坂道や階段だけ息が上がる間質性肺炎、なぜ平地は平気なのですか|福岡市・常若整骨院

結論から言うと、間質性肺炎で「坂道や階段だけ息が上がる」という方には、体が動くときに必要な気の量を作り出す力が弱っているケースが多くあります。平地を歩く分にはまかなえていた息の力が、坂道や階段で急に足りなくなる。それは気のせいでも、我慢が足りないからでもありません。

要点を3つにまとめます。
原因は何か=肺そのものの変化に加えて、動いたときに息を支える力(東洋医学でいう気の力)が落ちていること。整体でできることは何か=呼吸を助ける筋肉の緊張をゆるめ、自律神経の働きを整えやすい身体づくりをサポートすること。この記事は誰向けか=間質性肺炎の診断を受けて通院しながら、坂道や階段での息切れに困っている方、またはご家族です。

福岡市で間質性肺炎と付き合いながら、日々の生活の質を保つ方法を探している方に向けて、東洋医学の視点と当院の臨床経験からお伝えします。

なぜ間質性肺炎は坂道や階段でだけ息が上がるのですか

結論として、平地を歩く動作と坂道・階段を上る動作では、必要になる呼吸の量がまったく違うからです。

平地を歩くときは、体重をほぼ水平に移動させるだけで済みます。ところが坂道や階段では、体重を垂直方向に持ち上げる動作が加わります。医学的には、この「持ち上げる」動作のために、平地歩行の何倍もの酸素が短時間で必要になることが知られています。肺の間質(肺胞の壁の部分)に炎症や線維化が起きている間質性肺炎の方は、酸素を血液に取り込む力そのものが落ちているため、この急に増える酸素の需要に応えきれず、息切れという形で表れます。

東洋医学の視点を添えると、呼吸の力を支えているのは「宗気(そうき)」と呼ばれる気です。宗気とは、胸の中心に集まり、呼吸と心臓の働きを支える気のことです。安静にしているときはこの宗気で十分にまかなえていても、坂道や階段で急に呼吸と心拍の両方に負荷がかかると、宗気の蓄えが薄い方はそこで一気に息が上がります。当院で呼吸器の不調を抱える方の身体を見てきた経験では、こうした方は決まって胸の上部が硬く、肩で息をするような浅い呼吸のクセがついています。息を吐ききれていないために、次の一息を十分に吸えない、という悪循環が起きているのです。

平地は平気なのに坂道や階段だけつらいというのは、決して大げさな訴えではなく、体の力の配分がそこで初めて限界に触れているというサインです。

当院での触診では、こうした方の胸の上部、鎖骨の下あたりを触れると、板のように硬くなっていることがよくあります。本来、呼吸のたびにわずかに動くはずの肋骨や胸骨まわりが、緊張でほとんど動かなくなっているのです。呼吸の主役である横隔膜がうまく使えていないぶん、首や肩の筋肉を総動員して息を吸おうとする、いわゆる「肩で息をする」状態が習慣になっている方が多く見られます。この状態のまま坂道や階段に差しかかると、もともと呼吸の余力が少ないところへさらに負荷がかかるため、他の方以上に急激な息切れとして表れやすくなります。

間質性肺炎とはどのような状態ですか

間質性肺炎とは、肺の中で酸素と二酸化炭素を交換する部分(肺胞)の壁である「間質」に炎症や線維化(硬く厚くなること)が起きる病気です。

原因が特定できないものは「特発性間質性肺炎」と呼ばれ、国の指定難病になっています。一方で、原因が推測できるものの中でもっとも多いのが、関節リウマチや強皮症といった膠原病に伴って起きる間質性肺炎です。そのほかにも、薬剤の副作用、カビや粉じん、羽毛、アスベストなどを長期間吸い込んだことが原因になる場合もあります。

肺の変化はゆっくりと、多くの場合は月単位から年単位で進みます。そのため、初期には「年のせいで息切れするようになった」「ちょっと運動不足かもしれない」と見過ごされやすく、気づいたときには坂道や階段での息切れがはっきりした症状として自覚される、という経過をたどる方が少なくありません。

