧に聞き取ります。

施術では、骨盤まわり・腰・みぞおちの慢性的な緊張をゆるめることを中心に行います。触れたときに「そこだけ冷えている」と感じる場所や、「板のように硬く動かない」みぞおちの硬さは、骨盤内の血流の低下と密接に関わっています。緊張が抜けてくると、骨盤内を通る血流も回りやすくなります。

気功の要素も用いながら、体全体のエネルギーの流れを整えるアプローチも行います。施術後は、その方の証(体質タイプ)に合わせたセルフケアをお伝えします。すべてやろうとする必要はなく、どれか一つから始めてください。

なお、月経前症候群(PMS)——生理前のイライラ・落ち込み・むくみなど——は、生理痛と同じ方に重なることが非常に多く、体の根本的な状態が共通しています。PMSについては別の記事で詳しく書いています。

東洋医学では生理痛をどう考えるのですか

東洋医学では生理痛を「不通則痛(気・血が通じなければ痛む)」と「不栄則痛(養われなければ痛む)」の2つの原則で読みます。気と血が子宮に滞るから痛む(不通)、あるいは気と血が子宮に届かず不足するから痛む(不栄)——どちらのパターンかによって、アプローチが変わります。

当院では主に3つのタイプに分けてみています。

肝気鬱滞血瘀型とはどのような生理痛ですか

肝は東洋医学において、気の巡り全体を統括する臓器です。現代語で言えば、自律神経の調整や感情の流れを司る役割です。ストレスや感情の抑圧が続くと、肝の気が詰まります(肝気鬱滞)。気が滞ると血も動けなくなります(血瘀)。子宮という血の豊富な臓器に、気と血の滞りが生じると、生理のたびに強い痛みが現れます。

このタイプの方に多い特徴は、痛みが刺すような・締めつけられるような強さで出る、血塊が出やすい(塊が出ると少し楽になる)、生理前から下腹部に重さや張りがあり痛みが始まる、イライラや落ち込みが生理前に強くなる(PMS的な傾向)、生理の色が暗赤色になりやすい、といったものです。

職場や家庭でストレスを溜め込みやすい方、人に気を使いすぎて疲れている方、感情を外に出しにくい方に、このタイプが多い傾向があります。

施術では、肝経の気の滞りを解くアプローチを中心に行います。代表的なツボは太衝(たいしょう)で、足の甲の親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみです。肝経の原穴で、気の流れを動かす働きがあります。内関(ないかん・手首の内側から指3本分上の中央)も、気逆・ストレスによる胸や胃の詰まりに使います。

腎虚寒凝型とはどのような生理痛ですか

腎は東洋医学における「生命力の貯金箱」で、体の温める力(腎陽)の根源です。腎が弱ると、骨盤・子宮まわりを温める力が落ちます。冷えた子宮では血が固まりやすくなり(寒凝血瘀)、生理のときに通じにくくなって痛みが生じます。「冷えると生理が重い」という方は、このタイプに近い可能性があります。

このタイプの方に多い特徴は、温めると(カイロ・入浴・温かい飲み物)痛みが楽になる、手足・特に下半身が年中冷えやすい、生理の色が暗く茶色っぽい・量が少ない、腰がだるく重い、疲れやすく体力が戻りにくい、といったものです。冷え体質が強い方や、過労・睡眠不足が続いた後に生理痛が悪化してきた方に多い傾向があります。

施術では、腎陽を補い下焦(骨盤まわり)を温めるアプローチを中心に行います。代表的なツボは関元(かんげん)で、おへそから指4本ぶん下の場所です。腎の気を補い下焦を温める力が強いポイントで、カイロや温灸で温めることも有効です。もうひとつは太渓(たいけい)で、内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみです。腎経の原穴で、腎の気を補う代表的な場所です。

脾虚気血両虚型とはどのような生理痛ですか

脾は東洋医学において、食べたものから気と血を作り出す工場です。脾が弱ると、気と血の製造が不足し、子宮を養う血が届かなくなります。東洋医学では「不栄則痛(栄養されなければ痛む)」と言い、塞がっているから痛むのではなく、足りないから痛む、というタイプです。

