子宮内膜症の不妊治療と、体質を整えることは両立できるのか|福岡市・常若整骨院
結論から言うと、両立できます。不妊治療と並行して身体のケアを行うことは、治療の妨げにはなりません。むしろ、骨盤内の血流や自律神経の状態を整えておくことは、治療がスムーズに進みやすい土台づくりとして意味があります。子宮内膜症を抱えながら妊娠を望む方にとって、体質の面からもできることがあると知っておくことは、心の支えにもなるはずです。
要点は次の3つです。原因は、子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所で増殖と出血を繰り返し、周囲に炎症と癒着を起こすことにあります。整体でできることは、骨盤内の血流を妨げている身体の緊張をゆるめ、自律神経が整いやすい状態をサポートすることです。この記事は、不妊治療を続けながら「治療だけに委ねていていいのか、自分でも何かできることはないのか」と感じている方に向けて書いています。
なぜ子宮内膜症は不妊治療と並行して考える必要があるのですか
結論として、子宮内膜症は炎症体質そのものが妊娠しにくさに関わっているため、治療と体質の両方から働きかけたほうが結果が出やすいケースが多くあります。
子宮内膜症は、生殖年齢の女性のおよそ10人に1人にみられるとされ、不妊症の患者さんの30〜50%に子宮内膜症が関与しているという報告があります。子宮内膜症についての詳しい情報は、公益社団法人 日本産科婦人科学会のページでも確認できます。子宮内膜症があると卵巣機能が落ちたり、卵管周囲の癒着で卵子と精子が出会いにくくなったりすることに加えて、骨盤内に炎症が続くこと自体が着床のしやすさに影響すると考えられています。
つまり、子宮内膜症の治療は「病巣を小さくする、または取り除く」という直接的なアプローチであり、それに対して整体でできるのは「炎症が続きやすい身体の土台を、これ以上悪くしない、少しでも整える」という間接的なアプローチです。役割が違うからこそ、両方を並行することに意味があります。片方だけに頼るのではなく、婦人科での治療を軸に置きながら、身体のケアを補助線として添える。それが、この記事でお伝えしたい立ち位置です。
もう少し具体的に言うと、不妊治療のステップアップ(タイミング法から人工授精、体外受精へと進むこと)を検討する時期は、心身ともに負担が大きくなりやすいタイミングです。「結果が出ない」という事実そのものに加えて、次の一手を選ぶという判断も重なるため、緊張が抜けにくくなります。この時期に身体の緊張を少しでもゆるめておくことは、治療そのものの結果を保証するものではありませんが、心身の負担を分散させるという意味で、意味のある選択肢になり得ます。
子宮内膜症とはどのような状態ですか
子宮内膜症とは、本来は子宮の内側だけにあるはずの内膜に似た組織が、卵巣や卵管、腹膜など子宮以外の場所に発生し、月経周期に合わせて増殖と剥離、出血を繰り返す状態です。
本来の月経血は腟を通じて体外に排出されますが、子宮以外の場所にできた組織からの出血は、体外に出ていく道がありません。骨盤内にとどまった血液は炎症を起こし、周囲の組織と癒着を作っていきます。卵巣にできると「チョコレート嚢胞」と呼ばれる状態になり、腹膜にできると腹膜病変、まれに肺や消化管など離れた場所にできることもあります。
強い月経痛、性交痛、排便痛、そして不妊が代表的な症状です。月経痛以外にも腰痛や下腹部の重だるさが出る方も多く、10代後半から30代にかけて発症し、閉経までゆっくり進行していくことが多い病気です。
痛みの強さと病変の広がりが必ずしも一致しないことも、この病気の分かりにくいところです。病変が小さくても強い痛みを感じる方もいれば、病変が進んでいても自覚症状が少ない方もいます。だからこそ、痛みの強さだけで自己判断せず、定期的に婦人科で状態を確認することが欠かせません。
子宮内膜症は放置するとどうなりますか
