抜け毛が長引くとき、体の深部で何が起きているのか|東洋医学と自律神経から考える根本の原因
結論から言うと、抜け毛が長引く方の多くは、頭皮の問題ではなく体の内側の消耗が先に起きています。東洋医学では「髪は血の余り」と言い、全身の血が十分に作られ、届けられてはじめて髪が育ちます。育毛剤を変えても抜け毛が止まらないのは、届ける力そのものが落ちているからです。
この記事は、抜け毛が3ヶ月以上続いている、どこに行けばいいかわからない、あるいは「ストレスのせい」とはわかっていても具体的に何をすればいいか見えない方に向けて書いています。
整体でできることは、抜け毛そのものを直接なくすことではありません。自律神経と内臓の疲労を緩め、血が頭皮まで届く体の状態を整えることです。頭皮だけを見ずに全身を見る、という視点が今の状態を変えるひとつの鍵になる可能性があります。
なぜ抜け毛は長引くのですか
抜け毛が止まらない方に共通しているのは、体の緊張が抜けていないことです。
髪が育つには、血液が毛根の毛母細胞に届く必要があります。しかし、ストレスや睡眠不足が続くと自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になります。交感神経が優位な状態では、体は末梢の血管を縮ませて、心臓や主要臓器を守ろうとします。頭皮はその末梢に当たるため、血流が落ちて毛根に栄養が届きにくくなります。
もうひとつ見落とされがちなのが、毛周期(ヘアサイクル)のズレです。髪は通常、成長期(2〜6年)→退行期(2〜3週間)→休止期(3〜4ヶ月)という周期を繰り返しています。ストレスや内臓の疲労が続くと、この成長期が大幅に短縮され、十分に育たないまま抜け落ちます。抜け毛が増えたと感じる2〜3ヶ月前のストレスが原因になっていることも多く、「なぜ今さら」という感覚になりやすいのはこのためです。
また、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げます。成長ホルモンは夜の深い眠りの中で多く分泌され、髪を含む体の細胞の修復に使われます。眠れない日が続くと、髪の再生が後回しにされていく、という構造が起きています。
もうひとつ、消化器の疲れも大きく関わっています。食事をしていても、それを血液に変換する力が落ちていれば、体に栄養は届きません。東洋医学では脾(消化器系全体)がこの変換の工場にあたり、ここが弱ると「食べているのに血が足りない」状態が続きます。
育毛剤で頭皮に栄養を届けようとすることは間違いではありません。ただ、届ける血流そのものが落ちていれば、外から何を塗っても毛根に届かない。そこが、長引く抜け毛の大もとにある問題です。
抜け毛とはどのような状態ですか
抜け毛とは、毛髪が正常な成長サイクルを終える前に脱落してしまう状態です。1日に50〜100本程度は自然な脱毛の範囲ですが、それを超えて続く場合、地肌が透けて見えるようになった場合を「抜け毛が気になる」状態と考えます。
原因によっていくつかのタイプに分かれます。
ストレス性の抜け毛は、自律神経の乱れと内臓の疲労が背景にあります。特に長期のストレスや睡眠不足、多忙な生活が続く人に多く見られます。強いストレスを受けた2〜3ヶ月後に抜け毛のピークが来るため、「原因のタイミングがずれている」と感じやすい点が特徴です。
ホルモン変動による抜け毛は、産後や更年期に多く起きます。女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、毛周期が乱れやすくなります。産後の抜け毛は出産後3〜6ヶ月頃にピークが来ることが多く、多くの場合は自然に落ち着きます。ただし、疲労や睡眠不足が重なると回復が遅れます。
栄養の偏りや消化器の疲れも関わっています。体の中で血液を作る力が落ちていると、外から栄養を補っても吸収できません。胃腸が弱い、食欲がない、という状態が続くと、髪のような「後回しにされやすい部分」への栄養供給が先に減ります。
円形脱毛症はまとまった脱毛が急に起きるもので、免疫系の関与が考えられています。これは専門機関での検査が先です。
