薄毛に東洋医学的にどうアプローチしますか|常若整骨院の見立ての順番
結論から言うと、当院では髪そのものではなく、髪に栄養が回らなくなった体の流れを「腎・肝・脾」の三つの働きに分けて見立て、その偏りに合わせて体の緊張をゆるめていきます。髪を増やすことを目的にはしません。髪が育ちやすい体の土台を整えることが目的です。
要点を先に挙げます。
- アプローチの順番は、問診で生活の流れを聞く、体に触れて所見を見る、東洋医学の三つの型にあてはめる、施術と生活の宿題を決める、の四段階です。
- 型は、回復力の貯金が減った型、血と気持ちの巡りが乱れた型、胃腸が栄養をつくれていない型の三つを中心に見ます。
- この記事は、福岡市で薄毛が気になり、東洋医学の整体院で実際に何をされるのかを知ってから決めたい方に向けています。
東洋医学でのアプローチとは、具体的に何をすることですか
結論として、東洋医学のアプローチとは、症状の出ている場所ではなく、体全体の巡りの偏りを読み取って整えていく方法のことです。
東洋医学とは、体を部品の集まりではなく、気・血・水が巡る一つの流れとして見る考え方です。気とは体と心のエネルギー、血とは体を養う栄養の流れ、水とは潤いのことです。髪は「血の余り」と言われ、体の維持に使われた後の残りがようやく髪に回ると考えます。
ですから薄毛の場面でも、頭皮だけを見ません。髪の本数が減った時期に、睡眠、食事、仕事、冷えがどう変わっていたかを遡って見ます。25,000人の患者さんを施術してきた経験では、髪が気になり始めた半年から1年前に、生活の何かが変わっていた方が少なくありません。
薄毛とは、髪の本数が減ったり、1本ずつが細くなったりして、地肌が目立つようになった状態のことです。診断や薬の判断は医療機関の役割で、当院はそこに手を出しません。
常若整骨院では、アプローチをどんな順番で進めますか
結論として、問う、触れる、型を決める、施術と宿題を決める、という四段階で進めます。
一つ目は問診です。時間をかけて、次のことを伺います。
- 睡眠は何時間か、夜中に目が覚めるか、朝すっきり起きられるか
- 食欲と胃腸の調子、冷たい物や甘い物の摂り方
- 抜け毛が気になり始めたのはいつ頃か、その少し前に何があったか
- 足先やお腹の冷え、肩や首のこわばり、目の疲れ
二つ目は触診です。首の付け根から後頭部、肩、背中、お腹、足首まで、順に触れます。髪の悩みなのにお腹や足首まで触れるのは、巡りの偏りは頭よりも体の中心や足元に先に出ることが多いからです。
三つ目は型の見立て、四つ目は施術と生活の宿題です。ここは次の節から詳しく書きます。
薄毛の東洋医学の三つの型は、どう見分けるのですか
結論として、疲れの質、気持ちの状態、胃腸の調子の三点を並べると、三つの型のどれが強いかが見えてきます。
- 腎(じん)の弱り:腎とは、回復力の貯金にあたる働きです。長年の疲れや加齢で減ると、髪のコシが落ち、腰や足のだるさ、夜間の頻尿、耳の遠さが重なりやすくなります。
- 肝(かん)の血の不足と巡りの乱れ:肝とは、血をたくわえ、気持ちの巡りをなめらかにする働きです。寝不足や強いストレスが続くと、目の疲れ、イライラ、寝つきの悪さ、爪の割れが重なりやすくなります。
- 脾(ひ)の弱り:脾とは、食べた物から栄養をつくる胃腸の働きです。食欲のむら、食後のだるさ、軟便、甘い物への偏りが目安になります。
実際には、一つの型だけという方は少なく、二つが混ざっています。そこで、いちばん強く出ているものから手をつけます。
たとえば、触って足首が冷たく、腰が重いという方は腎を、首から肩が板のように硬く眠りが浅い方は肝を、お腹が冷えて押すとへこむ方は脾を、先に整えます。これは当院の臨床での傾向であり、全員に当てはまるものではありません。
触診では、どんなところを見ているのですか
結論として、頭皮の動き、首の硬さ、お腹の張り、足首の冷えの四か所を見ています。
- 頭皮:指で軽く動かして、頭蓋骨の上で滑るように動くかを見ます。動きにくい方は、頭部への血の巡りが細くなっていることがあります。
- 首の付け根から後頭部:板のように硬いか、押すと痛みが走るかを見ます。ここの緊張は、睡眠の浅さと並んで出やすい所見です。
- お腹:冷たいか、押すと力が入ってしまうか、へその周りに張りがあるかを見ます。胃腸の弱りと気持ちの張りが、お腹の硬さに出ます。
- 足首の内側:太渓(たいけい)というツボのあたりが冷たいかを見ます。太渓は、内くるぶしの頂点とアキレス腱のあいだにあるくぼみです。
ツボを押せば髪が生えると言いたいのではありません。冷えや緊張の強さを知る手がかりとして使っています。
施術では、実際にどんなことをするのですか
結論として、頭皮を強く揉まず、首・背中・お腹・足の緊張をゆるめて、呼吸が深く入る状態をつくることが中心です。
施術は着替えずに受けられる服装で、横になって進みます。髪の悩みだからといって頭ばかりを触ることはありません。型に合わせて、触れる場所の比重を変えます。
腎の型が強い方には、腰からお尻、足首を温めるように整えます。肝の型が強い方には、首肩と脇腹の緊張をゆるめ、呼吸が深く入るようにします。脾の型が強い方には、お腹の張りと胃腸まわりの緊張を整えます。
