中枢性感作が長引く理由|検査で異常なしでも全身が過敏になるメカニズムと、福岡市で整体ができること
なぜ中枢性感作は長引くのか
中枢性感作が長引く方には、体と神経の緊張が「抜けない状態」が続いているケースが非常に多くあります。
中枢性感作とは、脳や脊髄(中枢神経系)が過敏になり、本来なら痛くない程度の刺激でも、強い痛みや不快感として感じてしまう状態です。医学的には「痛みを増幅させる神経信号の拡大」と定義されています。
なぜ神経はこうなってしまうのでしょうか。痛みや強いストレスが繰り返されると、脳と脊髄の神経回路が「次も同じ刺激が来るはず」と学習し、防衛のために感度を高めます。これは本来、体を守るための仕組みです。ところが、この学習が長く続きすぎると、危険がなくなった後も神経が高い感度のままになってしまいます。この「神経の誤学習」が中枢性感作を長引かせる中心的な理由です。
もう少し具体的に言うと、痛みを抑えるはずの「下行性疼痛抑制系」、つまり体内で痛みにブレーキをかける仕組みの働きが弱まると同時に、痛みを伝える信号が増幅されるようになります。その結果、軽く触れただけでも痛い、音や光、気温の変化にも過剰に反応するという状態が生まれます。
さらに長引く理由として、心の状態との深い連動があります。「いつ痛みが来るかわからない」という予期不安は、交感神経をずっと緊張させ続けます。交感神経が優位のままだと血管が縮み、血流が落ちます。血流が落ちると組織に酸素や栄養が届きにくくなり、痛みの感度が上がります。感度が上がるとまた不安になる。この悪循環が、中枢性感作を長引かせる大きな要因のひとつです。
また、長年にわたる消耗も見逃せません。「頑張り続けてきた」「人に気を遣いすぎてきた」「自分のことより周りを優先してきた」という生き方の積み重ねが、神経系の過緊張を作ります。現場で感じるのは、中枢性感作の方の多くが、体がSOSを出しているのに気づかずに過ごしてきた、とても真面目な人だということです。
真面目な人ほど体が硬い。気を張るほど全身の筋肉が緊張し、疲れても止まれない。その積み重ねが神経を過敏にします。これは性格の問題ではなく、長年の体のパターンです。
夏の時期に症状が増す方も少なくありません。エアコンによる急激な体の冷え・室内外の大きな温度差・睡眠の浅さ・脱水気味の状態が重なると、自律神経の調整機能がさらに負担を受けます。神経系が過敏になっている方ほど、夏のこれらの刺激に体が対応しきれず、「なぜか夏に悪化する」という経験をされる方が多いです。
中枢性感作と整体の関係
中枢性感作について、整体でできることとできないことを正直にお伝えします。
整体は医療行為ではなく、中枢性感作そのものを「変える」「消す」という立場にはありません。この点は明確にしておく必要があります。
整体ができることは、体の慢性的な緊張をゆるめ、自律神経が落ち着きやすい土台を整えるサポートです。具体的には次のようなことが挙げられます。
体の緊張をゆるめるということ。中枢性感作の方は、体中に力が入り続けた状態にあることがほとんどです。筋肉・内臓・呼吸・首・骨盤周りなど、全身に慢性的な緊張が蓄積しています。その緊張を少しずつゆるめていくことで、神経系への負担を軽くするサポートができます。
自律神経のバランスが整いやすい体に近づけるということ。交感神経が優位に偏り続けている状態を、施術と呼吸・セルフケアの組み合わせで、副交感神経が働きやすい体に近づけていきます。
体の感覚を「安心感」に置き換えていくということ。痛みに対して過敏になっている神経系には、「触れられても安全」「変化が怖くない」という体験の積み重ねが助けになります。施術を通じて「体が少し楽になった」「気持ちが落ち着いた」という感覚が、回復の土台を作ります。
生活習慣やセルフケアの方向を整えるということ。食習慣・睡眠・考えグセ・感情との向き合い方など、日常の中で何が神経系の負担になっているかを一緒に整理することも、整体院でできるサポートのひとつです。
ただし、効果には個人差が大きく、変化が出るまでの期間も人によって異なります。整体はあくまで「体の土台を整えるサポート」であり、医療的な診断や根本的な神経の変化を保証するものではないことを、最初にお伝えしておきます。
福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと
中枢性感作の方が整体院を選ぶとき、いくつか知っておくと後悔しにくいポイントがあります。