整体が向いているのは、ストレス・睡眠不足・自律神経の乱れが背景にある抜け毛です。急激な脱毛や、特定の場所だけ全部抜けるケース、発熱や全身症状を伴う場合は皮膚科や内科での検査が先になります。
なお、自律神経の乱れが長期間続くと、抜け毛だけでなく耳鳴りやめまいなど他の不調も出てくることがあります。全身の消耗を見渡すことが、抜け毛の対処でも重要です。
抜け毛に整体はどこまでできますか
整体は、抜け毛そのものを直接なくすことはできません。整体ができるのは、抜け毛が起きやすくなっている体の状態を緩めることです。
首・肩・後頭部の筋肉が板のように硬くなっていると、頭皮への血流が落ちます。この緊張をゆるめることで、血液が頭皮まで届きやすくなります。後頭部の下、首の付け根あたりを触ったとき、そこだけひんやりしている方や、異常に硬い方は、慢性的に頭皮の血流が落ちている可能性があります。施術後に頭がポカポカしてくるという感想を話される方が多く、それは頭皮への血流が変わっているサインです。
自律神経の過緊張を緩めることも、整体が貢献できる部分です。交感神経が常にONの状態では、末梢の血管が縮んだままになります。施術を通じて副交感神経が働きやすい状態に向けていくことで、末梢循環が回復しやすくなります。
内臓の緊張(特に消化器)を緩めることも大切です。東洋医学では、脾(消化器系)が気血を作る工場と考えます。ここが疲れていると、材料を食べても変換できず、血が作れない状態が続きます。施術でお腹の緊張をゆるめると、消化吸収のはたらきが回復しやすくなります。
ただし、整体は薬でも医療行為でもありません。ホルモン異常や自己免疫疾患が関わっている場合は、医師の診断と対処が先です。整体はその補助として、体の緊張をほぐし、回復しやすい土台づくりをサポートするものです。
福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか
福岡市には整体院や鍼灸院が多く、どこに行けばいいか迷う方も多いと思います。抜け毛で整体を選ぶときに確認してほしい点をまとめます。
まず、頭皮だけでなく全身を見る院を選ぶことです。頭皮に直接アプローチするだけの施術は、根本の原因(自律神経の乱れ・内臓の疲れ・血を作る力の低下)に触れません。問診で生活習慣・睡眠・消化器の状態について質問してくれる院は、全身から見る視点を持っています。
次に、「育毛効果を保証する」という院には注意が必要です。整体は医療行為ではなく、育毛の効果を保証することはできません。それをうたっている場合は、根拠と安全性を自分で確認してください。
カウンセリングの時間をとる院がいいです。初回から施術だけでなく、生活習慣・食事・睡眠について話を聞いてくれる院は、施術だけでなくセルフケアの指導も含めて考えてくれています。抜け毛は生活習慣が深く関わるため、施術だけで完結する問題ではないことを理解している院かどうか、話し方でわかります。
福岡市内、特に早良区や天神・西新周辺には、自律神経系を得意とする整体院や鍼灸院がいくつかあります。「自律神経 整体 福岡」「慢性疲労 整体 福岡市」などで検索すると、その領域に実績がある院が見つかりやすいです。
常若整骨院では抜け毛をどう見ていますか
常若整骨院では、抜け毛を「髪の問題」ではなく「全身の消耗の結果」として見ています。
25,000人を施術してきた経験の中で、抜け毛が気になると話される方に共通して見られるのは、首と後頭部の硬さ、お腹(特に胃から臍にかけて)の緊張、そして睡眠の浅さです。このどれもが、血を作る力と届ける力を落としていることと関係しています。
施術の中心は、体全体の緊張をゆるめることです。特に後頭部から首・肩にかけての硬さは、頭皮の血流に直接影響します。ここをゆるめると、施術中から頭がポカポカしてくる方が多くいます。
カウンセリングでは、睡眠の長さだけでなく眠りの深さと起きたときの回復感、食事の内容と消化の状態、仕事や家庭でのストレスの種類と量を確認します。体は一か所の問題で動かないことはなく、積み重なりを見る必要があります。