このタイプの方に多い特徴は、痛みが鈍くシクシクとした感覚(締めつけや刺す感覚よりも鈍痛)、生理の後半や生理が終わる頃に悪化する(血が少なくなるほど痛む)、経血量が少ない・色が薄い、疲れやすく顔色が白っぽい、食欲がない・胃が弱い、といったものです。仕事や育児・介護で体を消耗し続けている方、食事が不規則になりがちな方、以前より体力が落ちたと感じる方に多い傾向があります。

施術では、脾の気を補い、気血の製造ラインを立て直すアプローチを行います。代表的なツボは足三里(あしさんり)で、膝の皿の外側の下から指4本ぶん下のくぼみです。脾胃を補い、全身の気血を増やす代表的なツボです。血海(けっかい)は膝蓋骨の内上角から指3本ぶん上で、血を補い巡らせる働きがあります。

また、三陰交(さんいんこう)は内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろきわにある場所で、肝・脾・腎の3つの経絡が交わる交会穴です。女性の体調全般に関わるツボとして最も重要な場所のひとつで、3つのタイプいずれにも関係します。ただし、妊娠中は刺激を避けてください(子宮収縮を促す可能性があります)。

自律神経と生理痛はどう関係しているのですか

自律神経とは、体のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のような働きをするシステムです。この2つが状況に応じて切り替わることで、体は活動と回復のバランスを保っています。

生理痛と自律神経は、主に2つの経路でつながっています。ひとつは、交感神経が慢性的に優位になると、骨盤内の血管が収縮して子宮への血流が低下すること。もうひとつは、慢性的なストレス状態がプロスタグランジンの産生を促進する方向に働く可能性があること、です。

「緊張すると生理が止まる」「試験前後に生理周期が乱れる」——これは、交感神経が強く働いたときに生殖機能が後退する、という体の自然な反応です。同じメカニズムが、慢性的な低強度のストレスとして日々積み重なったとき、生理痛の強さや月経周期の不規則さとして現れてきます。

副交感神経が優位になりやすい状態をつくることが、生理痛の改善に深くかかわります。具体的には、深くゆっくりとした呼吸(特に吐く息を長くする)、体を温めること(特に骨盤・腰まわり)、夜の過ごし方を変えること(スマホを減らす・早めに横になる)、が有効です。

これらはすべて、交感神経の慢性過活動を落ち着かせ、副交感神経が働きやすい状態をつくる行為です。施術も同じ方向に働きます——体の緊張がゆるむことで副交感神経が働きやすくなり、骨盤内の血流が回りやすくなります。

ひとつ注意が必要なのは、「真面目にセルフケアをやらなければ」と考えること自体が、交感神経を刺激することがある、という点です。「できなかった」と自分を責めると、その自責が体の緊張になります。できない日があって当然で、それで構いません。

生理痛で来られる方に多いのはどんなケースですか

来院される方の話を聞いていると、共通するパターンがいくつかあります。

最も多いのは、「中学・高校のころから生理痛がひどかったが、婦人科や他の医療機関で『若いから仕方ない』『異常はない』と言われ、鎮痛剤を飲むことを当たり前にしてきた」という経緯です。長年「我慢するものだ」と自分に言い聞かせてきたため、どこか受診することをためらってきた方も少なくありません。この症状は我慢すべきものではなく、体からの訴えです。

次に多いのは、「仕事・家事・育児の負担が増えた時期と、生理痛の悪化が重なっている」ケースです。体の疲弊と生理痛の強さは連動していることが多く、「今月は特に仕事が大変だった月の生理が、いつもより痛い」という経験に思い当たる方も多いのではないでしょうか。体の消耗が蓄積するほど、自律神経のバランスが乱れ、生理痛が出やすい体の条件が整ってしまいます。

3つ目は、慢性的な冷え体質の方です。年中手足が冷たく、特に下半身が慢性的に冷えているという方は、子宮まわりの血流が低下しやすい状態が続いています。夏でも例外ではなく、冷房の効いた室内での長時間の座り仕事が、腰・骨盤を慢性的に冷やし続けているケースがよくあります。

