運動をした時だけ強くなる鼠径部の痛みは、ヘルニアと同じものですか

結論から言うと、運動をした時だけ鼠径部が痛む場合、検査で腸などの臓器が出ている「鼠径ヘルニア」ではなく、股関節まわりの筋肉や腱に繰り返し負荷がかかって起こる「グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)」であることが少なくありません。原因は何か。整体でできることは何か。この記事は誰向けか。まず要点を3つ示します。

原因は、蹴る・踏み込む・切り返すといった動作を繰り返すことで、股関節の付け根にある筋肉や腱に小さな負荷が積み重なることです。整体でできることは、股関節まわりの筋肉の緊張をゆるめ、体幹から下半身への力の伝わり方を整えるサポートです。この記事は、福岡市でサッカーやフットサル、陸上競技などをしていて鼠径部の痛みが続いている方、あるいはお子さんの部活動での鼠径部痛が心配な方に向けて書いています。

蹴る瞬間や、ダッシュから急に止まる瞬間にだけ鼠径部の奥がズキッとする。安静にしていれば治まるのに、練習を再開するとまた同じ場所が痛む。整形外科で画像検査を受けても「ヘルニアの所見はない」「骨に異常はない」と言われる。それでも痛みが繰り返す。競技を続けたいのに、痛みが出るたびに練習を止めなければならず、もどかしさを感じている方も多いのではないでしょうか。福岡市の常若整骨院には、そうした鼠径部の痛みを抱えた方が来院されます。

なぜ鼠径部の痛みは繰り返すのですか

結論として、鼠径部の痛みが繰り返す方には、股関節まわりの筋肉と体幹の力の伝え方が崩れたまま、同じ動作を繰り返しているケースが多くあります。

蹴る、踏み込む、切り返す。こうした動作では、股関節の付け根に集まる内転筋(太もも内側の筋肉)、腸腰筋(股関節を曲げる筋肉)、腹直筋(お腹の筋肉)が、瞬間的に強い力を受け止めます。これらの筋肉や腱がついている場所は、恥骨のごく近く、鼠径部という限られた範囲に集中しています。一つの筋肉が硬くなったり、力の伝わり方に左右差が出たりすると、その分の負荷が他の筋肉や腱に集まり、そこに小さな損傷が積み重なっていきます。

痛みが出た時点で数日休むと、いったん症状は治まります。しかし、痛みの原因になった筋肉の硬さや体幹の使い方そのものは変わっていないため、練習を再開すればまた同じ場所に負荷が集中し、痛みがぶり返します。「休んでは再発する」を繰り返しているうちに、練習量を落とさざるを得なくなり、競技への不安が強くなる方も少なくありません。

さらに、痛みをかばう動きが習慣になると、負荷の集中する場所そのものが変化していきます。痛む側の股関節を無意識に守ろうとして、反対側の脚に体重をかける癖がついたり、上半身の使い方が変わったりすることで、最初に痛かった場所とは別の場所に新たな負担が生まれることもあります。「気づけば腰やお尻まで張るようになった」というお声を聞くのは、こうした二次的な負荷の広がりが背景にあるためです。

当院で施術に入る際には、痛みの出ている場所だけでなく、股関節の可動域、骨盤の左右差、体幹を支える力の入り方まで含めて見ていきます。痛みの出所と、負荷が集中する原因になっている場所が、必ずしも同じとは限らないためです。

グロインペイン症候群は、10代から30代でサッカーやフットサル、陸上競技など、蹴る・踏み込む・切り返す動作の多い競技をしている方に多く見られます。競技者の中には、痛みを抱えながらもプレーを続けた結果、慢性化させてしまうケースも少なくありません。背景には、股関節や背骨まわりの筋肉の硬さ、体幹(特に下腹部)を支える力の低下、上半身から下半身への力の伝わり方の乱れがあると言われています。片方の脚だけで蹴る競技特性上、左右どちらかに負荷が偏りやすいことも、この痛みが繰り返しやすい理由の一つです。