問診に時間をかけているかどうかを確認するとよいでしょう。中枢性感作の方は、症状が全身に及ぶことが多く、痛みの場所だけを診ても本質には届きません。「いつ頃からどんな症状があるか」「どんな時に悪化するか」「生活でどんな変化があったか」「気持ちの状態はどうか」という問診なしに、体の緊張を適切に解くことは難しいです。
施術の圧が穏やかかどうかも大切です。中枢性感作の方は、強い刺激に対して体が過剰に反応することがあります。強圧のマッサージや激しい整体は、症状を一時的に刺激してしまうことがあります。「優しい施術で変化が出る」という考え方を持っている院を探すことが安心です。
「絶対に良くなる」という断定的な言葉を使わないかどうかも、判断の材料になります。中枢性感作の変化は個人差が非常に大きく、誠実な院は効果を断定せず、サポートの姿勢を丁寧に説明します。
医療機関との連携を大切にしているかどうかも重要です。中枢性感作は、整形外科・神経内科・心療内科・ペインクリニックなど複数の専門科と並走しながら対応するケースも多いです。「整体だけで何とかなる」という立場でなく、必要に応じて医療を勧められる院を選ぶことが安全です。
常若整骨院の考え方
常若整骨院では、中枢性感作の方に対して「カウンセリング・施術・セルフケア」を三つセットで提供するスタイルを大切にしています。
なぜセットにするのかというと、体の緊張だけを取り除けばよいわけではないからです。心の状態・考えグセ・生活習慣・食習慣のどれかが変わらないまま施術だけ続けると、変化が出にくいか、出ても戻りやすいことが多い。20年の現場で繰り返し確認してきたことです。
カウンセリングでは、「何がつらいか」だけでなく「どんなふうに生きてきたか」「何を抱えてきたか」を丁寧に聞いていきます。中枢性感作の方は、「人に言えなかったことがある」「誰かに本音を話せていない」というケースが多くあります。言えなかった言葉は体の緊張として残ります。言葉にして出すことが、体の緊張を抜く最初の一歩になることがあります。
施術では、強い圧はかけません。体が安心して力を抜けるように、ゆっくり・深く・呼吸に合わせて触れていきます。内臓のゾーン・横隔膜・骨盤・首・後頭部と、全身の緊張の繋がりを順番に解いていく方針を取っています。施術中に「力が抜けてきた」「体が温かくなってきた」「目が開いた感じがする」という体感が出てくることを大切にしています。
セルフケアでは、日常でできる体の緊張を抜く習慣をお伝えします。難しいことはありません。「首とお腹を冷やさない」「寝る前のスマホを減らす」「深呼吸を3回」という小さなことから始めます。一度の施術よりも、日常の過ごし方の積み重ねが体を作ります。
そして最も大切にしていることは、「早く良くなろうとしすぎない」という視点を渡すことです。中枢性感作は、焦ることで神経がさらに緊張します。「やれることをひとつずつやった」と思えるところまで並走することが、施術者の本当の役割だと考えています。体が「もう大丈夫」と判断できるまで、急かさずに寄り添うことが大切です。
東洋医学から見た中枢性感作
東洋医学では、中枢性感作に見られる「全身が過敏・疲れやすい・少しの刺激に体が反応する」という状態を、複数の臓の弱りが重なったものとして捉えます。
肝(かん)の気の滞りという状態。東洋医学における「肝」とは、体中の気の流れを調整する司令塔のようなものです。ストレスや怒り、抑圧された感情、慢性的な緊張が続くと、肝の気が滞ります。肝の気が詰まると体全体の気の流れが停滞し、筋肉が硬くなり、過敏性が増します。中枢性感作の方の多くは、この肝の気が張りつめた状態にあります。
ツボとして「太衝(たいしょう)」があります。足の甲、親指と人差し指の骨が合わさる少し手前のくぼみです。肝の気の流れをゆるめるツボです。優しくじっくり押さえる程度にしておいてください。
腎(じん)の精の消耗という状態。東洋医学における「腎」とは、生命エネルギーの貯金庫のような臓です。長年の消耗・睡眠不足・慢性的な恐怖や不安が続くと、腎の精(エネルギーの素)が底をついていきます。腎の精が不足すると、体の底力が落ちて些細なことで疲弊しやすくなります。夜になると症状が増す・腰が重い・記憶力が落ちてきたという方は、腎の消耗が関わっていることがあります。
ツボとして「太渓(たいけい)」があります。内くるぶしの頂点とアキレス腱の間、少し窪んでいるところです。腎のエネルギーを補うツボです。