結論として、治療をせずに放置すると、癒着が進み、痛みが強くなったり、卵巣や卵管の機能に影響が出たりする可能性があります。
子宮内膜症は月経のたびに炎症と出血を繰り返すため、時間の経過とともに病変が広がったり、周囲の組織との癒着が強くなったりする傾向があります。卵巣にできたチョコレート嚢胞は少しずつ大きくなることがあり、卵管が癒着で塞がれてしまうと、自然妊娠が難しくなる場合もあります。また、まれではありますが、長期間放置された嚢胞ががん化するリスクについても報告があるため、定期的な経過観察は欠かせません。
だからこそ、「痛み止めで様子を見ればいい」と自己判断せず、婦人科で継続的に経過を見てもらうことが大切です。整体はあくまでその治療と並行する身体のケアであり、病気の進行そのものを止める手段ではないことを、当院でも必ずお伝えしています。痛み止めを飲む回数が増えてきた、以前より効きにくくなってきたと感じるときは、経過観察の間隔を見直すタイミングかもしれません。担当医に相談してみてください。
子宮内膜症による腰痛や排便痛は、なぜ起こるのですか
結論として、骨盤の奥で起きている癒着と炎症が、腸や神経を巻き込んでいるために起こります。
子宮内膜症の組織が腸の表面や、子宮と直腸のあいだのくぼみ(ダグラス窩)にできると、月経のたびに炎症と癒着を繰り返します。腸がその癒着に引っ張られると、排便のときに直腸が正常に動かず、排便痛として感じられます。また、骨盤の奥には腰や足の感覚を伝える神経が集まっており、骨盤内の炎症がその神経を刺激すると、腰やお尻、太もも裏にまで痛みが響くことがあります。「子宮の病気なのに、なぜ腰まで痛むのか」と不思議に思う方は多いのですが、骨盤という一つの空間の中で、臓器と神経がすぐ近くにあるためだと理解すると納得しやすいと思います。
こうした痛みは、整形外科的な腰痛として片づけられてしまうこともあります。婦人科を受診せずに整骨院や整体院を回っても改善しない場合、背景に子宮内膜症が隠れている可能性も考えておくとよいでしょう。月経周期と痛みの強さが連動しているかどうかは、一つの見極めのポイントになります。
子宮内膜症に整体はどこまでできますか
結論として、整体は子宮内膜症そのものを取り除くことはできません。できるのは、骨盤内の血流を妨げている身体の緊張をゆるめ、自律神経が整いやすい状態へ導くことです。
できることは、股関節まわりや骨盤底、横隔膜の緊張をゆるめて骨盤内の血流を促すこと、自律神経の過緊張状態を落ち着かせて回復しやすい身体の土台を整えること、生活習慣やセルフケアの提案を通じて日々のストレス管理をサポートすることです。
できないことは、子宮内膜症の病巣そのものを縮小・除去すること、ホルモン療法や手術に代わる治療効果を出すこと、診断や薬の処方を行うことです。強い月経痛や不正出血、急な下腹部痛がある場合は、必ず婦人科を受診したうえで、整体は補助的なケアとして活用してください。この線引きを最初にはっきりお伝えすることが、かえって安心して施術を受けていただくことにつながると考えています。
福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか
結論として、婦人科の治療方針を否定せず、身体の状態をきちんと問診で確認したうえで施術方針を説明してくれるかどうかを見てください。
「これだけで内膜症が良くなる」と断定的に言う院は避けたほうが安心です。子宮内膜症は婦人科的な管理が前提にある病気であり、それを飛ばして整体だけで対応しようとする姿勢は、かえって治療の機会を遠ざけてしまいます。骨盤の状態、姿勢、自律神経の状態を丁寧に見て、今の治療方針を尊重したうえで、身体のケアとして何ができるかを一緒に考えてくれる院を選ぶことをお勧めします。院内の清潔さや説明のわかりやすさも、通い続けられるかどうかの目安になります。
