耳鳴りとめまいが重なるとき|東洋医学で読む腎・肝・脾の連鎖と整体の役割
結論から言うと、耳鳴りとめまいが同時に起きている方には、体の奥にある「気血の不足」と「首・骨盤の慢性的な緊張」が重なっているケースがほとんどです。
耳鼻科でどちらかを診てもらい、もう一方は別の科で診てもらう、という形で何年も経過している方がいます。しかし東洋医学では、耳鳴りとめまいは腎・肝・脾という3つの臓器の消耗と連鎖として一体に読みます。根っこにある状態を整えることで、どちらの症状も変わりやすくなることが多い、というのが25,000人を施術してきた常若整骨院の現場での実感です。
この記事では、耳鳴りとめまいが重なる仕組みを体の側から丁寧に解説します。整体でできること・できないことも正直にお伝えします。この記事は、耳鳴りとめまいが同時に続いていて、どちらか一方だけが落ち着いてもまた戻る、という方に向けて書きました。
なぜ耳鳴りとめまいは同時に起きるのですか
結論として、耳鳴りとめまいが同時に起きる方は、「内耳への血流が滞りやすい状態」と「腎や肝の消耗」が重なっているケースが非常に多くあります。この2つを結ぶ共通の土台があるため、一方だけを対処してももう一方が残り続けることが起きやすいのです。
耳鳴りが起きる仕組みを大きく2つに分けると、まず一つ目が「血流の警報型」です。首や骨盤の緊張が続くと、内耳(耳の奥にある感音器官)への血流が低下します。内耳は非常に精密な構造をしており、毛細血管が密集した器官です。この場所への血液が十分に届かなくなると、体は「足りないぞ」という警報を出します。それがキーン、ジーといった高い音の耳鳴りとして現れることが多くあります。
二つ目が「腎の消耗型」です。東洋医学では「耳は腎の窓」という言い方があり、耳の機能は腎の精気(生命エネルギーの蓄え)と深く結びついています。腎が消耗すると、耳に届く気血が減り、ゴーン、ボーといった低い音の耳鳴りとして現れやすくなります。この場合は首の緊張より、全身の消耗が主な背景にあることが多いです。
一方、めまいが起きる仕組みも首と関係しています。首の奥を走る椎骨動脈は、脳や内耳への血液を送る重要な血管です。この血管が慢性的な首の緊張によって圧迫されると、内耳への血流が低下し、バランスを保つ前庭神経の働きが乱れます。それが回転感やふらつきとして現れます。
つまり、耳鳴りとめまいには「内耳への血流不足」という共通の土台があります。そこに腎精の消耗が重なると、両方の症状が同時に、長く続くことになります。
メニエール病と診断されている方については、東洋医学では「水毒(すいどく)」という体内の水分代謝の乱れとして読むことがあります。内耳に内リンパ液が滞る状態が、めまいの発作・耳鳴り・難聴・耳閉感という症状の組み合わせを生みます。メニエール病は耳鼻科での診断と管理が不可欠ですが、体全体の緊張をゆるめて水の巡りを整えることが、症状を落ち着けやすくする方向に働く場合があります。
骨盤の歪みが首への慢性負担を生むという連鎖も見逃せません。骨盤が傾くと、体全体の重心バランスが崩れ、首はその補正を続けます。首の筋肉が常に余分な力を使い続けることで、慢性的な緊張と血流低下が生まれます。耳鳴りとめまいが長く続いている方の多くは、首だけでなく骨盤・内臓の緊張が体全体に及んでいます。
耳鳴りとめまいが重なる状態とはどのようなものですか
耳鳴りとは、外部に音源がないにもかかわらず耳の中や頭の中に音が聞こえ続ける状態です。日本では成人の10〜15%が何らかの耳鳴りを経験するとされており、そのうち5〜10%が日常生活に支障をきたす程度の耳鳴りに悩んでいるといわれています。
音の種類は大きく高音(キーン・ジー)と低音(ゴーン・ボー)に分かれ、どちらの音かによって体の状態の読み方が変わります。高音の耳鳴りは血流の問題が関与していることが多く、低音の耳鳴りは腎の消耗が関与していることが多いという経験的な傾向があります。
めまいとは、自分や周囲が動いているように感じる感覚の乱れです。種類は大きく二つに分かれます。グルグル回るような「回転性めまい」は、内耳の器官(三半規管・耳石器)の問題が多く関係しています。フワフワ・フラフラするような「浮動性めまい」は、自律神経や血圧の問題と関連することが多いとされています。