脾(ひ)の気の不足という状態。東洋医学における「脾」とは、食べたものから気と血を作り出す消化吸収の工場のような臓です。思い悩みすぎ・考えすぎが続くと脾が傷みます。脾が弱ると体中に栄養と気が届きにくくなり、疲れやすく・頭が霞んで・体がだるくなります。中枢性感作でよくある「疲れても眠れない・食欲がない・消化が悪い」という症状は、脾の弱りが底にあることが多いです。
ツボとして「足三里(あしさんり)」があります。ひざのお皿の下端から指4本分下がったところ、すねの骨の外側にある小さなくぼみです。脾と胃を補い、全身の気と血を増やすツボです。
心(しん)の不安定という状態。東洋医学の「心」とは、精神・感情の安定を担う臓で、体の熱のバランスも調整しています。「心神不寧(しんしんふねい)」という状態、つまり心が不安定で神経が落ち着かない状態は、中枢性感作の「少し不安なだけで体が過剰に反応する」という状態と重なります。
ツボとして「内関(ないかん)」があります。手首の内側、手首の横じわから指3本分だけ肘の方向に向かったところ、二本の腱の間です。心を落ち着かせ、胃の緊張もゆるめるツボです。
この四つの臓(肝・腎・脾・心)の弱りが重なると、体は過敏になり、少しの刺激でも強く反応するようになります。東洋医学の見立てでは、中枢性感作は「体が警戒状態を解除できなくなっている」状態です。
三陰交(さんいんこう)というツボもお伝えします。内くるぶしの頂点から指4本分だけ上、すねの骨の後ろぎわにあります。肝・腎・脾の三つの経絡が交わるツボで、この三臓が同時に関わる中枢性感作には特に意識しやすいツボです。優しく温めるか、ゆっくり押さえる程度にしてください。
証(しょう)という東洋医学の体質分類で整理すると、現場でよく見かけるパターンは主に三つです。
肝気鬱滞(かんきうったい)の証。怒り・抑圧・長年のストレスで肝の気が詰まり、全身の気の巡りが停滞した状態です。全身の緊張・こわばり・睡眠の浅さ・感情の波が大きいという特徴が出やすいです。
腎虚(じんきょ)の証。生命エネルギーが底をついた状態で、疲れやすい・腰が重い・夜間に目が覚める・記憶力の低下・夜になると症状が増すという特徴が出やすいです。
脾虚気血両虚(ひきょきけつりょうきょ)の証。気と血の両方が不足し、全身への栄養が届きにくくなった状態で、倦怠感・思考の霞み・消化の弱さ・顔色の悪さという特徴が出やすいです。
現場での経験から言うと、中枢性感作の方はこの三つが組み合わさっていることがほとんどです。一番の根本は腎虚、最も緊張しているのは肝、最も疲弊しているのは脾、という重なり方をしていることが多い。
自律神経と中枢性感作の関係
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような仕組みです。
アクセルに相当するのが交感神経で、緊張・興奮・集中のときに働きます。ブレーキに相当するのが副交感神経で、休息・回復・消化のときに働きます。この二つが状況に応じてバランスを取り合うことで、体はうまく機能します。
中枢性感作の方は、アクセルがずっと踏まれたままになっているケースがほとんどです。交感神経が慢性的に優位な状態です。
アクセルが踏みっぱなしになると体に何が起きるかというと、血管が縮んで血流が落ちます。血流が落ちると、筋肉・内臓・神経に酸素と栄養が届きにくくなります。筋肉は硬くなり、内臓の動きが鈍くなり、痛みの閾値(どのくらいの刺激で痛みを感じるか)が下がります。閾値が下がると、ちょっとした刺激でも強い痛みや不快感を感じやすくなります。これがまさに中枢性感作の状態です。
さらに、アクセルが踏みっぱなしだと眠りの質が落ちます。眠りが浅いと、体の修復が追いつきません。修復が追いつかないと疲れが翌日に持ち越され、翌日はより疲れた状態でアクセルを踏み続けます。この連鎖が数ヶ月・数年と続くと、神経系は「緊張状態が普通」と学習してしまいます。
この悪循環を解くためには、体が「安全だ」と感じる時間を増やすことが助けになります。副交感神経(ブレーキ)を働かせるために、二つのことが特に重要です。
一つは「安心できる時間を意図的に作ること」です。何かに追われているような感覚がある限り、ブレーキは踏めません。「今は何もしなくていい」という時間を、日常の中に組み込むことが必要です。
もう一つは「呼吸を深くすること」です。横隔膜は副交感神経のスイッチに直結しています。鼻から吸って、口から長く吐く。それだけで横隔膜が動き、副交感神経が働きやすくなります。
