つわりが長引く本当の理由|福岡市で整体が考える体のケアとセルフケア
結論から言うと、つわりが長引く方の多くは、ホルモンの変化だけでなく、胃腸の弱さ・自律神経の過緊張・冷えという体質的な土台が重なっています。
原因は一つではありません。妊娠による急激なホルモン変動が引き金になりますが、そこに胃腸がもともと弱い、冷えがある、ストレスで自律神経が乱れている、という体の状態が重なると、つわりは長引きやすくなります。整体は、つわりそのものを止めることはできませんが、体の緊張をゆるめ、胃腸まわりの血流を整え、自律神経が落ち着きやすい体の状態をつくるサポートができます。この記事は、薬が飲みにくい妊娠中に「体のために何かできることはないか」と探している方、つわりがどうして長引くのかを知りたい方に向けて書いています。
なぜつわりは長引くのか
つわりが長引く方には、体の緊張が抜けていないケースが多くあります。
つわりの基本的なメカニズムとして、妊娠初期に急激に上昇するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)や、プロゲステロン・エストロゲンといったホルモンが、脳の嘔吐中枢を刺激することが挙げられます。これらのホルモンは妊娠を維持するために欠かせないものですが、同時に腸の動きを抑え、消化のペースを落とします。その結果、胃が重くなる、吐き気が出る、においに敏感になる、という症状が現れます。hCGは妊娠10週目前後でピークを迎えた後に落ち着いてくることが多く、多くの方はその頃から症状がやわらいできます。
ただ、同じ妊娠をしていても、つわりが軽い方と重い方、すぐ落ち着く方と長引く方がいます。その違いを分けるのが「体の土台」です。
胃腸がもともと弱い方は、ホルモンによる刺激を受けたときに影響を受けやすい。冷えがある方は、胃腸の血流が落ちてさらに動きが鈍くなる。日ごろから交感神経優位の緊張状態が続いている方は、本来は副交感神経が担う胃腸の消化機能が抑えられたままになります。これらが複数重なると、体がホルモンの変動に対応しきれなくなり、つわりが重く、長引きやすくなります。
さらに、つわりは「心身症」としての側面を持つことが医学的にも指摘されています。強いストレスや不安が続くと、自律神経・内分泌系・免疫系が同時に影響を受け、症状が重くなりやすいのです。吐き気への恐れ、においへの警戒、休めない育児や仕事のプレッシャーが重なると、体の緊張がどんどん蓄積されていきます。
また、夏の時期は特に注意が必要です。エアコンの効いた室内に長時間いると、お腹まわりが冷えて胃腸の動きがさらに落ちやすくなります。室内と屋外の温度差が繰り返されることで自律神経が乱れやすくなり、吐き気が増す方がいます。もともとつわりで体力が落ちているところへ、夏の冷えが重なることで、脾胃(東洋医学で消化吸収を担う臓)がさらに消耗するケースがあります。
つわりが長引く中でもっとも大切なのは、まず産婦人科でしっかり診てもらうことです。体重が著しく落ちている、水分がとれない、ぐったりして動けない、という場合は「妊娠悪阻」と呼ばれる重症のつわりである可能性があり、点滴や入院管理が必要です。自己判断で様子を見続けることは避け、産婦人科に状態を伝えてください。
つわりと整体の関係
整体はつわりを止めることはできません。これは最初にはっきりお伝えします。
つわりの根本的な原因はホルモンの変動にあり、整体がホルモンの分泌量を変えることはできません。妊娠という体の変化に伴って起きていることですから、ある意味では体が新しい命を育てるために正しく機能しているサインでもあります。
整体がサポートできるのは、以下のような部分です。
まず、体全体の緊張をゆるめることです。つわりの時期は、吐き気・疲労・睡眠の乱れが重なり、体が慢性的な緊張状態になりやすい。特に肩・背中・横隔膜が固まると、呼吸が浅くなり、自律神経がより乱れやすくなります。整体でこの緊張をゆるめると、呼吸が深くなり、胃腸周りの血流が戻りやすくなる方がいます。
