最近やる気が出ないのは気のせいですか
結論から言うと、気のせいではありません。多くの場合、体の中でエネルギーを作る力そのものが落ちている、あるいは使い切ってしまっている状態から起こる、自然な体の反応です。
要点は次の3つです。原因は、東洋医学でいう脾や腎という臓の消耗と、肝の気の巡りの滞りが関わっていることが多くあります。整体でできることは、体の緊張をゆるめて、自律神経が働きやすい身体づくりをサポートすることです。この記事は、最近やる気が出ないと感じていて、これは単なる気のせいなのか、それとも何かのサインなのかと気になっている方に向けて書いています。
やる気が出ないのは気のせいなのか、それとも体のサインなのか
結論として、やる気が出ない状態は、性格や心の弱さの問題ではなく、体からのサインとして受け止めたほうがいい状態です。やる気とは、脳や体を動かすためのエネルギーが十分にあり、なおかつそれを使ってもすぐに補充できるという見通しがあるときに湧いてくるものです。そのどちらかが欠けると、頭では分かっていても体が動かないという状態になります。
一時的に忙しかった時期の後にやる気が落ちるのは自然な範囲ですが、それが2週間、3週間と続き、休んでも回復しないなら、単なる疲れではなく、体のエネルギーを作る仕組みそのものに負担がかかっている可能性があります。
やる気が出ないとき、体の中では何が起きているのか
結論として、体のアクセルとブレーキにあたる自律神経のうち、休息やエネルギー補充を担うブレーキ側の働きが十分に発揮できていないことが関わっています。自律神経とは、活動しているときに優位になる交感神経と、休んでいるときに優位になる副交感神経が、状況に応じて切り替わる仕組みです。
日中の緊張が長く続き、夜になっても切り替えがうまくいかないと、体はエネルギーを補充する時間を十分に取れません。当院で25,000人を施術してきた経験の中でも、やる気が出ないと訴える方の多くは、睡眠の質が落ちていたり、食事の時間が不規則になっていたりすることが少なくありません。エネルギーの入りと出のバランスが崩れている状態が、やる気の低下として表れているのです。
東洋医学ではやる気が出ない状態をどう考えるのか
結論として、東洋医学では、やる気が出ない状態を、腎、脾、肝という3つの臓のいずれか、あるいは複数の消耗として見立てます。当院での臨床では、大きく3つのタイプに分かれることが多くあります。
一つ目は、腎精不足(じんせいふそく)というタイプです。腎は生まれ持った生命力の蓄えを担う臓器で、志を蔵すといわれます。志とは、目標や意欲そのもののことです。慢性的な睡眠不足や、無理な食事制限、加齢などで腎の蓄えが減ると、意欲を生み出す火種そのものが小さくなり、何をしても億劫に感じやすくなります。
二つ目は、脾気虚(ひききょ)というタイプです。脾は、食べたものから気と血を作り出す働きを担っています。考えごとが多い方や、不規則な食事、消化に負担のかかるものを摂りすぎる方は、この脾が弱りやすく、体を動かすためのエネルギー源そのものが不足します。やる気だけでなく、食後の眠気や、体の重さを併せ持つ方に多い特徴です。
三つ目は、肝鬱気滞(かんうつきたい)というタイプです。肝は、気の巡りと、物事を前に進める推進力や決断力を担っています。ストレスを溜め込みやすい方、思うようにいかない状況が続いている方は、この気の巡りが滞り、頭では動きたいと思っていても体が重く感じられる状態になりやすくなります。
ツボでは、太渓(たいけい)という、内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみが、腎の力を補うとされています。足三里(あしさんり)は、膝のお皿の外側から指4本ぶん下がった場所にあり、脾胃の働きを整えるとされます。太衝(たいしょう)は、足の甲の親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみにあり、肝の巡りを整えるとされています。いずれも押して心地よさや軽い痛みを感じる場所です。
やる気が出ないことを自分のせいだと考えてしまうのはなぜ違うのか
結論として、やる気が出ないことを、性格が弱いから、努力が足りないからと考えてしまうのは違います。東洋医学の見立てでは、やる気そのものを生み出す力は、腎に蓄えられた生命力の火種から来ていると考えます。その火種が今、小さくなっている状態を、怠けや甘えと呼ぶのは違います。
当院に来られた10代の方の中には、周りからサボりにしか見えないと言われ、自分でも何が起きているのか分からず、他人から理解されないつらさを抱えていた方がいました。感じる力が強く、真面目に頑張ってきた方ほど、体がエネルギーを使い切ってしまい、やる気という形で不足を知らせていることがあります。まずは、その状態を責めることをやめるところから始めてください。
常若整骨院ではやる気が出ないという相談をどう見ているのか
結論として、当院ではまず、体のどこに緊張が集まっていて、どこが冷えているかを触れて確かめることから始めます。やる気が出ないと訴える方の多くは、お腹まわりが冷えていて、腰から下の力が弱く感じられることが少なくありません。中には、肩から首にかけての緊張が強く、呼吸が浅くなっている方もいます。
カウンセリングでは、いつごろからやる気が落ちてきたか、睡眠や食事の状態、日中のストレスの度合いを丁寧に聞いていきます。そのうえで体の緊張をゆるめる施術と、生活の中でできるセルフケアをセットで行い、自律神経が働きやすい身体づくりをサポートします。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
実際にやる気が戻ってきた方はどんな経過だったのか
福岡県在住の40代男性の方は、気分が落ち込むと、そこから抜け出したいと思ってもやる気が出ず、投げやりになってしまう状態が定期的に続いていました。首や肩のコリも強く、体の重さを常に感じていたといいます。通院を続ける中で、自分の心身が心地よく感じることを意識するようになり、体を動かしたり、心穏やかに過ごすための工夫が少しずつ身についていったと話されています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
