良性発作性頭位めまい症(BPPV)はなぜ繰り返すのですか|耳石だけが原因ではない理由と東洋医学のアプローチ

結論から言うと、良性発作性頭位めまい症(BPPV)が繰り返す方には、耳石が剥がれやすくなっている体の状態があります。整体では、その背景にある首の緊張・内耳への血流低下・自律神経の乱れにアプローチし、再発しにくい体づくりをサポートできます。

「また来た」と感じた瞬間のあの感覚は、経験した方にしかわからないつらさです。ベッドで寝返りを打つたびにぐるぐると景色が回り、動けなくなる。慌てて耳鼻科に行くと「また耳石ですね」と言われ、頭の位置を変える処置を受けて一時的に落ち着く。けれどまた数ヶ月後、同じことが起きる。

これほど再発率が高い症状は多くありません。統計では1年以内に約30%の方が再発し、5年では2人に1人が再発するとされています。

この記事は、良性発作性頭位めまい症(BPPV)を何度も繰り返している方、または「また起きるかもしれない」という不安を抱えながら過ごしている方に向けて書いています。耳鼻科的な処置と並行しながら、整体でできることとできないことを正直にお伝えします。

なぜ良性発作性頭位めまい症(BPPV)は繰り返すのですか

繰り返す方には、耳石が剥がれやすくなっている体の状態が続いていることが多くあります。

耳石(炭酸カルシウムの結晶)は、本来は耳石器という内耳の部位にある膜の上にくっついています。これが何らかの理由で剥がれ、三半規管(後半規管が最も多い)の中に迷い込むことで回転性のめまいが起きます。エプリー法などの頭位変換操作で耳石を元の場所に戻すと症状は落ち着きますが、「剥がれやすい状態」が続いている限り、また剥がれます。

では、なぜ耳石が剥がれやすくなるのでしょうか。

当院で25,000人を施術してきた経験から見えてきたパターンがあります。繰り返す方の共通点として、首と後頭部の筋肉が慢性的に硬くなっているケースが非常に多くあります。首が硬いということは、内耳に向かう椎骨動脈が慢性的に圧迫され、内耳全体の血流と代謝が落ちている状態です。耳石を支えている膜の代謝も落ちると、耳石は剥がれやすくなります。

加齢(耳石器の膜の老化)、ホルモン変化(特に更年期以降の女性はエストロゲンの低下で内耳の膜が脆くなりやすい)、慢性的なストレスと睡眠不足(内耳血流の低下)、長時間の前傾姿勢(首の慢性緊張)——これらが重なると耳石は剥がれやすくなります。

「耳石が出たら病院で戻してもらえばいい」という対処だけを続けていると、繰り返すサイクルから抜け出せません。繰り返す回数を減らすためには、耳石が剥がれやすくなっている体の状態そのものを変えることが必要です。

首の後ろを触ったとき、特定の場所がひどく固い、押すと頭に響く、左右差がある——そのような方ほど、内耳への血流が慢性的に落ちているサインとして当院では見ています。発作が起きていない時期でも、首の緊張は続いています。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)とはどのような状態ですか

良性発作性頭位めまい症(BPPV: Benign Paroxysmal Positional Vertigo)とは、頭の位置を変えたときに起きる回転性のめまいです。

「良性(Benign)」という言葉は「命に関わらない」という意味で使われており、脳や心臓の異常が原因のめまいではないことを指します。「発作性(Paroxysmal)」はめまいが突然始まり短時間で収まることを、「頭位(Positional)」は頭の位置の変化と関係があることを示しています。

典型的な症状は「寝返りを打つとぐるぐるする」「布団から起き上がる瞬間にぐるぐるする」「洗濯物を拾おうとして下を向いたときにぐるぐるした」「美容院でシャンプーのために首を後ろに傾けたらぐるぐるした」というものです。

めまいそのものは30秒から1分程度で収まりますが、ふらつきや吐き気が残ることがあります。特定の頭の動きをしなければ症状が出ないのが特徴で、じっとしているときはほとんど症状がありません。