もうひとつ印象的なのは、「ストレスや感情を外に出せず、一人で抱え込んできた」という方に、特に生理痛が強い傾向があることです。東洋医学の肝気鬱滞のパターンです。気持ちを言葉にしにくい、人に頼ることが苦手、感情が溜まっても発散する機会がない——こうした状態が体の緊張として蓄積し、骨盤内の血流低下につながっていることがあります。

実際に生理痛が楽になった方はどんな経過でしたか

以下は実際に来院された方の声を、プライバシーに配慮した上で匿名化してお伝えするものです。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

「若いから気のせい」と言われ続けた高校生女性

中学校から約5年間、骨盤のずれ・めまい・頭痛・眠気・疲れやすさに加え、生理痛・PMSが重なっていました。他の医療機関の先生から「若いんだから気のせいだ」と再三言われ、「それが非常に辛かった」とのことです。当院での施術後、フワフワとしためまいはその日のうちに落ち着き始め、「起きていられないほどの生理痛も、たった3回の施術で薬を飲まなくていいほど楽になりました」という変化が出てきました。(効果には個人差があり、回復を保証するものではありません)

経血の色とにおいが変わった30代女性

肩こり・手のしびれ・生理痛・体のだるさで来院されました。「施術を受け、次の朝、当たり前のようにあった体のだるさがなくなっていて不思議でした。生理の痛みも楽になり、一番びっくりしたのが、生理の血がきれいな赤になって、においが全くなくなったことです」という経過でした。経血の状態(色・量・においなど)は、骨盤内の血流の状態を反映していることがあります。「当たり前だと思っていた毎月の辛さが、変えられるものだったと知った」とおっしゃっていました。(効果には個人差があり、回復を保証するものではありません)

骨盤ベルトと毎日の体操でも変わらなかった30代女性

腰痛・膝痛・生理痛・PMS・イライラで来院されました。「常に骨盤ベルトをつけ、毎日次の日に痛みが出ないように体操をしていたのに、何もしなくても過ごせるようになった」という変化が印象的でした。「気持ちの面もこれまでの考えを少しずつ変えられて、自然な感じで家族が穏やかに過ごせる環境になった」——体の変化が、日常の質全体を変えていった経過です。(効果には個人差があり、回復を保証するものではありません)

生理痛は自宅でどうケアすればいいですか

以下に3つのセルフケアをお伝えします。すべてやろうとしなくて大丈夫です。どれか一つからで十分です。

できない日があって当然です。「今日はできなかった」と自分を責めると、その自責が体の緊張になります。特に生理痛が強い方は、真面目にきっちりやろうとすること自体が体を締めつけることがあります。できた日は「やった」と思えれば十分で、できなかった日は「それでいい」と流してください。

ひとつ目は、下腹部と腰を温めることです。使い捨てカイロを関元(おへそから指4本ぶん下)や仙骨(骨盤の中央の平らな骨)に当てる。入浴は全身浴でぬるめのお湯(38〜40度)に10〜15分ゆっくり浸かる。この習慣は、生理中だけでなく生理の1週間前から続けるとより効果的です。特に腎虚寒凝型(冷え型)の方には最も有効なケアです。

ふたつ目は、三陰交を押すことです。内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろきわにあります。親指で5〜10秒かけてゆっくり押し、離すを1日2〜3回繰り返します。強く押すよりも、じっくりゆっくり押すほうが体に馴染みます。ただし妊娠中は押すことを避けてください。

3つ目は、夜のスマホを置いて早めに横になることです。特に生理前の1週間が最も体に変化が出やすい時期です。この時期に夜更かしをすると、腎陽が消耗し、翌月の生理痛が強くなる体の条件が整ってしまいます。完全にスマホをやめる必要はなく、「就寝の30分前に置く」だけでも変わってきます。

病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか

迷ったら、まず婦人科が先です。これが常若整骨院のスタンスです。

特に次の場合は、整体より先に必ず婦人科・産婦人科を受診してください。

生理痛が年々強くなっている・または突然強くなった場合。性交痛がある場合。生理以外の時期にも下腹部痛・骨盤痛がある場合。経血の量が急に増えた・血塊が大きくなった場合。不正出血がある場合。これまで生理痛がなかったのに急に始まった場合。

