新規集客より先にやるべきことは、来てくれた人が「次に来る理由」を持って帰れているかの確認です

予約表を開く。来週の欄に、空白が並んでいる。

指が自然にスマホへ伸びます。集客 コツ。ブログ 書き方。Googleマップ 上位。画面をスクロールしながら、「あと何か一つ、効く方法があるはずだ」と探している。

私にも、その時期がありました。独立して2年目、いくらやってもリピートしない状態が1年ほど続きました。セミナーとDVDにお金を使い続けて、予約表の空きを見るたびに、今回もダメだったかと思う。寒気がくるのは、決まって寝る前でした。

あのとき私が探していたのは、新規の患者さんを増やす方法でした。でも後から振り返ると、探す場所が違っていました。

この記事は、新規集客の技術を教える記事ではありません。集客に手を出す前に、順番として先に見ておく一点を書きます。

新規集客より先にやるべきことは何でしょうか

先にやるべきことは、今来てくれている患者さんが、帰るときに「次に来る理由」を言葉で持ち帰れているかの確認です。

新規を増やす前に、穴の空いた器を見ます。水を足し続けても、底から抜けていれば、予約表は埋まりません。

大切なのは、ここで言う理由が「体が良くなったから」ではないことです。体は施術で変わります。でも、通院を決めるのは言葉です。患者さんが自分の口で「だから、また来る」と言える状態を作れているか。そこを先に確認します。

なぜ、新規を増やしても予約表が埋まらないのでしょうか

新規が増えても、2回目につながらなければ、毎月ゼロから集め直すことになるからです。

穴の空いた器に水を注ぐのと同じで、増やした分だけ、同じ速度で抜けていきます。広告やSNSに力を入れるほど、忙しいのに安定しない状態になります。

これは集客の腕が悪いのではありません。順番が逆なだけです。

私は1年以上、この逆をやっていました。新しい手技を習い、新しい集客の話を聞き、また空白の予約表を見る。その繰り返しです。手を動かしているのに安心できなかったのは、一番大事な穴を見ていなかったからでした。

施術後の患者さんは、どんな言葉を残して帰っているのでしょうか

「良くなりました」と言いながら、次の予約を入れずに帰る患者さんは、珍しくありません。

長年リピートしない患者さんに悩んでいた頃、ある患者さんに言われた一言があります。

「先生、私、今日なんでこれが良くなったんですかね?」

その場では、うまく答えられませんでした。肩は確かに軽くなっている。でも、なぜ軽くなったのか、また重くなるとしたらそれは何が原因なのか、私は伝えていなかったのです。

患者さんは、良くなったから離れるのではありません。次に来る理由を知らないから離れます。この一言が、私にそれを教えてくれました。

ベッドから起き上がって、肩を回して、「あ、軽い」と驚く。先生も嬉しい。でも会計の前で終わる会話が「お疲れさまでした」だけなら、患者さんの頭には、次に来る理由が一つも残りません。残っているのは、気持ちよかったという感覚だけです。感覚は、翌々日には薄れます。

「次に来る理由」とは、具体的に何を指すのでしょうか

次に来る理由とは、今日の変化の意味と、これから起きそうなことと、先生に任せる範囲の三つを、患者さんの言葉で言える状態です。

もう少し分けます。

一つ目は、今日なぜ楽になったのかです。「首が詰まっていて、呼吸が浅くなっていたので、そこを緩めました」のように、体のどこをどう見たかを一言で伝えます。専門用語は使わなくて構いません。

二つ目は、これから何が起きそうかです。「今日は楽でも、2〜3日で少し戻る方が多いです。戻り方を見たいので、その時にまた来てください」のように、戻ること自体を想定の範囲に入れておきます。戻ったときに「やっぱり効かなかった」と思われるか、「先生の言ったとおりだ」と思われるかで、次の行動がまったく変わります。

三つ目は、先生に任せる範囲と、ご自身でできる範囲の線引きです。全部を任せてもらうのでも、全部を自分でやってもらうのでもない。「ここは私が見ます。ここはご自宅で、夜、これだけやってみてください」と区切ります。