次に、胃腸まわりの血流を整えることです。体の緊張が続くと、胃やみぞおち周辺の血流が落ちます。適切なアプローチでここをゆるめると、胃の動きが落ち着きやすくなる場合があります。
自律神経のバランスが整いやすい体の状態をつくることも、整体のできることの一つです。交感神経優位の緊張状態から、副交感神経が適度に働ける状態に切り替わると、胃腸の働きが回復しやすくなります。
ただし、妊娠中の施術には厳格な注意が必要です。下腹部への強い刺激、強い圧力、妊娠中に禁忌とされるツボへの刺激(三陰交など妊娠初期に強い刺激を避けるべきツボがあります)は行いません。常若整骨院でも、妊娠中の方には特別な配慮を行い、ごく軽い刺激に限定した安全なアプローチのみを提供しています。整体を受ける際には、必ず事前に担当の産婦人科医または助産師に相談し、許可を得てから来院してください。
福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと
福岡市でつわりのつらさを何とかしようと整体を探している方が、院を選ぶ際に確認しておくとよいことがあります。
一つ目は、妊娠中の施術経験があるかどうかです。妊娠中は通常の施術とまったく異なります。うつ伏せを避ける、腹部への圧力を加えない、刺激する場所を選ぶ、週数に応じた対応をするなど、一般的な整体とは異なる対応が必要です。「妊婦さんの施術をしています」と書いてあるだけでなく、どのような注意を払っているかを事前に確認できると安心です。
二つ目は、産婦人科で相談してから来院するということです。特につわりが重い場合、出血や腹痛がある場合、妊娠の経過に不安がある場合は、整体を探す前に産婦人科医や助産師に相談することを最初のステップにしてください。「整体を受けてもいいですか」と確認してから来院することを強くお勧めします。
三つ目は、カウンセリングが丁寧にある院を選ぶことです。妊娠中の体の状態は週数によっても一人ひとりでも大きく異なります。現在の週数、産婦人科での状況、症状の重さ、他の不調、生活状況を丁寧に聞き取ったうえで施術方針を決める院が安心です。
四つ目は、整体は補完的なサポートと位置づけることです。整体がつわりを消してくれると期待して来院すると、現実とのギャップでがっかりすることがあります。整体でできることは体の緊張をゆるめ、回復しやすい土台をつくることです。産婦人科での管理と並行して、補完的に活用するという考え方が適切です。
常若整骨院の考え方
常若整骨院では、妊娠中のつわりに対して「体の緊張をゆるめ、回復しやすい土台づくりをサポートする」という立場で関わります。
施術の前に必ずカウンセリングを行います。現在の妊娠週数、産婦人科での経過の状況、つわりの症状の強さ、日常生活での困りごと、他の不調を丁寧に確認します。その上で、安全にできる範囲のみを行います。
具体的には、背中・肩・横隔膜の緊張をゆるめる、呼吸が深まりやすくなるよう整える、胃腸の血流が戻りやすいよう周辺をゆるめる、自律神経が落ち着きやすい体の状態に近づけるというアプローチが中心です。下腹部への直接的な強い刺激は行いません。妊娠初期はとりわけ慎重に、ごく軽い刺激に限定します。
施術だけでなく、家でできるセルフケアもお伝えします。どんな姿勢で休むとよいか、食事のとり方の工夫、体を冷やさないための生活の整え方など、妊娠中の体に合ったアドバイスをお伝えします。
整体は、つわりを「止める」ものではありません。体の緊張をゆるめ、自律神経が整いやすい状態に近づけることで、つわりの波の中で少しでも楽に過ごせるよう寄り添うのが、常若整骨院の立場です。
東洋医学から見たつわり
東洋医学では、つわりのことを「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼び、胃気上逆(いきじょうぎゃく)が主な病理と考えます。
