
仙腸関節炎が長引く本当の理由|骨盤ベルト・ブロック注射を繰り返しても変わらない方へ|福岡市・常若整骨院
結論から言うと、仙腸関節炎が長引いている方には、骨盤そのものより全身の慢性緊張パターンと体の回復力の低下が深くかかわっているケースが多くあります。
骨盤ベルトやブロック注射で一時的に楽になっても戻るのは、関節だけを見ていて、その関節を支えている全身の筋肉・神経・自律神経・体の回復力にアプローチできていないからです。整体でできることは、体の慢性緊張をゆるめ、骨盤周囲の自律神経の働きが整いやすい土台をつくることで、身体が本来持っている回復力を引き出すサポートをすることです。
この記事は、福岡市で仙腸関節炎や骨盤の奥の慢性痛に悩んでいて、骨盤ベルト・矯正・ブロック注射を繰り返してきたけれど変わらない、という方に向けて書いています。
なぜ仙腸関節炎は長引くのか
結論として、仙腸関節炎が長引く方には、体の緊張が慢性的に抜けていないケースが多くあります。
仙腸関節は、仙骨(背骨の末端にある三角形の骨)と腸骨(骨盤の両側の大きな骨)の間にある関節で、骨盤の後ろ側の中央部に位置しています。立っているとき、歩くとき、階段を上り下りするとき、体重の負荷は仙腸関節を通って下半身へと伝わります。日常生活のあらゆる動作に関わる関節だからこそ、一度炎症が起きると長引きやすい。
国際的な仙腸関節複合部疼痛の専門ガイドライン(2025年)によると、慢性腰痛の患者のうち15〜30%に仙腸関節の問題が関与していると報告されています。「腰痛の原因は腰にない」という話をよく聞くようになりましたが、仙腸関節も同様で、「仙腸関節の痛みの原因は仙腸関節だけにはない」というのが、延べ25,000名を施術してきた現場での実感です。
では、なぜ長引くのか。いくつかの理由があります。
一つ目は、仙腸関節を支えている梨状筋・腸腰筋・多裂筋・大殿筋・骨盤底筋群が、慢性的に緊張したまま戻れなくなっていることです。これらの筋肉は、ストレス・疲労・長時間の同じ姿勢・睡眠不足・育児や仕事での過度な負荷によって、じわじわと固くなっていきます。筋肉が固くなれば、仙腸関節への負荷が増す。負荷が増せば痛みが続く。痛みが続けばまた体が緊張する、という悪循環が始まります。
二つ目は、神経の過敏化です。仙腸関節周囲には非常に多くの神経が走っていて、炎症が続くと神経が過敏になり、少しの刺激でも強く痛みを感じるようになります。骨盤ベルトを外した瞬間に痛みが戻る、ブロック注射の効果が切れると元に戻る、という経験をされた方が多いのはこのためです。国際的な研究では、慢性的な仙腸関節痛に中枢性感作(脳や脊髄の神経が過敏化する状態)が関与しているケースが報告されています。
三つ目は、自律神経の乱れです。体のアクセル(交感神経)が長期間強くなりすぎていると、骨盤周囲の血流が低下し、筋肉・靭帯への栄養供給が落ちます。回復に必要な血流が届かないまま日々を過ごしていると、どれだけケアをしても戻りが遅くなる。これが「変わらない」「また繰り返す」の正体の一つです。
四つ目は、エストロゲンなどのホルモン変化が靭帯の柔軟性を低下させることです。産後・更年期の女性に仙腸関節炎が多いのは、この靭帯の弛緩や脆弱化が背景にあります。更年期に入ってから急に骨盤の奥が痛くなった、という方の多くがこのパターンです。
仙腸関節炎と整体の関係
結論として、整体は仙腸関節の炎症そのものを消す医療行為ではありませんが、体の慢性緊張をゆるめ、自律神経の働きが整いやすい状態にすることで、身体が回復に向かいやすい土台をつくるサポートができます。
整体でサポートできること:
骨盤周囲の慢性的な筋肉の緊張をゆるめること。梨状筋・腸腰筋・大殿筋・骨盤底筋群への直接のアプローチが、仙腸関節への負荷を間接的に下げます。
仙骨・腰椎・股関節の連動性を整えること。これらは連動して動いており、一か所が詰まると全体に波及します。
全身の自律神経のバランスを整えやすい状態にするサポート。首・後頭部・横隔膜・足裏の緊張をゆるめることで、副交感神経のブレーキが入りやすくなります。