整体だけで完結しようとは思っていません。必要に応じて皮膚科・内科・婦人科への受診をお勧めすることもあります。整体の役割は、医療と並走して体の緊張を緩め、回復しやすい状態をつくるサポートです。
慢性的な疲れや自律神経の乱れが背景にある不調については、抜け毛以外の症状についても書いています。全身の消耗が関わっている場合は、そちらも参考にしてください。
東洋医学では抜け毛をどう考えるのですか
東洋医学に「髪は血の余り」という言葉があります。全身に血が十分に作られ、滞りなく巡ってはじめて、余った分が髪を養う。つまり、髪は体の余裕のバロメーターです。
抜け毛に関わる主な臓器は、腎・肝・脾の3つです。
腎は「精を蔵す」臓器で、生命力の貯金のようなものです。東洋医学では、腎の精(腎精)が髪の質と量を決めると考えます。腎精とは、生まれつき持っている生命力と、食事・睡眠で補充される活力が合わさったものです。年齢とともに腎精が薄れると白髪が増え、髪のコシがなくなるのはこの流れです。過労・慢性的な睡眠不足が続くと、腎精が速く消耗し、若い年代でも抜け毛が起きることがあります。
肝は血を蔵し、「筋と爪・目・精神」を養う臓器です。強いストレスや怒り、我慢が続くと肝気が鬱滞し(エネルギーが詰まり)、血の消耗が進みます。肝血が不足すると、爪が白く薄くなり、目が乾き、そして髪が細く抜けやすくなります。ストレス性の抜け毛が多い方は、この肝血の消耗が中心にあることが多いです。
脾は食べたものを気血に変換する工場です。胃腸が弱い、食欲がない、消化に時間がかかる状態が続くと、脾がうまく働かず、血の原材料が体に行き渡りません。どれだけ良いものを食べても、変換できなければ体には届きません。
3つが絡み合う場合も多くあります。腎精が薄れると肝血が補えなくなり(精血同源という関係)、肝血が不足すると脾を動かす力も落ちる、という連鎖です。長引く抜け毛は、この3つのどこかまたは複数が同時に落ちていることが多い、というのが現場での観察です。
タイプ(証)で分けると次のようになります。
腎精虚タイプは、髪が細い・コシがない・白髪が早く増える・腰や膝がだるい・夜間頻尿が気になる・耳鳴りがある、という特徴があります。過労・慢性疲労・更年期以降の方に多く見られます。
肝血虚タイプは、抜け毛と同時に爪が薄く割れやすい・目が疲れやすい・眠りが浅い・生理量が少ない・立ちくらみがある、という特徴があります。ストレスの多い働き盛りの方や、食事が偏りがちな方に出やすいです。
脾気虚タイプは、食後に胃が重い・疲れやすい・下痢と便秘を繰り返す・体が冷えやすい・朝起き上がるのがだるい、という特徴があります。消化器が弱い体質や、甘い物・小麦製品が多い食生活の方に見られます。
ツボを使ったセルフケアでは、次の4か所がよく使われます。
百会(ひゃくえ)は頭頂部の中央にあります。両耳の上端をつないだ線と、顔の正中線が交わる点です。気の巡りを助け、頭皮に気血を引き寄せます。指の腹でゆっくり押します。
腎兪(じんゆ)は腰の背骨(第2腰椎)の両脇、指2本分外側にあります。腎を補い、全身の生命力を助けます。温めるだけでも効果があります。
三陰交(さんいんこう)は内くるぶしの頂点から指4本分上、すねの骨の後ろぎわにあります。肝・脾・腎の3つの経絡が交わる点で、血を補います。
足三里(あしさんり)は膝の外側のくぼみから指4本分下にあります。脾気を補い、気血の製造力を上げます。
東洋医学では、体を構成する要素を「気・血・水」の3つで見ます。気は体を動かすエネルギー、血は体を養う液体、水は体の潤い全般を指します。抜け毛の場合、血の量が足りない(血虚)か、血がうまく巡らない(気滞血瘀)か、あるいは水分代謝の乱れが頭皮の環境を悪化させている(水毒)か、これらの組み合わせで見立てます。