グロインペイン症候群とはどのような状態ですか

グロインペイン症候群とは、運動時に鼠径部周辺に痛みが出るものの、画像検査では鼠径ヘルニアのような臓器の脱出が確認されない状態のことです。内転筋、腸腰筋、腹直筋、恥骨結合まわりに繰り返し負荷がかかることで、これらの筋肉や腱の付着部に炎症や小さな損傷が起こります。サッカー選手に多いことから「サッカー選手の職業病」と呼ばれることもありますが、フットサル、ラグビー、陸上競技、ダンスなど、蹴る・踏み込む・方向転換する動作の多い競技全般で起こります。

痛みの出方も一様ではなく、蹴る瞬間だけズキッと響く方、走り始めの数歩だけ違和感がある方、試合終盤になるにつれてじわじわ強くなる方など、パターンにも幅があります。当院ではこの痛みの出方のパターンも、どの筋肉や腱にどのくらいの負荷が集中しているかを見極める手がかりの一つとして参考にしています。

本来の鼠径ヘルニアは、鼠径部の筋膜が緩んだすき間から腸などの臓器の一部がはみ出てしまう状態です。立った時や力んだ時にふくらみが目立ち、横になると引っ込むという特徴があります。グロインペイン症候群では、このふくらみが出ません。痛みの性質も、鼠径ヘルニアが「常に違和感がある、または動くと出っ張る」のに対し、グロインペイン症候群は「特定の動作(蹴る、ダッシュ、切り返す)の瞬間に強い痛みが出る」という違いがあります。

かつては症状が似ていることから「スポーツヘルニア」と呼ばれることもありましたが、検査でヘルニア(臓器の脱出)は認められないため、現在は「鼠径部痛症候群」「グロインペイン症候群」として区別して扱われることが一般的です。10代から30代のスポーツをしている方に多く見られますが、繰り返す痛みで日常生活の階段の上り下りや立ち上がりにも支障が出るケースもあります。

見分け方の目安として、鼠径ヘルニアは「立った時や、お腹に力を入れた時に鼠径部にふくらみが出て、横になると引っ込む」「運動をしていなくても常に違和感がある」という特徴があります。グロインペイン症候群は「ふくらみは出ない」「特定の動作の瞬間だけ強く痛み、安静にしていればほとんど気にならない」という違いがあります。どちらも自己判断は難しく、痛みが続く場合はまず医療機関で検査を受けることが前提になります。

鼠径部の痛みに整体はどこまでできますか

整体でできることは、股関節まわりの筋肉の緊張をゆるめ、骨盤の左右差を整え、体幹から下半身へ力が伝わりやすい状態をサポートすることです。痛みの直接の引き金になっている筋肉の硬さだけでなく、その硬さを生んでいる体の使い方の癖まで含めて見ていきます。

一方で、整体でできないこともあります。恥骨結合の炎症が強い場合や、腱の損傷が大きい場合の診断と、その後の対応方針を決めるのは、整形外科の領域です。痛みが強く安静にしていても改善しない場合、股関節の可動域が急激に狭くなった場合は、まず医療機関で画像検査を受けていただくことをお勧めします。整体は医療行為ではなく、身体の緊張をゆるめ、回復しやすい身体づくりをサポートする立場です。

当院で25,000人を施術してきた経験では、痛みの出ている場所だけを揉んでも、繰り返す鼠径部の痛みは変わりにくいケースが多くあります。股関節前面の硬さの左右差、みぞおちから骨盤にかけての緊張、足首から股関節までの連動性まで確認しながら、施術の順番を組み立てています。

福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか

まず見るべきは、痛みの出ている部分だけでなく、股関節の可動域や骨盤の状態、体幹の使い方まで確認したうえで施術方針を説明してくれるかどうかです。鼠径部だけを揉んで終わる施術では、負荷が集中する原因そのものは変わりません。なぜその部位に負荷が集まっているのかを、理由まで含めて説明してくれるかどうかも、信頼できる院を見分ける手がかりになります。

