仙腸関節炎が長引く本当の理由|MRI・X線に写らない骨盤の痛みと整体|福岡市・常若整骨院
なぜ仙腸関節炎は長引くのか
長引く仙腸関節炎には、骨盤という場所の特殊性が深く関わっています。
仙腸関節とは、骨盤の中心にある仙骨と、その左右を抱えるように位置する腸骨をつなぐ関節のことです。わずかな動き(2〜3ミリ程度)しかしない関節ですが、全身の体重を下半身へ伝える要の場所であり、立つ・歩く・座るという日常のすべての動作に関わっています。
この関節に慢性的な炎症や機能不全が起きると、腰からお尻にかけての鈍い痛み、長時間座った後に立ち上がるときのこわばり、片側だけに出る腰の重さ、股関節のあたりに走る違和感といった症状が現れます。ひどいときは大腿部のしびれを伴うこともあり、「坐骨神経痛ではないか」と整形外科を受診しても画像検査では問題が見当たらない、というケースが少なくありません。
仙腸関節炎が画像検査で写りにくい理由があります。レントゲンやMRIは静止した状態の骨や軟部組織の形を撮影するものです。しかし仙腸関節の障害の多くは「わずかな動きの機能不全」であり、関節がきちんと動けているかどうかは静止画では判断できません。関節の動きにくさ、靭帯のわずかな炎症、骨盤周囲の筋肉の左右アンバランスといった問題は、画像には映り込まないのです。
だからこそ、「検査で異常なし」と言われても実際の痛みは続く、という状況が起きやすくなっています。腰痛全体の中でも仙腸関節炎が原因のものは一定数あるとされていますが、診断基準が明確でないこともあり、見落とされやすい疾患の一つです。
痛みが慢性化するもう一つの背景に、骨盤周囲の筋肉と靭帯への負荷の偏りがあります。同じ側の肩にいつもカバンを掛ける、座るときに足を組む、長時間同じ姿勢でパソコンに向かうといった習慣が積み重なると、仙腸関節の片側だけに繰り返しストレスがかかります。急性期に安静にして一時的に痛みが引いても、生活習慣が変わらなければ同じ負荷がかかり続け、靭帯や関節包に慢性炎症が残ります。慢性化した炎症は組織の線維化を進め、さらに動きにくさと痛みを引き起こす、という悪循環に入ってしまいます。
産後と更年期に症状が出やすい理由も見逃せません。女性の場合、妊娠中から出産にかけてリラキシンというホルモンが分泌され、骨盤周囲の靭帯が緩みます。この変化は出産を助けるための自然な働きですが、産後にその靭帯が十分に引き締まらないまま動き回っていると、仙腸関節への負荷が大きくなります。更年期以降はエストロゲンの低下によって靭帯・軟骨・骨の強度が全体的に下がり、若い頃は問題なかった姿勢のクセが仙腸関節炎として現れてくることがあります。
夏のエアコン環境も症状を悪化させる一因です。室内の冷気が骨盤・腰まわりに直接当たり続けると、血流が低下して筋肉と靭帯が硬直します。特に座ったまま冷房の風を受け続けるデスクワークの環境は、仙腸関節に最も負担のかかる姿勢を長時間続けることと、冷えによる血流低下が重なるという、最悪の組み合わせになりやすいのです。
仙腸関節炎と整体の関係
整体が仙腸関節炎に対してできることと、できないことをはっきりさせておきます。
整体は医療行為ではなく、仙腸関節炎を医学的に診断したり、炎症を薬で抑えたりする場所ではありません。急性期の強い炎症、強直性脊椎炎などの自己免疫疾患が背景にある場合は、まず医療機関での診察が優先です。
整体がサポートできるのは、「骨盤周囲の筋肉の緊張をゆるめ、体重のかかり方を整え、自律神経の働きが安定しやすい体の状態をつくること」です。仙腸関節そのものをピンポイントで操作するというよりも、骨盤に偏った負荷をかけている全身のパターン(筋肉の緊張・姿勢の偏り・呼吸の浅さ)を整え、関節にかかるストレスを減らしていくイメージです。
また、仙腸関節炎が長引く方の多くは、体全体の回復力が落ちている状態にあります。眠りが浅い、消化がうまくいかない、疲れが取れないといった不調を同時に抱えていることが少なくありません。その体の底力を取り戻すアプローチが、仙腸関節の回復にも影響を及ぼします。
施術の後には体の変化(骨盤周囲の重さ・緊張感・歩き方の感覚の違いなど)を一緒に確認しながら進めていきます。一度の施術で劇的に変わるというよりも、体のパターンが少しずつ整い、日常の負担を受けにくい体になっていくプロセスをサポートするのが整体の役割です。