BPPVは、めまいを引き起こす疾患の中では最も頻度が高く、めまい患者全体の20〜30%を占めると言われています。

ただし注意が必要なのは、頭の動きと関係なく続くめまい、頭痛・嘔吐・ろれつが回らない・手足の麻痺を伴うめまいは、脳血管の異常が疑われます。このような場合は、整体よりも先に救急病院を受診してください。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)に整体はどこまでできますか

整体でできることと、できないことをはっきりお伝えします。

整体でできること。首・後頭部・肩の慢性的な緊張をゆるめ、内耳への血流が回復しやすい状態をつくること。体全体の自律神経の切り替えをサポートし、睡眠の質が上がりやすい体にすること。繰り返しの背景にある生活習慣の乱れや体の緊張パターンにアプローチすること。再発しにくい体づくりとセルフケアの指導。

整体でできないこと。半規管内に迷い込んだ耳石を物理的に動かすこと(これは耳鼻科での頭位変換操作が有効です)。急性期(めまいが強く吐き気がひどい状態)の直接的な症状の解消。原因を診断すること(診断は医師の仕事です)。

急性期には耳鼻科や神経内科を優先してください。当院が力を発揮できるのは、急性期を過ぎた後の「繰り返さないための体づくり」と「発作が落ち着いた後のリハビリ期」です。

BPPVを何度も繰り返している方、耳鼻科での処置後に「また繰り返すかもしれない」という不安が消えない方は、「繰り返しやすい体の状態」を変えることが次のステップになります。整体と耳鼻科は対立しているものではなく、それぞれの役割が異なります。

福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか

BPPVで整体を探す場合、確認しておくと安心なポイントが3つあります。

まず、医療機関との連携姿勢を持っているかどうかです。BPPVは耳鼻科での頭位変換操作が第一選択です。「整体だけで良くなる」と断言するところよりも、「耳鼻科と並行して体を整えましょう」というスタンスをとっている院のほうが安心です。

次に、首や後頭部のアプローチができるかどうかです。内耳への血流を改善するには、後頭下筋群(後頭部の付け根あたりの筋群)や胸鎖乳突筋の緊張を解放できる施術者が向いています。「首をバキっと鳴らすだけ」ではなく、筋膜や組織の緊張をていねいにゆるめるアプローチを確認しましょう。

3つ目は、カウンセリングで生活習慣を一緒に確認してくれるかどうかです。繰り返すBPPVには、睡眠の質、水分摂取、ストレス、首に負担がかかる姿勢習慣などが関係しています。施術だけでなく、これらを一緒に整理してくれる院を選ぶと、再発リスクが下がります。

常若整骨院では良性発作性頭位めまい症(BPPV)をどう見ていますか

当院では、BPPVを「耳石の問題」だけでなく「繰り返す体の状態」の問題として見ています。

初回はカウンセリングをゆっくり行い、めまいが起きるタイミング、生活の中で首に負担がかかる場面、睡眠の質と就寝時間、食事の内容、最近のストレスや疲れ方の変化などを確認します。「ここ数ヶ月は特に忙しかった」「介護や引越しなどの大きな変化があった」「ずっと長時間デスクワークをしている」という情報が、体の状態を読み解くうえで大切な手がかりになります。

施術では、後頭部から首にかけての筋肉の緊張を丁寧にゆるめ、頸椎(首の骨)の動きを整え、胸郭(胸の骨と肋骨で作られる箱)の固さも調整します。首の緊張は肩、胸郭、骨盤との連動で生まれていることが多く、首だけを触っても変化が持続しないことがあります。

自律神経の切り替えがスムーズになるように、呼吸のサポートや腹部の緊張解放も行います。緊張状態が続くと交感神経が優位になりすぎ、夜の睡眠の質が落ち、内耳の回復が遅れます。これがBPPVの再発につながるサイクルの一部です。