また、婦人科系の不調は、体重をかけた強い施術や、骨盤を無理に動かすような施術と相性が悪いことがあります。痛みのある部位に、いきなり強い力を加えるような院は避け、まずは丁寧な問診から始めてくれるかどうかを確認するとよいと思います。通いやすさという点では、月経周期に合わせて体調が変わりやすいことを踏まえ、予約の融通が利くかどうかも見ておくと安心です。
常若整骨院では子宮内膜症をどう見ていますか
当院では、カウンセリング、施術、セルフケアの3つをセットで行っています。子宮内膜症は月経のたびに繰り返す痛みという性質上、身体だけでなく、痛みへの不安や、治療がなかなか結果につながらないもどかしさといった心理的な負担も大きい病気です。だからこそ、まず今の状態を丁寧にお聞きすることから始めます。
施術では、骨盤まわりの筋肉や横隔膜、股関節の緊張をゆるめ、骨盤内の血流が滞りにくい身体づくりをサポートします。当院で25,000人を施術してきた経験の中では、子宮内膜症やそれに近い婦人科系の不調を抱える方に、腸腰筋や骨盤底の慢性的な硬さ、みぞおち周辺の張りが共通して見られることが多くあります。これは、痛みへの警戒から無意識に骨盤まわりを固めてしまう反応と考えられ、その緊張を少しずつゆるめていくことが施術の中心になります。そのうえで、婦人科での治療を続けながら日常生活でできることをセルフケアとしてお伝えする、という流れで進めています。
また、身体だけでなくカウンセリングの時間も大切にしています。子宮内膜症は目に見えない痛みであるがゆえに、周囲に理解されにくく、一人で我慢を重ねてしまう方が少なくありません。施術の前後で、今どんなことに困っているか、治療の見通しについてどう感じているかをお聞きする時間を設けることで、身体と心の両面からサポートできる状態を目指しています。身体をゆるめるだけでなく、話すことで気持ちが軽くなったとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。
東洋医学では子宮内膜症をどう考えるのですか
東洋医学では、子宮内膜症のような「血が滞って痛みを生む」状態を、気血水(きけつすい)という体を巡る3つの要素のうち、血(けつ)の巡りが滞った「瘀血(おけつ)」の状態として捉えます。瘀血とは、血の巡りが悪くなり、体のどこかに滞ってしまうことです。血が滞ると、その場所に痛みが生まれやすくなる、という考え方です。
当院での見立てでは、大きく3つのタイプに分けて考えることが多くあります。
一つ目は「気滞血瘀型(きたいけっおがた)」です。気(体を巡るエネルギー)の流れが滞ることで血の巡りも悪くなるタイプで、ストレスや我慢を溜め込みやすい方に多く見られます。月経前から張るような痛みが出やすいのが特徴です。
二つ目は「腎虚血瘀型(じんきょけっおがた)」です。東洋医学でいう「腎」は、生命力や生殖機能を蓄える働きとして捉えられており、この腎の力が消耗すると、血を巡らせる力そのものが落ちて瘀血が生まれやすくなります。慢性的な疲労感や、腰から下の冷えを伴う方に多いタイプです。
三つ目は「脾虚湿瘀型(ひきょしつおがた)」です。「脾」は消化吸収や、体の水分代謝に関わる働きとして捉えられます。この脾の力が弱ると、余分な水分(湿)が体に溜まりやすくなり、それが血の巡りをさらに滞らせます。むくみやすく、下腹部が重だるいタイプの方によく見られます。
ツボについても触れておきます。三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨のすぐ後ろにあり、婦人科系の不調に広く使われる場所です。血海(けっかい)は、膝のお皿の内側の上、指3本ぶんほどのところにあり、血の巡りを促すとされています。太衝(たいしょう)は、足の甲、親指と人差し指の骨が合わさる手前のくぼみで、気の滞りをゆるめる場所です。太渓(たいけい)は、内くるぶしとアキレス腱のあいだのくぼみで、腎の力を補う場所とされています。これらはセルフケアとして自分で優しく押す程度であれば取り入れやすい場所ですが、強く押しすぎないことが大切です。