この三つが揃うと、患者さんは「この先生は、私の体の続きを見てくれている」と感じます。次に来る理由は、ここから生まれます。

なぜ、手技を足してもリピートが変わらないのでしょうか

リピートが取れない原因は、手技の足りなさよりも、説明と導きの足りなさにあることが多いからです。

セミナーを受けて手技が増える。現場で試す。反応は出る。それでも2回目が来ない。このとき、「まだ足りない」と考えて次のセミナーへ行くと、同じ場所で止まります。

オープンチャットで、ある先生が自分の状態をこう書いてくれました。

「リピートに繋がらなかった根っこは、この自信と導きの無さでした。」

自信と導き。この二つの言葉が、とてもよく状況を言い当てていると思います。自信がないと、患者さんに「次はこうしましょう」と言い切れません。導きがないと、患者さんは、良くなったあとにどうすればいいか分かりません。結果として、「また必要なら連絡します」で終わります。

手技は大事です。ただ、手技が上がるほど、説明と導きの穴は目立たなくなるどころか、むしろ「あんなに良い施術なのに、なぜ」という違和感として残ります。足りないのは、技術の量ではなく、技術を患者さんの生活につなげる一言です。

関連して、2回目に来ない理由そのものを詳しく書いた記事があります。先にこちらを読んでおくと、この記事の話がつながりやすくなります。整体のリピートされない理由

新規が来ない時期に、まず何をすればよいのでしょうか

予約が埋まらない時期は、すぐ効きそうなことではなく、重要だけれど手間のかかることに時間を使います。

私が、予約の空きが増えた時期に実際にやっていたことは、次のようなものです。

ブログを書く。SNSで発信する。筋トレと呼吸法で自分の体を整える。経営の本を読む。以前習ったセミナーの内容を復習する。

多くの人は逆をやります。予約が埋まらないと、集客のテクニックや新しい手技を探しに行く。でも、手間のかかるものは、暇なときにしかできません。忙しくなってからでは、手が回らなくなります。

ここで大事なのは、新しいセミナーに行っていないことです。すでに持っているものを掘り直しています。手技を増やすのをやめてから、診られる幅が変わりました。増やすのではなく、持っているものを使える形にする。その考え方が、そのままリピートの話にもつながります。

自分の体を整えることも、集客の時期の仕事に数えています。施術者の体は資本です。疲れた顔で説明しても、導く言葉は説得力を持ちません。

今日から確認できる、次に来る理由のチェックはどう作ればよいのでしょうか

直近1か月に来た患者さんを5人思い出して、それぞれ「次に来る理由を、その人の言葉で言えるか」を書き出すだけで確認できます。

やり方は簡単です。紙かメモに、5人分の枠を作ります。そして、それぞれについて次の三つを埋めます。

今日、なぜ楽になったのか。私はそれをどう伝えたか。
これから起きそうなこと。戻る場合はいつ頃で、どう見るのか。
先生が見る範囲と、本人にやってもらう範囲。

埋まらない枠が、そのまま穴です。

最初は、ほとんど空欄になるかもしれません。それは責める材料ではなく、地図です。どこに水が抜けているかが分かれば、次の来院から一言足せます。

「今日は首が詰まっていたので、そこを緩めました。2〜3日で少し戻る方が多いので、戻り方を見せてください。夜は、これだけやってみてください」

これで十分です。長い説明は要りません。

その確認を後回しにして、集客だけ進めるとどうなるのでしょうか

確認を後回しにすると、新規が増えるたびに疲れが増える状態になりやすくなります。

忙しいのに、通ってくれる固定の患者さんが育たない。毎月新しい顔が来ては消えていく。広告費やSNSの時間はかかるのに、予約表の安心感は変わらない。

私もこの状態のとき、「やるべきことはやっているのに、なぜ」と、毎晩同じ問いを繰り返していました。答えは、いちばんやりたくないところにありました。派手な集客の手前にある、地味な説明の見直しです。