胃気上逆とは、本来下に向かうべき胃の気の流れが逆向きになる状態です。胃は飲食物を受け入れ、下へ送り出す働きを担っています。その気の流れが逆になると、吐き気・嘔吐・胃のむかつきが起きます。つわりはまさにこの状態です。東洋医学では、妊娠によって体の中の「衝脈(しょうみゃく)」という気の流れが乱れ、その影響が胃の気を逆行させると考えています。
なぜ胃気が上逆するのか、東洋医学では大きく三つのパターンで考えます。
脾胃虚弱タイプ(もともとの胃腸の弱さ)
脾(ひ)とは、東洋医学における消化吸収の働き全体を指す概念です。現代の「脾臓」とは異なり、胃がバーナーなら、脾はそのバーナーを動かす力と表現できます。もともと脾胃が弱い方は、妊娠によるホルモン変化に対応しきれず、胃の気が上逆しやすくなります。このタイプは食欲がなく、食べても胃もたれがひどく、疲れやすい、下痢や軟便が多いという傾向があります。体が細く胃腸が弱い方や、食事を抜いたり不規則になりがちだった方に多く見られます。
肝気鬱滞・肝胃不和タイプ(ストレスと気の滞り)
肝(かん)とは、東洋医学で気の巡りを調節する働きを持つ臓です。ストレスや感情の抑え込みが続くと、肝の気の流れが滞ります(これを肝気鬱滞といいます)。滞った気が胃を刺激すると、胃の気が逆流して吐き気が生じます。肝と胃が不和な状態、つまり「肝胃不和」です。このタイプは、ストレスがかかると症状が強くなる、においや環境の変化に敏感、イライラや不安が強い、ため息が出る、という特徴があります。仕事を続けながら妊娠している方、育児の負担が重い中で二人目を妊娠した方に多く見られます。
腎精虚タイプ(生命力の根本の消耗)
腎(じん)は東洋医学で生命力の根本を蓄える臓です。腎=回復力の貯金と表現できます。妊娠初期は、新たな命を育てるために腎の精気(せいき)、つまり生命エネルギーを大量に使います。腎が消耗すると、全身の気の流れを支える力が落ち、胃の気が安定しにくくなります。このタイプは、疲れが強く眠い、腰がだるい、足元が冷える、夕方から夜にかけて症状が強くなるという傾向があります。過労が続いていた方、睡眠不足が長引いていた方、前回の妊娠・出産からの回復が十分でなかった方に多く見られます。
多くの方は、これら三つのパターンが重なっています。特に仕事・育児・ストレスが重なっている方は、肝気鬱滞と脾胃虚弱の両方が影響していることがよくあります。
つわりに関係するツボ
東洋医学でつわりに用いられる代表的なツボがあります。妊娠中の強い刺激は禁忌ですので、強く押すことはせず、あくまで指の腹でそっと当てる程度に留めてください。
内関(ないかん)は、手首の内側、手首の折れ目から指3本ぶん上の中央にあります。腱と腱の間のわずかなくぼみです。胃の気の逆流を落ち着かせ、吐き気をやわらげるためによく用いられるツボで、乗り物酔いのバンドに使われているのもこのツボです。指の腹で優しく当てながら深呼吸をするだけでも、吐き気が少し落ち着く方がいます。
合谷(ごうこく)は、手の甲側、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみにあります。胃腸の気の流れを整える効果があります。ただし妊娠初期に強い刺激を与えることは避け、そっと当てる程度にしてください。
中脘(ちゅうかん)は、みぞおちとへその中間の位置にあります。胃の経絡上にあり、胃の気の逆流を落ち着かせるために使われます。自分でお腹を強く押すことは避け、蒸しタオルや湯たんぽで温めるという形で活用するとよいでしょう。
自律神経とつわりの関係
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経系です。アクセルが交感神経(緊張・活動モード)、ブレーキが副交感神経(休息・回復モード)です。
胃腸の消化機能は、副交感神経が担当しています。副交感神経が働いているときに、胃は消化液を分泌し、腸は蠕動運動(ぜんどううんどう)をして食べ物を先へ送り出します。副交感神経が十分に働かないと、胃腸は本来の力を発揮できません。
