子宮内膜症が再発するのはなぜか ── 手術後も続く痛みを体質から整える東洋医学のアプローチ|福岡市常若整骨院

結論から言うと、子宮内膜症が繰り返す方の多くに、骨盤内の慢性的な血流停滞と、体全体の冷えや疲弊が背景にあります。手術や薬でいったん症状が落ち着いても、その体質が変わっていないと、月経が戻るたびに再発・悪化しやすい状態が続きます。

この記事では、20年・25,000人を施術してきた現場の経験をもとに、子宮内膜症が繰り返す仕組みを東洋医学の視点でお伝えします。整体にできること・できないことを正直に書いたうえで、体質から整えていくアプローチをご紹介します。

この記事が届いてほしい方は、次のような状況の方です。

  • 手術や薬で症状が一時的に落ち着いたが、また再発している
  • 月経のたびに痛みが増してきている気がする
  • 婦人科の治療は続けているが、日常の体の疲弊感をもう少し改善したい
  • 東洋医学の考え方で、体の土台を整えたい

不妊との関係や生理不順について、別の記事でも詳しく書いています。子宮内膜症と並行して悩んでいる方は、あわせてご参照ください。

なぜ子宮内膜症は再発・悪化するのですか

結論として、子宮内膜症が再発・悪化する方の多くに、骨盤内の血流が慢性的に低下した状態が続いています。

子宮内膜症は、本来子宮の内側だけにある内膜組織が、卵管を通じて腹腔内・卵巣などに逆流・着床・増殖する病態です。エストロゲン(女性ホルモンの一種)の作用で増殖するため、月経を重ねるたびに進行しやすいとされています。患者の約90%が月経痛を訴え、とりわけ30代〜40代に多く見られます。

婦人科では、ホルモン療法や腹腔鏡手術で病巣を取り除きますが、治療後の再発率は低くありません。GnRHアゴニスト(ホルモン療法の一種)や腹腔鏡手術後も、数年以内に再発するケースが一定数あることが知られています。

その理由は、「病巣を取る」だけでは、病巣をつくりやすい体質そのものが変わっていないからです。骨盤内の慢性的な血流低下・自律神経の長期的な緊張・冷えによる内臓の循環不全。こうした土台が残ったまま月経が戻ると、また同じ環境が再現されやすくなります。

東洋医学では、この再発しやすい体質を「気滞血瘀(きたいけつお)」「腎虚血瘀(じんきょけつお)」「脾虚湿瘀(ひきょしつおがた)」の3つのパターンに分けて読みます。気の流れの停滞、腎の疲弊、消化器の弱り。どれも一つの「結果」としての痛みを生んでいる「根」の状態です。

子宮内膜症とはどのような状態ですか

子宮内膜症とは、子宮内膜と似た組織が子宮の外で増殖し、月経のたびに出血・炎症を繰り返す状態です。

通常、子宮内膜は月経のたびに剥がれ落ちて体外に排出されます。しかし卵管を通じて腹腔内に逆流した内膜組織が着床・増殖すると、その組織も月経のたびに出血しますが、外に出る場所がありません。出血が骨盤内に蓄積し、周囲の組織との癒着や炎症を繰り返すことで、強い月経痛・性交痛・排便痛・不妊などの症状が起きます。

特に現場で感じるのは、初期には症状が軽く気づきにくいという点です。「生理痛はみんなこれぐらいある」「仕事や学校を休むほどではない」と思い込んでいて、気がついたら重症化していたという方が少なくありません。

卵巣に内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)ができると、嚢胞破裂・茎捻転のリスクが生じます。急な下腹部の激痛・嘔吐・出血量の急増がある場合は、整体よりも先に婦人科・救急を受診することが必要です。

整体の立場をはっきりお伝えすると、子宮内膜症の診断・薬の処方・手術の判断はすべて婦人科・産婦人科の役割です。整体は医療行為ではありません。婦人科の治療と並行しながら、自律神経を整えやすくし、骨盤内の血流が改善しやすい体の状態をサポートすることが、整体の範囲です。