生活習慣・睡眠・食習慣の見直しを含めたセルフケアの指導。施術時間より日常の時間のほうがはるかに長いため、自宅でできるケアを身につけることが変化を続けるうえで大切です。
整体でできないこと:
炎症を直接消すこと(これは医療行為です)。強直性脊椎炎やリウマチ性仙腸関節炎など、免疫の問題が根本にある場合は整体ではなく医療機関が主体です。画像所見で確認できる器質的な変化を元に戻すこともできません。
強い炎症が続く場合、急に歩けなくなった場合、発熱や下半身のしびれ・麻痺が出てきた場合は、まず整形外科やリウマチ科を受診してください。
福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと
福岡市で仙腸関節炎や骨盤の奥の慢性痛を相談できる整体院を探すとき、確認しておきたいポイントがあります。
一つ目は、症状の話をじっくり聞いてくれるかどうかです。仙腸関節炎は、骨盤の歪みだけでなく、生活習慣・ストレス・睡眠・産後の経過・更年期の状態など、さまざまな背景が絡んでいます。問診が浅い院では、その人だけの原因は見えてきません。
二つ目は、施術が骨盤だけに集中していないかどうかです。仙腸関節の問題は、骨盤だけでなく腰椎・股関節・胸郭・横隔膜・呼吸のパターンまで連動しています。骨盤だけ矯正して終わる施術は、再発を繰り返しやすい。
三つ目は、セルフケアの指導があるかどうかです。施術を受けているあいだだけ良くなって、日常生活で元に戻るのでは根本が変わりません。自宅でのケア・姿勢の習慣・睡眠・食習慣まで含めて一緒に見直せる院を選ぶと、変化が続きやすくなります。
常若整骨院の考え方
常若整骨院では、仙腸関節炎の方のカウンセリングで必ず確認することがあります。「今、骨盤の痛みはどれくらい続いていますか」という問いとともに、「最近、眠れていますか」「ストレスをどこかで抱えていますか」「食事で気になっていることはありますか」と聞くことにしています。
骨盤の奥の痛みを長年抱えている方の多くに、共通するパターンがあります。体の緊張が長期間抜けていない。睡眠が浅い。仕事や育児で体を休めるタイミングが少ない。そして、「もう仕方ない」「この体はもう変わらない」という思い込みが、じわじわと回復力を削いでいるケースが少なくありません。
当院が大切にしているのは、カウンセリング・施術・セルフケアをセットで行うことです。施術でいくら体をゆるめても、日常生活のなかで同じパターンに戻り続けるなら変化は続きません。逆に、自宅でのケアと生活習慣の見直しが整ってくると、施術の効果が何倍にも乗りやすくなります。
延べ25,000名の施術を通じて実感してきたのは、「どこに行っても変わらなかった人が変わりはじめる瞬間」は、骨盤の形が変わったときではなく、体の緊張が抜けはじめたときだということです。骨盤を直そうとするより先に、体を緩めることを優先する。その順番が変化の鍵になります。
東洋医学から見た仙腸関節炎
東洋医学では、仙腸関節炎のような慢性骨盤部痛を「骨を主る腎」「筋・靭帯を主る肝」「筋肉の固摂力を担う脾」の3つの臓器の消耗によって読み解きます。
「腎が骨を主る」とは、腎(東洋医学の腎臓の概念で、体の根本的な回復力の貯金のようなもの)の状態が、骨・関節・靭帯の強さや柔軟性に直結するという考え方です。腎の精が十分にあると、骨は丈夫でしなやかに動き、仙腸関節の微細な動きにも対応できます。しかし長年の疲労・過労・加齢・産後の消耗・更年期のホルモン変化によって腎の精が減ると、骨・靭帯が乾いて脆くなり、仙腸関節への負荷に対して回復が追いつかなくなります。
「肝が筋を主る」とは、肝(体のエネルギーを循環させるポンプのような存在)の状態が、腱・靭帯・筋肉の柔軟性と弾力性を左右するという意味です。仙腸関節の周囲を張り巡らせている靭帯と筋膜は、肝の血が十分に届いていることで弾力を保ちます。しかし、慢性的なストレス・感情の抑圧・睡眠不足によって肝血が消耗されると、筋靭帯が固くなり、仙腸関節の動きが詰まりやすくなります。夜中に痛みで目が覚める、寝返りで骨盤の奥が痛む、という方はこの肝血の消耗が関係していることが多くあります。