施術の後には、自宅でできるセルフケア(首の温め方、日常動作での姿勢の注意点、食習慣)をお伝えしています。施術は週1回程度ですが、生活の24時間が体を作るので、セルフケアの継続が回復を支えます。

東洋医学では良性発作性頭位めまい症(BPPV)をどう考えるのですか

東洋医学では、めまい全般を「眩暈(げんうん)」と呼び、主に腎・肝・脾の3つの臓の働きから読み解きます。BPPVが繰り返す方には、大きく3つのタイプがあります。

腎虚(じんきょ)型は、当院で最も多く見るタイプです。腎とは、東洋医学で「生命力の貯金」を管理する臓器です。現代医学の腎臓とは異なり、骨・髄・耳・脳などの深部の組織に栄養を届け、体の根本的な回復力を司ると考えます。「耳は腎の窓」という言葉があるように、耳と腎は深く結びついています。腎が弱ると内耳の代謝が落ち、耳石が剥がれやすくなると考えます。このタイプは、長年の疲労の蓄積、更年期以降の方、睡眠が慢性的に不足している方に多く見られます。低い音の耳鳴りを伴うことも特徴の一つです。腰から下が疲れやすい、足腰が冷える、夜間頻尿がある、という方はこのタイプを疑います。

肝陽上亢(かんようじょうこう)型は、ストレスや感情の緊張が強い方に多いタイプです。肝は「血の巡りと体の動きを滑らかにする」働きをします。ストレスや疲労が続くと肝の気が上に昇りすぎる状態になり、ぐるぐるとした回転性の強いめまいが起きやすいとされます。「頭がのぼせる感じがある」「イライラすると症状が出やすい」「頭の中が忙しいまま眠れない」という方はこのタイプに傾いていることがあります。目の奥の疲れ、頭痛やこめかみの張りを伴うことも多いです。

脾虚水毒(ひきょすいどく)型は、消化器系の弱さと水分代謝の乱れが背景にあるタイプです。脾(消化吸収と水分代謝を担う臓)が弱ると体内の水分が正常に代謝されず「水毒(すいどく)」と呼ばれる状態が生まれます。内耳にも余分な水分が溜まりやすくなり、ふわふわとしためまい、吐き気、頭が重い感じが出ます。「食欲がわかない」「疲れやすく胃腸が弱い」「雨の日や低気圧のときに症状が出やすい」という方はこのタイプに関係していることがあります。

東洋医学的な見方から、当院でよく使うツボを紹介します。

完骨(かんこつ)は、耳の後ろにある骨の出っ張り(乳様突起)の後ろ下のくぼみです。首の付け根の緊張をゆるめ、内耳への血流を助けます。めまいや耳鳴りに使われる代表的なツボです。指で優しく押すと、後頭部に向かって響くような感覚がある場所です。

風池(ふうち)は、後頭部のくぼみ(後頭部の中央から指2本ぶん外側)にあります。首の緊張をゆるめ、頭部への血流を整えます。眼精疲労や頭痛にも関係するツボです。

太渓(たいけい)は、内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみです。腎の働きを補うツボで、慢性的なめまいや耳鳴り、疲れが抜けないという状態に使われます。

三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわです。脾・腎・肝の3つに関わるツボで、体全体の回復力を高めます。

足三里(あしさんり)は、ひざの皿の下から指4本ぶん下、すねの外側のくぼみです。脾を元気にして全身の気血の巡りを助けます。

自律神経と良性発作性頭位めまい症(BPPV)はどう関係しているのですか

自律神経とは、体のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のような存在です。起きているときや緊張しているときはアクセルが働き、眠っているときや休んでいるときはブレーキが働きます。

BPPVが繰り返す方の多くに、このアクセルとブレーキの切り替えがうまくいっていないパターンがあります。慢性的なストレスや長時間労働、睡眠不足が続くとアクセルが踏みっぱなしの状態になり、ブレーキがなかなか効かなくなります。