気血水という考え方についても補足します。気は体を動かすエネルギー、血は体に栄養を運ぶ働き、水は体液全般の巡りを指します。この3つはそれぞれ独立しているのではなく、気が滞れば血の巡りも悪くなり、血が滞れば余分な水も溜まりやすくなる、というように互いに影響し合っています。子宮内膜症のように「同じ場所で、同じ痛みが繰り返される」病気は、瘀血が長く居座っている状態と読み解くことができます。だからこそ、痛み止めで一時的にしのぐだけでなく、気・血・水の巡り全体を底上げしていく視点が、東洋医学では大切にされています。
施術のとき、実際にどこをどう診ているのですか
結論として、股関節の詰まり、骨盤まわりの筋肉の硬さ、みぞおちの緊張、足元の冷えの4つを中心に確認しています。
当院で25,000人を施術してきた経験の中で、子宮内膜症を含む婦人科系の不調を抱える方には共通する所見がいくつかあります。一つは、股関節の前面、鼠径部のあたりが板のように硬くなっていることです。これは骨盤内の血管や神経が通る場所でもあり、ここが硬いと骨盤内の血流そのものが妨げられやすくなります。もう一つは、みぞおちの深い部分に触れると、他の場所よりひんやりと冷たく、力が抜けにくい状態になっていることです。これは自律神経が緊張し続けているサインとして捉えています。
問診では、月経周期に合わせて痛みがどう変化するか、痛みが強くなる時間帯や姿勢はあるか、冷えを感じる場所はどこかを必ず確認します。これは、東洋医学の3つのタイプ(気滞血瘀型・腎虚血瘀型・脾虚湿瘀型)のどれに近いかを見極めるための材料になるだけでなく、その方が生活の中でどこに負担を抱えているかを知る手がかりにもなるためです。触診と問診を合わせて全体像を見ることで、施術の順番と力加減を決めています。
自律神経と子宮内膜症はどう関係しているのですか
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きで、意識しなくても心臓を動かし、内臓の血流を調整している神経のことです。緊張しているときはアクセル役の交感神経が優位になり、リラックスしているときはブレーキ役の副交感神経が優位になります。
子宮内膜症の痛みが繰り返されると、体は「また痛みが来るかもしれない」という予期不安を抱えやすくなります。この予期不安は交感神経を優位にし続け、骨盤まわりの血管を収縮させます。血流が悪くなると、炎症で生じた老廃物や痛みの物質がその場に滞りやすくなり、さらに痛みを感じやすい状態を作ってしまう、という悪循環につながります。
当院では、この交感神経の慢性的な優位状態を、呼吸や横隔膜の動きから整えていくことを大切にしています。深い呼吸ができているかどうかは、自律神経の状態を映す一つの指標です。浅い呼吸が続いている方には、まず呼吸から見直していただくことをお勧めしています。
実際に施術の場では、横隔膜のすぐ下にあたるみぞおちの深部に触れると、緊張が強い方ほど硬く、押し返すような弾力を感じることが多くあります。これは、日々の生活の中で気を張り続けている状態が、そのまま身体の形として表れているサインだと考えています。反対に、施術を重ねてこの部分がやわらかくなってくると、呼吸そのものが深くなり、ご本人も「息がしやすくなった」と実感されることが多いです。呼吸の深さは、自分でも比較的わかりやすい変化のサインなので、セルフチェックの目安としてもお伝えしています。
子宮内膜症で来られる方に多いのはどんなケースですか
当院に来られる方に多いのは、婦人科での治療は続けているけれど、痛みや不妊への不安を一人で抱えてしまっているケースです。仕事や家庭のことで忙しく、自分の体のことは後回しにしてきた、という方も少なくありません。予定を詰め込んで頑張り続けてきた方ほど、身体の緊張に自分で気づきにくくなっている傾向があります。
