変形性股関節症が長引く本当の理由|福岡市・常若整骨院の整体と東洋医学アプローチ

結論から言うと、変形性股関節症が長引く方の多くは、股関節の軟骨摩耗という局所の問題だけでなく、腎精の消耗・腸内環境の乱れ・自律神経の慢性的な過緊張という体全体の体質的な問題が背景にあります。

この記事で伝えたいことは3点です。1つ目は、腎(じん)の力が落ちて骨と関節を支える力が弱まっていること。2つ目は、腸内細菌のバランスの乱れが関節の慢性炎症を長引かせていること(Gut-Joint Axis)。3つ目は、痛みが長期化する中で神経が過敏になり(中枢性感作)、回復しにくい体になっていること。

整体にできることは、すり減った軟骨を元に戻すことではありません。体全体の緊張をゆるめ、自律神経のバランスを整えやすい状態をつくり、回復しやすい体の土台をサポートすることです。

この記事は「整形外科で変形性股関節症と診断され、経過観察やリハビリ中だが変化を感じられていない方」「股関節の痛みを体の内側から整えてみたい方」「福岡市で整体を探している方」に向けて書いています。

なぜ変形性股関節症は長引くのですか

結論として、変形性股関節症が長引く方には、股関節の局所的な変化だけでなく、体全体が「回復しにくい状態」に陥っているケースが非常に多くあります。

整形外科では「関節軟骨が摩耗しているから」という説明を受けることが多いのですが、施術の現場で感じるのは、画像で確認できる軟骨の摩耗の程度と、患者さんが感じる痛みの強さや生活への影響が、必ずしも一致しないということです。同じ程度の変形があっても、ほとんど気にならない人もいれば、日常動作がかなり制限されている人もいます。

この差を生む要因のひとつが「中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)」という状態です。痛みが半年、1年、数年と続くと、脊髄や脳の痛みを感知するシステムが過敏になり、本来の組織のダメージ以上に痛みを感じるようになります。痛みが続くほど神経が敏感になり、さらに痛みを感じやすくなる、という悪循環が生まれます。「安静にしていても痛む」「少し動いただけで痛む」という状態の背景に、このメカニズムが働いていることがあります。

もうひとつ注目されているのが、腸と関節の深い関係です。2025年以降の研究では、腸内細菌のバランスの乱れが変形性関節症の進行に関与することが明らかになってきました(Gut-Joint Axisと呼ばれます)。腸内細菌が産生する代謝物(短鎖脂肪酸・胆汁酸など)のバランスが崩れると、低レベルの慢性炎症が全身に広がり、関節内の炎症を長引かせます。股関節痛に悩む方の中に「お腹の調子が悪い」「便通が不安定」「食後に腹部が張る」という状態を持っている方が多いのは、偶然ではないかもしれません。

さらに、自律神経の慢性的な過緊張も大きな要因です。慢性の痛みが続くと、交感神経(アクセル)が常に優位な状態になります。交感神経優位の状態では末梢の血管が収縮し、股関節まわりへの血流が落ちます。回復に必要な酸素や栄養素が届きにくくなり、ゆるむべき筋肉がゆるまなくなります。痛みが緊張を生み、緊張がさらに痛みを増す、という悪循環が成立します。

立秋を過ぎたこの時期は特に注意が必要です。秋の乾燥(燥邪)は肺気を消耗させます。東洋医学では、肺は皮毛(ひもう)と全身の筋・靭帯の外層を養う働きを持つため、秋から冬にかけて関節まわりの組織が乾燥しやすくなります。長年の不調に秋の体質変化が重なって、この時期に痛みが増す方が少なくありません。

変形性股関節症とはどのような状態ですか

変形性股関節症とは、股関節の関節軟骨が徐々に摩耗・変性し、骨と骨が近づくことで痛み・可動域の制限・歩行困難などが生じる状態です。

日本では「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)」という、生まれつき股関節のソケット部分(臼蓋)が浅い体質が原因になることが多く、特に女性に多く見られます。西洋では加齢・体重過多が主因の「一次性」が多いのに対し、日本では臼蓋形成不全が基礎にある「二次性」の割合が高いとされています。