「脾が固摂力を担う」とは、脾(消化・吸収・気血の変換を担う工場)の働きが弱まると、骨格を支える筋肉へのエネルギー供給が低下し、支える力・固める力が落ちるという考え方です。長時間のデスクワークや立ち仕事で体が崩れやすい人、疲れると骨盤がずれる感覚がある人は、この脾気虚のパターンがかかわっていることが多くあります。
3証タイプ――どのタイプかを読む
仙腸関節炎の方を東洋医学でタイプ分けすると、主に3つのパターンが見えてきます。ただし、実際はこれらが重なっているケースが多く、組み合わせで読むことが大切です。
腎虚・精枯渇型は、更年期以降・長年の慢性化・骨や関節の老化感が強い方に多いタイプです。夕方から夜にかけて痛みが増し、膝や腰全体にも弱さを感じます。長年ベルトや注射を繰り返してきたが変わらない、疲れるほど骨盤が沈む感じがする、という方に多く見られます。「骨の回復力の貯金が底をつきかけている」状態と言えます。早くに更年期を迎えた方、出産を複数回経験している方、長期間のハードワークが続いた方に出やすいパターンです。
肝血虚・筋靭帯養い不足型は、産後・月経不順・慢性的な過労がある女性に多いタイプです。横になるとやや楽になり、立ち上がると痛みが出ます。月経周期によって症状の波があったり、夜中に寝返りで目が覚めることもあります。目の乾き・爪の割れやすさ・こむら返りが一緒に出ている方は、肝血の消耗のサインです。「筋靭帯に血が届いていない」状態で、血を補い流す施術と生活習慣の見直しが有効です。
脾気虚・固摂力低下型は、長時間のデスクワーク・立ち仕事・育児で同じ姿勢が続く方に多いタイプです。長く立っている・座っていると痛みが強まり、動かしはじめがもっとも辛い。消化器の不調(胃もたれ・軟便・食後の重さ)を伴うことが多く、全身の倦怠感・朝の体の重さも出やすいです。食後に骨盤の痛みが増す感覚がある方は、脾との関連を疑います。
仙腸関節炎に関わるツボ
太渓(たいけい)は、内くるぶしの頂点とアキレス腱の間のくぼみにあります。腎経の原穴(根源となるツボ)で、腎の精を補う代表的なツボです。腎虚型の仙腸関節炎に広く使えます。
三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわにあります。腎・脾・肝の3つの経絡が交わるツボで、三臓複合型の仙腸関節炎に幅広く対応します。血の流れを整え、骨盤周囲の気血の循環をサポートします。
腎兪(じんゆ)は、腰の後面のウエストのくびれあたりから指2本ぶん外側、第2腰椎棘突起の高さにあります。腎に直接アプローチするツボで、腰全体・仙骨の回復力を高める働きがあります。両手の親指でじっくり圧を加え、3〜5秒押してゆっくり離すを繰り返します。
次髎(じりょう)は、仙骨の中央の少し外側にある4つの後仙骨孔のうち、上から2番目のくぼみにあります。お尻の割れ目の上部から少し外側を指で探すと感じるくぼみです。仙腸関節に最も近いツボで、局所の気血の巡りを整えます。温めながらゆっくり刺激するとより効果的です。
太衝(たいしょう)は、足の甲の、親指と人差し指の骨の間を指でたどったくぼみにあります。肝の流れを整えるツボで、筋靭帯の慢性緊張をゆるめ、血の流れを整える方向に働きます。肝血虚型に特に有効です。
自律神経と仙腸関節炎の関係
自律神経とは、体のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のような働きをする神経系です。意志とは無関係に、心拍・血圧・消化・血流・筋肉の緊張度を調節しています。
仙腸関節炎が長引いている方に多いのは、アクセルが踏みっぱなしになった状態です。仕事・育児・慢性的な痛みへの不安・「また痛みが出るかも」という予期不安——これらがすべて交感神経を刺激し、骨盤周囲の筋肉を慢性的に緊張させます。
交感神経が優位な状態が続くと、体の末梢血管が収縮して、仙腸関節周囲への血流が低下します。血流が落ちると、靭帯・筋肉への栄養供給が減り、老廃物が溜まりやすくなり、炎症が長引く下地ができます。