つわりの時期は、体への刺激(ホルモンの急変・吐き気・疲労)が強く、交感神経が優位になりやすい状態が続きます。吐き気が怖いという精神的な緊張、においを回避しようとする過敏さ、眠れない日が続く疲弊が重なると、交感神経の過緊張が慢性化します。すると副交感神経が立ち上がりにくくなり、胃腸の回復が滞ります。これがつわりをさらに長引かせる一因になっていることがあります。
整体でこの自律神経の切り替えをサポートできる場合があります。背中の緊張をゆるめ、呼吸を深くし、体に「安全だよ」というシグナルを入れることで、副交感神経が立ちやすい状態に近づけていきます。施術後に「胃が少し楽」「体が温かくなった」と感じる方がいるのは、この変化が起きているためです。ただし、効果には個人差があります。
実際に多いケース
つわりで体のケアを求めて訪れる方には、いくつかの共通したパターンがあります。
一番多いのは「食べれない・眠れない・動けない」という三重苦を抱えている方です。食事がとれないから体力が落ちる、体力が落ちると自律神経も乱れる、そしてさらに症状が悪化するという悪循環に入っています。「何もできない自分がつらい」という気持ちも重なり、精神的な疲弊が体の緊張をさらに強めてしまいます。
次に多いのは、仕事や育児を続けながらつわりに耐えているケースです。特に職場での吐き気を我慢し続けることで、体の緊張がどんどん蓄積されます。「弱いと思われたくない」「迷惑をかけたくない」という気持ちから我慢を続けることが、胃の気の逆流をより強くする連鎖を生んでいます。
もう一つ多いのは、「前回の妊娠よりひどい」という方です。第二子・第三子のつわりが最初の妊娠より重いと感じる方は少なくありません。上の子の育児・家事・慢性的な睡眠不足が体の土台を削っている状態で新たな妊娠を迎えると、つわりへの体の対応力が落ちることがあります。
3人の事例
事例1:仕事のストレスが重なったケース
30代、デスクワーク中心の方です。妊娠6週目から始まったつわりが、職場のプロジェクトの繁忙期と重なりました。においに極端に敏感になり、会議室の匂いや同僚の香水でも吐き気が出る状態でした。食事がほとんどとれず、1週間で体重が大きく落ち、産婦人科での点滴も経験されました。「休みたいのに仕事が気になって休めない」という状態が続き、緊張が体から抜けない毎日でした。
整体では、背中と横隔膜の緊張をゆるめ、自律神経が落ち着きやすい呼吸法をお伝えすることを中心に行いました。産婦人科での管理を続けながら、体の緊張をゆるめるサポートを並行して活用していただいた形です。施術後は「胃の奥が少し楽」「肩が落ちた感じがした」という変化を感じていただきました。効果には個人差があり、症状の回復を保証するものではありません。
事例2:育児と重なった二人目のつわり
30代後半、上の子を育てながら二人目を妊娠されたケースです。一人目の世話で体を休める時間がほとんど取れず、つわりの吐き気が12週を過ぎても続いていました。「前回はこんなにひどくなかったのに」と感じ、自分の体を責めておられました。
もともと胃腸が弱い体質で、冷たい飲み物が胃に当たりやすいとのことでした。夏の時期でエアコンに長時間当たることも多く、お腹が冷えていました。整体では胃まわりの血流が落ちていると見て、腹部を冷やさない生活習慣のアドバイスと、背中・横隔膜をゆるめるアプローチを行いました。「施術後は体が少し軽くなった」「少量なら口に入るようになった」とおっしゃっていただきました。効果には個人差があり、症状の回復を保証するものではありません。
事例3:どこに相談していいかわからなかったケース
20代、初めての妊娠でつわりのつらさを誰にも相談できずに抱えていた方です。「産婦人科でつわりは異常ではないと言われた。でも仕事も家事もできないくらいつらい。何をすればいいかわからない」という状態でした。
カウンセリングでまずお話を丁寧に聞きました。つわりがひどい時期は無理に「普通通りに動こう」としないことが大切で、体が欲するものだけを少量ずつとること、横になれる時間を最優先にすること、罪悪感なく休んでいいということをお伝えしました。整体では、全身の力が抜けやすい状態をつくることを目標に、ごく軽い施術を行いました。「一人じゃないと思えて少し楽になった」「体のことを誰かに聞いてもらえた安心感があった」というお言葉をいただきました。効果には個人差があり、症状の回復を保証するものではありません。