この状態が続くと、内耳の血管も持続的に緊張し、内耳全体の血流と代謝が落ちます。特に睡眠の質の低下は内耳の回復を妨げます。内耳の組織は睡眠中に最も修復が進むため、眠りが浅いと耳石を支える膜の傷んだ部分が回復しにくくなります。

また、「ストレスが強かった時期の後にBPPVが起きた」というお話をよく聞きます。仕事が特に忙しかった時期、家族のことで心配が続いていた時期、引越しや環境の変化があった後に発症した、という方が多くいます。ストレスそのものが耳石を剥がすわけではありませんが、内耳の血流低下と組織の回復力低下が積み重なることで、剥がれやすい体の状態が生まれると考えています。

当院では、施術で首と体全体の緊張をゆるめることで、副交感神経が働きやすい状態をつくります。施術の後に「体が重くなって眠い」と感じる方がいますが、これはブレーキが久しぶりに効いたサインです。眠気が出たときは無理に動かず、その日はゆっくり休むことをお勧めしています。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)で来られる方に多いのはどんなケースですか

当院でBPPV、または繰り返すめまいで来られる方に多いのは、以下のようなケースです。

デスクワーク中心で首の前傾姿勢が長時間続いている方です。パソコンやスマートフォンを長時間使うと、首の後ろ側の筋肉が慢性的に硬くなります。後頭骨の下から椎骨動脈が通っており、この部位の筋肉が硬いと内耳への血流が慢性的に落ちています。「特にひどい体勢をしていたわけでもないのに、ある朝急に発症した」という方が多く、実際には長期間の蓄積が背景にあります。発症した「朝」は、ある意味で体が限界に達した日というだけで、その日から問題が始まったわけではありません。ときに1〜2年単位で積み重なってきた緊張が、ある朝突然に「めまい」という形で現れることがあります。

更年期以降の女性です。エストロゲン(女性ホルモン)は内耳の耳石器の膜の維持に関与しており、更年期にエストロゲンが急激に変動すると耳石が剥がれやすくなると考えられています。「40代後半から急にめまいを繰り返すようになった」という方は、この変化が背景にあることがあります。東洋医学では腎の消耗として読む変化です。

「少し眠れていない、少し疲れている、少しストレスがある」という状態が何年も続いている方です。一つ一つは大したことではないように感じますが、これが積み重なると体の回復力が慢性的に下がった状態が続きます。「どこに行っても異常はないと言われるが、めまいとふらつきが止まらない」という方は、この蓄積が出ている場合があります。

実際に良性発作性頭位めまい症(BPPV)や繰り返すめまいが楽になった方はどんな経過でしたか

実際にご来院いただいた方の経過をご紹介します。なお、効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

60代の女性の方は、めまいとふらつき、不眠で内科と耳鼻科に1年以上通院されていました。「原因がわからず不安でした」とのことでした。当院では食生活のアドバイスと、体のサインの受け取り方をお伝えしながら施術を継続しました。「先生が私以上に私の体を考えてくれている」と感じていただけたとのことで、安心して通える環境が体の緊張をゆるめることにつながったと思っています。内科や耳鼻科では「異常なし」と言われてきた方が、体のサインに耳を傾けることで変化が始まることがあります。

40代の男性の方は、めまいと首のハリ、耳の聞こえにくさで来院されました。「1回目は施術後にフラフラした感じが続いて不安でしたが、2回目が終わったらフラフラ感が消えました」とのことでした。施術後の一時的なだるさや眠気は、長く緊張していた体が一気にゆるんだサインであることが多く、多くの方が2回目以降に変化を感じます。「自分のことは自分で整えていけると感じられるようになった」というお言葉が印象的でした。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