進行の速さは人によって大きく異なります。何年もほとんど変化がない方もいれば、比較的短期間で進行する方もいます。共通しているのは、風邪やインフルエンザなどの感染症がきっかけとなって、数日から数週間の間に急激に呼吸困難が悪化する「急性増悪」が起こりうるという点です。急性増悪は生命に関わることもあるため、日頃から体調の小さな変化を見逃さないこと、そして予防接種などで感染症そのものを避ける工夫が重視されています。

診断では、聴診器を胸に当てると「バリバリ」という乾いた音(捻髪音)が特徴的に聞こえ、胸部CTでは肺全体にすりガラス状の影や網目状の影が見られます。これらの所見と、痰を伴わない乾いた咳、労作時の息切れという症状、血液検査の結果を合わせて総合的に診断されます。

間質性肺炎に整体はどこまでできますか

結論として、整体は間質性肺炎そのものにアプローチする手段ではありません。肺の線維化を戻したり、間質性肺炎の進行を止めたりすることはできません。ここは最初にはっきりお伝えします。

整体でできることは、呼吸をサポートする周辺の筋肉、具体的には首から胸にかけての呼吸補助筋(斜角筋・胸鎖乳突筋・肋間筋など)の緊張をゆるめること、そして自律神経の働きを整えやすい身体づくりをサポートすることです。間質性肺炎の方は、息苦しさそのもののストレスと、常に「次の一息が吸えるか」という緊張から、呼吸補助筋が慢性的に硬くなっている方がほとんどです。肺自体の機能とは別に、この周辺の筋肉の硬さが、呼吸をさらに浅く苦しいものにしているケースが臨床上とても多く見られます。

呼吸補助筋がゆるむと、同じ肺の状態であっても、一回の呼吸でより多くの空気を出し入れしやすくなります。これは肺機能検査の数値を変えるという意味ではなく、日常生活での「呼吸のしやすさ」の体感が変わるという意味です。坂道や階段で急に必要になる呼吸を、少しでも余裕を持って迎えられる身体の状態を作ることが、整体の役割です。

できないこととして、風邪や感染症をきっかけに急激に呼吸困難が悪化する「急性増悪」への対応、薬の量の調整、酸素投与の判断は、すべて医療機関の領域です。急性増悪が疑われる場合は、整体を受けている場合ではなく、すぐに主治医または救急への連絡が必要です。

できること・できないことをはっきり分けてお伝えするのは、間質性肺炎という病気に対して中途半端な期待を持っていただきたくないからです。当院で25,000人を施術してきた中で、慢性的な持病を抱える方ほど、「これで良くなるかもしれない」という期待と、「結局は通院の妨げになるのでは」という不安の間で揺れ動いていらっしゃることを感じてきました。整体の役割を最初にはっきりさせておくことで、安心して身体のケアに専念していただけると考えています。

福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか

間質性肺炎のように通院中の持病がある場合、整体院選びで見るべきポイントは、症状が良くなると断定していないか、そして医療機関との連携をどう考えているかです。

「呼吸が楽になる」「肺の機能が改善する」といった断定的な表現をしている院は避けたほうが安心です。整体は医療行為ではなく、あくまで身体のケアとストレス管理のサポートという立場を明確にしている院かどうかを確認してください。

もう一つは、施術中の負担への配慮です。うつ伏せでの施術が長く息苦しくなる、強い刺激が呼吸を乱すなど、間質性肺炎の方特有の事情を理解し、施術の姿勢や強さを調整してくれるかどうかも大切な視点です。カウンセリングの段階で、現在の呼吸の状態や通院状況を丁寧に聞いてくれる院を選ぶことをおすすめします。