自宅でできるセルフケア
食事のとり方を変える
空腹になると吐き気が強くなる場合があります。「食べられない」からと長時間何もとらないより、食べられるものを少量ずつ、こまめにとる方が楽になる方がいます。パン一口、クラッカー一枚でも構いません。水分もできれば少量ずつこまめにとります。冷たい飲み物や食べ物は、胃腸を冷やして働きをさらに落とします。常温か少し温かいものの方が、胃に優しいことが多いです。
炭水化物は比較的消化されやすく、空腹による吐き気を和らげやすい食材です。ご飯・お粥・パン・クラッカーなどを少量ずつそばに置いておくのが有効です。
体の左側を下にして休む
体の左側を下にして横になる姿勢(シムス位)は、胃酸が逆流しにくく、楽に感じやすいといわれています。抱き枕や大きめのクッションを使って、体が左側に傾いた状態で支えられるようにすると、長い時間楽に過ごせます。食後すぐに横になることは避け、少し時間をおいてから横になると胃の逆流が起きにくくなります。
お腹と腰を冷やさない
胃腸は冷えに弱く、お腹が冷えると動きがさらに悪くなります。夏場のエアコンが効いた室内では、腹巻きや薄手のカーディガンでお腹まわりを守ります。足首も冷えると全身の血流が落ちますので、靴下やレッグウォーマーを活用してください。冷たい飲み物もなるべく避け、常温か温かいものを選ぶことが胃腸への負担を減らします。
においの対策
においが引き金になる方は、においの原因をできるだけ遠ざけます。換気を頻繁に行う、調理中の匂いが強い時は別の部屋へ移動する、本人にとって楽なアロマ(ミントやレモンが楽に感じる方もいます)を少量手首などにつけるなど、小さな対策を積み重ねます。
内関のツボをそっと当てる
手首の内側、手首の折れ目から指3本ぶん上の中央にある内関(ないかん)を、指の腹でそっと当てて深呼吸をするだけでも、吐き気が少し落ち着く方がいます。押すというより「添える」くらいの刺激で十分です。強く押すことは避けてください。乗り物酔い防止のリストバンドと同じ部位です。
ゆっくりした深呼吸をする
吐き気がつらいとき、鼻からゆっくり息を吸って、口からさらにゆっくり時間をかけて吐く深呼吸を3回行います。副交感神経が少し立ち上がり、胃の緊張がゆるみやすくなります。「3秒吸って6秒吐く」くらいのペースが目安です。
考えすぎに気をつける
東洋医学に「思傷脾(しそうひ)」という言葉があります。考えすぎが脾(消化吸収を担う臓)を傷めるという考え方です。「早く楽にならなければ」「このまま続いたらどうしよう」と思い続けることが、胃腸の回復をかえって遅くすることがあります。今できることをするだけで十分。答えを急がず、今日を乗り越えることを目標にしてください。
医療機関との連携について
つわりは、程度によって医療的な管理が必要になります。以下の状態に当てはまる場合は、整体ではなくまず産婦人科を受診してください。
体重が妊娠前から著しく減少している場合。水分がまったくとれず、1日中嘔吐が続く場合。口が極端に乾く、尿が出ない・濃くなるという脱水のサインがある場合。意識がぼんやりする、ぐったりして動けない場合。これらは「妊娠悪阻」の可能性があり、点滴や入院による管理が必要なことがあります。
整体は医療ではありません。医師の診断に代わるものでもありません。産婦人科での診察・管理を最優先にしながら、体の緊張をゆるめるサポートとして整体を位置づけてください。
また、つわりがひどい時期に精神的なつらさが大きくなることがあります。「何もできない自分を責めてしまう」「赤ちゃんに申し訳ない気持ちになる」という感情が出てきたら、産婦人科の助産師や心理士などの専門家に相談することも選択肢の一つです。一人で抱え込まないことが、この時期の一番の養生です。
FAQ・よくある質問
Q1. つわりは何週くらいで落ち着きますか?