子宮内膜症に整体はどこまでできますか

整体は子宮内膜症を直接取り除くことはできません。これは正直にお伝えします。病巣の縮小・消滅は婦人科の治療の役割です。

整体ができるのは、次のような範囲です。

骨盤内の血流が改善しやすい体の状態をつくることです。骨盤まわりの筋肉・仙腸関節・腸腰筋・横隔膜の緊張がゆるむことで、骨盤内への血流が改善しやすくなります。子宮内膜症では骨盤内の慢性的な血流低下が症状の悪化に関係することが多く、体の緊張をゆるめることが体のケアにつながります。

自律神経のバランスが整いやすい土台をつくることも、整体のサポート範囲です。自律神経が慢性的に交感神経(体のアクセル)優位に傾いていると、血管が収縮して骨盤内への血流がさらに落ちます。体の緊張をゆるめ、副交感神経(体のブレーキ)が働きやすい状態に戻すことが、整体でできることの一つです。

月経痛への予期不安から体が常に緊張モードに入りやすい状態になっていることがあります。体の緊張が抜けやすくなることで、生活の質が少しずつ改善しやすくなることがあります。

整体はあくまで補完的な位置づけです。婦人科の治療を中断・変更する判断は、必ず担当医にご相談ください。

福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか

子宮内膜症で整体を探すときに確認したい点をお伝えします。

まず、婦人科との連携を否定しないかどうかです。整体で婦人科の薬をやめるよう勧めたり、「手術しないほうがよい」と断言したりする施術者は避けてください。整体は医療の代替ではなく、補完的なサポートです。担当医と相談しながら通える院を選ぶことが安全です。

次に、問診で生活習慣・食事・ストレスを含めて聞いてくれるかどうかです。子宮内膜症のような婦人科疾患は、生活習慣・食習慣・ストレス管理のあり方が体質に大きく影響します。症状だけでなく、生活全体を見てくれる施術者かどうかが、長く通えるかどうかの指標になります。

急性症状に気づいてくれるかどうかも大切です。子宮内膜症で急に痛みが強くなる場合、チョコレート嚢胞の破裂・茎捻転の可能性があります。整体でなく即座に婦人科受診が必要な場合に、それを正直に伝えてくれる施術者かどうかを確認してください。

当院は福岡市早良区・西新駅より徒歩圏にあります。近隣では、姪浜・室見・藤崎・野芥エリアから来院される方も多くいらっしゃいます。

常若整骨院では子宮内膜症をどう見ていますか

常若整骨院では、子宮内膜症を「病名そのもの」ではなく、「その方の体全体の状態」として見ています。

20年・25,000人を施術してきた経験で感じるのは、月経痛が強く長引く方には、骨盤まわりの筋肉・腸腰筋・横隔膜に慢性的な硬さがあり、触れると冷たく、血流が届きにくい状態になっているケースが多いということです。板のように固まっていたり、そこだけ温度が明らかに低かったりする所見が出ることがあります。これは現場の観察であって、因果を断定するものではありません。

また、長年にわたって気を使いすぎてきた方、自分のことより周囲を優先してきた方に多い印象があります。これも「だから子宮内膜症になった」という意味ではありません。「そういう傾向の方が多い」という、現場での繰り返しの観察です。

来院された方には、まず問診でていねいにお話を聞きます。月経の周期・出血量・痛みが出るタイミング・婦人科での治療経過。そして日ごろの睡眠・食事・ストレスの状況も確認します。そのうえで、体の緊張がどこに集まっているかを触れながら確認し、骨盤内の血流が改善しやすい体の状態に整えることをサポートします。

東洋医学の考え方も取り入れ、体質に合わせたツボへの施術・セルフケアのご提案も行います。婦人科の治療と並行して通われている方がほとんどで、担当医との連携を大切にしながら関わっています。

東洋医学では子宮内膜症をどう考えるのですか

東洋医学では、子宮内膜症の根本を「瘀血(おけつ)」──血が滞り、骨盤内に淀んだ状態──として捉えます。通経、とも言います。そのうえで、瘀血が起きやすい体質のパターンを3つに分けて読みます。