また、不妊治療と並行して来院される方の中には、「治療がうまくいかないのは自分のせいではないか」と自分を責めてしまっている方もいます。治療の結果は、体質だけで決まるものではありませんし、そもそも一人で頑張ってどうにかなる性質のものでもありません。当院では、まずその自責の気持ちを一度置いていただき、今できることから一緒に整理していくことを心がけています。
もう一つ多いのは、症状が周囲に理解されにくいことに疲れてしまっているケースです。子宮内膜症は外から見て分かる病気ではないため、「そんなに辛いようには見えない」と言われてしまい、痛みを我慢することに慣れてしまっている方が少なくありません。当院で25,000人を施術してきた中で感じるのは、この「見えない痛みを一人で処理し続けてきた」という背景が、身体の緊張のかたちにそのまま表れやすいということです。だからこそ施術の前に、まず今どう感じているかをお聞きすることを大切にしています。
実際に子宮内膜症が楽になった方はどんな経過でしたか
30代・会社員の方は、月経のたびに寝込むほどの痛みがあり、婦人科でホルモン療法を受けながら来院されました。デスクワークで長時間座りっぱなしの生活が続いていたこともあり、骨盤まわりの筋肉が硬く、股関節の可動域も狭くなっていました。初回の施術では股関節前面の硬さが強く、こちらが触れると思わず声が出るほどでした。週1回のペースで施術を重ね、1時間に一度立ち上がる、湯船に浸かる時間を作るといったセルフケアを続けていただいたところ、2ヶ月ほどで股関節の詰まり感が減り、3ヶ月を過ぎたころには月経前の張るような痛みが和らぎ、日常生活でも骨盤まわりの重だるさを感じにくくなったとのことでした。「以前は月経の1週間前から憂うつだったけれど、今は数日前から準備できるようになった」と話されていました。
30代後半・不妊治療中の方は、体外受精を含む治療を続けながら、「治療の合間に自分でもできることをしたい」という思いで来院されました。強い緊張と、みぞおちの硬さが目立つ状態で、初診時の問診では「結果が出ないのは自分の努力が足りないからではないか」という言葉が印象に残りました。施術を重ねる中で呼吸が深くなり、3回目の施術のあと、ご自身でも「肩の力が抜けた感じがする」と話されるようになりました。治療の結果は医療機関の領域ですが、身体の緊張がゆるみ、日々を過ごしやすくなったことをご本人が実感されていたのが印象的でした。
40代・パート勤務の方は、長年の子宮内膜症に加えて更年期にさしかかり、月経周期が乱れる中で腰痛と倦怠感が強く出ていました。当初は月に1回程度しか通院できませんでしたが、それでも施術を続ける中で、冷えていた足元が温かくなり、夜の眠りが深くなったとお話しされていました。「若いころから当たり前だと思っていた冷えが、実は当たり前ではなかったのだと気づいた」という言葉が心に残っています。
いずれの方も、効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。整体は医療行為ではなく、婦人科での治療と並行する身体のケアとして活用いただいています。
子宮内膜症は自宅でどうケアすればいいですか
セルフケアとして次の3つをお伝えしています。一つ目は、湯船に浸かって骨盤まわりを温めること。冷えは血の巡りを滞らせるため、シャワーだけで済ませず、10分ほど湯船に浸かる習慣をお勧めしています。とくに下腹部から腰にかけてお湯につかる深さを意識すると、骨盤内の冷えを感じやすい方にはより実感が得やすいようです。二つ目は、1時間に一度は立ち上がって軽く体を動かすこと。座りっぱなしの姿勢は骨盤内の血流を悪くします。デスクワークの方であれば、椅子から立って背伸びをするだけでも構いません。三つ目は、寝る前に深呼吸を数回行うこと。息を長く吐き切ることで、緊張した自律神経が落ち着きやすくなります。吸う時間より吐く時間を長くすることを意識すると、副交感神経が働きやすくなります。