耳鳴りとめまいが同時に起きるとき、多くの方は複数の症状が重なっています。吐き気や嘔吐が伴う場合は、内耳の急性的な機能低下が起きている可能性があります。耳の閉塞感(耳が詰まった感じ)が加わる場合は、内耳の液体(内リンパ液)の圧力異常が関係していることがあります。聴力の低下を伴う場合は、突発性難聴や高度の内耳障害の可能性があるため、必ず耳鼻科を受診してください。
メニエール病は、めまいの発作・耳鳴り・難聴・耳閉感の4つが組み合わさる疾患です。発作は数十分から数時間続き、繰り返すのが特徴です。診断には耳鼻科での精密検査が必要です。
突発性難聴は、ある日突然片耳の聞こえが悪くなる疾患で、受診・処置の開始が遅れると回復が難しくなります。耳鳴りとめまいを伴うことも多く、まず緊急で耳鼻科受診が必要です。時間との勝負であることを覚えておいてください。
整体は耳鳴りとめまいにどこまでできますか
結論として、整体が得意とするのは「首・骨盤の緊張をゆるめ、内耳への血流が改善しやすい状態を整えるサポート」です。
体の緊張が長く続くと、首周辺の筋肉が硬直し、椎骨動脈や頸椎周辺の血流が滞ります。また、骨盤の歪みが重心バランスの乱れを生み、首への慢性的な負担につながります。こうした体の全体的な緊張をゆるめることが、整体の働きの中心にあります。
整体は自律神経の切り替えにも間接的に関わります。体の緊張がゆるむと、副交感神経が働きやすくなり、血管が拡張して全身の血流が改善しやすくなります。深呼吸がしやすくなるという感覚として現れることが多く、「施術後に体がポカポカした」「久しぶりに深く息が吸えた」という感想をいただくことがあります。
一方で、整体にできないことも正直にお伝えします。
突発性難聴や進行する聴力低下は、医療機関での診断と処置が優先です。内耳の炎症・腫瘍・脳血管疾患が原因のめまいも、まず医療機関が先です。難聴を伴うめまい発作が初めて起きた場合、または急激に悪化している場合は、整体ではなく耳鼻科・神経内科を受診してください。
整体は医療の代わりではなく、医療とともに体の土台を整えるサポートとしての位置づけです。医師から整体を禁止されている場合や、施術中に強い痛み・症状悪化が起きた場合はすぐにお申し出ください。
福岡市で整体を探すとき、何を見て選べばいいですか
耳鳴りとめまいを診てもらう整体院を選ぶとき、次の4つの点を確認することをおすすめします。
まず、問診で「どちらの耳ですか」「音の高さはどうですか」と聞いてもらえるかどうかです。耳鳴りは高音と低音で体の状態の読み方がまるで変わります。このタイプ分けをせずに施術を進める院は、症状の表面だけを診ている可能性があります。
次に、首だけでなく骨盤や内臓の状態も確認しているかどうかです。耳鳴りとめまいは首の問題と思われがちですが、骨盤の歪みが首への負担を生んでいるケースや、消化器の不調が気血の供給不足につながっているケースが非常に多くあります。体全体を診ているかどうかが重要な選択基準です。
また、生活習慣・ストレス・睡眠についての質問があるかどうかも大切です。耳鳴りとめまいは、疲労の蓄積や感情的なストレスと密接に関係しています。これを無視して施術だけを繰り返しても、根本が変わりにくい状態が続きます。
最後に、セルフケアの指導をしてもらえるかどうかです。症状が落ち着いてきたら、自分でできることを知っておくことが再発防止の鍵になります。来院を増やすだけを勧める院ではなく、「早く自分で管理できる状態にする」という方向性の院を選ぶことをおすすめします。
常若整骨院では耳鳴りとめまいをどう見ていますか
常若整骨院では、まず最初のカウンセリングで症状の全体像を丁寧に聞きます。
耳鳴りについては「高い音ですか、低い音ですか」「右耳ですか、左耳ですか」「いつからですか」「どんなときに悪化しますか」という4点を必ず確認します。音の高低でタイプが変わり、左右の違いから、どの生活領域(仕事・家庭)の負担が関係しているかの見当がつきます。右耳に耳鳴りがある方には仕事での緊張について、左耳の方には家庭での状況についても話を向けることがあります。