多くの場合、妊娠12〜16週頃にかけて落ち着いてくることが多いです。hCGがピークを過ぎ、プロゲステロンの急激な変動も落ち着いてくる時期と重なります。ただし個人差が大きく、妊娠中を通じてつわりが続く方もいます。症状が非常に強い場合や、安定期に入っても著しく続く場合は産婦人科に相談してください。
Q2. 整体を受けることで、つわりが楽になりますか?
全員に同じ効果があるわけではありません。体の緊張をゆるめ、自律神経が落ち着きやすい状態に近づけることで、つわりの波の中で少し楽に過ごせる方がいます。ただし、整体はつわりの原因であるホルモン変動に直接働きかけることはできません。補完的なサポートとして活用してください。
Q3. 妊娠中に整体を受けても大丈夫ですか?
産婦人科医や助産師に事前に相談したうえで、妊娠中の施術に配慮している整体院を選ぶことが大切です。下腹部への強い刺激や、妊娠中に禁忌とされるツボへの強い刺激は行いません。常若整骨院では、妊娠中の方には特別な配慮をしながら、安全な範囲のみで対応しています。
Q4. 何週目から整体を受けられますか?
産婦人科医の許可があることが前提です。妊娠初期(特に8週以前)は最も慎重が必要な時期です。受診の際に「整体を受けたい」と担当医に相談し、許可を得てから来院してください。
Q5. 食べられるものが白いものだけになってしまいました。大丈夫ですか?
つわりの時期は、食べられるものを食べることが最優先です。栄養バランスよりも、まずカロリーと水分が口に入ることを目標にしましょう。長期にわたり水分も食事もとれない状態が続く場合は、産婦人科に相談してください。
Q6. においに過敏で、夫の体臭や料理の匂いが全部つらいです。
においへの過敏さは、つわりの代表的な症状の一つです。嗅覚が鋭くなる原因はホルモン変動にあります。換気を頻繁に行う、調理の場から離れる、ご自身にとって楽に感じるにおい(薄いミントなど)をそばに置くなど、環境を整えることが助けになる場合があります。周囲の方へ状況を正直に伝え、理解を求めることも大切です。
Q7. 吐いた後、また食べようとすると気持ち悪くなります。どうすればいいですか?
嘔吐後はすぐに食べようとせず、まず落ち着く時間をとります。口をゆすぎ、少量の常温水から始め、少し落ち着いてきたらごく少量の食べ物を試してみてください。焦らず、体が受け入れられるペースに合わせます。
Q8. 夏のエアコンでつわりが悪化する気がします。
胃腸は冷えに弱く、エアコンの冷気でお腹が冷えると胃の動きがさらに悪くなる場合があります。室内でも腹巻きなどで腹部を保温することをお勧めします。また、室内と室外の温度差が大きいと自律神経が乱れやすくなり、吐き気が増す方がいます。差をできるだけ5度以内に保てるよう、上着や温かい飲み物で調整してください。
Q9. 点滴を打っても戻ってしまいます。何かできることはありますか?
点滴は脱水と電解質の補正が主な目的ですので、体質的な土台の問題は残ります。産婦人科での管理を続けながら、体の冷え対策・食事の工夫・体の緊張をゆるめる取り組みを地道に続けることが助けになる場合があります。整体は、これらの取り組みを補完するサポートとして活用してください。
Q10. 東洋医学で言う「脾胃が弱い」状態とはどういうことですか?