次に、競技や年代に応じた説明をしてくれるかどうかも大切な点です。成長期のお子さんと、成人してから競技を続けている方とでは、筋肉や骨の状態が異なります。一律の説明ではなく、その人の体の状態に合わせた話をしてくれる院を選ぶことをお勧めします。

また、医療機関との連携について明確なスタンスを持っているかどうかも確認してください。強い痛みや、安静にしても改善しない症状に対して、無理に施術を続けるのではなく、まず医療機関の受診を勧めてくれる院は、身体の状態を優先して考えている証拠です。

さらに、初回のカウンセリングでどれだけ話を聞いてくれるかも一つの目安になります。競技名や練習頻度、痛みが出るタイミングを聞かずにすぐ施術に入る院よりも、生活や競技の背景まで含めて確認したうえで方針を立ててくれる院のほうが、繰り返す痛みの根本にある偏りを見つけやすいと当院では考えています。

常若整骨院では鼠径部の痛みをどう見ていますか

当院では、カウンセリングで痛みが出る動作、痛みが出るタイミング、これまでの練習量や休養の取り方を丁寧に伺ったうえで、施術とセルフケアをセットでお伝えしています。痛みの出ている場所だけを施術するのではなく、股関節まわりの筋肉の緊張、骨盤の左右差、体幹の使い方まで含めて確認します。

東洋医学の視点では、体を局所ではなく全体のつながりとして捉えます。股関節の痛みの背景に、体幹を支える力の弱さや、日々の疲労の蓄積が隠れていることも多く、そうした全体像を見たうえで、身体の緊張がゆるみやすい状態をつくることを大切にしています。

初回のカウンセリングでは、痛みが出る具体的な動作(蹴る瞬間か、踏み込む瞬間か、切り返す瞬間か)、痛みが出始めた時期、練習量が変わったタイミングの有無を丁寧に伺います。そのうえで、股関節の可動域、骨盤の左右の高さ、みぞおちから下腹部にかけての緊張の状態を確認し、どこに負荷が集中しているのかを見極めてから施術に入ります。競技を続けながら回復を目指す方が多いため、練習を完全に止めることを前提にせず、痛みの出ない範囲でどこまで動いてよいかも合わせてお伝えするようにしています。

東洋医学では鼠径部の痛みをどう考えるのですか

東洋医学では、鼠径部の痛みを「肝(かん)」「脾(ひ)」「腎(じん)」という三つの働きの状態から読み解きます。肝とは、筋肉や腱の柔軟性を保つ働きのことです。脾とは、四肢を動かすための力を全身に運ぶ働きのことです。腎とは、骨や関節を支える体の土台となる力のことです。この三つのうち、どこにどのくらい負担がかかっているかによって、同じ「鼠径部の痛み」でも体の状態は変わってきます。

競合する整形外科的な説明では「筋肉の使いすぎ」「体幹の弱さ」という言葉で片づけられがちですが、東洋医学ではそこからさらに一歩踏み込み、なぜその筋肉が硬くなりやすいのか、なぜ体幹の力が入りにくいのかを、体全体の巡りの状態から見ていきます。当院が25,000人を施術してきた経験では、同じ「内転筋の硬さ」でも、その背景にある体の状態は一人ひとり異なります。

肝血虚型(かんけっきょがた)

肝は筋を主る、という考え方があります。筋肉や腱に十分な血が届いていると、しなやかさが保たれ、繰り返しの負荷にも耐えられます。しかし、練習や試合で筋肉を使い続け、休養や睡眠が不足すると、筋肉に十分な血が行き渡らなくなり、硬く張った状態になります。当院で触れて確認すると、内転筋や股関節前面が、板のように硬く緊張しているケースが多く見られます。蹴る動作の瞬間に、伸びるべき筋肉が伸びきれず、腱の付着部に負担が集中して痛みが出やすいタイプです。目が疲れやすい、こむら返りを起こしやすいといった症状を併せ持つ方も、このタイプに当てはまることがあります。

脾気虚型(ひききょがた)