40代の女性の方は、2〜3ヶ月ごとにBPPVを繰り返していました。耳鼻科での処置を受けるたびに一時的に落ち着くが、すぐに再発するという状態が続いていました。問診でお話を聞くと、仕事と家庭のことで長期間、休みなく動き続けてきたことがわかりました。施術では首と後頭部の緊張を丁寧にゆるめ、ご自宅では毎晩後頭部を10分温めることをお願いしました。5〜6回の施術を経て「前よりも疲れがたまりにくくなった」「夜が眠れるようになった」という変化を感じていただき、その後半年間、BPPVの再発がなくなったとのことでした。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

良性発作性頭位めまい症(BPPV)は自宅でどうケアすればいいですか

自宅でできるケアをいくつか挙げます。どれか1つからで十分です。全部やろうとすると続きません。できない日があって当然です。真面目にやろうとするほど体に力が入ることがあります。うまくできない日があっても、自分を責めないでください。

首の後ろを毎晩温めることが、最も効果を感じやすいセルフケアです。電子レンジで温める蒸しタオル、または温かいシャワーを後頭部にあてる方法が手軽です。10分程度で十分です。就寝前に行うと、副交感神経が優位になり睡眠の質が上がりやすくなります。

急に起き上がらない習慣をつけることも大切です。朝目が覚めたらすぐに起き上がらず、まず横向きになってから、ゆっくりと体を起こします。この1〜2秒の間を作るだけで、発作が出にくくなる場合があります。

冷たい飲み物を減らすことも、内耳の血流に関係します。冷たいものを一度に大量に飲むと内臓が冷え、内耳への血流が落ちることがあります。夏でも常温か温かい飲み物を意識してみてください。

スマートフォンを見る姿勢を変えることも試してみてください。特に寝転びながらの長時間使用は、首の後ろを慢性的に緊張させます。画面を目の高さに近づけるか、使用時間を短くするか、どちらか1つだけでも変えると首の負担が変わります。

夜10時前後には横になる日を週に何日か作ることも大切です。内耳の組織は睡眠中に最も修復が進みます。体が回復できる時間を確保することが、繰り返しを減らす地道な積み重ねになります。

BPPVが繰り返すとき、食事と水分摂取を見直すとどう変わりますか

繰り返すBPPVの背景に、食生活の偏りが影響していることがあります。特に多く見るのは、水分の取り方の問題です。

内耳には「内リンパ液」という液体が満たされており、この液体の量と組成が正常に保たれることで、耳石器と三半規管が正しく機能します。水分が慢性的に不足した状態や、反対に冷たい飲み物を一度に大量に飲む習慣が続くと、内リンパ液の代謝に影響が出ることがあります。東洋医学でいう「脾虚水毒」の状態と重なります。

当院でお勧めしているのは、1日を通じてこまめに常温か温かい飲み物をとることです。特に朝起きたときの1杯(白湯か常温水)が、内臓全体の働きをウォームアップするうえで有効です。のどが渇く前に少量ずつとる習慣が、内耳の代謝を安定させやすくします。

食事については、冷たいものや生もの(サラダ、冷製食品)を毎食とる習慣がある方に、消化器系の冷えが見られることがあります。東洋医学では脾が冷えると水分代謝が落ちるとされており、温かい食事を中心にするだけで「体が軽くなった」「めまいの頻度が減った」という変化を感じる方がいます。

また、砂糖を多く含む飲料(甘い缶コーヒー、ジュース)を冷えた状態で毎日とっていると、内臓が慢性的に冷え、脾の働きが落ちやすくなります。ストレスが高まると甘いものを求めやすくなりますが、これが内耳の環境を崩す一因になっているケースがあります。

食事や水分の見直しは「どれか1つを少し変える」だけで十分です。全部を一度に変えようとすると続きません。無理なく続けられることから始めてください。完璧にやろうとしなくていいです。

病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか

迷ったら、まず耳鼻科(または神経内科)に行くことをお勧めします。

めまいには、BPPVのように整体でのサポートが有効なものもありますが、脳血管の病気、突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍など、医療機関での診断と対応が先行するものが含まれます。これらを見分けるのは医師の仕事です。