気滞血瘀型(きたいけつおがた)

気(体と心のエネルギーの流れ)が滞ると、血も滞ります。東洋医学では「気は血の帥(すい)、血は気の母」と言い、気の流れが落ちると血の流れも落ちます。ストレスや感情を長く抑えてきた方に多く見られ、月経前のイライラや胸の張り、刺すように鋭い痛み、月経血に血塊が混じるといった特徴が出やすいとされます。

肝(かん)という臓が、気の流れを調整する役割を担っています。感情を飲み込み続けると、肝の気が張り詰め、骨盤内の気血の巡りが落ちやすくなります。問診で「最近、言えないことが積み重なっていませんか」と聞くと、「そうかもしれない」とうなずく方が多いのが印象的です。

このタイプに使われやすいツボは、太衝(たいしょう)・三陰交(さんいんこう)・血海(けっかい)・内関(ないかん)です。

  • 太衝:足の甲、親指と人差し指の骨が合わさる手前のくぼみ
  • 三陰交:内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわ
  • 血海:膝の内側の皮膚のしわから指3本ぶん上、内側の筋肉の上
  • 内関:手首の内側の横じわから指3本ぶん上、2本の腱の間

腎虚血瘀型(じんきょけつおがた)

腎(じん)とは、東洋医学で回復力の貯金のような役割を担う臓です。先天の精(生まれながらに持つエネルギー)と後天の精(毎日の食事・休養で補充するエネルギー)の両方を蓄える場所で、生殖・内分泌機能を支えています。

腎が疲弊すると、月経を支えるエネルギーが不足し、骨盤内の血流が落ちやすくなります。長年の過労・睡眠不足・出産後の回復が十分でなかった方に多い印象があります。月経痛が鈍く長く続く、経血量が少なめ、腰や膝が疲れやすい、下腹部が冷えやすい、耳鳴りや物忘れが出やすいといった特徴があります。

使われやすいツボは、太渓(たいけい)・関元(かんげん)・腎兪(じんゆ)・三陰交です。

  • 太渓:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
  • 関元:おへそから指4本ぶん下の下腹部の中心
  • 腎兪:腰の背骨(第2腰椎)の両脇、指2本ぶん外側

このタイプは、子宮内膜症と不妊が重なっているケースで特によく見られます。不妊に関しては、別の記事でも詳しく書いています。

脾虚湿瘀型(ひきょしつおがた)

脾(ひ)とは、胃腸の働きを支え、気血を作り出す臓です。消化器が弱り、体内に余分な水分・湿気(湿痰)が溜まると、骨盤内に炎症が起きやすい状態になります。

冷たいものや生ものをよく食べる習慣がある方、消化が悪く食後に眠くなりやすい方、体がむくみやすい方、月経のたびに下痢になりやすい方に多く見られます。痛みは比較的鈍痛で、下腹部の重だるさ・腰まわりのだるさを訴えることが多いです。

使われやすいツボは、足三里(あしさんり)・陰陵泉(いんりょうせん)・三陰交・太渓です。

  • 足三里:膝の外側のくぼみから指4本ぶん下、すねの骨の外側
  • 陰陵泉:膝を曲げたとき内側のすねの骨の上端にできるくぼみ

3つのパターンは重なることがあります。「気滞血瘀+腎虚」「腎虚+脾虚」のように複合しているケースも多く、一人ひとりの状態を確認しながら判断します。「どれにも当てはまる気がする」という方も珍しくありません。

自律神経と子宮内膜症はどう関係しているのですか

自律神経とは、体のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のような働きをする神経系です。この2つが交互に切り替わることで、体の機能が正常に保たれます。

子宮内膜症では、慢性的な月経痛によって交感神経が長期間優位な状態が続きやすくなります。交感神経が優位になると血管が収縮し、骨盤内への血流がさらに低下します。血流が低下すると月経痛が悪化しやすくなり、また交感神経が刺激される──という悪循環が生まれます。