脾は四肢を主る、という考え方があります。体幹から手足へ力を届ける働きが弱くなると、踏み込みや切り返しの瞬間に体の軸がぶれ、股関節の一箇所に負荷が集中しやすくなります。当院の触診では、お腹まわりの力が抜けている、体幹を支える力そのものが弱っている方に多く見られる特徴です。休むたびに一度は良くなるものの、練習を再開するとまた同じ場所が痛む、という再発を繰り返しやすいタイプです。疲れやすい、食が細い、朝からだるさが抜けないといった訴えを併せ持つことも多く、体幹の踏ん張りだけでなく、全身の気力そのものが不足しているケースです。

腎精虚型(じんせいきょがた)

腎精とは、骨や関節を支える体の土台となる力のことです。成長期のお子さんが練習量の急な増加についていけず、この土台の力が追いつかないまま酷使を続けると、股関節の付け根に慢性的な負担がかかります。成人でも、長期間にわたって同じ痛みを抱えている方、回復に時間がかかる方は、このタイプに当てはまることが多くあります。腰まわりのだるさ、朝起きた時の足腰の重さを併せ持つ方は、このタイプの傾向が強い場合があります。

肝の働きと関わる経絡(気の通り道)は、股関節から鼠径部を通って足の親指へと流れています。脾の経絡も、鼠径部から太もも内側を通っています。運動によって特定の動作を繰り返す方に鼠径部の痛みが集中しやすいのは、こうした経絡が実際に通っている場所と、負荷の集中しやすい筋肉の付着部が重なっているためだと当院では見ています。

三陰交(さんいんこう。内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわ)、太衝(たいしょう。足の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみ)、血海(けっかい。膝のお皿の内側から指3本ぶん上)、太渓(たいけい。内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ)、足三里(あしさんり。膝のお皿の下、指4本ぶん下で、すねの外側)といった経穴は、いずれも肝・脾・腎の働きと関わりが深く、施術の中で活用しています。

自律神経と鼠径部の痛みはどう関係しているのですか

自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きです。競技への不安や、痛みがまた出るのではないかという緊張が続くと、アクセルにあたる交感神経が働き続けた状態になります。体は常に力が入りやすい状態になり、股関節まわりの筋肉も無意識のうちに緊張したままになります。

「練習を休むと後れを取る」という焦りや、「また同じ場所が痛んだらどうしよう」という不安は、体の緊張をゆるめるブレーキが利きにくい状態を作ります。当院では、施術で筋肉の緊張をゆるめるだけでなく、呼吸を深くする時間を取り入れることで、アクセルとブレーキの切り替えがしやすい体をサポートしています。

特に、痛みが出てから日が浅い時期は、頭では「安静にしなければ」とわかっていても、体は競技モードのまま緊張が抜けにくい状態が続きます。呼吸が浅いまま練習前と同じ緊張感で過ごしていると、股関節まわりの筋肉も休まる時間がなく、回復のペースが落ちてしまいます。施術の際に、呼吸に合わせてゆっくり力を抜く時間をつくることで、体が「今は休んでよい」と切り替えやすくなります。

鼠径部の痛みで来られる方に多いのはどんなケースですか

一つ目は、部活動で急に練習量が増えた学生です。新チームになって走り込みが増えた、フォーメーション練習でキック数が急増したなど、体が慣れる前に負荷が上がったタイミングで痛みが出始めるケースが多く見られます。

二つ目は、社会人になってから久しぶりに競技を再開した方です。学生時代の感覚のまま体を動かそうとしますが、日常生活で座っている時間が長くなり、股関節まわりの筋肉が硬くなっていることに気づかないまま練習を再開し、痛みが出るパターンです。「昔と同じように動けるはず」という感覚と、実際の体の状態にずれがあることに、痛みが出て初めて気づく方が多い印象です。