特に次の状況では、整体よりも先に医療機関を受診してください。めまいと一緒に激しい頭痛、嘔吐、発熱がある。ろれつが回らない、言葉が出ない。手足のしびれや突然の脱力がある。聴こえが急に落ちた。目の動きがおかしい、物が二重に見える。突然始まり、強いめまいが30分以上続いている。これらがある場合は、まず救急外来を受診してください。

BPPVと診断され、頭位変換操作で一時的に改善しているが繰り返す場合、または「また起きるかもしれない」という不安が続いている場合は、整体が力を発揮できる段階です。

耳鼻科での診察と整体を並行して行うことも可能です。むしろその方が、それぞれの強みを活かせます。耳鼻科では診断と急性期の対応を、整体では繰り返さない体の土台づくりをサポートします。

公益社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、めまいの種類や受診の目安について情報を提供しています。受診に迷ったときはご参照ください。

よくあるご質問

耳鼻科で「また耳石ですね」と言われ処置を受けましたが、また繰り返しています。整体でできることはありますか?

繰り返す方に整体は力を発揮できます。耳石が剥がれやすくなる背景(首の緊張、内耳血流の低下、自律神経の乱れ)にアプローチすることで、再発しにくい体づくりのサポートができます。耳鼻科での処置と並行して通っていただくことも可能です。

BPPV発作中でも施術を受けられますか?

強い発作の最中(激しいぐるぐるや吐き気がひどい状態)は、施術よりも安静と医療機関への受診が先です。発作が落ち着いてから来院いただくことをお勧めしています。繰り返している時期の合間に来院いただくパターンが多いです。

整体を受けた後、めまいがかえって強くなることはありますか?

施術後に一時的にだるさや眠気が強くなることはあります。これは長く緊張していた体が一気にゆるんだサインであることが多く、翌日には落ち着く方がほとんどです。症状が強くなった場合はすぐにお知らせください。

何回くらい通えば変化を感じられますか?

個人差が大きく、断言はできません。首の緊張が主な原因の方は、1〜2回で「頭が軽くなった」「夜よく眠れた」という変化を感じる方もいます。長く繰り返してきた方は、4〜6回ほどで「前ほどすぐに繰り返さなくなった」という経過が多いです。

良性発作性頭位めまい症と自律神経の関係はありますか?

関係しているケースが多くあります。自律神経の乱れが続くと内耳の血流が落ち、耳石が剥がれやすい状態が続くことがあります。逆に、めまいへの不安や恐怖が続くことで自律神経がさらに乱れるという悪循環も起きます。両方を同時に整えていくことが大切です。

更年期のめまいとBPPVは違いますか?

更年期のめまいには複数のタイプがあり、BPPVと重なることもあります。ホルモンの変動が内耳に影響してBPPVが起きやすくなるケースと、のぼせや血圧変動に伴うふわふわめまいのケースは区別が必要です。「寝返りで回転するめまいか、それとも常時ふわふわしているか」という点が一つの目安になります。耳鼻科での診断を受けることをお勧めします。

エプリー法を自分で試してもいいですか?

エプリー法(頭位変換操作)は、医師や理学療法士の指導のもとで行うのが安全です。自己流で行うと症状が強くなったり、反対側の半規管に耳石が移動したりするリスクがあります。初めて行う場合は医療機関で指導を受けた後に、自宅での実施を検討してください。

特定の方向にだけぐるぐるします。右向きと左向きで症状が違うのはなぜですか?

どちらの耳の、どの半規管に耳石が迷入しているかによって、症状が出る頭の向きが変わります。右側の後半規管に耳石がある場合、右に寝返ると症状が強く出ることが多いです。この判断は耳鼻科でのダイクス・ハルパイク検査などで確認できます。

枕の高さは変えたほうがいいですか?