もう一つ見落とされがちなのが、施術のペース配分です。間質性肺炎の方は、施術直後は体が軽く感じても、翌日にどっと疲れが出ることがあります。一度に長時間・強めの施術を詰め込むのではなく、その日の体調に合わせて時間や強さを調整し、無理をさせない院かどうかも、選ぶときの目安になります。予約の融通が利くか、体調が悪い日にキャンセルしやすいかも、通院を続けるうえで実は大切なポイントです。

常若整骨院では間質性肺炎をどう見ていますか

当院では、間質性肺炎を抱える方に対して、カウンセリング・施術・セルフケアの3つをセットで行っています。

まずカウンセリングでは、どんな場面で息切れが強くなるか、いつから坂道や階段がつらくなったか、日常生活のどの動作で困っているかを詳しく伺います。当院で25,000人の患者さんを施術してきた経験の中で見えてきたのは、間質性肺炎の方の多くが、息切れそのもの以上に「人に迷惑をかけたくない」という思いから、無理に呼吸を我慢して動いてしまう傾向があるということです。

施術では、首・肩・胸まわりの呼吸補助筋の緊張をゆるめ、横隔膜の動きを妨げている姿勢のクセを整えます。特に鎖骨の下から脇の下にかけての小胸筋、首の横にある斜角筋は、呼吸が浅くなっている方の多くで硬くなっているため、丁寧に時間をかけてゆるめていきます。加えて、自律神経のバランスを整えやすい身体づくりをサポートすることで、呼吸のリズムそのものが落ち着きやすい状態を目指します。そしてセルフケアとして、日常生活の中でできる呼吸法や動作の工夫をお伝えし、施術の効果を日々の生活の中で維持していただくことを大切にしています。

初回のカウンセリングでは、坂道や階段以外にも、着替えや入浴、洗濯物を干すといった、腕を上げる動作でも息切れが出ていないかを確認します。腕を上げる動作は胸郭を広げる筋肉を同時に使うため、階段と同じように呼吸への負担が大きくなりやすい動作だからです。こうした細かい生活動作までお伺いすることで、その方の生活に合ったセルフケアをご提案できるようになります。

東洋医学では間質性肺炎をどう考えるのですか

東洋医学では、間質性肺炎を「肺(はい)」と「腎(じん)」の働きの弱りとして捉えます。肺とは、東洋医学でいう呼吸の力の源であり、体に入ってくる気(エネルギー)を取り込む働きを担う臓器です。腎とは、生まれ持った回復力の貯金のようなもので、深い呼吸を支える土台になります。

東洋医学では、呼吸は肺だけで行うものではなく「肺は気を主り、腎は納気(のうき)を主る」と考えます。納気とは、吸い込んだ気を体の奥深く、腎までしっかり引き込んで受け止める働きのことです。若く元気なうちは、この納気の働きが自然に機能していますが、加齢や慢性的な消耗によって腎の力が落ちると、息を吸っても奥まで届かず、浅いところで折り返してしまうような呼吸になります。坂道や階段で「吸っても吸っても足りない」という感覚を訴える方の多くに、この腎の納気の弱りが関わっていると当院では見ています。

当院での臨床経験から、間質性肺炎で来られる方を大きく3つの証(体質タイプ)に分けて考えています。

一つ目は「肺気虚(はいききょ)型」です。肺の気そのものが不足している状態で、少し動いただけで息が上がる、声に力が入らない、汗をかきやすいといった特徴があります。坂道や階段で真っ先に息切れするのはこのタイプに多く見られます。

二つ目は「肺腎両虚(はいじんりょうきょ)型」です。肺だけでなく、深い呼吸を支える腎の力も落ちている状態で、息を吸うよりも吐くほうが苦しい、下半身の冷えやむくみ、腰の重だるさを伴うことが多いタイプです。病歴が長い方、高齢の方によく見られます。

三つ目は「気陰両虚(きいんりょうきょ)型」です。気の不足に加えて、体を潤す働き(陰)も不足している状態で、から咳が強い、口や喉の乾燥、微熱感、寝汗などを伴います。慢性的に炎症が続いている状態と重なりやすいタイプです。