三つ目は、痛みを繰り返しながらも「安静にすればまた良くなる」と自己判断で練習を続けてきた方です。一時的に症状が治まるたびに練習に戻り、気づけば数ヶ月から一年以上、同じ痛みと付き合い続けているケースです。四つ目は、片方の股関節だけをかばう歩き方や座り方が癖になり、反対側の腰や膝にまで違和感が広がってから来院される方です。痛みが出ている場所と、負担が集中している場所が、すでにずれてしまっているケースです。

実際に鼠径部の痛みが楽になった方はどんな経過でしたか

一人目は、高校サッカー部に所属する男子生徒のケースです。新チームになって走り込みとキック練習が急増した時期から、キックの瞬間に鼠径部の奥が痛むようになりました。整形外科では骨に異常はないと言われ、しばらく安静にしては再開する、を繰り返していました。触れると内転筋が板のように硬く張っており、股関節の可動域にも利き足側とそうでない側で明らかな左右差がありました。カウンセリングでは「痛みが出ても、休むと後れを取るので言い出せなかった」という言葉も聞かれました。週に一度の施術と、練習前後のストレッチを続けるうちに、まず可動域の左右差が少しずつ縮まり、それに伴ってキックの際の痛みも軽くなっていきました。1ヶ月ほどで、フルメニューの練習に戻れる時間が増えていきました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

二人目は、学生時代に陸上競技をしていて、社会人になってから趣味でフットサルを再開した30代男性のケースです。デスクワークで長時間座る生活が続いており、股関節前面の柔軟性が学生時代よりも大きく低下していました。切り返しの動作で鼠径部に痛みが出るようになり、来院時には体幹を支える力そのものが弱っている状態でした。触診では、お腹に軽く力を入れてもらっても、下腹部にほとんど張りが感じられず、体の軸を支える力が抜けている印象でした。施術と合わせて、股関節を動かす簡単なセルフケアを習慣にしてもらったところ、切り返し時の痛みが出る頻度が徐々に減っていき、数ヶ月後には週末のフットサルを気にせず楽しめるようになったとご本人から報告がありました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

三人目は、中学の部活で陸上の短距離をしている女子生徒のケースです。成長期の練習量の増加に体がついていけず、股関節の付け根に慢性的な違和感を抱えていました。ご家族と一緒に来院され、無理をさせず、痛みの出ない範囲で体を動かしながら回復を待つという方針で施術を続けました。成長期は骨や筋肉がまだ発達の途中にあるため、大人と同じペースでの回復を求めず、月に数回の施術と、痛みの出ない範囲でのストレッチを続けていただきました。数ヶ月かけて、痛みを気にせず走れる日が少しずつ増えていきました。ご家族からは「本人が焦らなくなった」という声もいただいています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

鼠径部の痛みは自宅でどうケアすればいいですか

一つ目は、練習前後に股関節まわりをゆっくり伸ばす時間を取ることです。特に内転筋(太もも内側)と腸腰筋(股関節を曲げる筋肉)は、鼠径部の痛みと関わりの深い筋肉です。

二つ目は、痛みが出た時点で無理をせず、一旦練習量を落とすことです。「休んだら後れを取る」という焦りが、かえって回復を遅らせることもあります。

三つ目は、座っている時間が長い日は、股関節を大きく動かす時間を意識してつくることです。デスクワークが続くと股関節前面が縮こまり、練習時の負荷が集中しやすくなります。

四つ目は、痛みが出た時にアイシングで様子を見つつ、痛みが引かないうちは同じ動作を繰り返さないことです。痛みを我慢して同じ動作を続けると、負荷の集中している場所がさらに硬くなり、回復までの時間がかえって長引きやすくなります。

四つ挙げましたが、どれか1つからで十分です。毎日すべてをきっちりやろうとすると、それ自体がストレスになり、かえって体を緊張させてしまうことがあります。できない日があって当然です。真面目に頑張ろうとする気持ちが悪いのではなく、その真面目さの向け先を、完璧なメニューをこなすことから、今日できる1つのことに変えるだけで十分です。