高すぎる枕は首の前屈が強くなり、後頭下筋群への負担が増えます。BPPVを繰り返す方には、仰向けで寝たときに首が自然な高さを保てる枕が向いています。ただし、急性期(発作が続いている時期)は頭をやや高くすることで症状が出にくくなる場合もあります。変更する場合は少しずつ試してください。

子どものBPPVは大人と同じですか?

BPPVは大人に多い疾患ですが、子どもでも起きることがあります。子どもの場合、BPPV以外のめまいの原因も多く(乗り物酔い体質、起立性調節障害、前庭型片頭痛など)、専門医での鑑別が大切です。

整体に通いながら、耳鼻科の薬も続けて飲んでいいですか?

もちろん続けてください。整体は医療行為ではなく、薬の服用を止めるよう勧めることはありません。耳鼻科での対応と整体によるケアは並行して行えます。薬の調整は必ず担当医師に相談してください。

再発を完全に防ぐことはできますか?

BPPVの再発を完全に防ぐことは難しく、断言はできません。ただ、再発の頻度を減らしたり、繰り返す体の状態を変えることは可能です。首の緊張をゆるめ、睡眠の質を上げ、内耳の血流を回復しやすい体にしていくことが、再発リスクを下げる現実的なアプローチです。

めまいが落ち着いている今、整体に行く意味はありますか?

発作が出ていない今こそ、整体が力を発揮できるタイミングです。発作中は安静と医療処置が優先ですが、落ち着いている時期に首の緊張をゆるめ、内耳の血流が回復しやすい体をつくっておくことが、次の発作を防ぐうえで重要です。「症状がないから行かなくていい」と思うと、また同じサイクルが繰り返されます。「今、体を整えておく」という発想の転換が、繰り返しのサイクルを変える入口になります。

まとめ

良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、耳石を戻せば終わりではなく、「繰り返す体の状態」を変えることが再発防止の鍵です。

繰り返すBPPVの背景には、首と後頭部の慢性的な緊張、内耳への血流低下、自律神経の乱れ、睡眠の質の低下が重なっていることが多くあります。耳鼻科での処置で急性期を落ち着かせながら、整体でこれらの背景にアプローチすることで、再発のサイクルを変えていくことができます。

再発率1年30%、5年50%という数字は、「体の状態が変わらなければ繰り返す」という現実を示しています。一方で、首の緊張をゆるめ、睡眠を整え、内耳への血流が回復しやすい体にしていくことで、繰り返しの回数を減らしていくことは可能です。

福岡市でBPPVを何度も繰り返している方、「また来たらどうしよう」という不安を抱えながら過ごしている方、「耳鼻科で処置してもらっても一時的で変わらない」という方は、一人で抱え込まずに相談してください。

まず首と体の緊張をゆるめることから、体の変化は始まります。

「繰り返すめまいは仕方がない」と諦めている方に伝えたいのは、繰り返している理由が必ずあるということです。耳石が剥がれやすい状態を作り続けている何かがある。それが首の緊張なのか、睡眠の問題なのか、食習慣なのか、ストレスの蓄積なのか——それを一緒に整理するために、当院のカウンセリングがあります。

まずお話を聞かせてください。施術よりも前に、どういう経緯でこの状態になったのかを聞くことで、方向性が見えてきます。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたか せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年。25,000人を施術してきた経験をもとに、症状の背景にある体の緊張パターンと生活習慣にアプローチする施術を行っています。

福岡市早良区、西新駅から徒歩圏内にある常若整骨院の院長として、自律神経系のめまい・ふらつき・耳鳴りに悩む方を多く施術してきました。東洋医学(五臓六腑の考え方)と現代的な整体・鍼灸を組み合わせ、急性期を過ぎた後の体づくりとセルフケアの指導を得意としています。

整体は医療行為ではなく、診断や医療的治療の代替にはなりません。症状が強い場合や脳血管系の異常が疑われる場合は、必ず耳鼻科・神経内科・救急外来を受診してください。当院では、医療機関での診察を済ませた方を対象に、体の土台づくりをサポートしています。