ツボについては、太淵(たいえん)、手首の親指側、脈を触れるところにある肺の気を補うツボ、肺兪(はいゆ)、背中の肩甲骨の内側、呼吸に関わる背中のツボ、太渓(たいけい)、内くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみで、腎の力を補うツボ、足三里(あしさんり)、膝のお皿の下から指4本ぶん下、すねの外側にある、体全体の気を補う代表的なツボがあります。これらは自宅でも指で優しく押すセルフケアとして活用できます。

ご自身がどのタイプに近いか、目安として次のように見ています。坂道や階段で真っ先に息が上がり、話すときも声が続かないと感じる方は肺気虚型の傾向が強く出ています。それに加えて足腰が冷えやすい、膝や腰がだるい、夜中にトイレで何度も起きる、といった症状が重なる方は肺腎両虚型の要素が強くなっている状態です。から咳が一日中しつこく続き、口の渇きや寝汗が気になる方は気陰両虚型の傾向が出ています。実際には3つが重なり合っている方がほとんどで、きっちり1つに分けられるものではありません。あくまで、今の体がどちらに傾いているかを知るための目安としてお使いください。

自律神経と間質性肺炎はどう関係しているのですか

自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きです。アクセル役の交感神経は、体を緊張させ呼吸や心拍を速める方向に働きます。ブレーキ役の副交感神経は、体をゆるめ、深くゆっくりした呼吸を促す方向に働きます。

間質性肺炎の方は、常に「息が続くか」という不安と隣り合わせで生活しているため、交感神経、つまりアクセルが踏まれっぱなしになりやすい傾向があります。アクセルが踏まれた状態では呼吸は浅く速くなり、坂道や階段のような急な負荷がかかったときに、余力のない状態からさらに追い込まれることになります。

呼吸補助筋の緊張がゆるみ、副交感神経、つまりブレーキが働きやすい身体になると、同じ肺の状態でも、呼吸のリズムに余裕が生まれやすくなります。当院での臨床経験では、施術後に「肩の力が抜けた」「呼吸が浅くなくなった気がする」という声を多くいただきますが、これは肺の数値が変わったのではなく、自律神経のバランスが整いやすくなった結果として体感される変化だと考えています。

もう一つ見過ごされやすいのが、坂道や階段を上る「前」の緊張です。坂道が近づいてきただけで、無意識に体がこわばり、呼吸が浅くなってしまう方が少なくありません。これは「またあの苦しさが来る」という予期不安が交感神経を先に働かせてしまうためです。実際に坂道を上り始める前から、すでに呼吸の余力を減らしてしまっているとも言えます。この予期不安そのものに対しても、身体の緊張がゆるんでいると、必要以上に身構えずに済みやすくなります。

間質性肺炎で来られる方に多いのはどんなケースですか

当院に来られる間質性肺炎の方に多いのは、次のようなケースです。

一つは、階段の上り下りがある家に住んでいて、買い物や通院そのものが大きな負担になっている方です。エレベーターのない駅の階段、スーパーの駐輪場から店舗までの緩やかな坂道など、生活の中の何気ない動線が、思った以上に息切れの引き金になっていることに、ご本人が気づいていない場合もあります。

もう一つは、関節リウマチや強皮症といった膠原病のケアと並行して間質性肺炎と付き合っている方です。もともとの膠原病への対応で身体への負担が大きく、そこに呼吸の不安が重なることで、心身ともに緊張が抜けにくい状態になっています。

もう一つは、以前は活動的だった方が、坂道や階段を避けるようになり、外出そのものが減ってしまったケースです。動くこと自体への不安から活動量が落ち、それがさらに体力の低下を招くという悪循環に入りかけている方も少なくありません。

もう一つは、ご家族に付き添われて来院される方です。ご本人は「これくらい大丈夫」と我慢しがちですが、隣で見ているご家族のほうが「以前より歩くのが遅くなった」「坂道の手前で顔色が変わる」という変化に早く気づいていることがよくあります。ご本人とご家族、それぞれの視点から日常の様子を伺うことで、施術やセルフケアの方向性がより具体的に見えてきます。