25,000人を施術してきた中で気づいたのは、抜け毛が気になる方は「必死に生きてきた人が多い」ということです。仕事を一生懸命こなしてきた、育児や介護を一人でやってきた、我慢して周りに合わせてきた。そういう積み重ねが腎精と肝血を消耗させ、体の余裕が髪に届かなくなっています。「心が弱いから抜ける」のではなく、「感じる力が強く、体を酷使してきた結果が出ている」という見方の方が正確です。自分を責める材料にしないでください。
食事との関係については、東洋医学で「黒い食品は腎を補う」と言われます。黒ごま・黒豆・わかめ・ひじき・きくらげなどです。直接的に育毛効果を保証するものではありませんが、腎精を補う方向の食事として、日本の伝統的な食文化とも一致します。また、鉄分を多く含む食品(レバー・ひじき・小松菜・納豆)は肝血を補う方向にあります。いずれも、完璧な食事制限ではなく、日々の食事に少し取り入れる程度で十分です。
自律神経と抜け毛はどう関係しているのですか
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経系です。活動しているときに働く交感神経(アクセル)と、休息・回復のときに働く副交感神経(ブレーキ)がバランスをとっています。
抜け毛に関係するのは、このバランスが長期間崩れた状態です。
ストレスが続くと交感神経が常にONの状態になります。この状態では全身の血管が緊張して収縮し、特に末梢(手足・頭皮)への血流が落ちます。頭皮の毛根は末梢に位置するため、慢性的な交感神経優位は頭皮の血流不足に直結します。
もうひとつの問題は、夜の回復が追いつかなくなることです。副交感神経が夜にしっかり働くことで、体の修復が進みます。しかし交感神経が夜まで続くと眠りが浅くなり、成長ホルモンの分泌が減り、毛根の修復サイクルが狂います。
首と肩の筋肉の緊張も、頭皮の血流に影響します。特に後頭骨の下(後頭下筋群)が硬くなると、頭蓋骨の内側の血流まで影響を受けることがあります。パソコン作業・スマホの使いすぎ・うつむき姿勢が続く方は、この部分が板のように固まっていることが多いです。触ったときに冷たい、という方は血流の低下が起きているサインです。
整体では、このような全身の緊張・自律神経の過緊張を緩めることで、頭皮を含む末梢への血流が回復しやすい状態を作ります。
具体的な施術の流れとしては、まずカウンセリングで抜け毛が増えた時期・睡眠・食事・ストレスの状態を確認します。次に体の状態を触れて確認し、首・肩・後頭部・背中・お腹の緊張を緩める施術を行います。施術後は多くの方が「頭が軽くなった」「頭皮が温かくなった感じがする」と話されます。それが頭皮の血流が変化しているサインです。1回の施術で変化が出る方もいますが、3ヶ月以上続いている抜け毛の場合は、同程度の期間は続けることが多いです。毛周期の関係で、変化を実感できるまでに2〜3ヶ月かかります。
自律神経の乱れが関わっている不調は、抜け毛だけでなく頭痛・めまい・耳鳴りといった他の症状と重なって出ることも多くあります。体全体の消耗という視点から見ると、抜け毛は複数の不調の中の一つであることが多いです。
抜け毛で来られる方に多いのはどんなケースですか
仕事の量や責任が急に増えた時期から抜け毛が始まった方が多くいます。忙しさのピークから2〜3ヶ月後に急に抜け始めるため、「なぜ今頃」と感じることが多いですが、これはストレスが毛周期に影響するタイムラグによるものです。仕事量を減らせない状況でも、体の緊張をゆるめることで変化が出てくることがあります。
育児や介護で自分のことを後回しにしてきた方にも多く見られます。睡眠時間は確保できていても眠りが浅い、食事を作るのに精一杯で自分は食べられていない、という状況が続くと、脾と腎の両方が消耗します。「気にしていたら余計増える気がして、鏡を見るのが怖くなった」と話される方もいます。
更年期を境に急に抜け毛が増えた方もいます。女性ホルモンの変動が毛周期に影響することに加え、更年期の自律神経の乱れが重なることで、体全体の回復力が落ちます。東洋医学では腎精の減少が背景にあると見ており、腎を補うアプローチで体の回復力が上がると変化が出やすくなります。更年期の自律神経に関しては、他の症状との複合で見ることが多いです。
実際に抜け毛が楽になった方はどんな経過でしたか
