広場恐怖症は、自律神経&脳のクセを整えて改善!

ブログ著者

冨高 誠治

冨高 誠治

柔道整復師、はり・きゅう師、自律神経整体

冨高 明子

冨高 明子

カウンセラー

「人が集まる場所に行くと息切れや不安を感じる」

「逃げ場のない所にいると不安で仕方ない」

「乗り物に乗ったり、外出するのが怖い」

こういった症状に悩まされる、広場恐怖症。

最近はテレビやインターネットなどで特集が組まれるなど、一般的に認知されるようになってきました。

ところで、この広場恐怖症はなぜ起こるのでしょうか。

そして、どうすれば改善していけるのでしょうか。

 

広場恐怖症とは

広場恐怖症とは、不安神経症の一種です。

■広場、ショッピングモール、集会場など人の集まる場所

■歯医者、美容室、地下鉄やバスなど逃げ場のない場所

などに強い不安や恐怖感を覚えます。

ここに閉じ込められたらどうしよう、安全な場所に帰れないのではないか、動けない状態で何か起こったら…と、頭の中が過剰に反応してしまう状態です。

パニック障害と併発することも多く、その場合は動悸・息切れ・腹痛・失神などが起こります。

さらに「あの場所に行ったらまた症状が出るんじゃないか」「また怖い思いをするんじゃないか」という予期不安によって、バスに乗れない、美容室に行けない、買い物に行けない、家や安全圏から出られないなど、行動範囲が狭められてしまい、生活に支障をきたすことも少なくありません。

 

広場恐怖症になる原因

広場恐怖症には、自律神経が深く関わっています。

 

自律神経とは、発汗・鼓動・循環・体温調整・排泄・分泌・生殖など、こちらが動かそうとしなくても生命活動を維持してくれている神経です。

■ストレス・日中の活動などをつかさどる交感神経

■リラックス・夜間の休息などをつかさどる副交感神経

の2つがバランスをとることで健康を保っています。

 

広場恐怖症やパニック障害に悩まされている方は、長く続くストレス、忙しさ、身体に合わない食事など、何らかの原因で交感神経が常に高ぶった状態に置かれています。

交感神経が働きすぎると、

・動悸が早くなる

・汗をたくさんかく

・血圧が上がる

・便秘、便秘と下痢を繰り返す

・身体的にも精神的にも神経過敏になる

・イライラ、ビクビク、ドキドキしやすくなる

といった状態になります。

この状態が続いていると、ちょっとしたこと(人が多くて酸素が薄い、身動きがとれない、イヤなことを思い出す場所など)が引き金で、動悸や多汗や血圧の上下などが起こります。それを頭が「身体がこんな反応をするということは、私は今危険な状態に置かれている!」と判断してしまうのです。

 

また、広場恐怖症をはじめとした不安神経症に陥っている方は、脳が不安になるための回路ばかりを使おうとします。

脳は大変な面倒くさがりのため、一度定着した思考回路以外は使いたがりません。そのため何を見ても不安につなげてしまったり、恐怖がどんどん倍加していってしまいます。

 

狭い場所や乗り物は、あくまでも引き金。

どんなに引き金を引いても、弾(これまでの生活での疲労)がこもっていなければ、症状というピストルが発射されることはありません。

交感神経を高ぶらせている生活を変えること。

脳が不安回路を通りたがるのを制し、他の思考回路を定着させること。

この2つが、広場恐怖症を変えていくために有効です。

 

「自分が何によって交感神経を高ぶらせたのか」を把握する

自律神経が乱れた原因は、一人ひとり違います。

「広場恐怖症対策にはコレ!」と書かれていることをしていても、それが自分の原因にヒットするものでなければなかなか効果を実感しづらくなってしまいます。

例えば、Aさんはスマホの使い過ぎによって自律神経を乱しています。Bさんは「こうあらねばならない」という考え癖によって自律神経を乱しています。

この場合、AさんとBさんでは、抑えるべきポイントが変わってきますよね。

「私は何によって自律神経を乱したのだろう」ということをしっかり把握することで、自分にとってのキモを抑えることができます。

 

自律神経を乱しやすい生活チェックポイントはこちら。

①自分を追いつめる考えグセ

②仕事のストレス

③プライベートのストレス

④電子機器の使い過ぎ

③食生活

 

①自分を追い詰める考えグセ

  • 心配性
  • 頭の中が忙しい
  • 完璧主義
  • 自分へのダメ出し
  • 頑張りすぎ
  • 人の顔色を伺う
  • 休むことへの罪悪感

■これらの考えグセは持って生まれた性格ではなく、今までの環境をサバイバルするために身に着けたスキル。考えグセ=悪ではない。自分のダメな所潰しをするのはやめる。

■「調子を崩すまで頑張ってきた自分、エラすぎる!」と今までの自分の努力を本気で称え、「もう同じような頑張り方はしなくていいよ」と心からいたわる。

■「やらないといけないこと」「治すために頑張る時間」を減らす。

■「気持ちがいいだけで何の役にも立たない時間」「心も体も安心する時間」「頭を空っぽにする時間」を増やす。

■自分本来の性質(小さい頃の性格、好きだったこと、苦手なことなど)を元にして生活してみる。

 

②仕事のストレス

  • 業務内容
  • 人間関係
  • 責任
  • 長時間労働
  • 常に連絡を気にしている

■今仕事で感じているストレスを書き出す。

■そのストレスが「どうだったら自分は快適なのか」を書き出す。

■「どうだったら自分は快適なのか」リストを、自分にどうにかできることと、自分ではどうしようもないことを分ける。

■「自分にどうにかできること」に注力し、「自分ではどうしようもないこと」はなるべく距離をおいたり、相談したり、ストレス発散する。

 

