整体院の集客、チラシとSNSどちらが先か
初回の患者さんが問診票を書き終えて、ペンを置く。
「どちらで当院を知りましたか」の欄に、チェックが入っている。Threadsでも、チラシでもない。ホームページ、と書いてある。
SNSを毎日更新してきた先生ほど、この欄を見て手が止まります。投稿を見て来たのだと思っていた。でも実際に予約を決めたのは、プロフィールの先にあるページを読んだ人だった。
私はこの欄を、セミナーの受講生の先生方と何度も一緒に見返してきました。そのたびに思うのは、チラシかSNSかという問いの手前に、もっと大事な順番があるということです。
今日は、チラシとSNSのどちらを先にするかを、現場で使える形でお話しします。
結論として、チラシとSNSのどちらを先にすればいいですか?
先にやるのは、どちらでもありません。入口をどちらにするかの前に、見に来た人を受け止める場所を整えるのが先です。
チラシも、SNSも、役割は入口です。入口で人を連れてきても、その先のホームページやGoogleマップ、問診の流れが整っていなければ、予約にはつながりません。
そのうえで、どうしても一つ選ぶなら、私はSNSと検索を先にすすめます。理由は、あとの見出しで順番に説明します。
なぜ、入口より先に受け皿が要るのですか?
人は入口で決めず、受け皿を見て決めるからです。
セミナーの報告会で、ある先生がこう話していました。新規の方はSNS経由ではなく、広告やホームページ、Googleマップから来ているようだ、と。私はこの話を聞いて、驚きませんでした。現場ではよくあることです。
チラシを見た人は、QRコードか院名で検索します。SNSを見た人は、プロフィールのリンクを開きます。どちらも最後は、ホームページかGoogleマップに着きます。
つまり、どの入口から入っても、同じ受け皿に集まってきます。ここが整っていなければ、入口にかけた時間もお金も、そこで消えます。
受け皿で見られているのは、次の3つです。
- この先生は、自分の悩みを分かってくれそうか
- 同じような人が、実際に通っているか
- 予約までの手順が、迷わずに済むか
2つ目の「同じような人が通っているか」は、患者さんの声で決まります。ここは後で詳しく書きます。
SNSを先にすすめるのは、なぜですか?
SNSは、紙より早く直せて、当たりが見えるからです。
チラシは、刷って配ってから反応を待ちます。文面を直したくても、刷り直しの手間があります。SNSなら、今日出した投稿の反応を明日見て、明後日の文章を変えられます。
神戸のセミナーで、受講生の先生方に共通して伝えたことがあります。投稿は数を打って、当たる型を早く見つけること。当たった型には名前をつけて保存し、毎日違う型で出すこと。最初から完璧を狙わず、6割でゴーを出すこと。
これは、紙ではできません。何を書けば悩みが動くのかを、毎日の反応で確かめられるのがSNSの強みです。
もう一つ大事なのは、SNSの役割をはっきりさせることです。Threadsは、予約を直接取るための場所ではありません。プロフィールのホームページへ誘導するための導線です。いいねやフォロワーが増えると、結果として地域の人にも届きやすくなります。ここを取り違えると、フォロワー数だけを追って疲れます。
チラシが向いているのは、どんな先生ですか?
チラシが向くのは、すでに患者さんの声が手元にある先生です。
紙は、渡した相手がその場で読める強さがあります。ネットに慣れていない方、年配の方にも届きます。ただ、紙面は小さいので、書けることが限られます。
そこで効いてくるのが、実際に通った人の言葉です。肩書きや技術の説明より、同じ悩みで通った人の手書きの一言のほうが、紙の上ではずっと強く働きます。
つまり、チラシは先にやるものではなく、声が溜まってからやるものです。声がゼロの状態で刷ったチラシは、院の説明だけが並ぶ紙になります。
チラシの反響そのものは、地域や配り方で大きく違います。数字で語れる実測が私の手元にないので、この記事では反響率の話はしません。確かに言えるのは、紙に載せる材料は、先に集めておくほうが強いということです。
声が一つもない状態から、何を始めればいいですか?
最初に始めるのは、一人目の患者さんの声を、手書きでもらうことです。
セミナーの面談で、箱がない状態でSNS発信を始めてもいいのか、と相談してくださった先生がいました。施術スペースもまだ持っていない時期です。
私の答えは、箱は先に要らない、まず声を取る、でした。レンタルスペースでも、一人の方に来てもらえれば、その方の声が最初の実績になります。実績は、立派な箱から生まれるのではなく、一人目の患者さんから生まれます。
別の先生は、Googleの口コミが0件で、過去にもらった手書きの声も、どこにあるか分からなくなっていました。私は二段構えをすすめました。Googleに書いてもらえなければ、紙に手書きでもらう。依頼は2回まで。反応がなければ、それ以上は追わない。
口コミを頼むタイミングも大事です。いちばん感動したときに頼みます。楽になってきた頃や卒業間近では、気持ちが落ち着いてしまい、遅くなります。1回目や2回目の来院でも、変化に驚いたその日が、お願いする日です。
頼むときは、こう伝えます。きれいに書かなくていい。同じように悩んでいる人を助けるために、書いてもらえませんか、と。値引きや無料施術を差し出す必要はありません。
受け皿で、先に直すところはどこですか?