めまいについては「回転する感じですか、ふわふわする感じですか」「悪化する時間帯はありますか」「横になると楽になりますか」という点を確認します。時間帯についていうと、東洋医学では夜中から明け方にかけての悪化は腎・肝の消耗と関係しやすく、午後の悪化は脾の疲弊と関係しやすいと読みます。
施術では、首と骨盤の緊張をゆるめながら、東洋医学の見立てに沿ってツボへのアプローチを組み合わせます。体の緊張がゆるむにつれて、内耳への血流が改善しやすくなる方向を目指します。
カウンセリングを通じて、睡眠・食事・仕事・ストレスの状況も確認し、生活の中でできることを具体的にお伝えします。症状が落ち着いてきたら、自分でメンテナンスできるよう、セルフケアの方法を渡します。
また、突発性難聴や内耳疾患の疑いがある方には、まず耳鼻科での診断を優先するようお伝えしています。整体は医療の補完として機能するものであり、診断なしに進めることはしません。
東洋医学では耳鳴りとめまいをどう考えるのですか
東洋医学では、耳鳴りとめまいを「腎・肝・脾の3つの臓器の消耗と連鎖」として読みます。
まず「腎」について説明します。東洋医学の腎(じん)とは、生命エネルギーの貯蔵庫にあたる概念です。現代医学の腎臓とは違い、加齢・疲労・慢性的な無理によって消耗する生命エネルギーの蓄えを意味します。言い換えると、体を支える根本的な回復力の貯金のようなものです。耳は腎の窓といわれ、腎の精気が耳の機能を支えています。腎が消耗すると、耳に届く気血が減り、低音の耳鳴りやふらつきが出やすくなります。また腎は「骨髄を主る」という働きもあり、内耳の骨部分の健康とも深く関係しています。
次に「肝」について。東洋医学の肝(かん)は、気の流れを調整し、感情の疏泄(流れを通す働き)を担います。現代でいえば、ストレスの処理と感情調整の機能に近いものです。ストレス・怒り・緊張が続くと肝気が滞り、上昇した気が熱となって頭部に向かいます。これが「肝陽上亢(かんようじょうこう)」という状態で、高音の耳鳴りや回転性のめまいが起きやすくなります。首や肩が硬い、頭に熱が上がりやすい、という方はこのパターンに当てはまることが多いです。
「脾」については、気血を作り出す消化・吸収の機能にあたります。脾が弱ると、水分代謝が滞り、体内に余分な水が溜まりやすくなります(水毒・痰湿)。この余分な水が内耳にも影響し、浮遊感のあるめまいや低音の耳鳴りが出やすくなります。胃腸が弱い、食後に眠くなる、雨天や低気圧のときに症状が悪化するという方はこのパターンに関係していることが多いです。
肝と腎は「肝腎同源(かんじんどうげん)」といって、互いに深く支え合う関係にあります。腎の水が不足すると肝の火を抑えられなくなり、肝の火が上がると腎の水をさらに消耗させます。この悪循環が、耳鳴りとめまいが同時に長引く大きな理由の一つです。
体質のタイプは次の3つで見ています。
腎精虚型は、低音の耳鳴りとふらつきが主な方に多いタイプです。腰が重だるい、夜中から朝にかけて耳鳴りが気になる、疲れるたびに症状が強くなる、という特徴があります。腰のあたりが冷たく感じるケースも多く、触れてみると実際に冷えていることがあります。腎の精気を補うことを中心に整えていきます。
肝陽上亢型は、高音の耳鳴りと回転性のめまいが主な方に多いタイプです。首や肩が板のように張りやすい、ストレスや疲れで症状が悪化する、頭に熱が上がりやすい、という特徴があります。みぞおちが石のように硬いことが多く、長年ため込んできた緊張が全身に及んでいる状態です。肝の気の流れを整え、上昇した熱を下げる方向を中心に施術します。
脾虚水毒型は、浮遊感のあるめまいと低音の耳鳴りが主な方に多いタイプです。胃腸が弱い、むくみやすい、雨天・低気圧で症状が悪化する、という特徴があります。内耳のリンパ液の循環が滞りやすい状態で、メニエール病の方にもこのタイプが多い傾向があります。脾の働きを高め、水の代謝を整えることを中心にします。
ツボについて、よく使うものをご紹介します。
太渓(たいけい)は、内くるぶしの後ろと、アキレス腱の間のくぼみにあります。腎を補う代表的なツボで、低音の耳鳴りやふらつきによく使います。
完骨(かんこつ)は、耳の後ろにある骨の出っ張り(乳様突起)のすぐ後ろ下のくぼみにあります。内耳への血流を改善しやすくするツボで、耳鳴りとめまい両方のアプローチに使います。