典型的な症状は鼠径部(足の付け根のそけい部)の痛みで、長時間歩いた後や立ち上がりの際に出やすいのが特徴です。進行とともに、階段の昇降が困難になり、正座や脚の開閉が制限されます。末期では骨と骨が直接接触して激しい痛みが出るようになり、脚の長さに左右差が出ることもあります。

日本整形外科学会のガイドラインでは、初期・中期の段階では「保存療法」(運動療法・体重管理・鎮痛薬・装具など)が推奨されており、末期の重症例では人工股関節置換術が選択されます。

整体の立場では、すり減った軟骨を再生することや骨の変形を元に戻すことはできません。ただ、軟骨の摩耗の程度に関係なく悪化しやすい「筋緊張の蓄積」「自律神経の慢性過緊張」「腸の慢性炎症」という体質的な問題を整えることで、痛みの悪循環を変えていくサポートができます。

変形性股関節症に整体はどこまでできますか

整体にできることと、できないことを、はっきりお伝えします。

整体ができることとして、「股関節まわりの慢性的な筋緊張(腸腰筋・内転筋・腰背筋群)をゆるめること」「自律神経のアクセルとブレーキのバランスを整えやすい体の状態をつくること」「腸の動きと関節の炎症の連動を意識した全身の体質アプローチ」「回復しやすい体の土台づくりのサポート」があります。

整体にできないこととして、「すり減った軟骨を再生すること」「骨の変形そのものを矯正すること」「手術の代替になること」「医学的な診断や薬の処方を行うこと」があります。

重要なのは、変形性股関節症には「段階」があるということです。初期・中期の段階であれば、体質的なケアが日常生活の質を大きく変える可能性があります。一方、末期で骨と骨が直接接触し強い疼痛が続いている状態、歩行が著しく困難な状態は、まず整形外科に相談することが先です。

「病院では経過観察と言われたが、体をもう少し整えてみたい」という段階の方が、整体との組み合わせでよい変化を得られるケースが多いというのが、現場での実感です。術前に体の状態を整えておくことで、術後の回復がスムーズになることもあります。

福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか

福岡市には多くの整体院・整骨院があります。変形性股関節症でお探しの場合、次の点を参考にしてみてください。

まず「股関節の痛みだけを診るのか、体全体を診るのか」という視点が大切です。変形性股関節症が長引く場合、股関節の局所だけでなく全身の体質的な消耗が背景にあることが多くあります。「股関節専門」という院でも、局所の施術だけで終わるのか、体全体の状態を見てくれるのかは、実際に話を聞いてみないとわかりません。

次に「初回のカウンセリングが丁寧かどうか」という点も確認してください。体のことを深く聞いてくれる院では、痛みの背景にある生活習慣・睡眠・腸の状態・感情の消耗なども確認してもらえます。これが体質的なアプローチにつながります。

また「医療機関との連携スタンスが明確かどうか」も見てください。整体はあくまで医療の補完的な役割です。「手術しないでここだけで全部変えられます」「絶対に良くなります」という断言をする院には注意が必要です。

常若整骨院は福岡市早良区の西新駅から徒歩圏にある院です。初回のカウンセリングと可動域検査で体全体の状態を確認し、股関節の不調を体質的な側面から読み解くアプローチをとっています。必要に応じて整形外科への受診をお勧めすることも、当院の方針のひとつです。

常若整骨院では変形性股関節症をどう見ていますか

当院で変形性股関節症の方を診るとき、「股関節は体全体の緊張と消耗が集まって出やすい場所である」という観点を大切にしています。

延べ25,000名を施術してきた経験の中で気づいたのは、変形性股関節症の方の多くに共通した体の状態があるということです。

触れたときに感じる典型的な所見があります。腸腰筋(ちょうようきん)が硬く固まっていることです。腸腰筋とは、腰椎の前面から股関節の内側にかけてついている大きな筋肉で、体の深部で背骨と脚を結んでいます。長期間にわたる疲労・ストレス・睡眠不足が続くと、この筋肉が慢性的に固まり、股関節全体の動きを制限します。硬くなった腸腰筋は触れると「板のように動かない」感触があります。