福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと
骨盤や仙腸関節の痛みを診てくれる整体院を探すとき、いくつかの点を確認しておくと選びやすくなります。
まず、問診の丁寧さを見てください。仙腸関節炎の痛みは姿勢・生活習慣・ホルモンバランス・ストレスなど複数の要因が絡み合っています。初回にしっかりとした聞き取りがない施術院では、表面の痛みだけを対処して終わりになりやすいです。症状の出た時期・きっかけ・日常の姿勢のクセ・産後や更年期との関連まで含めて聞いてくれる院が安心です。
次に、施術が全身を診る視点で行われているかどうかも大切です。骨盤の痛みの原因が骨盤だけにあることは少なく、足首・股関節・横隔膜・肩まわりのバランスも深く関わっています。骨盤を局所的に「矯正する」という表現より、全身の筋肉・神経・呼吸のバランスを整えるという視点で施術できるかどうかを確認してください。
セルフケアの指導があるかどうかも重要です。施術でいったん楽になっても、日常の姿勢・冷え対策・ストレス管理が変わらなければ同じ状態に戻りやすいです。自宅でできるケアをきちんと伝えてくれる院かどうかを見てください。
最後に、医療機関との連携に対して開かれた姿勢があるかどうかも確認してください。整体だけで解決できる問題ではない場合に、受診を勧めてくれる院の方が信頼できます。
常若整骨院の考え方
常若整骨院では、仙腸関節炎に対して「体の緊張のパターン全体を整える」という視点で関わります。
施術の前に、どんな姿勢のクセがあるか、生活のどんな場面で痛みが出るか、睡眠・消化・気分の状態はどうかを丁寧にうかがいます。このカウンセリングの内容が、体のどこに緊張が積み重なっているかを読み取るための大切な素材になります。骨盤の痛みだけを訴えていても、話を深く聞いていくうちに、仕事のストレス・睡眠の質・食事の偏りといった生活全体の問題が浮かび上がってくることがよくあります。
骨盤まわりの施術では、仙腸関節に直接触れるというよりも、骨盤周囲の筋肉・横隔膜・股関節・足首などの緊張をゆるめながら、体重のかかり方がなるべく均等になるよう整えていきます。気功を用いて体の力が抜けやすい状態にすることも、このプロセスの一部です。力みのある状態で骨盤を動かしても、筋肉の緊張が元に戻ろうとするため変化が定着しにくいのです。
施術後には、日常生活で気をつけていただけることをお伝えします。特に冷え対策・座り方のクセ・骨盤に負荷をかける動作パターンの修正は、回復を継続するうえで大きな意味を持ちます。「整体に来たときだけ楽になる」ではなく、「自分で整える力をつけていく」という方向に向かうことを大切にしています。
東洋医学から見た仙腸関節炎
東洋医学の視点では、仙腸関節炎が長引く方には「腎の衰え・肝の血の不足・脾の働きの弱り」という三臓の問題が重なっているケースが多くあります。
まず腎についてです。東洋医学における「腎」とは、体の根本的な生命力・回復力を蓄える臓と考えます。腎は回復力の貯金のようなイメージで、ここが充実しているほど骨格・関節・靭帯が回復しやすい体になります。「腎は骨を主る」という原則があり、骨や関節を支える力、靭帯の強度、軟骨の弾力は腎の精気(じんのせいき)と呼ばれるエネルギーと深く関わっています。また「腰は腎の府」とも言われ、骨盤・腰まわりの底力は腎の充実度を反映します。産後や更年期に腰骨盤まわりが弱りやすいのは、出産や加齢によって腎の精気が消耗しやすくなるからです。
腎が弱ると、仙腸関節を支える靭帯・骨格の回復力が落ち、わずかな負荷でも痛みが出やすくなります。また体の芯から冷えやすくなるため、エアコンの冷気が直接ダメージとなって骨盤周囲の血流を低下させます。更年期以降に「以前は平気だった姿勢が急に骨盤に響くようになった」という方は、腎精の消耗が背景にあることが多いのです。
次に肝についてです。「肝は筋を主る」という原則があります。ここでいう「筋」とは筋肉だけでなく、腱・靭帯・関節を包む組織全体を指します。骨盤周囲の数十にも及ぶ靭帯の柔軟性と弾力は、肝の血(かんのち)が十分に行き渡っているかどうかによって変わってきます。