太衝(たいしょう)は、足の親指と人さし指の骨が合わさる手前のくぼみにあります。肝の気の流れを整えるツボで、ストレスや緊張から来る高音の耳鳴りや回転性めまいに使います。
足三里(あしさんり)は、膝の外側のくぼみから指4本ぶん下、すねの骨の外側のラインにあります。脾を補い、気血を作る力を高めるツボです。体全体の回復力を底上げする効果があります。
三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわにあります。腎・肝・脾の3つの経絡が交わる重要なツボで、3つの臓器すべてに関わる症状に使います。耳鳴りとめまいが重なる方には特に有用なツボです。
自律神経と耳鳴り・めまいはどう関係しているのですか
結論として、自律神経の乱れは耳鳴りとめまい両方の悪化に直結します。
自律神経とは、体のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のような働きをする神経系です。ストレス・緊張・睡眠不足が続くと、アクセルが踏みっぱなしの状態になります。交感神経が優位になると血管が収縮します。内耳の毛細血管も例外ではなく、血流が絞られた状態が続きます。
内耳は非常に細かい血管が密集した器官で、血流の変動に敏感に反応します。慢性的な交感神経優位で内耳の血流が低下すると、耳鳴り・めまいが悪化しやすくなります。特に「疲れるたびに症状が戻る」という方は、この自律神経の切り替えがうまくいっていないことが多いです。
横隔膜と迷走神経の関係も重要です。ストレスや慢性的な緊張が続くと、横隔膜が硬くなります。横隔膜は呼吸の主役ですが、同時に迷走神経(副交感神経の主役)が横隔膜付近を走っています。横隔膜が硬くなると迷走神経の機能が低下し、副交感神経が働きにくくなります。結果として体が休むモードに切り替わりにくくなり、耳鳴りとめまいが慢性的に続きやすくなります。
施術で首と骨盤の緊張をゆるめると同時に、横隔膜の動きを整えることも着目しています。体の深部の緊張がゆるんでくると、自律神経の切り替えがしやすくなります。深い呼吸ができるようになると、夜の睡眠の質が上がりやすくなります。翌朝の耳鳴りの落ち着きや、立ち上がったときのふらつきの軽減という形で変化が現れることが多くあります。
耳鳴りとめまいで来られる方に多いのはどんなケースですか
結論として、耳鳴りとめまいが重なる方には、いくつかの共通するパターンがあります。
最も多いのは、デスクワークや長時間のスマホ使用で首に慢性的な負担が蓄積したケースです。首の後ろが板のように硬くなっており、触れると冷たいことが多くあります。この状態では椎骨動脈の血流が恒常的に低下し、内耳への供給が不足します。30〜50代の仕事盛りの方に多く、「疲れたころから耳鳴りが始まった」「転職や部署異動のタイミングで症状が出た」というケースが典型的です。
次に多いのは、長年の疲労が蓄積した40代以降の方です。腎精は加齢とともに自然に減っていきますが、仕事・育児・介護などで無理が重なると、その消耗が早まります。疲れると耳鳴りが強くなる、立ち上がるとふらつく、夜中に目が覚めて耳鳴りが気になる、という方はこのパターンに当てはまることが多いです。
突発性難聴を経験してその後も耳鳴りが残っている方も多くご来院されます。突発性難聴は時間の勝負で、早期の医療機関受診が最優先です。ただ、病院での処置が一段落した後に「耳鳴りだけが残ってしまった」「めまいも一緒に続いている」という状態で来られる方に対しては、体全体の気血の巡りを整えるサポートが役立つことがあります。
更年期前後の女性にも多いパターンです。腎精の変化が起きるこの時期は、体のバランスが崩れやすく、耳鳴り・めまいが初めて出てくる方が少なくありません。ほてり・のぼせ・不眠・動悸と一緒に現れることも多く、腎陰虚(腎の陰の不足)と肝陽上亢の組み合わせで読むことが多いです。
長年ストレスが続いていた時期から症状が出た、というケースもよくあります。言いたいことを飲み込み、感情を抑え続けてきた方に多く見られます。東洋医学では、こうした感情の蓄積が肝気を滞らせ、気血の流れを乱すと読みます。「聞きたくないことを聞き続けてきた」という状況の後に耳鳴りが始まるケースは、感情と体の連動を感じさせます。