内転筋(太ももの内側の筋肉群)も慢性的に緊張しており、股関節を内側に引き寄せ続けています。これが関節面への不均一な圧迫を増やし、痛みの悪循環につながります。

カウンセリングでは必ず確認する内容があります。「腹部の状態(便通・腸のはり)」「夜間の痛みの有無と出る時間帯」「冷えの場所と出方」「睡眠の深さ」「長年感情を抑えてきたかどうか」の5点です。これらは東洋医学の証(しょう)を見立てるうえで重要な手がかりになります。変形性股関節症の方の多くに腸の不調と冷えが重なっていることは、Gut-Joint Axisの観点からも現代的な根拠があります。

施術では、股関節まわりだけでなく腰・腹部・横隔膜まわりの緊張を整え、全身の気血の巡りが通りやすい状態を目指します。1回の施術でどこまで変わるかを体感していただき、セルフケアの方法も合わせてお伝えします。

東洋医学では変形性股関節症をどう考えるのですか

東洋医学では「腎は骨を主る(じんはほねをつかさどる)」という考え方があります。

腎(じん)とは、東洋医学において「体の根本的な回復力・生命エネルギーの貯金箱」のような働きをする臓器です。骨・歯・関節の強さは、腎精(じんせい)という腎に蓄えられた生命エネルギーの充実度に比例すると考えます。年齢とともに腎精は少しずつ消耗しますが、慢性的な過労・睡眠不足・過度なストレス・冷えが続くと消耗が加速します。変形性股関節症が中高年以降に多い理由も、ここに深く関係しています。

「肝は筋を主る(かんはすじをつかさどる)」という考え方も重要です。肝(かん)とは、東洋医学において「血を蓄え、筋肉・腱・靭帯に栄養を届ける」働きをする臓器です。肝血が不足すると筋肉と靭帯が乾燥して硬くなり、股関節の可動域が制限されます。特に就寝後に股関節の痛みが増す方は、「臥則血帰于肝(横になると血は肝に戻る)」という働きと関連して、肝血が筋肉に届きにくくなっている状態が疑われます。

また「脾は肌肉を主る(ひはきにくをつかさどる)」という観点もあります。脾(ひ)とは、東洋医学において「食べたものを気血に変える工場」のような働きをします。脾の機能が落ちると関節まわりの筋肉と組織に栄養が届かなくなり、炎症が長引きやすくなります。これは腸内環境の乱れとも深く連動しています。

東洋医学の体質タイプ(証)では、変形性股関節症を次の4つに分けて考えることができます。

腎陽虚型(じんようきょがた)は、冷えると股関節の痛みが増す・夜中や朝方に痛みが出やすい・腰が疲れやすい・頻尿・体が冷えやすい、というタイプです。腎の「温める力」が落ちた状態で、秋から冬にかけて悪化しやすい傾向があります。おすすめのツボは太渓(たいけい)と腎兪(じんゆ)です。太渓は内くるぶしの頂点から指1本ほど後ろ、アキレス腱との間のくぼみにあります。腎兪はおへそと同じ高さの背骨から左右に指2本分外側にあります。

肝血虚型(かんけつきょがた)は、夜間に痛みが増す・下肢が疲れやすくだるい・更年期前後から悪化した・目が乾燥する・爪が割れやすい・長年感情を抑えてきた、というタイプです。肝血が不足し筋と靭帯への血の供給が落ちている状態です。おすすめのツボは太衝(たいしょう)と三陰交(さんいんこう)です。太衝は足の甲、親指と人差し指の骨が合わさる手前のくぼみです。三陰交は内くるぶしの頂点から指4本分上、すねの骨のすぐ後ろです。