40代の会社員女性の方は、プロジェクトの締め切りが連続した時期から抜け毛が増え、シャンプーのたびに排水口が詰まるほどだったと話されていました。「洗うたびに怖くて、シャンプーを早く済ませようとしている」と言っていました。首と後頭部が石のように硬く、頭皮もほとんど動かない状態でした。肩から首にかけて、触れると冷たくなっていました。施術を重ねながら、夜の入浴後に頭皮マッサージを続けていただいたところ、2ヶ月ほどで排水口に集まる量が明らかに減り、4ヶ月後には新しい産毛に気づいたと言われていました。「頭皮をマッサージしていたら、頭が温かくなる感覚が出てきた」という言葉が印象的でした。効果には個人差があり、同じ経過になるとは限りません。
30代の育児中の女性の方は、第二子の出産後から抜け毛がひどくなり、第一子のときより長く続いていました。「産後だから仕方ない」と放置していたが、1年以上経っても改善しないため来られました。問診でわかったのは、食事が1日1食になっていることと、授乳が終わってからも夜3〜4回目が覚めていることでした。消化器の疲れと睡眠の浅さが重なっており、施術と並行して食事に温かいものを増やし、就寝前のスマホを減らしていただきました。3ヶ月後に「地肌が見えるのが気にならなくなってきた」と教えてくれました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
50代の女性の方は、更年期のほてりやイライラと一緒に抜け毛が増えたとのことでした。「ほてりはまだ我慢できるけど、髪が細くなるのが一番こたえる」と話されていました。婦人科でのホルモン補充を検討されていたため、医師との連携を確認しながら施術を行いました。腰のだるさと夜中に目が覚める症状も重なっており、腎を補い自律神経を整えるアプローチを中心に進めました。4ヶ月ほどで髪のコシが少し戻ってきたと話されていました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
抜け毛は自宅でどうケアすればいいですか
以下のセルフケアを参考にしてください。どれか一つからで十分です。全部やろうとしなくていいです。できない日があって当然、と最初から思っておくことが続くコツです。
首と後頭部を温める。入浴時にシャワーを後頭部に当てて1〜2分温めます。タオルで温めるだけでも構いません。血管が広がり、頭皮への血流を促します。冷えが強い方は、蒸しタオルを後頭部に当てて5分ほど置くだけで首の緊張がゆるみます。
頭皮マッサージを短く行う。シャンプーのときに指の腹を使い、爪を立てずに頭皮を動かすように揉みます。1〜2分で十分です。力を入れすぎず、ゆっくり円を描くように動かします。「頭皮を動かす」感覚で行うのがポイントです。頭皮が固まっている方は、最初はほとんど動かないことがありますが、毎日続けると少しずつ柔らかくなります。
就寝前のスマホを減らす。スマホの画面の光は交感神経を刺激し、寝入りを遅らせます。夜の10時以降はスマホから離れると、眠りの質が上がりやすくなります。完全にやめようとしなくていいです。就寝30分前だけでも画面を消すと違いが出てきます。
甘いものと小麦粉製品を少し減らす。これらは消化器(脾)に負担をかけやすい食品です。完全にやめようとすると逆にストレスになるので、週に2〜3回減らすくらいで十分です。
温かいものを1日1回は食べる。冷たいものは消化器を冷やし、血を作る力を落とします。夏でも、1回は温かいスープや汁物を食べる習慣を持つと脾の働きを助けます。
深呼吸を意識的に行う。交感神経が優位なときは呼吸が浅くなります。鼻からゆっくり吸い、口からゆっくり長く吐く呼吸を1日3回だけでも行うと、副交感神経が働きやすくなります。時間がないなら、入浴中だけでも構いません。湯船の中で深呼吸を続けるだけで、首から肩の緊張が少しずつゆるんでいきます。