これらは子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣嚢腫などが関係している可能性があり、超音波検査・MRIなどの画像診断を含む婦人科の診察が必要です。整体はこの段階に介入できません。

婦人科で器質的な疾患が除外された後、あるいは婦人科での治療(低用量ピルなど)と並行して体の緊張を整えたい場合に、整体を活用する形が最も安全です。薬の継続・婦人科の通院を止めることなく、体のケアとして整体を加えていく——これが整体と医療機関の適切な関係です。

よくあるご質問

生理痛は整体で楽になりますか?

楽になる方もいれば、変化に時間がかかる方もいます。特に機能性月経困難症(婦人科で異常が見当たらない生理痛)の方は、体の緊張を整えることで、毎月の鎮痛剤の量が減ったり、痛みの強さが落ち着いてくる経過をたどる方が少なくありません。ただし、効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

婦人科で「異常なし」と言われましたが、整体の意味はありますか?

意味はあります。「異常なし」とは器質的な病変が画像に映らなかったということです。機能的な問題——自律神経の乱れ・骨盤内の血流低下・筋肉の慢性緊張——は画像には写りません。整体はそこにアプローチします。「異常なし」はつらくない証明ではなく、体の機能の問題が残っている可能性を意味しています。

生理中に施術を受けても大丈夫ですか?

大丈夫です。ただし、痛みが非常に強く動けないほどの日は、無理に来院せず安静を優先してください。生理が終わったあと・または生理前1〜2週間のタイミングに来院し、次の生理に向けて体を整えていく、という形で通う方が多いです。

何回通えば変化が出ますか?

個人差が大きいため一概には言えませんが、3〜5回の施術後に「前の生理より楽だった」と感じる方が多い印象があります。一方、長年続いてきた体質の場合は、3か月・半年単位でじっくり変化していく経過をたどることもあります。焦らず体と向き合うことが、長い目での変化につながります。

生理痛と冷えは関係がありますか?

深く関係しています。子宮は血管の多い臓器で、体が冷えると子宮まわりの血流が低下します。血流が落ちた子宮では、プロスタグランジンの刺激に対して痛みが出やすくなります。冷えを改善することは、生理痛のケアに直結する取り組みです。特に手足や下半身が年中冷えている方は、腎虚寒凝型のアプローチが有効です。

子宮内膜症と診断されていますが、整体は受けられますか?

受けていただけます。ただし、子宮内膜症の直接的な治療は婦人科が主体です。整体は婦人科治療と並行して、体の緊張をゆるめ、日常の疲弊を整えるサポートとして活用する形をとります。婦人科での通院・治療は必ず継続してください。

生理痛に効くツボを自分で押してもよいですか?

三陰交・血海・太衝・関元などを押すことはセルフケアとして有効です。強く押すよりも、ゆっくり押して離すを繰り返す方が体に馴染みやすいです。ただし妊娠中は三陰交・合谷などを避けてください。痛みが強い日に強く押すと逆に体が緊張することがあるので、痛みのない日に行うほうが効果的です。

生理痛と不妊は関係がありますか?

直接の因果関係はありませんが、生理痛の背景にある体の状態(冷え・血の滞り・ホルモンバランスの乱れ)は、妊娠しやすさとも関わることがあります。特に子宮内膜症は不妊の原因になりえるため、生理痛が強く妊娠を希望している方は、まず婦人科で確認することをお勧めします。

鎮痛剤を毎月飲み続けることは問題ありませんか?

鎮痛剤の長期使用による影響については医師にご相談ください。整体の立場からお伝えすると、「痛みを薬で抑えながら、痛みを生み出している体の条件が変わっていない」という状態が続くことへの注意はあります。鎮痛剤に頼る回数が少しずつ減っていくことを目指しながら、体の根本的な状態を整えていく、というのが当院のアプローチです。

生理痛のほかにPMSもひどいです。両方に対応できますか?