ストレスが続いたり、睡眠が不足したり、月経で血を消耗したりすると、肝の血が不足してきます。すると骨盤周囲の靭帯が硬くなり、仙腸関節の微小な動きがさらに制限されます。夜になると仙腸関節まわりがこわばりやすくなるのも、夜間に血が肝に戻って末梢の靭帯への血の供給が一時的に減ることと関係しています。「眠れない夜が続くと骨盤の痛みが強くなる」という方は、肝の血の消耗が影響している可能性があります。
そして脾についてです。「脾」は東洋医学において食べたものを気血(エネルギーと栄養)に変換する工場のような役割を持っています。脾の力が弱ると、骨盤周囲の組織の修復に必要な栄養が十分に届かなくなります。特に消化が弱い方、食欲がない方、冷たいものをよく飲む方は脾が消耗しやすく、回復力が全体的に落ちていることが多いです。胃腸が弱いと感じていて骨盤の痛みが長引いている方は、脾の建て直しを同時に行うことが大切になります。
具体的なツボとして参考になるのは次の場所です。
太渓(たいけい)は、内くるぶしの頂点とアキレス腱の間のくぼみにあります。腎の気を補うツボで、腰骨盤の回復力を支えたいときに活用されます。冷えやすい足首まわりを一緒に温めることで効果が出やすくなります。
三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわにあります。肝・脾・腎の三臓が交わる場所で、骨盤まわりの血の巡りを整えるのに役立つとされています。産後・更年期の方に特に意識してほしいツボです。
腎兪(じんゆ)は、腰のウエストラインあたりで背骨から指2本外側に位置します。腎を温め骨盤の底から体を支える力を育てるとされるツボです。産後や更年期に骨盤の痛みを感じる方は、この場所を温める(カイロや蒸しタオルを当てるなど)のも回復のサポートになります。
自律神経と仙腸関節炎の関係
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経系です。アクセルに当たる交感神経が常に優位な状態では、全身の筋肉が緊張し続けます。
仙腸関節の慢性的な痛みがある方の体を診ると、骨盤周囲の筋肉だけでなく、お腹まわり・横隔膜・肩まわり全体が硬くなっているケースが多くあります。これは仙腸関節の問題が全身の筋肉緊張を生んでいる面もありますが、逆に全身の慢性緊張が仙腸関節への負荷を増やしているという面もあります。
慢性的なストレス・睡眠の乱れ・スマートフォンによる過剰な情報入力・食事の不規則さ、こういった要素が続くと交感神経が優位な状態から抜けられなくなります。するとブレーキ(副交感神経)がうまく働かず、体が十分に回復できません。骨盤周囲の筋肉は常にわずかに緊張したままで、仙腸関節にじわじわと負荷をかけ続けます。
仙腸関節炎の症状が「疲れたとき・ストレスが重なったとき・睡眠不足が続いたとき」に強くなるという方は、自律神経の乱れが背景にある可能性が高いです。骨盤だけを整えるアプローチでは不十分で、体全体の回復力を取り戻すことが必要になります。
特に産後の方は、睡眠不足・ホルモン変化・育児の緊張・腱鞘炎など体のあちこちへのダメージが重なっており、自律神経が長期にわたって疲弊していることが多いです。更年期の方も、ホルモン変動による自律神経の不安定さが、骨盤まわりの痛みに拍車をかけていることがあります。
実際に多いケース
長年の臨床で実際に多く見られるケースをいくつかご紹介します。
一つ目は、デスクワーク中心の生活で片側の腰からお尻にかけての違和感が続くケースです。同じ足を組む、カバンをいつも同じ側に持つ、骨盤が傾いた姿勢で長時間座るという積み重ねで、仙腸関節の片側だけに繰り返し負荷がかかり続けています。朝よりも午後から夕方にかけて痛みが増すことが多く、仕事が終わる頃には腰が重くてたまらなくなるという方が多いです。
二つ目は、産後1年を過ぎても骨盤の奥にある違和感が取れないケースです。「産後骨盤矯正を受けたが半年で元に戻った」という方も少なくありません。骨盤の形を一時的に整えるだけでは、支える靭帯と筋肉の回復力そのものが追いついていないことがあります。授乳中の前傾姿勢・抱っこ・睡眠不足という産後特有の負荷が続く中で、体の回復が間に合っていないケースです。