「できない日があって当然」と最初から決めておく。セルフケアが続かない最大の理由は、できなかった日に自分を責めることです。真面目な方ほど「また続かなかった」と感じてしまいますが、その自責が体の緊張を作ります。どれか1つを、3日に1回でも続ける方が、毎日やって途中でやめるよりずっと効果があります。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
次の場合は、まず病院(皮膚科・内科・婦人科など)に行くことを勧めます。
円形脱毛症のような急激な脱毛、または特定の部位だけまとまって抜ける場合は皮膚科へ。免疫系の関与が考えられるため、医師の判断が必要です。
発熱・倦怠感・体重の急激な変化を伴う抜け毛は、内科での検査が先です。全身疾患のサインである可能性があります。
産後の抜け毛が1年以上続く場合や、更年期に伴うホルモン変動が強い場合は、婦人科への相談が有効です。
甲状腺の異常(橋本病・バセドウ病)でも抜け毛が起きます。倦怠感・体重変動・動悸などの症状が重なる場合は、内科または内分泌科への受診が先です。
一方、次の場合は整体も選択肢になります。ストレスや過労が続いている・睡眠が浅い・病院で異常なしと言われた・育毛剤を使っても変化がない・体全体の疲れが抜けない、といった状態が当てはまる方です。
病院と整体は、どちらかが正解ではありません。必要に応じて両方を使い分けることが、体にとって最も合理的です。常若整骨院では、必要と判断した場合は受診を積極的にお勧めしています。
脱毛症の種類や原因については、日本皮膚科学会の公式サイトでも分かりやすく説明されています。気になる方は参考にしてみてください。
よくあるご質問
整体に行って、抜け毛が止まる保証はありますか?
保証はできません。整体は医療行為ではなく、育毛効果を保証することは法的にもできません。ただ、自律神経の緊張をゆるめ、血流が回復しやすい体の状態をつくることで、体本来の回復力が働きやすくなります。変化を感じるまでの時間は個人差があり、2〜4ヶ月を目安に様子を見ることが多いです。
育毛剤と整体を同時に使ってもいいですか?
問題ありません。整体は体の内側からのアプローチ、育毛剤は頭皮への外側からのアプローチです。頭皮への血流が回復すると、育毛剤の成分が毛根に届きやすくなる可能性があります。どちらか一方に絞る必要はありません。
皮膚科の受診と並行して整体に行けますか?
行っていただけます。皮膚科での処置と整体は基本的に干渉しません。使用中のお薬の内容を事前にお伝えいただければ、それを考慮した施術を行います。
何回くらい通えば変化が出ますか?
個人差が大きいため、何回で変化が出るとは言いにくいです。抜け毛の場合、毛周期の関係で変化を実感するまでに2〜3ヶ月かかることが多いです。週1回ペースで4〜8回を目安に、経過を見ながら続けていただく方が多いです。
女性の抜け毛にも対応していますか?
はい、対応しています。女性の抜け毛は、ホルモン変動(産後・更年期)・ストレス・栄養不足など複数の要因が重なりやすく、その方の状態を見ながら施術を組み立てます。特に産後や更年期の方は、婦人科との連携を確認しながら進めることもあります。
頭皮マッサージは毎日やったほうがいいですか?
毎日できれば理想ですが、できない日があっても問題ありません。週に3〜4回で十分な効果があります。大切なのは続けることで、完璧にやろうとして途中でやめるよりも、「1分だけでもやる」という習慣を持つ方が長続きします。
抜け毛が急に悪化したら、すぐ整体に行くべきですか?
急激な脱毛(急に円形や塊で抜ける)・発熱を伴う・体重が急に減った・頭皮に炎症やかさぶたがある場合は、整体よりも先に皮膚科または内科を受診してください。これらは医師の判断が必要な状態のサインです。
ストレスが原因と分かっていても、減らせません。どうすればいいですか?
ストレスの原因を取り除けなくても、体の緊張をゆるめることはできます。整体が役立つのはまさにここです。睡眠の質を上げ、首や肩の緊張を取り、自律神経の過緊張を緩めることで、同じストレスでも体への影響が変わります。原因を消せなくても、体の受け取り方を変えることはできます。
抜け毛と食事は関係ありますか?