脾虚湿邪型(ひきょしつじゃがた)は、股関節まわりが重だるい・雨の日や湿気の多い日に症状が増す・むくみやすい・消化が弱く食後に眠くなる・腹部が張りやすい、というタイプです。脾の運化機能が低下し水分代謝が悪くなった状態で、腸内環境の乱れとも関連します。おすすめのツボは足三里(あしさんり)と陰陵泉(いんりょうせん)です。足三里はひざの外側のくぼみから指4本分下、脛骨の外側です。陰陵泉は膝の内側、脛骨の内側上端のくぼみです。

気滞血瘀型(きたいけつおがた)は、刺すような・針で刺されるような痛みがある・動かし始めが特につらい・長時間同じ姿勢でいると悪化する・みぞおちや腹部に張り感がある・感情を溜め込みやすい、というタイプです。気血の流れが滞った状態で、慢性的なストレスとの結びつきが強いです。おすすめのツボは太衝(たいしょう)と血海(けっかい)です。血海は膝の内側の皿から指3本分上の大腿内側にあります。

この4つのタイプは組み合わさって現れることも多く、長期化した変形性股関節症では複数の証が重なっているケースが少なくありません。「どれが自分に当てはまるか」を確認することが、体質的なアプローチの入り口になります。

自律神経と変形性股関節症はどう関係しているのですか

自律神経とは、体のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のような働きをする神経で、意識しなくても呼吸・血流・内臓の動きなどを24時間調整し続けています。

変形性股関節症が長引くこととの関係は、深いところにあります。

慢性の痛みが続くと、交感神経が常に優位な状態になります。交感神経優位の状態では全身の筋肉が「緊張モード」のままになり、股関節まわりの筋肉も常にわずかに収縮し続けます。この慢性的な微小収縮が関節への圧迫と血流低下を招き、組織の回復を妨げます。痛みが緊張を生み、緊張がさらに痛みを増す、という悪循環がここに成立します。

横隔膜と迷走神経の関係も重要です。迷走神経は脳幹から腹部にかけて走る主要な副交感神経経路で、体の「回復スイッチ」の役割を担います。慢性的なストレスや長年の姿勢の崩れで横隔膜が硬くなると、迷走神経の働きが阻害され、副交感神経が十分に機能しなくなります。つまり、回復のスイッチがなかなか入らない状態になります。

腸との連動についても触れておきます。腸の動きは迷走神経が大きく支配しています。自律神経のバランスが乱れると腸内環境が変化し、腸内細菌叢のバランスが崩れます。この状態は前述のGut-Joint Axisを通じて、関節の慢性炎症に影響します。自律神経・腸・股関節は一本のラインでつながっているとも言えます。

整体によって全身の緊張がゆるむと、横隔膜がやわらかくなり、副交感神経が働きやすくなります。深い呼吸が自然に入るようになり、腸の動きも回復しやすくなります。腸の状態が整うにつれ、関節への慢性炎症も落ち着きやすくなります。変形性股関節症のケアが「股関節だけ」にとどまらない理由がここにあります。

自律神経の乱れが全身の不調として現れているケースも多くあります。自律神経失調症の背景から体を整えるアプローチについては、こちらの記事も参考にしてみてください。自律神経失調症が何年も変わらない本当の理由|福岡市・常若整骨院の体質から読む整体アプローチ

変形性股関節症で来られる方に多いのはどんなケースですか

当院に変形性股関節症でお越しになる方には、いくつかの共通したパターンがあります。

最も多いのは40〜60代の女性で、「子育て・介護・仕事を長年両立してきた間に、いつの間にか股関節が痛くなっていた」というケースです。自分のことを後回しにしてきた年月の分だけ、腎精と肝血が消耗していることが多く、更年期や閉経後のエストロゲン低下が重なることで症状が一気に出やすくなります。臼蓋形成不全が背景にある方も多く、「もともと股関節が弱い体質だとは思っていた」と話される方もいます。