先に直すのは、ホームページ、Googleマップ、問診票の3か所です。
ホームページは、見た人が悩みごとに自分のページを見つけられる形にします。トップに何でも並べるより、症状ごとのページを1つずつ増やしていくほうが、検索でも拾われやすくなります。
Googleマップは、写真が古いままになっていないか見ます。セミナーで報告してくれた先生は、写真を何年も更新していなかったことに気づいて直していました。最新情報の欄は、週に2回、少なくとも月に4回は更新します。ここにはブログの更新通知ではなく、SNSの投稿を貼る形でも構いません。
問診票は、きっかけの欄を必ず作ります。どこで知りましたか、の一行です。これがあるから、冒頭のように、SNSだと思っていた入口が実はホームページだったと分かります。流入経路は、細かく分けて数えます。数えなければ、チラシが効いたのかSNSが効いたのか、永遠に分かりません。
問診票は紙がいいと、私は考えています。患者さんが書いている様子そのものが、見立ての材料になるからです。ペンの進み方、止まる場所、書かない欄。数字や文字になる前の情報が、そこに出ています。
緊急性のある悩みの人は、どこで探していますか?
深い悩みの人ほど、紙ではなく検索で探していることが多いです。
「ちょっとしたことで動揺する」のような悩みは、緊急性が低く、検索されても予約になりにくいことがあります。一方で、めまいのように、今すぐ何とかしたい悩みは、夜中にスマホで調べます。
チラシは、悩んでいない人の手にも届きます。肩こりや腰痛のように、誰もが多少は抱えている悩みには向いています。ただ、肩こりや腰痛は競合も多く、リピートがよくないという声が現場から出ているのも事実です。
私は、人数の多い悩みで勝負するより、深い悩みの人を捕まえるほうをすすめています。そういう人は、まず検索する。だから、検索で見つかる受け皿が先に要ります。
計測は、何をどう見ればいいですか?
見るのは、月に一度のサーチコンソールと、シークレットモードでの順位確認の2つです。
自分が狙ったキーワードをメモしておき、毎月同じ言葉で検索して順位を見ます。「地域名と症状」で検索したときに、3番目までに入っているか。ここが目安です。
AIが出してくれたキーワードを、そのまま使うのは避けます。本当に検索される言葉なのかを、自分の目で確かめます。
チラシの効果を測るなら、問診票のきっかけ欄が、いちばん簡単な計測です。QRコードを紙ごとに変える方法もありますが、まずは欄を一つ作るだけで始められます。
結局、今日から何をすればいいですか?
今日から始めることは、3つです。
1. 問診票に、きっかけの欄を一行作る
2. 通っている患者さんに、手書きの声を一人分お願いする
3. Googleマップの写真を、最新のものに差し替える
この3つが終わってから、SNSの毎日投稿を始めます。声が数件溜まったら、チラシを検討します。順番を間違えなければ、どちらの入口も、ちゃんと受け皿に届きます。
技術が足りないのではなく、見る順番が決まっていなかっただけです。これは集客でも同じです。
関連して、来てくれた方が次につながらない問題は、リピートされない理由の記事で詳しく書いています。入口を整えたあとは、そちらも合わせてご覧ください。
よくある質問
予算が少ない場合、チラシとSNSのどちらに使えばいいですか?
SNSを先にすすめます。お金をかけずに始められて、反応を見て毎日直せるからです。チラシは、患者さんの声が数件溜まってから、小さく試す形が安全です。
SNSを毎日更新しても、新規の予約が増えないのはなぜですか?
SNSは予約を直接取る場所ではなく、ホームページへ誘導する導線だからです。プロフィールのリンク先が整っているか、症状ごとのページがあるかを、先に確かめてみてください。
チラシを配る場合、何を載せればいいですか?
患者さんの手書きの声と、悩みの名前を載せます。院の説明や技術の紹介だけだと、紙面では伝わりにくくなります。声が載せられないうちは、刷るのを待つほうが無難です。
患者さんの声をもらう頼み方で、気をつけることはありますか?
いちばん感動したタイミングで、一度頼みます。きれいに書かなくていい、同じように悩んでいる人を助けるために、と伝えます。依頼は2回までにして、反応がなければ追いません。
Googleの口コミが0件です。何から始めればいいですか?
Googleがだめなら、紙の手書きの声から始めます。二段構えにしておけば、どちらかは集まります。集まった手書きは、ホームページの症状ページに貼って使えます。
ホームページがまだ古いままです。先に直すべきですか?
はい。入口をいくつ増やしても、受け皿が古いままだと予約につながりません。まず症状ごとのページを一つ作り、そこから増やしていく形で始めてみてください。
年配の患者さんが多い地域でも、SNSを先にしていいですか?
SNSで届くのは、本人だけではなく、そのご家族の場合もあります。年配の方が多いなら、問い合わせの窓口を電話やメールにも用意して、取りこぼしを減らしておくと安心です。
施術スペースがまだなくても、発信を始めてもいいですか?
始めて構いません。箱より先に、一人目の患者さんの声を取ることが大切です。レンタルスペースで施術を重ね、声が増えてから、場所を整える順番でも遅くありません。
チラシの効果は、どうやって測ればいいですか?
問診票に、きっかけの欄を作ります。紙ごとにQRコードを変える方法もありますが、まずは欄を一つ作るだけで十分です。月に一度、数えてみてください。
結局、集客でいちばん強いのは何ですか?
入口の種類ではなく、実際に通った人の言葉でした。25,000人の患者さんに、のべ11万回施術してきて感じるのは、紹介も口コミも、最後は人の声から動くということです。紙でもネットでも、声がある院は強いです。
この記事は、整体師・鍼灸師・柔道整復師など施術者・施術家の方に向けて書いています。体の症状でお困りの方は、まず医療機関を受診してください。
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