病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか

次のような場合は、まず医療機関を受診してください。安静にしていても強い痛みが続く場合、鼠径部にふくらみが出て引っ込まない場合、発熱を伴う場合、股関節の可動域が急激に狭くなった場合です。特に、鼠径部にふくらみが出たり、吐き気や強い腹痛を伴ったりする場合は、腸が挟み込まれる「嵌頓(かんとん)ヘルニア」の可能性があり、緊急の対応が必要です。すぐに医療機関を受診してください。

画像検査でヘルニアや骨の異常がないと言われ、それでも痛みが繰り返す場合は、股関節まわりの筋肉や体の使い方に負担が偏っている可能性があります。そうした場合には、整体で身体の緊張をゆるめ、負荷のかかり方を整えるサポートが選択肢の一つになります。診断や今後の対応方針の決定は必ず医師に相談したうえで、身体のケアとして整体を活用していただくのが安心です。

鼠径ヘルニアについては、日本ヘルニア学会などの専門学会が診断基準や対応の考え方を公開しています。自己判断で様子を見るのではなく、痛みが続く場合はこうした情報も参考にしながら、まず医療機関を受診することをお勧めします。子どもの成長期の運動器の痛みについては、学校の部活動でも見過ごされやすいため、保護者の方が普段の様子の変化に気づいてあげることも大切です。

よくあるご質問

鼠径ヘルニアと診断されなければ、放っておいて大丈夫ですか?

放っておくと、痛みをかばう動きが習慣化し、股関節や腰など他の部位に負担が広がることがあります。痛みが繰り返す場合は、早めに体の状態を見てもらうことをお勧めします。

子どもの鼠径部痛でも整体を受けられますか?

はい、受けていただけます。ただし成長期のお子さんは骨や筋肉の状態が成人と異なるため、無理な負荷をかけず、痛みの出ない範囲で体を動かしながら見ていく方針を取っています。

整体で鼠径部の痛みは良くなりますか?

医療的な効果を断定することはできません。整体は医療行為ではなく、股関節まわりの緊張をゆるめ、回復しやすい身体づくりをサポートする立場です。改善の経過には個人差があります。

練習を休むタイミングはどう判断すればいいですか?

蹴る、走るといった特定の動作で毎回痛みが出る場合は、一度練習量を落とすタイミングです。無理を重ねるほど、回復に時間がかかりやすくなります。

グロインペイン症候群は自然に良くなりますか?

軽度であれば安静と体のケアで落ち着くこともありますが、股関節まわりの筋肉の硬さや体の使い方が変わらないままだと、練習再開時に再発しやすい傾向があります。

整形外科と整体、どちらを先に受診すればいいですか?

強い痛みや、ふくらみを伴う場合は、まず整形外科で画像検査を受けてください。異常が見つからず、それでも痛みが繰り返す場合に、整体での身体のケアを検討していただくのがよい順序です。

ストレッチだけで改善しますか?

ストレッチは有効なセルフケアですが、体幹の使い方や骨盤の左右差まで含めた根本的な負荷の偏りは、ストレッチだけでは変わりにくいことがあります。

施術はどのくらいの頻度で通えばいいですか?

痛みの程度や競技への復帰時期によって異なります。カウンセリングのうえで、その方に合った頻度をご提案しています。

大人になってから始めた運動でも鼠径部の痛みは起こりますか?

はい、起こります。学生時代の運動経験がある方でも、久しぶりに競技を再開すると、股関節まわりの筋肉が硬くなっていることに気づかず痛みが出るケースは少なくありません。

痛みが出ている場所と、施術する場所は同じですか?

必ずしも同じとは限りません。痛みの出所と、負荷が集中する原因になっている場所が異なることも多く、股関節全体、骨盤、体幹まで含めて確認したうえで施術しています。

女性でも鼠径部の痛みは起こりますか?

はい、起こります。競技をしている女性はもちろん、産後や更年期など、骨盤まわりの筋力が変化しやすい時期にも、同様の痛みが出ることがあります。

痛み止めを飲みながら練習を続けても大丈夫ですか?