次に多いのが「整形外科でリハビリを続けているが、変化を感じられない」というケースです。リハビリで筋力をつけることは大切ですが、全身の体質的な消耗(腸の慢性炎症、自律神経の過緊張、腎精の不足)が改善されていないと、良くなってはぶり返す状態が続きます。

「手術を勧められているが、できるだけ時間を延ばして体を整えてからにしたい」という段階での来院も増えています。術前に体全体の緊張をゆるめ、腸の状態と自律神経のバランスを整えることで、術後の回復がスムーズになるケースがあります。

また、変形性膝関節症と股関節の問題を両方抱えている方も多くいます。体のアンバランスが膝と股関節の両方に影響していることが多く、全身のバランスを整えることで両方に変化が出るケースがあります。変形性膝関節症の体質的なケアについては、こちらの記事も参考になります。変形性膝関節症が長引く本当の理由|福岡市で整体を活用して自律神経と体質を整える

実際に変形性股関節症が楽になった方はどんな経過でしたか

当院に来られた方の経過をご紹介します。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

40代女性のケースです。来院時の状態は「車に乗り降りするとき、手をつかないと足が上がらない」というほどの股関節の制限がありました。鼠径部の痛みで日常動作が大きく制限されており、「もうこれはできないかな、ずっとこのままかなと思っていた」というほどの状態でした。カウンセリングでうかがうと、長年の疲れが積み重なっており、腹部の冷えも強く感じられました。施術では腸腰筋と腰背部の深部の緊張を重点的にゆるめながら、体全体の巡りを整えることを続けました。数回の施術を経て「今では手を使わなくても車に乗れるようになった」という変化が出て、「ここに来るのが楽しみ、軽くなるので」とのお声をいただきました。効果には個人差があります。

50代女性のケースです。育児と仕事を長年両立してきた方で、40代後半から股関節の重だるさが出始め、50代になって歩行時の痛みが明確になりました。整形外科で「変形性股関節症の初期から中期」と診断され、定期的な経過観察を続けていました。来院時、腹部の冷え・便通の不安定さ・睡眠の浅さが重なっていました。脾虚湿邪型と腎陽虚型が重なった状態と見立て、体全体の温めと腸の状態を整えるアプローチを組み合わせました。数か月の継続で「雨の日の重だるさが楽になってきた」「長時間立っていられるようになってきた」という変化が見られました。効果には個人差があります。

60代女性のケースです。福岡市内から来院された方で「バレーボールをずっと続けてきたが、股関節の痛みが強くなり整形外科から手術を勧められている」という状態でした。「手術の前に、まず体を整えておきたい」という希望で来院されました。施術前の状態を確認すると、股関節まわりだけでなく、首・腰・腹部に強い緊張パターンがありました。全身の緊張がゆるんでくるにつれ「以前より痛みが軽い日が増えてきた」「体全体のバランスが変わった感じがする」という変化が見られました。効果には個人差があります。

変形性股関節症は自宅でどうケアすればいいですか

日常生活の中でできる体のケアをお伝えします。急に変えるのではなく、続けられることから少しずつ始めてください。

お腹と腰を冷やさないこと。腎の力を消耗させる最大の要因のひとつが冷えです。夏のクーラー環境でも腹部・腰部が冷えていることは多くあります。腹巻きや貼るカイロを活用して、体の芯を温めることを習慣にしてください。

白湯・スープなど温かいものを積極的にとること。脾と腎を養う食材として、黒ごま・山芋・黒豆・大豆・なつめなどを日常的に取り入れるのがおすすめです。冷たい飲み物や生もの中心の食事が続いている方は、消化器の負担を減らすことから始めてください。

発酵食品で腸を整えること。みそ・ぬか漬け・納豆などを日常的にとり、腸内細菌のバランスを整えることが、Gut-Joint Axisの観点からも股関節のケアにつながります。

就寝前に股関節まわりを軽くほぐすこと。仰向けに寝て両ひざを立て、左右にゆっくり倒す動きを10〜15回行います。無理に可動域を広げようとせず、重力に任せてゆっくりと動かしてください。腸腰筋と腰まわりの緊張がゆるみやすくなります。