三つ目は、更年期前後から骨盤まわりが重だるく、長時間歩いたり立ち仕事が続いたりすると骨盤の奥が痛くなるケースです。若い頃に感じなかった骨盤の弱さを感じるようになったのは、エストロゲンの低下とともに腎の精気が落ちてきていることと重なっています。「整形外科でレントゲンを撮っても異常なし、シップだけもらった」という経験を持つ方が多いです。
四つ目は、精神的なストレスが重なった時期に仙腸関節炎の症状が強くなるケースです。「大事な仕事が続いた」「家族の問題があった」「引越しや転職があった」という時期に痛みが出た、という方の話を聞くことが多くあります。ストレスによる自律神経の乱れが骨盤周囲の緊張と血流低下を生むからです。
3人の事例
施術でご縁をいただいた方のケースを、ご本人の許可をいただいた形でご紹介します。なお、効果には個人差があり、以下は特定の回復を保証するものではありません。
一人目は、34歳のシステムエンジニアの女性です。フルリモートになってから一日中座りっぱなしになり、半年ほどで左のお尻から腰にかけての鈍い痛みが出始めました。整形外科でレントゲンを撮ってもらいましたが「異常なし」と言われ、湿布と消炎鎮痛剤で様子を見ていました。一時的に楽になっても仕事が忙しくなるとまた痛みが出るという繰り返しが続いていました。
施術では骨盤まわりの筋肉の左右差と、横隔膜の緊張を整えることを中心に進めました。座り方のクセ(右に重心が偏っていた)と、画面を見るときに顎が前に出る姿勢の修正を丁寧にお伝えしました。施術後、「骨盤がほぐれた感じがして、呼吸が深くなった」とおっしゃっていました。しばらく通う中で夜の睡眠も深くなり、骨盤の重さを感じる頻度が以前より少なくなってきたとのことでした。効果には個人差があり、同じような変化を保証するものではありません。
二人目は、産後1年3か月の31歳の女性です。出産後から骨盤の右側に違和感があり、子育てで立ち続ける時間が増えると症状が強くなっていました。産後骨盤矯正も2か月ほど受けたものの、「施術のたびに楽になるが戻ってくる」という状況でした。
体全体を見ると、出産と授乳で腎の精気が消耗しており、骨盤まわりを支える底力が落ちている状態でした。施術では骨盤周囲の緊張を整えながら、腎を補うツボへのアプローチも行いました。また「育児のなかでできる範囲で骨盤周囲を冷やさないこと」「抱っこのときに骨盤を傾けすぎない工夫」をお伝えしました。繰り返し通う中で、「以前は抱っこが20分でつらかったのが、1時間抱っこできるようになってきた」と笑顔で話してくださいました。効果には個人差があり、同じような変化を保証するものではありません。
三人目は、51歳のパート勤務の女性です。50歳を過ぎたあたりから骨盤の奥がじんじんと重く、立ち仕事が続くとお尻から大腿にかけて張るような不快感が出るようになりました。MRIでも異常なしと言われ、「年齢のせいかな」と諦めかけていた方でした。
更年期によるホルモン変化で靭帯の弾力が落ちていること、腎陽虚(じんようきょ)といって体の芯の温かさを生む力が弱まっていることが背景にあると見立てました。夏もエアコンで骨盤まわりが冷えやすい生活をされていたため、まず冷え対策と腎を温めるツボへのアプローチを中心に進めました。「どこに行っても同じだと思っていたが、体全体で見てもらえて話が腑に落ちた」とおっしゃっていただきました。しばらく通う中で骨盤の重だるさが以前より軽くなり、立ち仕事後の疲れも少しずつ変わってきたとのことでした。効果には個人差があり、同じような変化を保証するものではありません。
自宅でできるセルフケア
仙腸関節炎のセルフケアは、強い刺激や無理なストレッチを避け、体をやさしく整えることを基本にしてください。急性期(痛みがかなり強い時期)は安静を優先し、以下のセルフケアは痛みが落ち着いてきた段階から行ってください。
骨盤まわりを冷やさないことが基本です。夏のエアコン環境では、骨盤・腰まわりにブランケットを巻く、腹巻きを活用する、エアコンの風が直接当たらない席を選ぶといった工夫が回復を助けます。夏でもお風呂は湯船に浸かることをおすすめします。シャワーだけでは骨盤周囲の深部まで温まりにくいためです。
座るときの姿勢を意識してください。骨盤を傾けて座る姿勢(片側への体重移動・足を組む・猫背で骨盤が後ろに倒れる)が続くと、仙腸関節に偏った負荷がかかります。両方の坐骨(お尻の骨)が椅子の座面に均等に触れているかを時々確認するだけでも違いがあります。
