もしかしたら猫背が原因?猫背が引き起こす病


今や『現代病』となっている猫背。姿勢が悪くなるだけではなく、私達の体に様々な悪影響を及ぼします。知らず知らずの内に重篤な病を引き起こす場合があります。原因不明の症状に悩まされている方、必見です。

 

■こり・背中の痛み・腰痛等

 私達の頭の重さは約6㎏と言われています。正しい姿勢の場合は背骨が頭を支えてくれていますが、猫背になると背骨の位置が変わる為、背骨だけでは支えきれなくなってしまいます。その結果、肩や首・背中の筋肉がそれを補う為に必死に動きます。そうなる事により、肩や首・背中の筋肉が疲労してしまい、肩や首のこりや背骨の痛みを起こします。
 そして、それが悪化すると今度は腰や骨盤・膝にまで悪影響を及ぼします。そうなると、腰の痛みや骨盤のズレ・膝の関節痛を引き起こしやすいのです。
 猫背になると、様々な箇所の血流量が減少します。血流量が減少すると筋肉は硬くなり疲労物質や乳酸が溜まりやすくなってしまうのです。

 

■内臓系

 『最近、胃腸の調子が悪い』と思っている方は、もしかしたら猫背が原因かもしれません。猫背になると、内臓が圧迫され胃の血行も悪くなり、食べ物の消化等にも影響してきます。そして、『胃下垂』の症状も出てきます。食欲不振や食後のむかつきも猫背が原因だと言っても良いでしょう。
 そして、『便秘』も猫背が原因と言われます。内臓が圧迫されるので、大腸にも負担がかかってきます。その結果、便が硬くなってしまい、便が出にくくなってしまうのです。また、また、内臓が圧迫されているので、頻尿といった症状も出てきます。何度もトイレに行ってしまうといった方は自分の姿勢を改めて知るべきです。

 

■肥満

 最近では、肥満傾向にある方が増えてきています。『運動をしているのに中々痩せない』・『暴飲・暴食をしていないのに太ってしまう』といった症状も猫背が原因のうちの1つです。しっかり運動しているにも関わらず、下腹がポッコリしている・太る要因を作っていないのに体重が増えるといった症状は猫背が大きく関係してきます。
 肥満に悩んでいる方の多くは姿勢が悪く、猫背になりがちです。医学的にもこの件は実証されています。また、猫背になると肺活量や基礎代謝を低下させるとも言われています。特に基礎代謝はカロリー消費の為の重要な物になるので、これが低下するとダイエットに十分な効果が得られないという事も考えられます。

 また、最近では子供の肥満も多くなりつつあります。運動不足も考えられますが、子供の頃から姿勢が悪くなっていると、消費するエネルギーが減ってしまいます。
 とある研究報告では、姿勢の良い子供と姿勢の悪い子供が同じ運動をした場合のエネルギーの消費量を比較した結果、姿勢の良い子供に比べて姿勢が悪い子供のエネルギー消費量が約10%も少ないという事が解りました。そして、子供のうちから肥満になってしまうと、大人になってからも肥満が解消されないというデータもあります。
 しかし、子供の段階ではまだ成長期の段階です。『よく食べる』・『よく運動する』・『よく寝る』といった事が重要になってきますので、食事制限は行ってはいけません。子供の姿勢を正し、よく運動させるといった事が重要です。

 

■高齢者の症状

 また、猫背になっている方は長い目で見てみると、様々な病気を招きます。1つは心臓にも負担がかかってくる事です。背中を丸めた生活を送っているので、心臓の動きが衰え肺活量も通常の姿勢の方に比べて減少傾向にあります。そして、あばら骨も適切に動かせなくなるので、肺や心臓が完全な状態で機能しなくなってしまいます。その結果、肺疾患や心疾患になりやすいのです。そうなると、死亡率が通常の姿勢の方に比べ高くなるといったデータもあります。
 また、高齢者に多い外科系の病気で『脊椎後弯症(せきついこうわんしょう)』といった病気も発生しやすくなります。背骨が横に曲がり、多くの場合は背骨がねじれてしまい、背中に激痛が走るのです。一旦、ねじれてしまった背骨は元には戻せません。最近では、この脊椎後弯症が若い方でもなりやすい傾向にありますので、私達も気を付けなければいけません。