ただし、これはどれか1つからで十分です。3つ全部を完璧にこなそうとする必要はありません。むしろ、できなかった日があって当然です。当院で25,000人を施術してきた経験の中で感じるのは、おおらかに続けられる方のほうが、体調の波が穏やかになりやすいということです。きっちりやろうとする真面目さそのものが悪いのではなく、その真面目さを「できなかった自分を責める」方向に使ってしまうと、かえって体の緊張を強めてしまいます。真面目さの向け先を、自分を責めることではなく、体をいたわることに向けていただければと思います。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
結論として、婦人科の受診が先です。整体はそれを補う立場であり、置き換えるものではありません。
次のような症状がある場合は、まず医療機関を受診してください。月経痛が急に強くなった、または今までと違う痛み方をする場合。大量の不正出血がある場合。強い下腹部痛とともに発熱がある場合。痛みで日常生活が送れないほどの状態が続く場合。これらは子宮内膜症の悪化や、他の疾患が隠れている可能性もあるため、自己判断せず専門医の診察を受けることが何より大切です。子宮内膜症と生活習慣の関係については、女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)でも詳しく解説されています。
婦人科での診断や治療方針が決まったうえで、日々の身体のケアとして整体を活用していただく、という順番を大切にしています。この順番を守ることが、遠回りに見えて、実は一番確実な近道だと当院では考えています。
よくあるご質問
子宮内膜症は整体で良くなりますか?
整体は医療行為ではないため、子宮内膜症の病巣そのものに働きかけることはできません。婦人科での治療を軸に、骨盤内の血流や自律神経を整えるサポートとして活用いただくものとお考えください。
不妊治療中でも整体を受けて大丈夫ですか?
多くの場合、問題ありません。ただし、体外受精の周期中など医師から安静を指示されている時期は、施術内容を調整する必要があるため、事前に治療のスケジュールをお伝えください。採卵前後や移植後など、時期によって力加減や施術部位を変えて対応しています。
チョコレート嚢胞がありますが施術できますか?
はい、施術は可能です。ただし強い圧迫や無理なストレッチは避け、優しい範囲で骨盤まわりの緊張をゆるめていきます。婦人科での経過観察の状況も併せて教えてください。
ホルモン療法を受けながらでも整体を受けられますか?
はい、受けられます。ホルモン療法中は体調が変化しやすい時期でもあるため、その日の体調に合わせて施術内容を調整します。
どのくらいの頻度で通えばいいですか?
痛みが強い時期は週1回程度、落ち着いてきたら2〜3週に1回程度が目安です。ただし個人差が大きいため、施術の中でご相談しながら決めていきます。月経周期に合わせて痛みの波がある方は、痛みが出やすい時期の少し前に合わせて来院いただくことも一つの方法です。
施術を受けるとどのくらいで変化を感じますか?
個人差がありますが、数回の施術で骨盤まわりの緊張がゆるみ、体が軽く感じられるとお話しされる方が多い印象です。月経痛の変化を感じるまでには、数ヶ月かかることもあります。
子宮内膜症と診断されたばかりですが、何から始めればいいですか?
まずは婦人科での治療方針をしっかり理解することが先です。そのうえで、生活習慣の見直しや身体のケアを少しずつ取り入れていくとよいと思います。焦って全部を一度に変える必要はありません。
手術後の経過中でも施術を受けられますか?
手術後は主治医の許可を得たうえで、経過に合わせて施術内容を調整します。傷の状態や体力の回復具合を優先し、無理のない範囲から始めます。
子宮内膜症の痛みは年齢とともに軽くなりますか?