メニエール病の診断を受けた方で、薬を飲んでいても発作が繰り返す、という状態でご来院される方もいます。発作のない時期の体の緊張をゆるめておくことが、次の発作を起きにくくするための下地づくりになると考えています。ただし、メニエール病は医師の管理が不可欠ですので、主治医との相談のもとで並行して行うことが基本です。
実際に耳鳴りとめまいが楽になった方はどんな経過でしたか
3人の方の経過をご紹介します。個人が特定されないよう、地域・年代・性別のみで記します。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
長崎県の50代女性の方は、めまい・耳鳴り・手足のしびれ・蕁麻疹と、複数の症状が重なって来院されました。寒暖の差についていけず、顔を洗うと肌が赤くなって具合が悪くなるほど体が過敏な状態でした。首と肩のコリがひどく、目の疲れもきつく、運転もできない状況が続いていたとのことです。施術を進める中で、腸の動きが主な原因の一つとわかり、腸へのアプローチを中心に進めました。施術後、首と肩のコリがスーッとなくなったとのことで、体全体の緊張がゆるんだことでめまいや耳鳴りも落ち着いてきました。食欲も戻り、食べる幸せを感じられるようになったとおっしゃっていただきました。耳鳴りとめまいが首だけの問題ではなく、体全体の連鎖であることを示す経過でした。
福岡市の40代男性の方は、メニエール病のめまいがひどく、半年以上苦しまれていました。薬を飲んでいても変化がなく、来院されたときは体全体の消耗が著しい状態でした。施術を重ねるごとに症状が少しずつ軽くなっていくのを実感していただき、2カ月ほどで薬も半減するほどの変化がありました。「自分の体の異常は、内臓に問題があるとわかったことで、症状は軽減していった」とおっしゃっていただきました。メニエール病は引き続き耳鼻科の管理のもとで経過を見ることが大切です。
福岡市の40代女性の方は、9年前に突発性難聴を患ってから四六時中耳鳴りが続き、次第にめまいや吐き気・頭痛が頻繁に出るようになって来院されました。以前から疲れやすい体質だったとのことです。通院を続けるうちに、めまいや吐き気・頭痛は全く出なくなったとのことです。さらに、呼吸が苦しく息がうまく吸えない感覚や、喉に何かが引っかかるような感覚も、いつの間にかすっかり消えてしまったとおっしゃっていました。突発性難聴後の耳鳴り・めまい残存は根気のいる経過が多いですが、体全体の緊張をゆるめることが変化につながることを実感した事例です。
耳鳴りとめまいは自宅でどうケアすればいいですか
次にご紹介するセルフケアは、どれか1つからで十分です。全部やろうとすると、できない日に自分を責めてしまいます。できない日があって当然ですし、1つでも続けることが体に返ってきます。
首の後ろを温める:寝る前に、ホットタオルや温熱シートを首の後ろに5分ほど当てます。高音の耳鳴りや、首こりを伴う方に特におすすめです。椎骨動脈や頸部の筋肉が緩みやすくなり、内耳への血流が改善しやすくなる方向に働きます。お風呂でシャワーを首の後ろに当てる方法でも代用できます。
腰とお腹を温める:腎が弱っているサインとして、腰が冷たい・だるいという方が多くいます。腹巻きや温熱シートで腰とお腹を温めることで、腎への気血の供給を助けます。低音の耳鳴りやふらつきがある方、夜中の耳鳴りが気になる方に向いています。
急に立ち上がらない:起床時や長時間座った後に急に立ち上がると、血圧が一時的に落ちてめまいが出やすくなります。立ち上がる前に足首を数回動かし、ワンテンポ置いてゆっくり立つようにするだけで、ふらつきが減ることがあります。特に朝の症状が強い方は、この習慣だけで変化を感じることがあります。
目を休める:耳鳴りとめまいは、目の疲れと連動して悪化することが多くあります。1時間に1回、5分だけ遠くを見るか目を閉じることを習慣にすると、首の緊張もゆるみやすくなります。スマホやパソコンを長時間使う方は、目の疲れが首の緊張を通じて内耳の血流に影響します。