整体ではこの両方をサポートします。体の緊張を解きながら、「安心して力を抜ける体験」を積み重ねていきます。
実際に多いケース
現場でよく聞く相談として、次のようなものがあります。
「あちこちが痛いのに、病院では異常なしと言われる」。整形外科でレントゲンを撮っても異常なし、血液検査でも問題なし。「気のせいでは」「ストレスでは」と言われたが、痛みは本物で日常生活に影響している、という方がいます。この状態は、痛みが「構造の問題」ではなく「神経の過敏化」から来ているサインのことがあります。
「少し触れただけで飛び上がるほど痛い」「布団の重さがつらい」「温度の変化にも体が過剰に反応する」。神経の感度が上がりすぎると、本来なら痛くない刺激でも強い痛みとして感じます。体が危険信号を出し続けている状態です。
「良くなったかと思うとまた戻る、を繰り返す」。施術を受けたその日は楽になるが、2〜3日で元に戻る。これを繰り返している場合、体の緊張を作っている根っこ、つまり生活習慣・考えグセ・睡眠・食習慣に触れていないことが多いです。症状だけを追いかけても変わりにくいパターンです。
「夜になると症状が増す」「天気が崩れると悪化する」「季節の変わり目がつらい」。自律神経が乱れている方は、気圧・気温・湿度の変化に体が対応しきれず、症状が揺れやすくなります。これは中枢性感作の方によくあるパターンです。
「頑張り続けてきた自分では、いつ倒れてもおかしくない」。真面目で責任感が強い方、気を遣いすぎる方、「弱音を吐いてはいけない」と思ってきた方に、中枢性感作は多く見られます。
3人の事例
ここで紹介する事例は、実際の施術から要点を整理したものです。個人を特定する情報は変えています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
仕事のプレッシャーが引き金になったケース。40代前半の男性。営業職で、ノルマのプレッシャーが長年続いていました。ある時期から、背中・首・腰・膝・腕など体のあちこちが順番に痛むようになりました。病院では「構造的な異常はない」と言われ、精神科でも「問題ない」と言われました。来院時、体中に力が入り、呼吸が浅く、問診中もどこかそわそわした様子がありました。カウンセリングで「仕事でつらいが誰にも言えなかった」という言葉が出てきました。施術では強い刺激は一切使わず、横隔膜と背骨の周り・内臓のゾーンを中心にゆっくり緊張を解いていきました。セルフケアとして、昼休みに3分だけ目を閉じて深呼吸することをお伝えしました。数回の来院を経て、「全部が同時に痛いという感覚が減ってきた」「少し体の重さを感じにくくなった」という変化が出てきました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
育児と家事の消耗が積み重なったケース。30代後半の女性。二人の子どもを育てながらパートで働いていました。産後から体が重く、子どもが少し大きくなってからも疲れが取れない状態が続きました。腰・肩・頭・胃・下半身と、症状が複数箇所に同時に出ていました。「どこが一番つらいか聞かれると困る、全部つらい」という言い方をされました。問診で分かったのは、自分のことを後回しにしてきた長い時間でした。「つらいと言えなかった」「弱音を吐いたら迷惑をかけると思っていた」という言葉が出てきました。施術では、体の力が抜けやすいよう、うつ伏せの状態から背骨・仙骨・足裏の順にゆっくり全身をほぐしていきました。セルフケアとして、「自分のために5分だけ湯船に浸かる」「一日一つ、自分の体に気を向ける時間を作る」をお伝えしました。「体が少し軽くなってきた」「夜に眠れるようになってきた」という変化が少しずつ出てきました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
どこに行っても変わらなかったケース。50代の女性。10年以上、全身の痛みと疲れに悩んでいました。整形外科・神経内科・心療内科・鍼灸院・整体院と多くの場所に通いましたが、根本的な変化がなく、「もうどこに行っても同じ」という気持ちになっていました。来院のきっかけは知人の紹介でした。初回のカウンセリングで時間をかけて話を聞いた際、「これまでちゃんと話を聞いてもらったことがなかった」と涙が出てきたとのことでした。体の緊張は、何年もかけて積み重なったものです。施術は毎回穏やかな圧で行い、少しずつ体が安心して力を抜けるよう積み重ねていきました。「全身が同時に痛いという日が少し減ってきた」「朝起きた時の体の重さが以前より楽になってきた」という変化が、数ヶ月の経過で出てきました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