対応できます。生理痛とPMSは、同じ「気・血の状態」から来ていることが多く、体の根本的な条件が整ってくることで、両方に変化が出る経過をたどる方も少なくありません。PMSについては別の記事で詳しく書いています。月経前の感情的な波や体の変化が気になる方は、あわせてご覧ください。

生理が終わった後もだるくて疲れが取れないのですが、関係がありますか?

関係があります。東洋医学では、生理後の疲弊は「血虚(けっきょ)」と呼ばれ、脾(気血の製造ライン)が弱っているサインのひとつです。生理で血が失われた後に補充が追いつかない状態です。脾虚気血両虚型の方に多いパターンで、生理痛そのものと並行してケアすることで、生理後の回復も早くなってくることがあります。

生理痛が原因で学校や仕事を休むことがあります。これは普通ではないのでしょうか?

日常生活に支障をきたすほどの月経困難症は、婦人科的には「治療の対象となる状態」と定義されています。「生理で休むのは怠け」ではありません。まず婦人科で相談されることをお勧めします。同時に、体全体の状態を整えることで、休む頻度が少しずつ減っていく経過をたどる方もいます。

食事で生理痛に気をつけることはありますか?

東洋医学では、冷えをつくりやすい食べ物(生野菜・冷たい飲み物・白砂糖の多い菓子類)を多く摂ると、腎陽・脾陽を消耗しやすくなると考えます。一方、血を補う食材(黒ごま・ひじき・ほうれん草・なつめ・クコの実)や、体を温める食材(しょうが・にんにく・ねぎ・かぼちゃ)は、生理前から取り入れると体の準備になります。特に生理前の1〜2週間、冷たい食べ物・飲み物を減らすだけでも、翌月の生理の状態が変わってくる方がいます。ただし食事制限を厳しくすることがストレスになる場合は、まず「冷たいものを温かいものに変えるだけ」の一歩から始めてください。

生理周期が不規則なのも関係がありますか?

関係しています。東洋医学では、月経周期の規則性も気・血・臓腑の状態を反映していると考えます。肝の気の滞りが強いと生理が遅れやすく、脾・腎が弱ると不規則になりやすいとされています。生理痛と月経不順が重なっている方は、根本にある体の状態が共通していることが多く、体全体を整えていくアプローチが両方に作用することがあります。

まとめ

生理痛を毎月当たり前に受け入れてきた方へ。若いから仕方ないと言われ続けてきた方へ。

生理痛は、我慢するしかないものでも、薬を飲み続けるしかないものでもありません。体の緊張・血の巡り・自律神経の状態が関わっており、これらは整えていくことができます。

この記事でお伝えした内容をまとめると次のとおりです。生理痛が毎月繰り返す背景には、東洋医学で言う「不通則痛」「不栄則痛」のパターンがあり、肝気鬱滞血瘀型・腎虚寒凝型・脾虚気血両虚型の3タイプに分けて見ることができます。自律神経(体のアクセルとブレーキ)の慢性的な乱れが骨盤内の血流に影響し、生理痛の強さに直結しています。セルフケアは三つ全部やらなくていい——どれか一つでいい、という前提で取り組むことが大切です。

大切な前提として、まず婦人科で器質的な疾患が除外されているかを確認してください。その上で、体の根本的な状態を整えていく取り組みとして、東洋医学の視点を持った整体を活用してください。

一人で抱え込まず、まず体の緊張をゆるめることから始めませんか。福岡市早良区・西新エリアで、生理痛や婦人科系の不調でお悩みの方のご来院をお待ちしています。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたか・せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。常若整骨院(福岡市早良区・西新駅から徒歩圏)院長。施術歴20年、延べ25,000名を施術。自律神経・慢性症状を中心に、東洋医学の見立てと気功を組み合わせた施術を行っている。「体の不調は体だけでなく、生活・考え方・感情のあり方と深くつながっている」という視点から、カウンセリングと施術をセットで行うことを大切にしている。生理痛・PMS・不妊など婦人科系の不調については、婦人科との連携を優先した上で、体の緊張を整えるサポートを行っている。医療機関での治療を並行しながら、整体で補完できることを一緒に整えていく。