痛みがあると交感神経が刺激される。交感神経が強くなると血流が落ちる。血流が落ちると回復が遅れる。遅れると痛みが続く。痛みが続くとまた交感神経が刺激される——この悪循環が、仙腸関節炎の「変わらない期間」を長くしています。
だからこそ、整体では骨盤だけでなく、体全体の緊張状態に目を向けます。特に、首・後頭部・横隔膜・足裏の緊張をゆるめることで、副交感神経のブレーキが入りやすくなり、骨盤周囲の血流と回復力が少しずつ戻りやすくなります。
骨盤の矯正をするよりも、体のアクセルを少し緩めることのほうが、仙腸関節の慢性痛には先に効いてくることがあります。これが「骨盤を直そうとするより、体をゆるめることが先」という考え方の根拠の一つです。
実際に多いケース
当院に来られる仙腸関節炎の方には、いくつかの共通したパターンがあります。
一つ目は「産後から続いている」というケースです。出産後、骨盤が開いたまま戻りきらず、仙腸関節に負荷がかかり続けているパターンです。育児での前かがみ・抱っこ・睡眠不足が重なり、なかなか楽にならないまま年数が経ってしまう方が多くいます。産後1年以内に対処できればその後が変わりやすいのですが、「育児が落ち着いたら」と後回しにしているうちに慢性化するケースが目立ちます。
二つ目は「長時間のデスクワークが続いている」というケースです。座りっぱなしで仙腸関節への負荷が蓄積し、立ち上がるたびに骨盤の奥が痛む、という訴えです。骨盤を意識して姿勢に気をつけているはずなのに変わらない、という方が少なくありません。姿勢の問題より、長時間同じ姿勢を続けることによる筋肉の慢性緊張のほうが問題になっているケースが多くあります。
三つ目は「更年期のころから急に悪化した」というケースです。更年期に入ってから骨盤の奥の痛みが出てきたり、以前から少し気になっていたものが急に強くなったりするケースです。エストロゲンの低下が靭帯の柔軟性に影響し、仙腸関節の安定性が低下することが背景にあると考えられます。ホルモン補充療法を受けながらも骨盤の痛みだけがなかなか落ち着かない、という方が来院されることもあります。
どのパターンにも共通しているのは、「体が緊張したまま時間が過ぎた」ということです。そして、緊張が長くなるほど、回復には時間と丁寧なアプローチが必要になります。
3人の事例
事例1:デスクワークとプレッシャーが重なったケース(40代男性)
IT関係の仕事で、週5日以上デスクワークが続いていた方です。1年ほど前から右の骨盤の奥が痛むようになり、整形外科でブロック注射を2回受けたものの、効果が数週間で切れてしまうことを繰り返していました。「注射の効果が切れるたびに戻る。根本が変わっていない気がしている」と話してくれました。
カウンセリングで伺うと、仕事のプレッシャーで常に緊張した状態が続いており、夜も眠りが浅いとのことでした。痛みのことが頭から離れず、「また悪化するかもしれない」という不安も抱えていました。
施術では、骨盤周囲だけでなく、首・肩・横隔膜の緊張をゆるめることを優先しました。また、睡眠の改善と、デスクワーク中の小さな体の使い方の見直しをセルフケアとして一緒に取り組みました。数回の施術を重ねるなかで、朝起きたときの骨盤の重さが軽くなり、日中の痛みの頻度が落ち着きやすくなったとのお声をいただきました。
効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
事例2:産後から3年続いたケース(30代女性)
第一子の出産後から骨盤の奥の痛みが続いていた方です。産後の骨盤矯正を数か所で受けたものの、育児の負担が続くなかでなかなか変化が出ないまま、3年が経っていました。「どこに行っても施術の直後は少し楽になるが、すぐ戻る」というサイクルを繰り返していました。
話を伺うと、夜中の授乳がまだ続いており、慢性的な睡眠不足の状態でした。また、育児を一人でこなさなければという思いが強く、体が常に張り詰めている感覚があるとのことでした。
施術では、産後の骨盤の状態だけでなく、全身の緊張パターンを整えることを重点においました。また、育児の合間に2〜3分でできるセルフケアをお伝えし、「骨盤を直そうとするより、体をゆるめることを先に」という考え方を共有しました。「痛みが落ち着きやすくなった」「立ち上がりのつらさが変わってきた」とのお話をいただきました。