実際に間質性肺炎の方が楽になった経過はどのようなものでしたか

60代の男性で、会社経営をされている方がいらっしゃいました。特発性間質性肺炎と診断されてから、通勤で使う駅の階段が急につらく感じるようになり、途中で立ち止まることが増えたとご相談いただきました。カウンセリングで伺うと、常に「息が続くか」という緊張から、肩をすくめるような浅い呼吸のクセがついていました。ご本人いわく、経営者として弱った姿を社員に見せたくないという思いから、息苦しさを表に出さないよう無理に呼吸を我慢する習慣がついていたそうです。施術で首から肩、胸まわりの緊張を継続的にゆるめていったところ、数か月かけて、階段の途中で一度立ち止まる必要はあっても、以前のように動悸を伴うほどの息切れは減ってきたとお話しいただいています。あわせて、口すぼめ呼吸を階段の前に取り入れる習慣もつけていただきました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

50代の女性で、強皮症に伴う間質性肺炎と診断され、ご家族の介護と両立しながら通われている方がいらっしゃいました。家事や介護で常に動き続けなければならない状況にあり、坂道での息切れに加えて、肩から首にかけての強いこりを訴えていらっしゃいました。ご自身の身体をゆっくりケアする時間が取れない中で、短時間でも呼吸補助筋の緊張をゆるめる施術を続けたところ、日中の息苦しさの波が以前より穏やかになったと感じていただいています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

70代の男性で、在宅酸素療法を受けながら通われている方がいらっしゃいました。坂道での息切れをきっかけに外出を控えるようになり、体力の低下も気になっていらっしゃいました。ご家族の付き添いで来院され、最初は「歩く距離が短くなる一方だった」と不安を口にされていました。無理のない範囲での施術とセルフケアの提案を続けたところ、酸素を使いながらでも、以前より落ち着いた呼吸で近所を歩ける日が増えてきたとお話しいただいています。ご家族からも「一緒に散歩する時間が増えた」という声をいただきました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

間質性肺炎は自宅でどうケアすればいいですか

自宅でできるセルフケアとして、次の3つをお伝えしています。

一つ目は、坂道や階段を上る前に、口をすぼめてゆっくり息を吐く「口すぼめ呼吸」を数回行うことです。息を吐ききることで、次に吸える空気の量が増え、急な負荷にも対応しやすくなります。

二つ目は、階段を一気に上らず、踊り場や途中で一呼吸置く区切りを作ることです。動作を分割することで、宗気の消耗を急激にせず、必要な酸素の需要のピークをなだらかにできます。

三つ目は、寝る前に胸とお腹に手を当てて、3回ゆっくり深呼吸をすることです。日中に浅くなった呼吸をリセットし、自律神経のブレーキが働きやすい状態で眠りにつく助けになります。

あわせて、空気が乾燥する季節は、部屋の湿度にも気を配ってみてください。東洋医学では、乾燥した空気(燥邪)は肺をもっとも傷めやすいと考えます。加湿器を使う、こまめに水分を取る、マスクで喉と気道の乾燥を防ぐといった工夫は、から咳が気になる気陰両虚型の方には特に取り入れやすいセルフケアです。

どれか1つからで十分です。3つ全部をきちんとやろうとする必要はありません。できない日があって当然です。真面目な方ほど「今日もできなかった」と自分を責めがちですが、その自責の気持ちがまた交感神経を優位にし、呼吸を浅くしてしまいます。真面目さが悪いのではなく、真面目さの向け先が違うだけです。まずは、できた日を自分で認めてあげることから始めてください。

病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか

間質性肺炎は指定難病であり、必ず呼吸器内科での定期的な通院と経過観察が必要な病気です。整体は、その通院と並行して行う身体のケアという位置づけであり、通院の代わりにはなりません。