東洋医学でいう脾(ひ)は、現代医学の「脾臓」とは異なります。消化吸収・エネルギーの変換・体全体への栄養の輸送という機能を担う概念です。脾が弱いとは、食べたものをうまくエネルギーに変えられない状態を指します。胃腸が弱い、食後に眠くなりやすい、疲れやすい、下痢や軟便が多い、手足が冷えやすいといった傾向がある方は、東洋医学的に脾胃が弱いとみなされることがあります。
Q11. つわりがひどいと、赤ちゃんに影響がありますか?
つわりがあること自体は赤ちゃんに直接悪影響があるとは言われていません。ただし、「妊娠悪阻」と呼ばれる重症のつわりで、著しい栄養不足・脱水が続く場合には注意が必要です。体重の大幅な減少や水分がとれない状態が続く場合は、必ず産婦人科に相談してください。
Q12. つわりの後、体が回復するのにどのくらいかかりますか?
つわりが落ち着いた後も、胃腸の疲れや体重の減少が残っている場合があります。食事を少しずつ戻しながら、胃腸を労わる生活を続けることが大切です。急に食事量を増やすと胃に負担がかかることがありますので、焦らず体の声を聞きながら進めてください。体重は妊娠が進むにつれ自然に戻ってくることがほとんどですが、不安な場合は産婦人科に相談を。
Q13. つわりの時期にできる東洋医学的な養生はありますか?
まずお腹と腰を冷やさないこと。次に、冷たい飲み物・食べ物をできるだけ避け、常温か温かいものを選ぶこと。考えすぎ・心配しすぎを少しでも手放すこと(東洋医学では「思傷脾」、考えすぎが脾を傷めるという考え方があります)。体が動けるときに、短い散歩や軽い動きで気の巡りを保つことも助けになる場合があります。無理はせず、体が欲する休息を最優先にしてください。
Q14. 二人目のつわりが一人目より重いのはなぜですか?
一人目を育てながら二人目を妊娠する場合、育児・家事による慢性疲労、睡眠不足、体の回復不足という状態が重なります。体の土台が削れた状態でホルモン変動を受けると、つわりが重くなりやすいといえます。東洋医学的には、脾胃の消耗と腎精の不足が土台にあることが多いです。まず体を休めることを最優先に、周囲に頼れることは頼って乗り越えていただければと思います。
まとめ
福岡市でつわりに悩んでいる方へ。
薬が飲みにくい妊娠中に、つわりがひどくて何もできない状態はとてもつらいものです。「仕方ないと言われるだけで、何もできることがない」と感じている方もいるかもしれません。
つわりを止めることは整体にはできません。ただ、体の緊張をゆるめ、胃腸まわりの血流を整え、自律神経が落ち着きやすい体の状態に近づけることは、サポートできる可能性があります。
まず産婦人科での管理を最優先にしてください。体重が著しく落ちている、水分がとれない、ぐったりして動けない場合は、迷わず産婦人科に連絡を。その上で、体の緊張をゆるめることで少しでも楽に過ごしたい方はご相談ください。
無理に頑張ろうとせず、体が欲することを聞いて、今この時期を一つひとつ乗り越えていただければと思います。一人で抱え込まず、頼れるところに頼る。それがこの時期の一番の養生です。
院長プロフィール
常若整骨院 院長 冨高誠治
福岡市で整体・気功を軸に、延べ25,000名の施術に携わってきました。施術歴20年。特に自律神経・慢性症状・女性の体の不調について、東洋医学と現代的なアプローチを組み合わせた見立てと施術を行っています。
「症状の場所と原因の場所は違う」という視点を大切にしており、体の表面だけでなく、生活習慣・考えグセ・食習慣・感情のパターンまで含めた全体像から体を診ることを軸にしています。
整体は医療行為ではありません。診断や処方は医師に、体の緊張をゆるめ回復しやすい土台をつくるサポートは整体に、という役割分担を大切にしながら、必要に応じて医療機関との連携も行っています。