効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
事例3:どこに行っても変わらなかったケース(50代女性)
5年以上前から骨盤の奥の痛みが続いており、整形外科・整骨院・鍼灸院・リハビリなど複数の場所を訪れてきた方です。「どこに行っても少し楽になるけれど、すぐ戻る。もう変わらないのかもしれない」という気持ちで来院されました。
更年期に入ってから症状が強くなり、ホルモン補充療法を受けながらも骨盤の痛みだけはなかなか落ち着かないという状況でした。画像検査では大きな異常は指摘されていませんでした。
カウンセリングで話を聞いてみると、長年「痛みと闘ってきた」という感覚が強く、体を敵のように感じている様子がありました。痛みがある部分に意識が集中して、余計に体の緊張が抜けにくくなっているパターンが見えました。
施術は、まず「体の緊張をゆるめること」に絞って進めました。骨盤を直そうとするより、全身が少し楽になることを優先しました。「これまで行ったどこよりも、施術後の体の軽さが違う」とのお話をいただき、継続してお越しいただいています。変化のスピードには波がありますが、「体が自分の味方になってきた感じがする」と話してくれた言葉が印象に残っています。
効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
自宅でできるセルフケア
お腹と腰を冷やさない
仙腸関節の周囲の筋肉・靭帯は、冷えると固くなります。夏のエアコン環境では、ウエストのあたりと腰回りを薄いひざ掛けや腹巻きで守ることが有効です。体の芯が冷えると骨盤周囲の血流も落ちるため、内側から温めることが基本です。
仙骨を温める
入浴時や就寝前に、仙骨(お尻の上部の平らな骨のあたり)に温かいタオルや湯たんぽをあてます。局所の血流が上がり、周囲の筋肉がゆるみやすくなります。入浴も、シャワーだけでなく湯船につかる習慣が血流の改善に役立ちます。
梨状筋をゆっくり伸ばす
仰向けに寝て、片膝を反対側の太ももの上に乗せ、両手で太ももを胸のほうに引き寄せます。お尻の深いところが伸びる感覚があればOKです。左右各20〜30秒、力を抜きながら。仙腸関節を圧迫するような強いひねりや急な動作は避けてください。
深呼吸を3回
「また痛くなるかも」という予期不安が出たとき、深呼吸を3回してみてください。吸うより吐くことを意識します。吐く時間を吸う時間の2倍にするイメージで、長く吐くほど副交感神経が入りやすくなり、骨盤周囲の過緊張が少しゆるみやすくなります。
寝る前のスマホを減らす
交感神経を刺激するスマホの使用を、就寝1時間前から控えるだけで、夜の体の緊張が抜けやすくなります。仙腸関節炎が長引いている方は、睡眠の質も回復の大きなカギになります。
症状を責めない
「なぜまだ痛いのか」と自分を責めることも、体の緊張を強めます。症状は敵ではなく、体からのサインです。責めるより、体の声を聞くような気持ちで向き合うことが、意外にも回復の助けになります。「骨盤が痛い=体が頑張りすぎているサインだ」と受け取る視点の転換が、長年変わらなかった方に変化のきっかけをもたらすことがあります。
医療機関との連携について
次のような症状がある場合は、まず整形外科・リウマチ科・内科への受診を優先してください。
安静にしていても強い痛みが続く場合。発熱をともなう場合。下半身のしびれや力が入りにくい感覚がある場合。排便・排尿のコントロールに異変がある場合。急に歩けなくなった場合。
強直性脊椎炎・化膿性仙腸関節炎・リウマチ性関節炎など、免疫や感染症が関わる仙腸関節炎は、整体の対象ではなく医療機関での診断と施術が最優先です。
整体はあくまで、医療機関で適切な診断を受けた後に、体のケアとストレス管理の補完として活用してください。医師・理学療法士・整体師が連携しながら、その人にとって最善の回復の道を探ることが、長引く仙腸関節炎には特に大切です。
FAQ・よくある質問
Q1. 仙腸関節炎は整体で楽になりますか?