次のような症状があるときは、整体を検討する前に、すぐに主治医または救急に連絡してください。安静にしていても息苦しさが強い、唇や爪が紫色になる(チアノーゼ)、発熱を伴って急に息切れが悪化した、これまでにない強い咳が続く、体重が急に減っている。これらは急性増悪や感染症の可能性があり、早期の医療対応が回復のカギを握ります。

日常的な体のこわばりやストレスによる呼吸の浅さについては、整体でのケアが役立つ場面があります。ただし、あくまで医療機関でのケアが主であり、整体はその生活の質を支えるサポートである、という位置づけを忘れないでください。

迷ったときの目安として、症状が「今日・今週」の話であれば医療機関へ、「毎日の生活の質をどう保つか」という長い付き合いの話であれば整体も選択肢に入る、と考えるとわかりやすいかもしれません。両方を同時に頼っていただいて構いません。整体は医療機関の代わりではなく、その間を埋める役割だとお考えください。判断に迷うこと自体は自然なことです。少しでも不安があれば、まずは主治医に相談してから整体を検討していただいて構いません。

よくあるご質問

間質性肺炎は整体で良くなりますか?

整体は間質性肺炎そのものにアプローチするものではありません。肺の線維化を戻すことはできませんが、呼吸を助ける筋肉の緊張をゆるめ、自律神経を整えやすい身体づくりをサポートすることで、日常生活での息苦しさの体感が変わりやすくなる場合があります。

なぜ平地は平気なのに坂道や階段だけ息切れするのですか?

坂道や階段では体重を持ち上げる動作が加わり、平地歩行の何倍もの酸素が短時間で必要になるためです。肺の酸素を取り込む力が落ちている間質性肺炎の方は、この急な需要増加に応えきれず、そこで初めて息切れとして症状が表れます。

間質性肺炎で坂道がつらいのはどのタイプに多いですか?

東洋医学でいう「肺気虚型」、肺の気そのものが不足しているタイプに特に多く見られます。少し動いただけで息が上がる、声に力が入らないといった特徴を伴うことが多いです。

整体を受ける際、施術の強さは調整してもらえますか?

当院ではカウンセリングで現在の呼吸の状態や通院状況を伺い、うつ伏せの時間や刺激の強さを一人ひとりに合わせて調整しています。息苦しさを感じたらいつでも申し出ていただける環境を大切にしています。

間質性肺炎の方が運動を控えたほうがいいのはどんな時ですか?

安静にしていても息苦しい時、発熱を伴う時、これまでにない強い咳が出ている時は、運動やセルフケアよりも医療機関への相談を優先してください。急性増悪の可能性があります。

口すぼめ呼吸はどのタイミングで行えばいいですか?

坂道や階段を上る直前、そして上っている最中に息が上がりそうになったタイミングで、口をすぼめてゆっくり息を吐くと、次に吸える空気の量が増え、負担が和らぎやすくなります。

強皮症や関節リウマチと一緒に間質性肺炎がある場合も施術できますか?

膠原病のケアと並行して通われている方は多くいらっしゃいます。主治医の方針を優先し、その範囲内で身体のケアとして施術を行っています。気になる症状があれば事前にお知らせください。

在宅酸素を使っていても施術は受けられますか?

在宅酸素療法を受けながら通われている方もいらっしゃいます。酸素の使用状況や動ける範囲を伺った上で、施術中も酸素を外さず、無理のない姿勢と強さで行います。

セルフケアは毎日全部やらないといけませんか?

いいえ、どれか1つからで十分です。できない日があって当然です。完璧にやろうとすること自体が体の緊張につながることもあるため、無理のない範囲で続けてください。

間質性肺炎で自律神経が乱れるとどんな症状が出ますか?

呼吸が浅く速くなる、動悸を感じやすくなる、寝つきが悪くなる、といった症状が出やすくなります。自律神経のバランスが整いやすい身体づくりは、こうした症状の緩和をサポートする一つの方法です。

どのくらいの頻度で施術を受ければいいですか?