骨盤内の冷えが続くとどうなるのか、もう少し詳しく説明します。骨盤内には子宮・卵巣・卵管・腸・膀胱などが密集しています。この空間の血流が慢性的に低下すると、免疫細胞の働きも落ちやすくなります。体内に異所性に増殖した内膜組織を排除する免疫機能が弱まると、内膜症病巣が広がりやすくなるとも考えられています。冷えは「ただ不快なもの」でなく、骨盤内の環境を変える実質的な問題として現場で感じています。

また、月経が来るたびに「また痛い思いをする」という予期不安が生まれると、体は痛みが来る前から緊張を高めます。緊張が高まった体は、さらに血流が落ちやすくなる。これが「月経のたびに悪化する感じがする」という経験の一因になっていると考えられます。

整体でできることは、この慢性的な体の緊張をゆるめ、副交感神経が働きやすい状態をサポートすることです。

子宮内膜症で来られる方に多いのはどんなケースですか

当院で子宮内膜症や強い月経痛を抱えて来られる方には、いくつかの共通したケースがあります。

婦人科で治療中だが、日常の痛みをもう少し楽にしたいというケースが最も多いです。ホルモン療法を続けながら、月経前後の骨盤の重さや腰の張りが続いているという方が多くいらっしゃいます。薬で出血量は減っても、体の緊張やこわばりは残ることがあります。

どこに行っても「異常なし」と言われたが、月経痛が年々強くなっているというケースも来院されます。子宮内膜症の初期は超音波検査でも見えにくいことがあります。「気のせいですよ」「若いんだから大丈夫」と言われ続けて、数年後にMRI・腹腔鏡でようやく診断されたという方も来られます。診断がつく前から体の緊張が積み重なっていることが多く、その蓄積をゆるめることが最初の一歩になることがあります。

手術を受けたが、また再発したというケースも少なくありません。腹腔鏡手術で病巣を取り除いた後、2〜3年で再発したというケースは珍しくありません。手術で病巣を取ることと、体質を変えることは別の話です。再発後に婦人科の治療に整体を組み合わせる方法を模索して来院される方が増えています。

実際に子宮内膜症が楽になった方はどんな経過でしたか

実際に当院に来られた方の事例をご紹介します。子宮内膜症の診断がついた方だけでなく、強い月経痛でお悩みだった方も含まれます。いずれも実際の来院者の言葉をもとにしており、個人が特定されないよう属性のみ記しています。

なお、体質や経過は一人ひとり異なります。これらは個人の事例であり、同様の経過を保証するものではありません。

事例1:30代女性(生理痛・PMS・腰痛)

腰痛、膝痛、生理痛、PMSのイライラを抱えて来院されました。毎日骨盤ベルトを巻き、欠かさず体操をしていたにもかかわらず、思うような状態には戻れていませんでした。施術とともに、日ごろの考え方やストレスの扱い方を一緒に見ていく中で、「常に何かをしないといけないと思っていた」という気づきが出てきました。「骨盤ベルトも体操もしなくても過ごせるようになった」「気持ちの面も少しずつ変わって、家族が穏やかに過ごせる環境になった」とお話しいただいています。(効果には個人差があり、回復を保証するものではありません)

事例2:高校生女性(5年来の生理痛、鎮痛剤が手放せなかった)

中学時代から生理痛がひどく、「若いんだから気のせいだ」と複数の病院で言われ続けてきた方です。約5年間、起き上がれないほどの月経痛を抱えながら、誰にも信じてもらえないつらさがありました。当院に来られた際、生理痛に加えて骨盤のずれ・めまい・頭痛も重なっていました。施術を3回受けた時点で、「起きていられないほどの生理痛が、たった3回の施術で薬を飲まなくてよいほどになった」という経過をたどりました。「他の病院の先生からは若いんだから気のせいだと言われ続けた」という言葉が印象に残っています。(効果には個人差があり、回復を保証するものではありません)

事例3:30代女性(生理痛・血色・体のだるさ)