反対に、次に来る理由が渡せるようになると、集客は軽くなります。新規が1人来ただけでも、2回目、3回目と続く可能性が上がります。広告に頼らなくても、その方の言葉で紹介が出やすくなります。

次に来る理由を渡すときに、気をつけたいことはありますか

気をつけたいのは、通い続けることを約束するような言い方をしないことと、体のサインに変化があれば受診をすすめることです。

「通えば必ず良くなります」とは言いません。結果を保証する言い方は、信頼を削ります。私が伝えるのは、「今日見えたこと」「次に確認したいこと」「ご自宅でできること」の三つです。

また、急な麻痺、激しい痛み、原因の分からない急な体重減少などがあるときは、整体や鍼灸の範囲を超えている可能性があります。その場合は、医療機関への受診を先にすすめます。次に来る理由をつくることと、必要な受診を妨げないことは、両立します。

依存させることが目的ではありません。むしろ、患者さんが「いつ来て、いつ来なくてよいか」を自分で分かるようになることが、信頼につながります。

よくある質問

新規集客を完全にやめたほうがよいのでしょうか?

やめる必要はありません。ただ、順番として、今来ている患者さんの次回理由を先に整えるほうが、同じ労力で結果が変わりやすくなります。両方を同時に大きく動かさず、週に1つだけ改善する形で十分です。

リピートしない原因が、技術なのか説明なのか、どう見分けるのでしょうか?

施術直後の感想が悪くないのに2回目が来ない場合は、説明と導きの側に原因があることが多いです。施術直後から反応が薄い場合は、問診や見立ての側を先に見直します。

次回予約をその場で入れてもらうのは、押し売りに見えませんか?

理由を先に伝えてから聞けば、押し売りには見えにくくなります。「戻り方を見たいので、3日後あたりはいかがですか」のように、先生の側の確認したい目的を添えると、お願いではなく提案になります。

説明が長くなって、施術時間が圧迫されます。どうすればよいですか?

一言で言えるところまで削ります。体のどこを見たか、これから何が起きそうか、ご自身でやってほしいこと。この三つを、各一文ずつにまとめる練習をしてください。長い説明は、患者さんの記憶に残りません。

戻ってしまう患者さんに、どう説明すればよいでしょうか?

戻ること自体を最初に想定として伝えておきます。「戻るかどうかを見るために、次に来てもらいたい」と伝えると、戻りは失敗ではなく、見立ての材料になります。

患者さんが「もう大丈夫です」と言って離れていく場合は、引き止めるべきですか?

引き止める必要はありません。ただ、「また戻りやすい時期や、サインがあれば連絡をください」と、戻れる場所を言葉で残しておきます。離れることと、関係が切れることは別です。

自信がなくて、言い切るのが怖いです。どうすればよいですか?

言い切るのは結論ではなく、自分が見たことの範囲だけで構いません。「今日はここを見ました」と事実を言い切る。自信は、言い切る回数に比例して育ちます。

予約が埋まらない時期に、新しいセミナーを受けるのは間違いですか?

間違いではありません。ただ、すでに習ったものが現場で使い切れていないなら、新しいものより復習のほうが効く場合があります。まず、手持ちの手技で次に来る理由を言えるかを確認してみてください。

確認して穴が見つかったあと、何から直せばよいでしょうか?

一番多く来てくれている患者さん3人から始めてください。その方々に、次の来院時に一言だけ足します。うまく伝わった言い方を残しておけば、他の患者さんにも使い回せます。

結局、新規集客より先に何を確かめればよいのでしょうか

新規集客より先にやるべきことは、来てくれた人が、次に来る理由を自分の言葉で持ち帰れているかの確認です。

集客を学ぶことが悪いのではありません。順番の話です。穴を見てから水を足すと、同じ労力で、残る人の数が変わります。

まず今週、直近5人の患者さんについて、三つの枠を埋めてみてください。空欄がそのまま、次の一言になります。

現場で使える資料は、どこで受け取れますか?

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この記事は施術者向けの内容です。体の症状でお困りの方は、医療機関にご相談ください。

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