Googleビジネスプロフィールを放置すると起きること
月の報告の場で、ある先生がこう話してくれました。
「Googleマップを、見直してみました。写真が、何年も前のままでした」
開いてみたら、そこに載っていたのは、院を開いたばかりのころの写真。看板も、ベッドの配置も、今とは違います。口コミは、この1か月でゼロ。声をかけた患者さんは3人いたのに、書いてもらえませんでした。
それでもこの先生の院には、ホームページを見て来る人に混ざって、Googleマップから来た人もいたそうです。
つまり、放置していたのに、入口としては動いていた。ここが怖いところです。
今日は、Googleビジネスプロフィールを放置すると、静かに何が起きるのか。そして、毎日更新しなくても守れる最低ラインはどこか。そこだけを書きます。
Googleビジネスプロフィールを放置すると、何が起きるのですか?
結論から言うと、何も起きないように見えて、選ばれない理由だけが少しずつ積もります。
放置しても、ある日突然ページが消えるわけではありません。だから多くの先生は、後回しにします。
でも、患者さんの側で起きていることは違います。
院名で検索した人は、地図と写真と星を見ます。その3つが古いと、「ここ、まだやっているのかな」という小さな引っかかりが生まれます。この引っかかりは、問い合わせの前に消えていくので、先生には見えません。
予約表の空きを見て不安になる夜は、誰にでもあります。そのとき「集客が足りない」と考える前に、来ようとした人が入口で引き返していないかを見る。順番として、こちらが先です。
私が見てきた範囲では、放置で起きることは大きく5つに分けられます。
写真が古いままだと、患者さんは何を感じるのですか?
結論から言うと、「今、動いている院なのか」が分からなくなります。
先ほどの先生のように、開業当時の写真のままの院は、実は珍しくありません。
写真は、院の中を見せるものだと思われがちです。でも患者さんにとっては、安心の材料です。初めての整体院に入るのは、思っている以上に勇気がいります。どんな人が、どんな部屋で、どんな空気でやっているのか。それが分かるだけで、予約ボタンを押す指は軽くなります。
古い写真は、その安心を渡せていない状態です。
直し方は難しくありません。
- 入口と待合の写真を、今の状態にする
- ベッドの周りを、施術する側の視点で1枚撮る
- 先生自身の顔が分かる写真を1枚入れる
撮影は5分で終わります。きれいに撮ろうとしなくて大丈夫です。今の院が、そのまま映っていることが一番大切です。
口コミが止まっていると、なぜ新規の患者さんは迷うのですか?
結論から言うと、口コミは「最近も誰かが良くなっている」という証拠として読まれるからです。
口コミの数も大切ですが、見られているのは日付です。
3年前の口コミが5件あるだけの院と、先月の口コミが1件ある院では、後者のほうが「今も患者さんが来ている」と伝わります。
ここで、多くの先生が止まる場所があります。頼み方です。
セミナーでの助言を、そのままお伝えします。口コミは、いちばん感動したタイミングで頼むのが基本です。良くなりかけや卒業間近では、遅いことが多いです。1回目、2回目でも、体が軽くなって驚いた顔をしたときが、頼みどきです。
言い方は、こうです。
「同じように悩んでいる方の助けになるので、よかったら感想を書いてもらえませんか」
値引きや無料施術と引き換えにする必要はありません。むしろ、割引をきっかけに集まった口コミは、深い悩みの人を呼びにくくなります。
もう1つ、書きやすくするための工夫があります。口コミのお礼に、セルフケアの小さな冊子や資料を渡すのです。今まで患者さんに説明してきた内容を、紙1枚にまとめたもので十分です。「ありがとうございます」の気持ちが、形になります。
Googleのほうに書いてもらうのが難しければ、手書きの感想を並行して集めても構いません。手書きの声は、ホームページの症状ページに載せる材料になります。
営業時間や情報が古いと、どんな損が出るのですか?