仰向けで膝を立て、両膝を軽く左右に10〜15回ゆっくり揺らすストレッチがあります。骨盤周囲をやさしく動かすことで、仙腸関節まわりの筋肉の緊張を少しほぐせます。強い痛みが出る場合はすぐに中止してください。
深呼吸を1日数回意識して行うことも助けになります。息を吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹が凹むお腹式の呼吸は、横隔膜と骨盤底筋の緊張をゆるめ、自律神経のブレーキ(副交感神経)を働かせやすくします。
脚を組む・カバンをいつも同じ側に持つ・同じ姿勢で長時間過ごすという習慣を少しずつ変えていくことが、再発を防ぐための最も大切なセルフケアです。1時間に一度は立ち上がり、骨盤まわりを軽く動かす習慣をつけてください。
寝る前のスマートフォンを控えることも見逃しにくいポイントです。交感神経を夜まで刺激し続けることは、骨盤周囲の筋肉が夜間に緩まない状態をつくります。夜は早めに部屋を暗くし、体が回復モードに入れる時間を確保してください。
医療機関との連携について
以下の状態にある場合は、整体の前に医療機関を受診することを強くおすすめします。
痛みが急に強くなった・発熱が伴う・体重が急減している・がんの既往歴がある・強い麻痺や排尿・排便の障害がある、こういった状態はレッドフラグと呼ばれる注意すべきサインです。感染症や骨の病気など、整体での対応の範囲を超えた原因が背景にある場合があります。
強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん)という自己免疫疾患が仙腸関節炎の背景にある場合もあります。若い男性で朝に骨盤・腰の強いこわばりがある・夜間に安静にしていると逆に痛みが増す、という特徴がある場合は整形外科かリウマチ科への受診を優先してください。
整体は医療行為ではなく、診断や薬の処方を行う場所ではありません。整形外科・ペインクリニック・婦人科などでの診察と並行して、体の緊張をゆるめ回復力を整えるサポートとして活用することが、最も安全で効果的な使い方です。必要に応じて医師・理学療法士などと連携しながら進めていきます。
よくあるご質問
仙腸関節炎と坐骨神経痛はどう違いますか?
仙腸関節炎は骨盤の仙腸関節の機能不全・炎症が原因で、腰からお尻・大腿にかけての痛みが出ます。坐骨神経痛は坐骨神経が椎間板ヘルニアや筋肉の圧迫を受けることで起きる神経性の痛みです。症状が似ていて区別が難しい場合もあり、専門家による評価が必要です。整体では体全体の緊張のパターンを整えることが、どちらの症状にも共通して役立ちます。
MRIやレントゲンで異常なしと言われましたが、整体を受けても意味がありますか?
意味があります。仙腸関節の機能不全は画像に写りにくいため、「異常なし」は「問題がない」ということではありません。整体は骨盤周囲の筋肉・靭帯の緊張のパターンを整え、自律神経が安定しやすい体の状態をサポートします。画像では見えない「動きの機能」と「回復力の低下」に働きかけることが得意な分野です。
産後いつから整体を受けられますか?
一般的には産後6〜8週間以降、出産時の傷が十分に癒えてから受けることが多いです。ただし個人差があるため、まず産婦人科の担当医にご確認ください。仙腸関節の違和感は産後早めに対処する方が慢性化しにくいので、体の準備ができたら早めにご相談いただくことをおすすめします。
更年期に骨盤の痛みが出やすいのはなぜですか?
更年期はエストロゲン(女性ホルモン)が急激に低下し、靭帯・軟骨・骨の強度が全体的に落ちていきます。東洋医学的には腎の精気が消耗する時期と重なります。若い頃は問題にならなかった姿勢のクセ・骨盤への負荷が、靭帯の柔軟性が落ちることで症状として出やすくなります。
夏にエアコンで仙腸関節炎が悪化しやすいのはなぜですか?
エアコンの冷気が骨盤・腰まわりに直接当たると、血流が低下して筋肉と靭帯が硬直します。体の芯が冷えると、仙腸関節を支える骨盤底の筋肉が硬くなりやすく、関節への偏った負荷が増します。腹巻き・ブランケット・エアコン風向きの工夫で骨盤まわりの冷えを防ぐことが症状の安定につながります。
整形外科でのケアと整体は並行して受けられますか?