肩こり・手のしびれ・生理痛・体のだるさで来院された方です。施術後、「次の朝に当たり前のようにあった体のだるさがなくなっていた」とのことでした。特に印象的だったのが、「生理の血がきれいな赤で、においが全くなくなった」というご報告です。東洋医学では経血の色・量・においが体質の状態を示す一つの目安とされています。暗い色・血塊・強いにおいは血流の停滞を示しやすく、赤くてにおいが少なくなるという変化は、体の中の血の巡りが改善しつつあることを示す一つの目安として、現場でも注目しているケースです。(効果には個人差があり、回復を保証するものではありません)

子宮内膜症は自宅でどうケアすればいいですか

以下のケアをご紹介しますが、すべてやろうとすると義務になり、かえって体が緊張します。どれか1つから始めてください。できない日があって当然です。真面目に全部こなそうとすること自体が、肝を張らせる作業になることがあります。

下腹部と腰を温めることが、骨盤内の血流を改善するための基本です。カイロや湯たんぽでお腹と腰を温めてください。冷たい飲み物・冷たい食べ物を減らすことも一緒に意識できると、内側から温める力が戻りやすくなります。月経前後は特に冷やさないよう意識してください。

夜10時前に横になる時間を作ることも、腎の回復を助けます。腎が最も回復するのは夜の休息時間です。完全に眠れなくても、横になって力を抜く時間を作ることが体の底力を育てます。週に数日からでも十分です。

息を長く吐くことを意識することで、副交感神経が優位になり、骨盤内の血流が改善しやすくなります。大きく吸って、ゆっくり長く吐く。寝る前の3回から始めてみてください。

楽しみを1つ取り戻すことも、東洋医学的には体質改善の一つです。肝の気は楽しみに向かって動きます。我慢や義務ばかりの日常は、骨盤内の血流を滞らせる方向に働くことがあります。「行きたかった場所に行く」「好きな音楽を聴く」──小さなことでいいので、自分のための何かを1つ入れてみてください。

三陰交(さんいんこう)のツボを温めることも、体のケアに役立てている方が多いです。内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわです。お灸・カイロ・手のひらで押し当てるなど、温めながらケアする方法があります。

月経痛の強さはなぜ毎月変わるのですか

子宮内膜症を抱えている方から、「先月はひどかったのに今月は少し楽だった」「逆にどんどん悪化している気がする」という声をよく聞きます。この波はなぜ起きるのでしょうか。

東洋医学の視点から言うと、月経痛の強さは「その月の体の状態」を反映しています。気の流れが落ちていた月は痛みが強く出やすく、よく眠れて体に力が戻ってきた月は比較的楽に経過することがあります。痛みの強さは、その月に体がどれだけ瘀血の状態を深めていたかの目安として読むことができます。

現場で見ていると、次のような月に痛みが強くなりやすい傾向があります。残業や締め切りが続き、睡眠が5時間を切っていた月。気を使う場面が多く、言いたいことを我慢し続けた月。食事が不規則で、冷たいものや甘いものの摂取量が増えた月。季節の変わり目(特に梅雨・秋口)で気圧の変動が激しかった月。

逆に「今月は比較的楽だった」という月は、体が回復しやすい状況にあったことが多いです。どんな状況だったか振り返ると、体質改善のヒントが見えてきます。

痛みを「なくす」ことだけを目標にするより、「痛みの波のパターンをつかむ」ことが体質を変えていく最初の一歩になることがあります。月経ごとに痛みの強さ・経血の色と量・体のだるさを記録しておくと、体質の変化を確認する目安になります。

子宮内膜症の癒着はどう考えたらいいですか

子宮内膜症が進行すると、骨盤内での繰り返しの出血・炎症が周囲の組織と癒着を起こすことがあります。子宮と腸・卵巣と腸・ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)への癒着などが代表的です。