結論から言うと、来ようとした人を、入口で逃します。
これが一番もったいない損です。
休診日が変わっていた。電話番号が使われていない。予約方法が書かれていない。ホームページのリンクが切れている。どれも、検索した患者さんは「じゃあ、別の院にしよう」と画面を閉じるだけです。クレームも来ません。ただ、静かにいなくなります。
新規を増やす広告やSNSに力を入れる前に、いま来ようとしている人を逃していないか。まず、そこを確認してほしいのです。
確認する項目は、次の4つだけです。
- 休診日と営業時間が、今の実際と合っているか
- 電話番号が、つながるか
- 予約の入口が、1つ以上あるか
- ホームページのリンクが、開けるか
LINEだけを窓口にしている院は、年配の方からの問い合わせを取りこぼすことがあります。メールや電話の入口も、小さくていいので持っておくと安心です。
投稿を止めたままにすると、検索でどう見えるのですか?
結論から言うと、「最近の動きがない院」として、地図の中で目立たなくなります。
Googleビジネスプロフィールには、最新情報として投稿できる場所があります。ここが何か月も止まっていると、更新している近くの院と並んだときに、見劣りします。
ただ、毎日書く必要はありません。助言していたのは、週2回、最低でも月4回です。
そして、ここで大事な工夫があります。新しく文章を考えようとしないことです。
すでにXやThreadsで書いている投稿を、そのまま貼ります。「ブログを更新しました」というお知らせより、実際の中身の投稿のほうが、読む人の役に立ちます。
SNSを書いている先生は、それをコピーして貼るだけ。5分もかかりません。書いていない先生は、カルテと記憶から、症例のパターンを3〜4行で書く。それだけで十分です。
忘れやすい人は、AIの秘書にリマインドさせる方法もあります。習慣にするための道具は、使ってかまいません。
住所を出したくない場合は、どうすればいいのですか?
結論から言うと、「非店舗型」として登録すれば、住所を公開せずに載せられます。
自宅サロンの先生は、住所を出したくなくて、Googleの登録そのものを後回しにしがちです。これも、放置の大きな理由の1つです。
Googleのヘルプには、自宅サロンや出張施術のための登録の仕方が載っています。
- 登録のとき、「ユーザーが訪れることができる場所を追加しますか?」と聞かれたら、「いいえ」を選ぶ
- 代わりに、サービス提供地域を入れる
- 確認用の住所は入力するが、公開はされない
こうすると、地図にも検索結果にも住所は出ず、「対応地域」として地域名だけが表示されます。口コミも写真も、普通に使えます。
サービス提供地域は、市区町村などの単位で指定します。拠点から無理なく通える範囲にとどめるのが目安です。広げすぎると、どこの院なのかが伝わりにくくなります。
最新の条件は変わることがあるので、設定する前にGoogleのヘルプで確認してください。
放置しているプロフィールを、最初の1時間で整えるには?
結論から言うと、「写真、情報、説明文、口コミの頼み方」の4つだけを、順番に直します。
全部やろうとすると、止まります。この順番なら、1時間で終わります。
1. 写真を、今の院に差し替える(15分)
2. 営業時間、電話、予約の入口、ホームページのリンクを確認する(15分)
3. 説明文に、どんな悩みの人を診ているかを具体的に書く(15分)
4. 口コミの頼み方の一言を、紙に書いて受付に貼る(15分)
3つ目の説明文で、「肩こり腰痛、自律神経、整体」と並べないでください。肩こり腰痛だけで勝負すると、他の院に埋もれます。自分の院にしかない得意な悩みを、1〜2つ、はっきり書いてください。
4つ目は、先生の口から出る言葉を決めておくことです。会計の場面で「お大事に」とだけ言って見送ってしまうのは、頼み方を知らないだけです。決まった一言があれば、迷う時間が消えます。
直したあとは、シークレットモードで、院名と「地域名+症状名」で検索してみてください。患者さんの目に、今の院がどう映っているかが分かります。月に1回、同じ検索をして順位を確認する癖をつけると、変化が見えるようになります。
放置は、技術の問題ではなく順番の問題なのですか?