 
■集中力の低下・脳疾患

 最近では、子供の集中力が欠けているとよく言われています。その原因は猫背が大きく影響しているのです。酸素を取り込む機能を持っている呼吸器系は成長期の段階にある子供は成人した人に比べると、1/2程です。ただでさえ、体内に新鮮な酸素を取り込みにくい子供が猫背になってしまうと、肺が圧迫され呼吸自体が浅くなり、新鮮な酸素を体内に取り込み辛くなってしまいます。そうなると、集中力を持続させる働きのある脳まで酸素が届かず、酸欠状態となっていくのです。
 私達にも同じ事が言えます。デスクワークを行っていて、集中力が持続しないといった場合も猫背が原因ではないかと考えられています。

 また、猫背が原因で起こる一番怖い物というと『脳疾患』です。首の骨の間の隙間には『椎骨動脈(ついこつどうみゃく)』という血管がありますが、これが猫背により首の骨を圧迫してしまってしまうと、何らかの衝撃で頭に負荷がかかった時に頭の中の血管が裂けたり、更には血管が詰まってしまう可能性があります。それが、くも膜下出血や脳梗塞等に繋がるのです。一度、脳疾患にかかってしまうと、記憶障害・言語障害・運動障害にもなりかねません。

 

 

■うつ病

 実は、うつ病も猫背が原因ではないかと考えられています。しかし、猫背のみが原因で起こる事は決してありません。様々な要因でうつ病になりますが、猫背も関係している事があります。 首というのは頭を支えているのですが、内部では脳と体を支えています。首の所には沢山の神経がありますが、自立神経もその内の1つです。首が曲がったままですと、自律神経に負担をかけます。そして、血液の流れが悪くなりうつの状態になりやすいと言われています。
 また、疲れが取れにくくなり不眠症にもなってしまうのです。枕を新調しても、布団を新調しても、猫背によって中々眠れないといった症状も出てきます。
 そして、猫背により自分に自信が無いと考えてしまう事もあります。ネガティブな気持ちでいると、更に悪化してしまいうつの状態になってしまうのです。

 

■その他

 そして、猫背により顔の筋肉も衰えがちです。そこが衰えてしまうと、顔のたるみの原因になります。そして、『ほうれい線』も出やすくなります。つまり、実年齢より老けて見えてしまうのです。
 また、猫背は胸筋も衰えてしまっています。つまり、バスト部分が下っているという事です。
 あと、猫背の方は背骨が大きく曲がっています。身長計はまっすぐになっていますよね?背筋を伸ばして身長計に乗っても、いつもより身長が低くなってしまっているかもしれません。

 いかがでしたか?猫背により私達の体はこんなにも沢山の症状を抱えてしまう事になります。肩こり・内臓の不調・不眠といった症状に悩んでいらっしゃる方は、もしかしたら猫背が原因かもしれません。
 その為は、正しい姿勢で日常を過ごす事が重要になります。ストレッチを頻繁に行ったり、姿勢が良くなる習い事をしたり、ポジティブに生活していきましょう。デスクワークを行っている方は、椅子を変えたり、姿勢が良くなるクッションを購入すると良いでしょう。猫背矯正ベルトを購入しても良いでしょう。整体に通っても良いでしょう。
 猫背が解消されれば、目線が上がり、バストがアップし、背筋が伸び、ポジティブな気持ちになれます。身長も伸びるかもしれませんね。
 正しい姿勢を保つ為に猫背からサヨナラしましょう。