受けられます。整形外科では診断・画像評価・薬の処方・ブロック注射などを行い、整体では体の緊張を整え回復しやすい状態をつくります。役割が異なるため、両方を並行して活用することが仙腸関節炎の慢性的な症状に対する包括的なケアになります。整体を受ける際は整形外科の主治医にも話しておくと安心です。
座るとお尻から腰に痛みが走るのは仙腸関節炎ですか?
座位での痛みは仙腸関節炎の典型的なサインの一つです。特に長時間座った後に立ち上がるときのこわばり・片側のお尻から腰に走る痛み・椅子の上で体重をかける側によって痛みが変わる、という特徴があります。ただし椎間板ヘルニア・梨状筋症候群など他の原因でも似た症状が出るため、専門家による評価をおすすめします。
仙腸関節炎に特に役立つセルフケアのツボはありますか?
太渓(たいけい、内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ)と腎兪(じんゆ、腰のウエストラインで背骨から指2本外側)を温める(カイロや蒸しタオルを当てる)ことが骨盤の底力を支えます。三陰交(さんいんこう、内くるぶしから指4本上のすねの骨後ろぎわ)は骨盤まわりの血の巡りを整えるとされます。強い刺激は避け、温める・軽く押さえる程度にしてください。
痛みが強い時期も整体を受けた方がいいですか?
急性期(動くのがつらいほど痛みが強い状態)は、まず安静にして医療機関を受診することを優先してください。強い炎症があるときに骨盤周囲を強く動かすと悪化することがあります。整体は痛みが一段落して亜急性期・慢性期に移った段階から、体の緊張を整えるサポートとして活用するのが適切です。
仙腸関節炎はどれくらいで楽になりますか?
個人差があり、一概には言えません。生活習慣の改善(座り方・冷え対策・ストレス管理)が同時にできている方は変化を感じやすい傾向があります。慢性化が長期間に及んでいる場合や体の回復力が全体的に落ちている場合は、体の底力が戻るまで時間が必要なことがあります。整体はあくまで回復しやすい体の状態をサポートするものです。
子育て中で長時間授乳をしていますが、仙腸関節炎が悪化しますか?
長時間の授乳姿勢は骨盤に負担をかけやすいです。骨盤が後ろに倒れた状態で座り続けることで仙腸関節への偏った負荷が増します。授乳クッションを使って骨盤をなるべく垂直に保つこと・授乳後に少し立って骨盤まわりを動かすこと・抱き方を左右交互にすることが助けになります。産後の骨盤の回復力が落ちている時期は特に意識してみてください。
整体は何回受けると効果が出ますか?
これも個人差があります。慢性的な仙腸関節炎の場合は1回で完全に変わるよりも、何回かかけて体のパターンを整えていくことが多いです。施術を受けながらセルフケアや生活習慣の改善が重なると、変化を感じやすくなります。まず初回の施術での体の感触を確認してから、継続するかどうかをご自身で判断してください。回数の約束よりも、体の変化を一緒に確認しながら進めることを大切にしています。
まとめ
福岡市で仙腸関節炎に悩んでいる方へ。病院では異常がないと言われたけれど、骨盤の奥の痛みや重さがなかなか消えない方へ。
「検査で異常なし」と言われながら骨盤の奥の痛みが続いている。注射や湿布でいったん楽になっても同じ状態に戻る。産後から骨盤がどこか不安定な感じがする。更年期頃から骨盤まわりが重だるくなってきた。こういった経験をされてきた方は、構造の問題だけでなく体の回復力そのものが落ちているという視点から整える必要があるかもしれません。
仙腸関節炎が長引く背景には、腎の精気の消耗・肝の血の不足・脾の力の低下が絡み合っています。骨盤という体の中心を支える力が底から下がっているとき、一時的な対処で表面を整えるだけでは限界があります。
一人で抱え込まず、まず骨盤まわりの緊張をゆるめることから始めてみてください。カウンセリング・施術・セルフケアをセットで、体の底力を取り戻す道のりをご一緒にサポートします。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)。福岡市早良区・常若整骨院 院長。施術歴20年、延べ25,000名の施術実績。整体・気功・東洋医学を軸に、症状の背景にある体の緊張パターンと体質を読み、患者さんが自分で健康の舵を取れるよう伴走することをモットーとしています。骨盤・腰まわりの慢性的な不調、自律神経の乱れ、産後・更年期の体の変化など、病院では異常なしと言われながら不調が続く方のご相談を多くいただいています。