結論から言うと、そうです。技術が悪いんじゃない。入口を見る順番が決まっていないだけです。
見立てと同じです。患者さんの体も、いきなり全部を触るのではなく、順番を決めて見ていきます。院の入口も同じで、写真、情報、口コミ、投稿の順に、どこで人が引き返しているかを見ていけば、直す場所は絞れます。
手技を増やす前に、入口を整える。新しいセミナーに行く前に、いまある院を見てもらえる形にする。これだけで、予約表の見え方が変わることがあります。
見立ての順番を整理したい方は、見立ての順番の記事も合わせて読んでみてください。
よくある質問
Googleビジネスプロフィールは、無料で使えるのですか?
基本的に、無料で登録して使えます。広告を出さなくても、地図や検索に院の情報を載せられます。有料の話を持ちかける業者もありますが、まずは無料の範囲で整えてください。
口コミが0件でも、整えれば意味はありますか?
あります。口コミが0件でも、写真と情報が整っているだけで、見られ方は変わります。口コミは、そのあとで1件ずつ増やしていけば大丈夫です。
口コミは、いつ頼むのが一番いいですか?
患者さんがいちばん驚いたり、楽になったと感じたりしたタイミングです。1回目や2回目でも構いません。良くなりかけや卒業間近だと、感動が落ち着いていて書いてもらいにくくなります。
口コミは、院の中で書いてもらってもいいですか?
その場で書いてもらうと弾かれる、という話を聞くこともあります。一方で、その場で書いてもらっても問題なかった、という先生もいます。時間があれば自宅で、難しければその場で、と使い分けている方が多いです。状況が変わることもあるので、Googleのルールを確認しながら進めてください。
口コミを増やすために、割引は出したほうがいいですか?
必要ありません。割引目当ての口コミは、深い悩みを抱えた人を呼びにくくなります。値引きより、役に立つ冊子や資料のお礼のほうが、院の方向とも合います。
投稿は、何を書けばいいのですか?
新しく考えるより、すでにXやThreadsで書いた投稿を貼るのが一番続きます。書いていない場合は、カルテから症例のパターンを3〜4行で書くところから始めてください。
週にどれくらい更新すればいいですか?
週2回、最低でも月4回が目安です。毎日は必要ありません。続けられる回数を決めて、忘れないように仕組みにしてください。
自宅サロンで住所を出したくないときは、どうすればいいですか?
非店舗型として登録し、サービス提供地域だけを表示する方法があります。確認用の住所は入力しますが、公開はされません。設定の画面は変わることがあるので、最新のGoogleのヘルプで確認してください。
設定を直したら、すぐに新規が増えますか?
すぐに大きく変わるとは限りません。反映に日数がかかることもあります。ただ、来ようとした人を逃さなくなるので、土台としては確実に効いてきます。
現場で使える資料と相談の場は、どこで受け取れますか?
私は、症状別の見立て辞典、患者さんへの説明の設計図、内臓疲労と体質のチェック表、口コミのお願い文など、現場で使う資料を全部で17本、まとめてお渡ししています。公式LINEから受け取れます。
整体師・鍼灸師だけが集まっているオープンチャットもあります。入口の整え方や口コミの頼み方など、現場の悩みを気軽に出せる場所です。
週に1通、見立ての考え方を届けるメルマガ「見立てだより」も、ご希望の方にお送りしています。
写真を差し替えるだけで、その日から変わることがあります。まずは今日、ご自分の院名で検索して、患者さんと同じ画面を一度見てみてください。
この記事は、整体師・鍼灸師・柔道整復師など施術者に向けて書いています。体の症状でお困りの方は、まず医療機関にご相談ください。