太渓と三陰交を毎日刺激すること。太渓(内くるぶしの後ろのくぼみ)と三陰交(内くるぶしから指4本上、すねの骨の後ろ)を、入浴後や就寝前にゆっくり押す習慣をつくってください。気持ちよい圧で3〜5秒を3回程度で十分です。腎と肝のケアになります。

深く長く息を吐く時間をとること。1日1分でも、息を長くゆっくりと吐く時間をつくってください。副交感神経を働かせ、横隔膜の緊張をゆるめる簡単な方法です。4秒吸って6〜8秒かけてゆっくり吐く呼吸を繰り返すだけで、体の緊張が少しずつゆるみます。

「もっと頑張らなければ」という内側の声を手放すこと。これが地味で、しかし重要なセルフケアです。常に頑張り続けてきた方の体は、緊張を「普通の状態」と感じています。1日の終わりに、ただ深く長く息を吐く時間をとるだけでも、自律神経のアクセルを少し緩めることができます。

病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか

結論として、まず整形外科でX線検査を受け、現在の股関節の状態(どの段階か)を確認することをお勧めします。その上で、整体との組み合わせを検討してください。

まず医療機関に行くべきサイン(レッドフラッグ)があります。強い痛みで歩くことが著しく困難な場合、発熱を伴う場合、急に症状が悪化した場合、体重減少が続いている場合、片脚に麻痺や感覚異常がある場合は、まず整形外科で診てもらってください。骨折・骨壊死・感染性関節炎など他の疾患が原因になっていることもあります。

整体が役立てる状況もあります。整形外科で変形性股関節症と診断されており現在は経過観察中または保存療法中の方、痛みはあるが日常生活は送れている方、手術を検討しているが術前に体を整えたい方、という段階であれば、整体を活用できます。

当院では「整体だけで何とかなります」とは言いません。整形外科での定期的な経過確認を続けながら、体全体のケアを並行して行うことが、変形性股関節症には最も現実的なアプローチだと考えています。

日本整形外科学会のウェブサイトでは、変形性股関節症の段階別の対処方針について詳しく説明しています(https://www.joa.or.jp/)。ご自身の状態の確認のためにも参照してみてください。

坐骨神経痛を合わせ持っている方も少なくありません。坐骨神経痛の体質的なケアはこちらの記事も参考にしてみてください。坐骨神経痛がくり返す本当の理由|注射・安静でも変わらなかった方へ 福岡市・常若整骨院

よくあるご質問

変形性股関節症でも整体を受けられますか?

はい、多くの場合受けていただけます。ただし現在の股関節の状態によって施術の内容を調整する必要があります。初回カウンセリングと可動域検査で確認してから施術を始めますので、まずご相談ください。

整形外科に通いながらでも整体は受けられますか?

問題ありません。整体は医療の補完的な役割を担うものです。現在の診断内容や通院状況をお伝えいただくと、より適切なアプローチができます。

手術を勧められましたが、整体で手術を回避できますか?

「整体で手術を回避できます」とは断言できません。末期で骨と骨が直接接触している状態では手術が必要なケースがあります。術前に体全体を整えることで術後の回復がスムーズになる可能性はありますので、担当医と相談しながら進めることをお勧めします。

何回くらい通えば変化が出ますか?

個人差が大きいため一概には言えません。初回施術後に体が軽くなる方もいれば、3〜5回で変化が出始める方もいます。体質的な変化を実感するには数か月の継続が効果的なことが多いです。

変形性股関節症は天気が悪いと痛みが増すのはなぜですか?

気圧が低下すると関節内の圧力バランスが変化し、痛みを感じやすくなると考えられています。東洋医学的には、湿邪と寒邪が関節に入ることで気血の流れが滞り、痛みが増すと考えます。雨の日に悪化する方は脾虚湿邪型の傾向があります。

変形性股関節症の方は運動した方がいいですか?