福岡県在住の10代男性の方は、受験を控えた時期に集中力とやる気が続かず、休む時間もなかなか取れない状態でした。周りからは怠けているように見られ、自分でも何が起きているのか分からず苦しんでいたといいます。短い時間でも体をゆるめる機会を重ねる中で、少しずつ頑張れるようになり、集中力もついていったと話されています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
40代男性の方は、十数年にわたって気力が湧かない状態が長く続き、外出も億劫になっていました。楽しみを感じることそのものが難しくなっていたといいますが、通院を重ねる中で、少しずつ買い物を楽しめたり、心から笑えたりする時間が増えていったと話されています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
やる気が出ないとき自宅でできることはあるのか
短く、現実的にできることを3つ挙げます。どれか1つからで十分です。すべてを完璧にやろうとする必要はありません。
一つ目は、朝起きてすぐに腰とお腹を軽く温めることです。腎の力が集まる場所を温めることで、一日のエネルギーの立ち上がりを助けます。二つ目は、寝る前のスマートフォンを見る時間を少しだけ減らすことです。全部やめる必要はなく、時間を一つ決めるだけで十分です。三つ目は、寝る前に深呼吸を3回することです。ゆっくりとした呼吸は、日中働き続けた気の巡りを整える助けになります。
できない日があって当然です。まじめな方ほど、やる気が出ない自分を責めて、その自責がさらに気の巡りを滞らせてしまいます。真面目さが悪いのではなく、その真面目さを、自分を責めることではなく、体をゆるめることへ少しだけ向けてみてください。
病院に相談したほうがいいのはどんなときか
結論として、やる気が出ないことに加えて、気分の落ち込みが2週間以上続いている、食欲がわかない、眠れない、以前好きだったことにも関心が持てないといった状態が重なっている場合は、様子を見ずに医療機関に相談してください。こうした状態の背景には、うつ病などのサインが隠れていることもあります。
そのほか、急な体重の減少や、動悸、強い倦怠感が続く場合も、内科的な原因が隠れていることがあるため、早めの受診をおすすめします。整体は医療行為ではなく、診断や薬の判断は必ず医師に相談するものです。当院でも、こうした状態が疑われる場合は、施術よりも先に受診をお願いしています。自律神経の乱れ全般については、別の記事でも詳しく取り上げています。
よくあるご質問
やる気が出ないのは病気ですか?
やる気が出ないこと自体は病気ではありませんが、2週間以上続き、食欲や睡眠にも影響が出ている場合は、体からのサインとして早めに相談したほうがいい状態です。
休めばやる気は戻りますか?
一時的な疲れであれば休むことで戻る方もいますが、腎や脾のエネルギーが消耗している場合は、休むだけでは十分に回復しないことがあります。
やる気が出ないのは怠けているからですか?
怠けではありません。東洋医学の見立てでは、やる気を生み出す力そのものが、体の中で消耗している状態と考えます。
何歳くらいからやる気の低下を感じやすくなりますか?
年齢は関係なく起こります。10代の受験期のように集中力が必要な時期にも、40代、50代の慢性的な疲労の蓄積からも起こります。
東洋医学ではどの臓が関係していますか?
主に腎、脾、肝の3つが関わるとされています。腎は意欲の火種、脾はエネルギーの材料、肝は気の巡りを担っています。
食事はやる気に関係がありますか?
関係があります。脾が弱ると、食べたものからエネルギーを作る力そのものが落ち、やる気が出にくくなります。
甘いものを食べるとやる気が出る気がするのですが良くないですか?
一時的に元気になった気がしても、血糖の急な変動がその後の落ち込みを強めることがあります。量や摂り方を見直す価値はあります。
気功やスピリチュアルな話は関係ありますか?
当院では、体の緊張や自律神経の状態を中心に見立てを行っています。ご希望があればお話しすることもありますが、無理にお勧めすることはありません。
整体でやる気は戻りますか?
体の緊張をゆるめ、自律神経が働きやすい身体づくりをサポートすることはできます。ただし医療行為ではないため、効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
何科を受診すればいいですか?
まずは内科です。気分の落ち込みが強い場合や、2週間以上続く場合は心療内科への相談も選択肢になります。
子どものやる気が出ないのも同じように考えていいですか?
基本的な考え方は共通していますが、成長期のお子さんは環境やストレスの影響を強く受けます。頻繁に続く場合や、朝起きられない状態が重なる場合は、小児科での確認も選択肢に入れてください。
常若整骨院はどこにありますか?
福岡市早良区にあり、西新駅から徒歩圏内です。やる気が出ないことについて、福岡市内で相談できる場所を探している方にもご利用いただいています。
まとめ
最近やる気が出ないと感じて、これは気のせいなのかと気になっている方へ。それは気のせいではなく、体の中でエネルギーを作る力が消耗している、あるいは気の巡りが滞っているという、体からのサインであることが多くあります。気分の落ち込みが2週間以上続き、食欲や睡眠にも影響が出ているなら、まずは医療機関に相談してください。そのうえで、一人で自分を責めず、体の緊張をゆるめることから、カウンセリングと施術、そして無理のないセルフケアで、自律神経が働きやすい身体づくりをサポートしていきます。
院長プロフィール
冨高誠治。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、25,000人を施術。福岡市早良区・西新にある常若整骨院の院長として、東洋医学の見立てと体のケアを軸に、自律神経の働きを整えやすい身体づくりをサポートしている。医療機関との連携を大切にし、体の状態を丁寧に見立てたうえで、一人ひとりに合った施術とセルフケアを提案している。
気分の落ち込みや体のエネルギーについてさらに詳しく知りたい方は、厚生労働省 e-ヘルスネットでも情報が公開されています。
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