体調や生活状況によって異なりますので、カウンセリングの際にご相談しながら、無理のないペースをご提案しています。通院を始めたばかりの時期は少し間隔を詰め、体の反応を見ながら少しずつ間隔を空けていく方が多いです。

咳が長引いているのですが、間質性肺炎の可能性はありますか?

痰を伴わない乾いた咳が2週間から3週間以上続く場合は、間質性肺炎を含めた呼吸器の病気の可能性があるため、まずは呼吸器内科での受診をおすすめします。整体は診断を行う場ではありません。

乾燥する季節になると息切れがひどくなるのはなぜですか?

東洋医学では、乾燥した空気は肺をもっとも傷めやすいと考えます。空気が乾燥すると気道や粘膜も乾きやすくなり、咳が誘発されやすくなるため、加湿やマスクで喉と気道を保護することをおすすめしています。

家族としてどう接すればいいか分かりません。何かできることはありますか?

坂道や階段の手前で歩調を合わせてゆっくり歩く、荷物を持つ、といった具体的なサポートが助けになります。あわせて、本人が息苦しさを我慢しているサインに気づいたら、無理に励ますのではなく「少し休もうか」と声をかけていただくだけでも、緊張がゆるみやすくなります。

呼吸のリハビリ(呼吸リハビリテーション)と整体は一緒に受けてもいいですか?

はい、多くの方が医療機関での呼吸リハビリテーションと並行して当院に通われています。呼吸リハビリテーションで身につけた呼吸法を、日常生活の中でより実践しやすくするために、身体の緊張をゆるめる施術が助けになる場合があります。

階段以外に、腕を上げる動作でも息切れするのですが関係ありますか?

はい、関係しています。腕を上げる動作は胸を広げる筋肉を同時に使うため、階段と同じように呼吸への負担が大きくなりやすい動作です。着替えや洗濯物を干す動作でつらさを感じる方は少なくありません。

施術を受けた後、症状が一時的にきつくなることはありますか?

まれに、普段使っていない呼吸の仕方に体が慣れるまで、施術直後に少しだるさを感じる方がいらっしゃいます。強い痛みや息苦しさの悪化が続く場合はすぐにお知らせください。翌日以降の体調を伺いながら、次回以降の施術の強さを調整していきます。

まとめ

福岡市で間質性肺炎と付き合いながら、坂道や階段の息切れに困っている方へ。その息切れは、我慢が足りないからでも、気のせいでもありません。動くときに必要な呼吸の力が、体の状態に対して大きくなりすぎているだけです。

病気そのものと向き合いながら、日々の生活も大切にしていきたいというお気持ちを、当院はいちばんに尊重したいと考えています。坂道を避けるために外出そのものを減らしてしまうのではなく、坂道と少しでも上手に付き合える身体を一緒に探していくこと。それが、当院がお手伝いできる一番の部分だと考えています。ご本人だけでなく、支えるご家族のご相談もお受けしています。

一人で抱え込まず、まずは呼吸を助ける身体の緊張をゆるめることから始めてみませんか。当院では、カウンセリングで日々の生活での困りごとを丁寧に伺い、施術で呼吸補助筋の緊張と自律神経のバランスを整えやすい身体づくりをサポートし、セルフケアで日常生活の中でも続けられる工夫をお伝えしています。医療機関でのケアを大前提としながら、その通院と一緒に歩んでいける身体のケアを、福岡市早良区の常若整骨院で一緒に探していきましょう。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたか せいじ)。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、これまで25,000人の患者さんを施術。福岡市早良区、地下鉄西新駅から徒歩圏にある常若整骨院の院長。東洋医学の視点と長年の現場での臨床経験をもとに、自律神経の不調や慢性症状に悩む方の身体のケアとストレス管理をサポートしている。医療機関との連携を大切にし、症状や体調の変化に応じて専門医への相談を勧めている。

参考:難病情報センター 特発性間質性肺炎(指定難病85)日本呼吸器学会