一般的には閉経に近づくにつれて症状が落ち着く傾向があるとされていますが、進行の度合いは個人差が大きく、必ずしも年齢だけで判断できるものではありません。
冷え性は子宮内膜症に影響しますか?
東洋医学的には、冷えは血の巡りを滞らせる要因の一つと考えられています。骨盤まわりの冷えを放置せず、湯船に浸かるなどの温める習慣は、身体のケアとして意味があると考えています。
ストレスと子宮内膜症の痛みは関係がありますか?
ストレスによる自律神経の緊張は、骨盤内の血流を悪くする方向に働くと考えられています。ストレスそのものが病気の原因とは言い切れませんが、痛みの感じやすさには影響することがあります。忙しい時期に痛みが強く出やすいと感じる方は、この関係を裏づける一つの手がかりかもしれません。
パートナーにはどう説明すればいいですか?
痛みは外からは見えにくいため、伝わりにくいと感じる方も多いです。無理に理解してもらおうとするより、「今日はここが辛い」と具体的に伝えることから始めると、少しずつ共有しやすくなると思います。
仕事を休むほどではない痛みですが、それでも施術は受けられますか?
もちろん受けられます。強い痛みが出てからではなく、日常的な違和感の段階からケアを始めていただくほうが、身体の負担は少なく済みます。
子宮内膜症と子宮腺筋症は同じものですか?
似ていますが別の病気です。子宮内膜症は子宮の外側に内膜組織ができるのに対し、子宮腺筋症は子宮の筋肉の層の中に内膜組織ができる状態を指します。どちらも東洋医学的には瘀血として捉える点は共通しており、施術の考え方も近いものになります。
食事で気をつけることはありますか?
体を冷やす食べ物を摂りすぎないことを意識していただくとよいと思います。冷たい飲み物や生野菜の摂りすぎより、温かい食事を意識することが、骨盤まわりの冷えを防ぐ一つの手段になります。ただし完璧を目指す必要はなく、7〜8割できていれば十分です。
妊活を諦めかけていますが、それでも相談していいですか?
もちろんです。当院では治療の結果そのものをお約束することはできませんが、今の身体の状態を一緒に確認し、できることから整理するお手伝いはできます。一人で抱え込まず、まずは今の状態をお話しください。
閉経すれば子宮内膜症の症状はなくなりますか?
一般的には、閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が落ち着くため、症状も軽くなっていく傾向があります。ただし、それまでの間にできた癒着や、それに伴う腰痛・排便痛は、閉経後も残ることがあります。長年の癒着による緊張は、婦人科の管理と並行して身体のケアを続けることで、少しずつやわらぐことが期待できます。
まとめ
福岡市で子宮内膜症とともに不妊治療を続けている方へ。治療の結果が出ないとき、つい自分の体質や努力が足りないのではと考えてしまいがちですが、それは一人で抱え込むべき問題ではありません。子宮内膜症は、生殖年齢の女性のおよそ10人に1人にみられるとされるほど、決して珍しい病気ではありません。それでも痛みは目に見えず、周囲に伝わりにくいからこそ、一人で我慢を重ねてしまいがちです。
婦人科での治療を軸にしながら、骨盤内の血流や自律神経を整える身体のケアを添えることで、日々を少しでも過ごしやすくすることはできます。まずは身体の緊張をゆるめることから、カウンセリング、施術、セルフケアの3つでサポートいたします。痛みで日常生活が送れないほどのときは、まず医療機関を受診したうえで、身体のケアはいつでもご相談ください。一人で抱え込まず、少しずつで大丈夫です。頑張り続けてきたご自身の身体を、たまには労ってあげてください。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、これまでに25,000人の患者さんを施術してきた経験をもとに、東洋医学と自律神経の両面から体を見立てる施術を行っている。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院院長。婦人科での治療を尊重しながら、身体のケアという立場でできることを日々模索している。