夜10時前に横になる時間を作る:完全に眠れなくてもかまいません。横になるだけで腎・肝への血流が増え、体の修復を助けます。腎精を補うために最も有効なのは、深夜以降の無理をやめることです。「寝なければ」と力むより、ただ横になる、という気持ちで行うことがポイントです。
病院と整体、どちらに行くべきか迷ったらどうすればいいですか
まず医療機関を受診してほしいのは、次のような場合です。
突然、激しい回転性のめまいが始まった場合。聴力が急激に低下している場合(突発性難聴は48〜72時間以内の受診が重要です)。耳鳴り・めまいと一緒に、手足の麻痺・ろれつが回らない・激しい頭痛など神経症状がある場合。これらは脳血管疾患などが関係している可能性があるため、整体ではなく救急・神経内科・耳鼻科へ。
また、体重が急激に落ちている、発熱が続いている、夜間に症状が特に強くなる、という場合も医療機関が先です。
一方、次のような状況では整体との並行が考えられます。
耳鼻科・神経内科での検査で明らかな器質的異常がない場合。薬を続けているが慢性的な耳鳴り・めまいが変化しない場合。首のコリ・骨盤の歪み・疲労感を伴っている場合。生活習慣全体を含めたアプローチを求めている場合。
病院と整体は対立するものではなく、役割が違うものです。病院は原因の診断と薬・処置による管理を行い、整体は体の緊張をゆるめ、気血の巡りを整えやすくするサポートをします。どちらも大切であり、両方をうまく使うことが長く続く耳鳴りとめまいへの対処として有効です。
当院では、来院される前に医療機関での診断状況を確認しています。診断を受けずに症状だけを訴えて来られる方には、まず受診をおすすめすることがあります。整体は医療の補完であり、その役割を越えることはしません。
なお、耳鳴りとめまいに関する詳しい医学的情報は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の公式情報もご参照ください。
体の不調スピリチュアルな意味と東洋医学については、体の不調にスピリチュアルな意味はあるのか(常若整骨院)という記事でも触れています。
よくあるご質問
耳鳴りとめまいが同時に起きるのは病気のサインですか?
場合によって異なります。突発性難聴・メニエール病・脳血管疾患などが原因のことがあるため、急に始まった場合や聴力の低下を伴う場合は、まず耳鼻科・神経内科を受診してください。検査で異常がない場合でも、慢性的な体の緊張や気血の不足が背景にあることが多くあります。
めまいは整体で楽になりますか?
脳血管疾患や重篤な内耳疾患でない場合、首・骨盤の緊張をゆるめることでめまいが落ち着いてくることがあります。特にふわふわした浮動性めまいや、慢性的に続くめまいには、体全体の緊張をゆるめるアプローチが有効なケースがあります。ただし、体の状態によって異なりますので個人差があります。
耳鳴りは「歳のせい」であきらめるしかないですか?
歳と耳鳴りの関係は確かにありますが、それだけが原因ではありません。首の緊張や気血の不足は、年齢に関わらず対処できることがあります。「歳だから仕方ない」と思って長年放置していたが、体全体を整えることで変化が出た、という方は実際に多くいます。あきらめる前に一度ご相談ください。
メニエール病は整体で良くなりますか?
メニエール病は、耳鼻科での診断と管理が不可欠です。薬を服用中の場合は主治医の指示に従いながら整体を行うことになります。整体では体全体の緊張をゆるめ、水の代謝を整えやすくするサポートができますが、「整体だけで良くなる」とは言えません。医療との並行が基本です。
高い音の耳鳴りと低い音の耳鳴い、体の読み方が違いますか?
はい、違います。高い音(キーン・ジー)は首の緊張や内耳の血流問題が関与していることが多く、施術で変化が出やすい傾向があります。低い音(ゴーン・ボー)は腎の消耗が関与していることが多く、時間をかけて整えていく必要があります。どちらのタイプかによって、施術の方向も変わります。
耳鳴りは右耳と左耳で意味が違いますか?
東洋医学の見立てでは、右耳は仕事や外の世界での緊張、左耳は家庭や内側の関係での緊張と関連することがあります。これはあくまで一つの見立てですが、「どちらの耳ですか」という問診の答えが、カウンセリングで話を向ける方向の手がかりになります。
耳鼻科に通いながら整体も受けられますか?