整体が直接炎症を消すわけではありませんが、骨盤周囲の慢性的な筋肉の緊張をゆるめ、自律神経の働きが整いやすい体の状態にすることで、痛みが落ち着きやすい土台をつくるサポートはできます。ただし、強い炎症や免疫疾患が関与している場合は医療機関を優先してください。
Q2. 仙腸関節炎がずっと続くのはなぜですか?
骨盤の関節だけでなく、周囲の筋肉・神経・自律神経の慢性緊張パターンが定着しているケースが多いためです。一時的にほぐしても、生活習慣やストレスで同じパターンに戻り続けると、変化が続かなくなります。
Q3. 骨盤ベルトをしているのに、なぜ変わらないのですか?
骨盤ベルトは外側から関節を固定する補助具で、内側の筋肉・靭帯・神経の慢性緊張にはアプローチできません。ベルトが必要なほど骨盤周囲の固摂力が落ちている場合は、その土台を作り直す必要があります。長期使用でむしろ筋肉の萎縮につながるケースもあるため、使用の判断は医師に確認することをお勧めします。
Q4. ブロック注射の効果がすぐ切れます。どうすればいいですか?
ブロック注射は痛みの信号を一時的に遮断するものです。注射が切れると体が慢性緊張パターンに戻るため、また痛みが再現されます。注射を受けながら、体全体の緊張をゆるめるケアを並行することが、変化を長続きさせる近道になることが多くあります。
Q5. 産後から仙腸関節炎が続いています。いつ頃から整体を受けられますか?
産後の体調が安定して、医師から運動や外出の許可が出てからが目安です。産後の骨盤は個人差が大きいため、まずは産婦人科や整形外科に相談した後に整体をご検討ください。産後の体は回復力があるため、適切なタイミングでの介入で変化が出やすいこともあります。
Q6. 仙腸関節炎と坐骨神経痛は何が違うのですか?
坐骨神経痛はお尻から脚の後ろ側への放散痛が特徴で、仙腸関節炎は主に骨盤の奥・お尻の中央から横への局所の痛みが特徴です。ただし、仙腸関節炎が坐骨神経様の痛みを引き起こすこともあり、両者が合併するケースも珍しくありません。正確な鑑別は医師の診断が必要です。
Q7. MRIやX線を撮っても異常が出ません。なぜ痛いのですか?
仙腸関節炎の初期や機能性の仙腸関節痛は、画像に写りにくいケースがあります。慢性的な機能的変化・靭帯の微細な緊張・神経の過敏化は、画像では捉えられないことが多くあります。画像で異常がなくても、痛みは確かに存在します。「異常がない」は「問題がない」とは違います。
Q8. 仙腸関節炎は何年も続くものですか?
放置すると慢性化しやすい症状です。骨盤周囲の筋肉が固くなるほど回復に時間がかかりますが、適切なケアと生活習慣の見直しで体の状態が変化しやすくなることがあります。早めに対処することが、慢性化を防ぐうえで大切です。
Q9. 仙腸関節炎の人が気をつけるべき生活習慣は何ですか?