痛みを一時的に感じにくくしているだけで、負荷が集中している状態そのものは変わっていません。痛み止めに頼って練習を続けると、気づかないうちに損傷が広がることもあるため、まずは医療機関で状態を確認することをお勧めします。

骨盤の歪みと鼠径部の痛みは関係がありますか?

関係することがあります。骨盤の左右差があると、股関節にかかる負荷にも左右差が生まれ、負荷の大きい側の筋肉や腱に痛みが出やすくなります。当院では骨盤の状態も確認したうえで施術方針を組み立てています。

どのくらいの期間で競技に戻れますか?

痛みの程度や、これまでの経過によって個人差が大きく、一律にはお伝えできません。無理に期間を決めて急ぐより、股関節の可動域や体幹の状態を確認しながら、段階的に運動量を戻していくことをお勧めしています。

インソールやサポーターは効果がありますか?

一時的に痛みを感じにくくする助けにはなりますが、股関節まわりの筋肉の硬さや体幹の使い方そのものを変えるものではありません。根本的な負荷の偏りには、体そのものへのアプローチが必要になることが多いです。

片側だけ痛みが出やすいのはなぜですか?

利き足での蹴る動作や、片脚での踏ん張りを繰り返す競技特性上、左右のどちらかに負荷が偏りやすいためです。当院では股関節の可動域や筋肉の硬さの左右差を確認し、偏りを整えるサポートを行っています。

練習を全く休まずに施術だけ受けても効果はありますか?

施術だけで負荷の集中を完全に打ち消すことは難しく、練習量や動作の癖が変わらないままでは、再発を繰り返しやすくなります。施術と並行して、練習内容や休養の取り方を見直すことも大切です。

過去に鼠径ヘルニアの手術を受けた人でも整体を受けられますか?

はい、受けていただけます。手術後の経過や、現在の痛みの状態を伺ったうえで、股関節まわりの筋肉の緊張をゆるめるサポートを行います。手術部位に直接強い刺激を加えることはありません。

体幹トレーニングをすれば予防になりますか?

体幹を支える力を高めることは、股関節への負荷の集中を減らす助けになります。ただし、フォームが崩れたまま行うと逆に負担が増えることもあるため、股関節の可動域や柔軟性を整えたうえで取り組むことをお勧めします。

学生時代からずっと繰り返している痛みでも改善しやすくなりますか?

長年繰り返している痛みほど、股関節をかばう動きが体の癖として定着していることがあります。時間はかかりやすい傾向がありますが、可動域や体幹の状態を一つずつ確認しながら、負荷の偏りを整えていくことは可能です。

部活の顧問やコーチにはどう伝えればいいですか?

「痛みが出る動作」と「休むべき期間の目安」を、施術者から具体的に伝えてもらうと、顧問やコーチにも状況が共有しやすくなります。当院ではご希望があれば、練習への復帰の目安についてもお話ししています。

まとめ

福岡市で、運動をした時だけ鼠径部が痛む方へ。検査でヘルニアの所見がないと言われても、痛みが繰り返すのであれば、股関節まわりの筋肉や体幹の使い方に負担が偏っているサインかもしれません。一人で「そのうち良くなる」と抱え込まず、まずは身体の緊張をゆるめることから始めてみてください。

競技を続けたい気持ちが強いほど、痛みを我慢して練習を続けてしまいがちです。しかし、負荷が集中している状態のまま無理を重ねると、回復までの時間はかえって長引きやすくなります。強い痛みやふくらみを伴う場合は、まず医療機関を受診してください。当院では、カウンセリング、施術、セルフケアをセットでお伝えしながら、競技を続けたいという思いに寄り添い、繰り返す痛みと向き合う土台づくりをサポートしています。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたか せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年。これまでに25,000人の患者さんを施術してきた経験をもとに、東洋医学の視点を取り入れた身体のケアを行っています。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院院長。競技を続けるお子さんから、久しぶりに運動を再開した大人の方まで、幅広い年代の股関節・鼠径部の痛みに向き合ってきました。