はい、通えます。医療と整体は役割が異なるため、並行して行うことに問題はありません。ただし、服用中の薬や通院方針については主治医に確認した上でご来院ください。
首を温めると耳鳴りが楽になるのはなぜですか?
首の後ろには内耳への血液を送る椎骨動脈が走っています。首を温めることで血管が広がり、内耳への血流が改善しやすくなります。高音の耳鳴りで「温めると少し楽になる」という感覚がある方は、血流の問題が関与している可能性が高いです。
低気圧や天気が悪いと耳鳴りとめまいが悪化するのはなぜですか?
低気圧のとき、気圧の変化が内耳の液体(内リンパ液)の圧力バランスを乱しやすくなります。また、低気圧では交感神経が優位になりやすく、血管が収縮して内耳の血流が低下します。東洋医学では「水毒」が体内に溜まりやすい状態の方ほど気圧の変化の影響を受けやすいと読みます。
耳鳴りとめまいの改善には、どのくらいの期間がかかりますか?
症状の長さ・体の状態・生活習慣によって大きく異なります。首の緊張が主な方では比較的早く変化が出ることがあります。腎精の消耗が深い方や、長年の慢性症状の方は、数カ月単位でじっくり整えていく経過になることが多いです。一つの目安として、3〜5回の施術後に何らかの変化が出るかどうかを確認しながら進めます。
突発性難聴の後、耳鳴りだけが残っています。どうすればいいですか?
突発性難聴後の耳鳴り残存は、病院でも難しいとされることが多い状態です。ただ、体全体の気血の巡りを整えることで、耳鳴りの感じ方や生活への影響が変わってくることがあります。まず耳鼻科で経過を確認した上で、整体との並行を検討してみてください。
スマホやパソコンの使いすぎは耳鳴りに影響しますか?
影響します。長時間の下向き姿勢は首の後ろの筋肉を慢性的に硬化させ、内耳への血流を低下させます。また、画面を見続けることで目と脳が疲弊し、気血の消耗につながります。デスクワークが多い方の耳鳴りは、首の緊張が直接の引き金になっていることが多いです。
耳鳴りやめまいが起きているとき、どんな食事を心がけるといいですか?
腎を補う食材として、黒豆・黒ごま・海藻類・くるみ・山芋がよく知られています。これらを日常の食事に無理なく取り入れることから始めてみてください。一方で、冷たい飲み物・甘いもの・脂っこいものは脾の働きを弱めやすく、水の代謝を滞らせやすいため、症状が強い時期は控えめにすることをおすすめします。
まとめ
福岡市で耳鳴りとめまいが同時に続いている方へ、この記事でお伝えしたことをまとめます。
耳鳴りとめまいが重なるとき、体の奥では腎・肝・脾の消耗と、首・骨盤の慢性的な緊張が同時に起きていることがほとんどです。どちらか一方だけを対処しても、もう一方が残り続けるのは、共通の土台が変わっていないからです。
東洋医学ではこの2つを「内耳への気血不足」という一本の線で読み、体全体の状態を見立てながら整えていきます。高い耳鳴りか低い耳鳴りか、右耳か左耳か、めまいが回転性かふわふわ型か、という細かい違いが見立ての手がかりになります。
急に始まった耳鳴りや聴力低下、神経症状を伴うめまいは、まず医療機関を受診してください。整体は、検査で異常がない慢性的な状態や、医療と並行して体の土台を整えたい方に有効です。
一人で抱え込まずに、まず体の緊張をゆるめることから始めてみてください。常若整骨院では、カウンセリング・施術・セルフケアをセットに、回復しやすい体づくりをサポートしています。
院長プロフィール
冨高誠治。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年。25,000人を施術してきた常若整骨院の院長。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏に位置する。整体・東洋医学・気功を組み合わせた施術を行い、耳鳴り・めまい・自律神経の不調など、慢性的な症状を抱える方のサポートに力を入れている。体の症状は、心のあり方や生活習慣と一体であるという考えのもと、施術だけでなく生活全体からアプローチすることを大切にしている。全国で整体師向けの技術セミナー講師も務める。整体は医療ではないため、診断・回復の保証はできない。急性の症状や重篤な疾患が疑われる場合は、医療機関への受診を優先するよう案内している。