長時間の同じ姿勢を避ける、お腹・腰を冷やさない、睡眠をしっかり確保する、深呼吸の習慣をつくる、ストレスを溜め込みすぎない、この5点が基本です。激しい運動より、体の緊張を「抜く」ことを優先するイメージです。
Q10. 更年期に入ってから仙腸関節炎が悪化しました。関係ありますか?
大いに関係があります。エストロゲンの低下は靭帯の柔軟性や骨の代謝に影響し、仙腸関節の安定性が低下しやすくなります。更年期後に新たに発症したり、以前から少しあった痛みが急に強まることがあります。東洋医学では腎の精の消耗と深く関連するとみます。
Q11. 仙腸関節炎のために整体に通う頻度はどれくらいが目安ですか?
最初の2〜4週間は週1回程度のペースが変化を感じやすいことが多いです。体の状態に応じて徐々に間隔を広げ、自分でのセルフケアが習慣になってきたら、月に1〜2回のメンテナンスに移行することを目標にします。
Q12. 仙腸関節炎で運動はしても良いですか?
急性期や炎症が強い時期はまず安静にして医療機関に相談してください。落ち着いてきたら、ウォーキング・水中歩行・軽いストレッチなど、体に無理のかからない動きから始めることが適切です。強いひねりや衝撃を伴う運動は悪化させる可能性があるため、医師・施術者に相談しながら進めてください。
Q13. 仙腸関節炎と診断されていないのに来院できますか?
はい、もちろんです。「骨盤の奥が痛い」「お尻の骨のあたりが痛い」「立ち上がるときに骨盤がずれる感じがする」という状態でも、まずカウンセリングからお話を伺えます。ただし、受診していない場合は、当院から適切な医療機関を受診するようお伝えすることもあります。
Q14. 骨盤底障害と仙腸関節炎は関係ありますか?
深い関係があります。骨盤底筋群は、仙腸関節の安定性を支える重要な筋群の一つです。産後・更年期に骨盤底機能が低下すると、仙腸関節への余分な負荷が増えることがあります。逆に仙腸関節の慢性痛が骨盤底の緊張につながることもあるため、両者を分けて考えず、骨盤全体として見るアプローチが有効です。
まとめ
福岡市で仙腸関節炎や骨盤の奥の慢性痛に悩んでいる方、そして骨盤ベルト・矯正・ブロック注射を繰り返してきたけれどなかなか変わらない、という方へ。
仙腸関節炎は、骨盤の関節だけの問題ではありません。体全体の慢性緊張パターン、自律神経のアクセルとブレーキの乱れ、腎・肝・脾という体の根本的な回復力の低下が深くかかわっています。
骨盤を直そうとするより、体の緊張を抜くことから始める。その小さな変化が、長年変わらなかった仙腸関節の状態を少しずつ動かしていきます。
病院では異常がないと言われたけれど、骨盤の奥の痛みが続いている方、どこに行っても変わらなかったという方、一人で抱え込まずにまず体の緊張をゆるめることから始めてみてください。
カウンセリング・施術・セルフケアをセットで、回復しやすい土台を一緒につくっていきます。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたかせいじ)
常若整骨院 院長(福岡市早良区・西新駅から徒歩圏)
施術歴20年、延べ25,000名の施術実績。整体・気功を軸に、心と体の両面から慢性症状にアプローチ。自律神経・東洋医学・カウンセリングを組み合わせた施術スタイルで、他院で変わらなかった慢性症状の方が多く来院されています。
「骨盤の形を変えるより、体の緊張が抜けるほうが先」という考えのもと、その人の生き方・ストレス・生活習慣まで含めてカウンセリングで掘り下げ、回復の土台をつくることを大切にしています。
仙腸関節炎・産後骨盤痛・更年期の骨盤痛・慢性腰痛をはじめ、自律神経失調症・不眠・パニック障害・過敏性腸症候群など、幅広い慢性症状に対応。医療機関での診断を前提に、整体は医療の補完として回復しやすい体の状態をつくるサポートに徹しています。