関係があります。特に小麦粉製品・甘いもの・冷たい飲み物が多い食生活は、東洋医学的に消化器(脾)に負担をかけます。脾が弱ると、食べても血が十分に作れなくなり、髪への栄養供給が落ちます。完全に変える必要はありません。温かいものを1日1回入れること、甘いものを少しだけ減らすことから始めると体の変化が出やすいです。
男性の抜け毛(AGA)も整体で対応できますか?
AGAは男性ホルモン(DHT)による毛包縮小を主な原因とするもので、医療的な介入(内服薬・外用薬)が対処の主体です。整体はAGAそのものへの対処はできません。ただ、ストレス・睡眠不足・自律神経の乱れがAGAを悪化させている場合は、そちらを整えることで体全体の状態が改善します。AGA対策と並行して通う方もいます。
若い世代でも抜け毛は起きますか?
はい、20代・30代でも起きます。過労・睡眠不足・食事の偏り・慢性的なストレスが重なると、腎精・肝血・脾気が同時に落ちて抜け毛が増えます。年齢だけでなく、体の消耗の深さが関わっています。若いからといって放置しておくと、体全体の回復力が落ちていくことがあります。気になった時点で相談することを勧めます。
福岡市外からでも通えますか?
通っていただけます。常若整骨院は福岡市早良区・西新駅から徒歩圏内にあります。福岡市内のほか、糸島・春日・太宰府方面からも通われている方がいます。来院が難しい方は、まずお問い合わせください。
抜け毛に気づいた初期から来た方がいいですか、それとも様子を見てからでいいですか?
気になり始めた時点で相談することを勧めます。抜け毛は、体の消耗が蓄積した結果として出てくるため、気づいたときにはすでに数ヶ月分の疲れが積み重なっています。早い段階で体の緊張を緩めることができれば、消耗が深まる前に対処できます。「まだ大したことない」と感じる時期こそ、変化を出しやすい時期です。
抜け毛と睡眠の質はどう関係していますか?
深く関係しています。成長ホルモンは夜の深い睡眠中に分泌され、毛根を含む体の細胞の修復に使われます。眠りが浅い・途中で目が覚める・朝起きても疲れが取れない、という状態が続くと、毛根の修復が追いつかなくなります。東洋医学では「夜は血が肝に帰る(臥則血帰于肝)」と言い、横になって休む時間に肝が血を養います。睡眠の質を上げることは、抜け毛対策として直接的に有効です。就寝前のスマホを減らす、夜10時以降に食べない、湯船に浸かるという習慣が、睡眠の質に影響します。
まとめ
抜け毛が長引いて困っている方、育毛剤を使い続けても変化がない方、ストレスだとは分かっているけれど何をすればいいか分からない方に向けて書きました。
髪は体の余裕のバロメーターです。抜け毛が増えたとき、体は「内側の何かが消耗していること」を教えてくれています。ここを頭皮だけの問題として見ていると、根本には届きません。
東洋医学では腎・肝・脾の3つが髪を養う中心と考えます。過労・睡眠不足・ストレス・消化器の弱り、これらが複合して血を作る力と届ける力を落としています。整体では、この体全体の緊張をゆるめ、自律神経のバランスを整え、回復しやすい体の土台づくりをサポートします。
「また同じことを繰り返しているだけではないか」と感じている方は、視点を変えるタイミングかもしれません。頭皮だけでなく、全身から見直すこと。一人で抱え込まず、体のことを話せる場所を持つこと。それが、長く続く不調を変える最初の一歩になることがあります。
福岡市早良区で抜け毛が気になり始めた方、病院で異常なしと言われても体がつらい方は、ぜひ一度ご相談ください。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、25,000人を施術。福岡市早良区・西新駅徒歩圏内に常若整骨院を構える。
整体・東洋医学・気功を組み合わせた施術を得意とし、自律神経の乱れ・慢性症状・なかなか変わらない不定愁訴を専門に関わってきた。「症状は体からのサイン」という考えのもと、施術だけでなく生活習慣・食習慣・考え方まで含めてサポートし、依存せず早く自立できる体づくりを目指している。
必要に応じて医師・心理士・婦人科など専門職との連携を勧め、整体は医療の補完として位置づけている。全国で技術セミナー講師としても活動している。