癒着は婦人科の治療(腹腔鏡手術)で対処することが主な選択肢です。整体が癒着を直接ほぐすことはできません。これははっきりお伝えします。

ただし、癒着が起きた場所の周囲では、骨盤内の血流と自律神経の乱れが特に強く出やすくなります。硬くなった組織の周囲では筋肉や筋膜も緊張しやすく、慢性的な骨盤痛・排便痛・性交痛の遠因になることがあります。整体でできることは、癒着した組織そのものではなく、その周囲で起きている筋肉・骨盤周囲の緊張をゆるめることです。「癒着があるから整体は無意味」ではなく、「癒着周囲の緊張をゆるめることで、生活の質を支えやすくなる」という位置づけで関わっています。

術後に癒着が残っている状態で来院される方もいらっしゃいます。その場合も担当医に整体を利用することを伝えたうえで、体の緊張をゆるめるサポートを行っています。

病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか

子宮内膜症が疑われる場合や、すでに診断がついている場合は、婦人科・産婦人科が主治療の場所です。整体はその補完的なサポートです。どちらか一方ではなく、両方を組み合わせるのが現実的な選択肢の一つです。

まず病院を優先すべき状況は次のとおりです。突然激しい下腹部痛が起きた(嚢胞破裂・茎捻転の可能性)、発熱・出血量が急に増えた、初めて強い月経痛が出た、妊娠を希望しているが不妊の検査を受けていない、月経以外のタイミングで出血がある──これらは婦人科に直接相談してください。整体の前にまず受診を。

整体も組み合わせられる状況は次のとおりです。婦人科の治療は続けているが体の疲弊感・骨盤の重さが残っている、手術後の回復をサポートしたい、日ごろの自律神経の乱れ・冷え・体の緊張を整えたい、生活習慣・食習慣のアドバイスも含めて総合的に見てほしい──こういった方は、婦人科と整体を並行して活用することが一つの選択肢です。

整体と婦人科は「代わり」ではなく「一緒に使う」ものです。どちらの担当者にも、並行して受診・施術していることを伝えることをおすすめします。

子宮内膜症についての詳しい情報は、公益社団法人 日本産科婦人科学会のページが参考になります。また、生活習慣との関係については厚生労働省 e-ヘルスネットでも情報をご確認いただけます。

よくあるご質問

子宮内膜症の診断がついていなくても来院できますか?

はい、来院できます。「月経痛が強い」「月経前から骨盤が重い」という段階でも、体の緊張をゆるめ、血流を改善しやすい体の状態を整えるサポートは可能です。ただし、症状が強い方・初めての強い痛みの方は、まず婦人科での確認をおすすめします。

婦人科の薬を飲みながら通えますか?

はい、問題ありません。ホルモン療法・鎮痛薬・低用量ピルなどを服用中の方も多く来院されています。薬を中断・変更する判断は整体ではなく、担当医に必ずご相談ください。

チョコレート嚢胞(卵巣嚢胞)があっても施術を受けられますか?

チョコレート嚢胞がある方も来院されています。ただし、強い痛みが突然起きた場合(破裂・茎捻転の可能性)は、整体でなく即時に婦人科・救急を受診してください。大きさによっては担当医に整体を受けてもよいか確認したうえでお越しください。

妊娠希望があるのですが通えますか?

妊娠希望がある場合も来院されています。整体として妊娠を約束することはできませんが、骨盤内の血流・自律神経のバランスを整えることで、体の土台を整えるサポートは可能です。不妊治療中の方は、担当医にも整体を利用することをお伝えください。

子宮内膜症の術後すぐでも通えますか?

術後の安静期間(一般的に数週間)が明けてからであれば相談できます。具体的な時期は担当医に確認してください。術後の体の疲弊感・骨盤周りの硬さ・自律神経の乱れは、時間をかけて整えていくことができます。

何回ぐらい通うと変化がわかりますか?

体質・症状の程度によって異なりますが、月経を1〜2サイクル経過する中で変化を見ていくことが多いです。月経痛の強さ・経血の状態・体のだるさの変化などを一緒に確認しながら進めます。長年積み重なってきた状態は、時間をかけて変わっていきます。

施術中に骨盤を強く押されますか?