自宅でできるセルフケア
中枢性感作の方向けに、日常でできることをいくつかお伝えします。
首とお腹を冷やさないこと。エアコンの冷えは、体の緊張を悪化させます。夏でもお腹にはタオルをかけ、首まわりを冷やさないように意識してください。過敏になっている神経系は、冷えの刺激にも強く反応しやすい状態にあります。
寝る前のスマホを減らすこと。画面から来る光と情報が、交感神経を夜遅くまで刺激します。寝る30分前からスマホを手放す習慣が、眠りの質を少し整えます。
深呼吸を3回。緊張を感じた時に、鼻から4秒吸って、口から8秒かけてゆっくり吐く。これを3回繰り返すだけで、副交感神経が少し働きやすくなります。
感覚の入力を意識的に減らすこと。情報・音・光の量が多すぎると、過敏になっている神経系はそれだけで消耗します。一日の中で「静かな時間」を意図的に作ることが助けになります。
「もうやれることはやった」と思えるまでやりきること。中枢性感作の方の多くは、「まだ何か足りない」「まだ何かしなければ」という焦りの中にいます。焦りそのものが神経を緊張させます。「今日できることをやった」と思える日を少しずつ増やすことが、体の緊張を抜く助けになります。
症状を責めないこと。体が過敏に反応しているのは、体が弱いからではありません。それだけ長い時間、体が頑張り続けてきたサインです。症状を敵と思わず、「体からのSOSのサイン」として受け取る視点が、神経系をゆるめることに繋がります。
ぬるめのお風呂に10〜15分浸かること。38〜40度程度のぬるめのお湯が、副交感神経を働かせやすくします。熱すぎる湯は交感神経を刺激するため逆効果になることがあります。
医療機関との連携について
中枢性感作が疑われる場合、まず医療機関への受診をお勧めします。整体は医療行為ではなく、診断・投薬はできません。
受診先として、整形外科・神経内科・心療内科・ペインクリニックなどが専門的に対応しています。「検査で異常なし」と言われた場合でも、痛みそのものを専門に診る「ペインクリニック」では、神経の過敏化に対する専門的なアプローチを受けられることがあります。
特に次のような状態がある場合は、整体より先に医療機関を受診してください。強い麻痺・手足の力が急に抜ける・排泄のコントロールが難しくなった・急速に症状が悪化している・発熱を伴う・体重が急に減少しているといった症状は、速やかに医師に相談することを勧めます。
整体と医療機関は対立するものではなく、併用できます。医療での症状管理をしながら、整体で体の緊張をゆるめ・生活習慣を整えるというかたちで並走することが、変化を作りやすくします。必要に応じて心理士や精神科医など、体と心の両方からサポートしてもらうことも有効な場合があります。
FAQ・Q&A
中枢性感作について、よく聞かれる質問をまとめました。
Q. 中枢性感作は整体で変わりますか?
整体でできることは、体の慢性的な緊張をゆるめ、自律神経が落ち着きやすい状態を作るサポートです。中枢性感作そのものを直接変えることは整体の役割ではありませんが、神経系が緩みやすい土台づくりのお手伝いはできます。効果には個人差が大きく、断定することはできません。
Q. 検査で何も異常がないのに痛みは本物なのですか?
本物の痛みです。痛みは脳が作り出す体験であり、構造の損傷がなくても神経が過敏になっていれば強い痛みを感じます。「検査で異常なし」は「痛みが嘘」という意味では全くありません。神経の過敏化から来る痛みは、確かに存在しています。
Q. 何年も続いている場合でも変わることはありますか?
長年続いていても、体の状態が変わるきっかけになることはあります。ただし、長期にわたる場合は変化が出るまでに時間がかかることが多く、焦って結果を求めることが逆に神経を緊張させることもあります。焦らず積み重ねることが大切です。
Q. 強い施術の方が効果があるのではないですか?
中枢性感作の方には、強い刺激は逆効果になることがあります。過敏になっている神経系に強い刺激を加えると、体がさらに防衛反応を強めることがあります。穏やかで安心できる施術の方が、体がゆるみやすくなるケースが多いです。