適度な運動は関節の血流を促し、筋力を維持するために大切です。ただし痛みが強い状態での無理な運動は逆効果です。水中ウォーキングや椅子に座ったままのストレッチなど、股関節への負担が少ない方法から始めることをお勧めします。

変形性股関節症と腸の状態は関係しますか?

最新の研究(2025〜2026年)で、腸内細菌のバランスと関節の慢性炎症に深い関係があることがわかってきています(Gut-Joint Axisと呼ばれます)。腸内細菌の乱れから生じる炎症物質が血液を通じて関節に届き、変形性関節症の進行に影響する可能性があります。来院される変形性股関節症の方の中に、腸の不調(便秘・下痢・腹部の張り)を持っている方が多いことは、このメカニズムと関係していると考えています。

変形性股関節症は若い人でもなりますか?

なります。臼蓋形成不全(生まれつき股関節のソケットが浅い)がある方は、20〜30代から症状が出ることがあります。早い段階で体のバランスを整えることが、進行を緩やかにする助けになります。

反対側の股関節も痛くなりますか?

片側の股関節が悪化すると体重のかけ方が偏って反対側に過負荷がかかるため、反対側にも症状が出るケースがあります。全身のバランスを整えることは、反対側への予防にもつながります。

変形性股関節症の進行を緩やかにすることはできますか?

軟骨の摩耗そのものを完全に止めることはできませんが、進行を緩やかにすることには取り組む余地があります。体重管理、冷えの予防、睡眠の質の改善、腸の状態を整えること、自律神経の緊張を落とすことが、現在できるアプローチです。

変形性股関節症は痛みがない時期も整体に通うべきですか?

痛みがない時期こそ、体全体の緊張をゆるめ、腸の状態や自律神経のバランスを整えるチャンスです。痛みが出てから来院するだけでなく、体の状態を維持するメンテナンスとして定期的に来られる方も多くいます。

変形性股関節症に鎮痛剤を飲み続けても大丈夫ですか?

鎮痛剤は痛みをやわらげるために医師が処方するものですが、長期服用については主治医と相談することが大切です。鎮痛剤で痛みを抑えている間も、体質的な問題が改善されていなければ根本は変わりません。整体と合わせて体の状態を整えることが、長い目で見たケアになります。

まとめ

福岡市で変形性股関節症に悩んでいる方へ。

「整形外科では経過観察と言われているが、痛みは続いている」「リハビリと鎮痛剤を続けているが、根本的に変わっている感じがしない」「手術の前にできることをやっておきたい」という方が、当院には多く来られます。

変形性股関節症が長引く背景には、軟骨の摩耗という局所の問題だけでなく、腎精の消耗・肝血の不足・腸内環境の乱れ・自律神経の慢性過緊張という体全体の問題があります。その体質的な問題を整えずに局所だけをケアし続けると、良くなってはぶり返すパターンから抜け出せません。

整体は、すり減った軟骨を戻すことはできません。ただ、体全体の緊張をゆるめ、腸の状態と自律神経のバランスを整え、回復しやすい体の土台をつくるサポートはできます。その積み重ねが、日常生活でできることを増やし、痛みの長引く悪循環を緩やかに変えていく力になります。

一人で抱え込まず、まず体の緊張をゆるめることから始めてみてください。整形外科の診療と並行しながら、体全体のケアをともに続けていきましょう。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたか せいじ)

常若整骨院院長。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年。延べ25,000名を施術。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏。

母の病気に気功・鍼灸が効いた経験から、身体と心を一体として診るアプローチを深め、整体・東洋医学・気功を統合した施術を実践しています。「早く自立できるように」という方針で、依存させず、患者さん自身の回復力を引き出すことを大切にしています。自律神経系・慢性疼痛・変形性関節症・骨盤周辺の不調を得意としており、必要に応じて医師・専門家との連携を重視しています。変形性股関節症をはじめとする整形外科的な不調についても、内科的・東洋医学的な視点から体質を読み解くことを大切にしています。

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