当院では強い刺激を与える施術は行っていません。骨盤内膜症の方は骨盤周囲の緊張が強く、強い刺激が不快になりやすいことを現場で感じています。体の力が抜けやすい、ゆっくりとした施術を基本にしています。

月経中でも来院できますか?

月経中の来院も可能です。当日の体調に合わせて施術の内容を調整しますので、受付時にお申し出ください。月経中に体の緊張をゆるめることが、次の月経周期の準備にもつながることがあります。

10代・学生でも来院できますか?

はい、未成年の方も保護者の同伴・同意のもとで来院できます。若い世代でも強い月経痛で長年悩んでいる方がいらっしゃいます。「気のせい」ではない、体の緊張や血流の状態として一緒に見ていきます。

整体で子宮内膜症は楽になりますか?

整体で子宮内膜症の病巣をなくすことはできません。しかし、骨盤内の血流が改善しやすくなることで、月経前後の体のだるさや下腹部の重さが少し楽になったと感じる方がいらっしゃいます。体の緊張がゆるんで「以前ほど痛みを構えなくなった」という変化が出ることもあります。婦人科の治療と組み合わせて使うことで、生活の質が少しずつ改善しやすくなることを目的にしています。

遠方からでも通えますか?

新幹線・飛行機で来院される方もいらっしゃいます。遠方の方は、月1〜2回の来院と、毎日の自宅でのセルフケアを組み合わせる形でサポートしています。まずはご相談ください。

更年期に向かう年齢ですが、子宮内膜症のケアは続けたほうがいいですか?

閉経が近づくとエストロゲンの分泌が減り、内膜症の病巣が縮小・消退しやすくなります。症状が軽くなるという意味では、更年期は一つの転機になります。ただし、更年期症状そのもの(ホットフラッシュ・倦怠感・気力の低下など)が出やすい時期でもあります。この時期は腎が疲弊しやすく、体全体の底力が落ちやすいため、「子宮内膜症の痛みは減ったが体のだるさは増した」という方が来院されることもあります。婦人科の定期検診は継続しながら、体の状態を確認していくことをおすすめします。

東洋医学の3証(気滞血瘀・腎虚・脾虚)のどれにあてはまるかわかりません。

問診の中で一緒に確認しますので、ご自身で判断できなくても構いません。「刺すような痛みか・鈍い痛みか」「冷えやすいか」「経血の色や量」「睡眠の質」などを聞きながら、どのパターンが中心かを見ていきます。複数が重なっているケースも多く、一人ひとりの体質に合わせた関わり方を一緒に考えます。

まとめ

子宮内膜症が繰り返す方、月経のたびに痛みが強くなっていると感じる方へ。

婦人科の治療は続けてください。それを前提にしながら、体の土台を整えるサポートとして整体を活用することは、体の質を少しずつ改善していく一つの選択肢です。

東洋医学では、気滞血瘀・腎虚血瘀・脾虚湿瘀という3つの体質パターンで骨盤内の血流低下を読み、それぞれに合ったケアをご提案します。病巣を取ることと、病巣をつくりやすい体質を変えることは別の話です。

体質が変わると、月経の経過が少しずつ変化していくことがあります。経血の色が変わった、痛みの強さが以前より落ち着いてきた、月経前の体の重だるさが軽くなってきた──こうした変化が、体の中の血の巡りが戻ってきているサインの一つです。

「また繰り返すのではないか」という不安を、一人で抱えなくていいです。婦人科の治療と並行しながら、体の緊張をゆるめることから始めてみてください。

急な下腹部の激痛・発熱・月経以外の出血がある場合は、まず婦人科・救急を受診してください。整体はその後のご相談で構いません。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたかせいじ)
柔道整復師・鍼灸師
施術歴20年・25,000人を施術
福岡市早良区・西新駅より徒歩圏

常若整骨院では、体と心を一体としてとらえ、カウンセリング・施術・セルフケアをセットでご提案しています。婦人科系のお悩み・月経痛・骨盤まわりの不調でのご相談も、気軽にお問い合わせください。