Q. 心療内科と整体は同時に通ってもよいですか?
はい、問題ありません。医療でのサポートと整体でのサポートは対立するものではなく、それぞれの役割で並走できます。ただし、医師から止めるよう指示がある場合はその指示に従ってください。
Q. 整体に行くだけで変わりますか?
施術だけで全てが変わるとは言いにくいです。日常の過ごし方・睡眠・食習慣・考えグセなど、生活全体が体を作ります。施術はあくまでサポートで、日常のセルフケアと組み合わせることで変化が出やすくなります。
Q. 子どもにも中枢性感作はありますか?
子どもにも同じような状態が起きることがあります。学校での過剰なストレス・感情の抑圧・環境の変化などが引き金になることがあります。子どもの場合は特に、小児科・小児心療内科に相談することを優先してください。
Q. 薬を飲みながら施術を受けてもよいですか?
医師に処方されている薬を飲みながら整体を受けることは問題ありません。薬の内容を問診でお伝えください。薬の変更や中断については必ず医師に相談してください。
Q. 施術後に一時的に症状が増すことはありますか?
施術後、数日間だるさや症状が増す感覚が出る方がいます。ただし、強い悪化や新しい症状が出る場合は整体院に連絡するか、医療機関を受診してください。
Q. 何回くらいで変化が出ますか?
個人差が非常に大きいため、回数を断定することはできません。変化を感じ始める方は早ければ数回ですが、数ヶ月かかる方もいます。急かさず、積み重ねていくことが大切です。
Q. 中枢性感作は線維筋痛症と同じですか?
中枢性感作は、線維筋痛症を含む複数の慢性疼痛状態の底にある仕組みとして理解されています。同じものではありませんが、深く関係しています。線維筋痛症の診断を受けている方も、中枢性感作が関わっていることがほとんどです。
Q. セルフケアだけで変化を出すことはできますか?
セルフケアは体の土台を作る大切な要素ですが、一人での取り組みには限界があることも多いです。専門家のサポートを受けながら、セルフケアも並行して行うことが変化を作りやすくします。
Q. 夏に症状が悪化しやすいのはなぜですか?
エアコンによる急激な冷えと室内外の温度差、睡眠の浅さ、脱水気味の状態が重なると、自律神経の調整機能が負担を受けます。神経系が過敏になっている方ほど、こうした刺激に体が対応しきれず、夏に症状が揺れやすくなります。首・お腹を冷やさず、眠りの質を守ることが夏の基本的な養生になります。
まとめ
検査では異常が見つからないのに全身がつらい、少しの刺激に過剰に反応してしまう、どこに行っても変わらないと感じている。そんな方へ、この記事を届けたいと思って書きました。
中枢性感作は、あなたの気のせいでも弱さでもありません。神経系が長年の緊張・消耗・刺激に適応した結果として、過敏な状態になっているのです。それは、それだけ体が長い時間、頑張り続けてきた証でもあります。
整体にできることは限られています。診断も、薬の処方も、「絶対に変わる」という約束も、整体にはできません。
ただ、体の緊張を少しずつゆるめること、安心して力を抜ける感覚を体験してもらうこと、「一人で抱え込まなくていい」という場所を作ること、そして日常でできる小さなセルフケアを一緒に整えること。これはできます。
「やれることはやった」と思えるところまで並走すること。それが常若整骨院の施術者としての姿勢です。
福岡市で中枢性感作に悩んでいる方、病院では異常なしと言われたけれどつらさが続いている方、まず医療機関を受診した上で体の緊張をゆるめることから始めてみたいという方は、一度ご相談ください。
一人で抱え込まず、まず体の緊張をゆるめることから始めてみてください。
院長プロフィール
常若整骨院 院長 冨高誠治
福岡市にて、整体・気功を軸とした施術を行っています。施術歴20年、延べ25,000名を施術してきました。
「検査で異常なし」と言われながら、何年も不調を抱えて来られる方を多く見てきました。体の緊張・考えグセ・生活習慣・感情の抑圧が積み重なり、体が回復の方向に向かえなくなっている方のサポートを続けています。
体と心は切り離せません。症状だけでなく、その方の生き方全体を見ながら、カウンセリング・施術・セルフケアをセットで提供するスタイルを大切にしています。
まず医療機関での診察・診断を受けた上で、「体の土台から整えたい」という方の並走が、この院の役割です。