③プライベートのストレス

  • 家族仲が良くない
  • 家の中が落ち着かない
  • 苦手な人がいる
  • 騒音
  • 家族や友人の不調など

■「家族と仲良くする」と決める。「違う生き物同士が、どうやったら仲良くいられるだろう?」と考えてみる。

■自分のための時間、息抜きや楽しみの時間を死守する。

■ぱっと逃げ込める避難所をつくる(近所のカフェ、神社、公園、習い事、ホテルに泊まるなど)

■「その問題の最終的な結果をひきとるのは誰?」と考え、それが自分ならできることをやり、自分でないなら相手の元に主導権を返す(心配をやめる)。自分の楽しみに集中する。

 

④電子機器の使い過ぎ

  • スマホ
  • タブレット
  • PC
  • 携帯ゲーム機

■寝る1時間前からは電子機器を触るのをやめる。

■枕元にスマホを置かない。身体から1メートル以上はなす。

■スマホの電源を切っておく。

■タイマー式金庫の中に入れる。

■時間を決めて使う。タイマーをかける。

■神社や公園など、自然の中で過ごす時間を増やす。

 

⑤食生活

  • カフェイン(コーヒー、紅茶など)
  • 糖類(砂糖、人工甘味料、甘いお菓子やジュース)
  • 乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)
  • 小麦粉(パン、うどん、ラーメン、パスタ、ピザなど)
  • 食品添加物(インスタント、レトルト、冷凍食品、スーパーなどのお惣菜やお弁当、コンビニご飯、チェーン店の外食)

■カフェインの多い飲み物は1日2~3杯にする。

■甘いお菓子や飲み物を減らし、芋・栗・果物など自然のままで甘いおやつにする。

■乳製品を減らし、豆乳・甘酒などを増やす。

■小麦粉ものを減らし、お米、定食、丼物などを増やす。

■手作りごはん(おうちのごはん、個人経営の定食屋さんや居酒屋さん)を増やす。

 

不安グセをリセットする方法

「ああなったらどうしよう」

「怖くてたまらない」

不安や恐怖自体は、人に備わっている危機管理能力ですから悪い物ではありません。

しかしそれが体調に生活に支障をきたすほどになれば、話は別。まずは、ご自身が不安や恐怖に振り回されていることに気づいてください。

 

①不安になっていることに気づく。

■不安と一体化していると、不安=当たり前なので、自分が不安になっているということに気づかないこともあります。まずは「イヤな気持ちだな」と気づいてみてください。

 

②「身体によくないから止め!」と問答無用でストップをかける。

■どんなに「これは考えないといけないことだ」と感じられることでも、不安グセのついた頭ではいい考えは浮かびません。一旦ストップです。

 

③自分に声をかけたり、説得する。

「今この瞬間、現実には何も起こってないよ。大丈夫だよ」と自分を安心させる。

「不安になって問題が解決するならいくらでも不安になったらいいけど、解決しないよね?体調を崩すだけだよね?じゃあやめよう」と自分を説得する。

「また不安のやつが何か言ってるな~、無視無視♪」とさらりと流す

 

④ご機嫌なことをやったり考える

■「まあそれはそれとして、漫画読もうっと♪」

■「その時の自分がなんとかしてくれるでしょ☆」

■「そうは言っても、今度の日曜日は楽しいお出かけだし♪何を着ていこうかな~♪」

■「編み物してると、ほかのこと考えなくて済むわ~」

 

最初は、頭はすぐに不安や恐怖のほうに戻ろうとします。3秒に1回のペースで「気づいて、やめて、説得したり気をそらす」をやらないといけないかもしれません。

しかしこのリセットを繰り返していくことで、頭が不安回路から離れやすくなり、別の回路=好きな○○についての回路を使いやすくなっていきます。

コツコツ行う必要がありますが、頭の筋トレのつもりでぜひお試しください。

 

 

勇気を出して、ストレスに立ち向かってみる

ストレスは逃げるほど大きく感じられるという特性を持っています。

広場恐怖症の場合、人が多い所や身動きがとれない場所を避ける・行けないというのも代表的な症状ですが、それゆえにストレスが大きくなってしまっているとも言えます。

自律神経のバランスが整い、頭の中の不安が落ち着いてきたら、勇気を出して今まで行けなかった場所に出かけてみましょう。

焦って無理をする必要はありません。行けるかも?と思ったタイミングを逃さない事が大切です。

 

実際に当院にいらっしゃった広場恐怖症・パニック障害でお悩みの方々は「よし、やってみよう」と電車に乗ったり美容室に出かけていく方がとても多いのです。

そこで思ったほど症状が出なかったことに安心し、自信が出て来て、メキメキと元気になっていっています。

 

症状が出る場所だけでなく、家族関係・人間関係・仕事関係などで抱えてきたストレスはありませんか?

それこそが心身のバランスを崩した最大の原因です。広場恐怖症は単なる症状であり、原因そのものではありません。

あなたを苦しめている本当の原因を見つめ、解決に取り組むことが、根っこからあなたを元気にしてくれます。

 

好きなところに出かける自由を取り戻そう

人が多い場所や逃げ場のない状況に不安を感じ、時には外出ができなくなってしまう広場恐怖症。

原因は、長く続くストレスや食生活などによって自律神経の働きが乱れてしまったこと。脳が定着した不安や恐怖を感じる回路ばかりを使いたがることです。

これらを整えることで、広場恐怖症はやわらいでいきます。

 

「ひとりで取り組む自信がない」

「もっと早く改善したい」

という時は、お気軽に常若整骨院にご相談ください。

のびのびとお出かけする楽しさを取り戻してみませんか?

 

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