当院では、場合によって気功の考え方も取り入れますが、まず前に出すのは、問診と触診にもとづく体の見立てです。気功を受けるかどうかは、その後に選んでいただけます。
自律神経は、東洋医学のアプローチにどう関係しますか
結論として、自律神経の緊張側への傾きは、東洋医学で言う肝の乱れと重なる部分が大きく、眠りの浅さを通して髪の育ちにも響くと考えられています。
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きです。ストレスが続くと、夜になってもアクセルが踏まれたままになり、ブレーキが利きません。結果として眠りが浅くなります。
髪は眠っている間の体の回復と結びついて育つとされています。そのため、当院では髪の相談でも、睡眠の質を最初に聞きます。自律神経の乱れが背景にある方は、自律神経失調症についての記事も参考になります。
薄毛を東洋医学で見るとき、季節や年齢で違いはありますか
結論として、あります。秋の抜け毛の増加、産後、更年期、加齢で、東洋医学で重く見る臓器が変わります。
- 秋:東洋医学では、秋は乾燥の季節で、肺と皮膚が弱りやすい時期とされます。夏の疲れが秋にまとめて出て、抜け毛が増えたと感じる方がいます。
- 産後:出産で血を大きく使うため、肝の血の不足が中心になりやすい時期です。
- 更年期:女性は腎の働きの変化が大きくなる時期で、髪のコシに表れる方がいます。
- 加齢:男女とも腎の貯金が少しずつ減っていく流れの中にあります。
薄毛を東洋医学の目でどう考えるかは、別の記事で詳しく書いています。薄毛を東洋医学ではどう考えるかもあわせてご覧ください。
実際に、このアプローチを受けた方はどんな経過でしたか
当院の口コミには、薄毛そのものをテーマにした声はまだありません。そのため、ここでは臨床でよく見る経過を、個人が特定されないよう再構成してお伝えします。実在の特定の方の話ではなく、よくあるパターンです。
- 40代の会社員男性(肝の型が強いケース):繁忙期が続き、睡眠が5時間を切っていました。首肩の緊張をゆるめ、寝る前の深呼吸を始めたところ、眠りが深くなったと話されました。髪の変化はまだ実感できないとのことでしたが、朝の頭の重さが減ったそうです。
- 50代の女性(腎の型が強いケース):更年期に入り、髪のコシが落ち、足が冷える状態でした。腰と足首を温める施術と、夜の足湯を重ねました。冷えが和らぐにつれて、日中のだるさが軽くなってきたとのことです。
- 30代の産後の女性(脾の型が強いケース):授乳期の抜け毛に加え、食欲にむらがありました。お腹まわりの緊張をゆるめ、食事を温かいものに寄せていきました。食後のだるさが減ったと感じられたそうです。
効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。髪の本数が増えると約束するものでもありません。
薄毛に東洋医学的に向き合うとき、自宅でできることはありますか
結論として、型ごとに一つずつ選べば十分です。全部やる必要はありません。
- 腎の型:夜に足首から先を温める。湯船か足湯で5分程度で構いません。
- 肝の型:寝る前に、息をゆっくり吐く深呼吸を3回行う。
- 脾の型:冷たい飲み物を常温に変える。食事は腹八分を目安にする。
どれか1つからで十分です。できない日があって当然ですし、できなかった自分を責める必要はありません。真面目な方ほど、全部きちんとやらないと意味がないと考えがちですが、その自責が首や肩をさらに固くしてしまいます。真面目さが悪いのではなく、真面目さの向け先が少し違うだけです。
また、薄毛は人に話しにくい悩みです。鏡を見るたびに落ち込むのは、おかしなことではありません。そう感じていること自体を、まず認めてあげてください。
病院に行くべきか、整体に行くべきか迷ったらどうすればいいですか
結論として、迷ったら医療機関が先です。そのうえで、体の土台づくりとして整体を並行させる形をお勧めします。
次のような場合は、先に皮膚科などの医療機関を受診してください。
- 円形に、急に抜けた
- 頭皮に赤み、かゆみ、湿疹、強いふけがある
- 短期間で急激に抜け毛が増えた
- 体重の急な変化、強いだるさ、発熱が続く
- 持病で通院中、または薬を飲んでいる
整体は医療行為ではありません。診断や薬の判断は、必ず医師にご相談ください。クリニックの薬を使っている方は、自己判断で変えたりやめたりしないでください。
よくあるご質問
東洋医学的なアプローチで、髪は生えてきますか?
髪が生えるとはお約束できません。当院が行うのは、髪に栄養が回りにくくなっている体の巡りを整えることです。発毛や増毛は医療機関の領域になります。
東洋医学の型は、一回の来院でわかりますか?
おおまかな傾向は初回でわかります。ただ、型は季節や生活で動くので、通いながら見直していきます。一度決めたら変えないというものではありません。
漢方薬は出してもらえますか?
当院では漢方薬の処方は行いません。処方は医師や薬剤師の役割です。漢方に関心がある方は、漢方外来のある医療機関や薬局に相談してください。
AGAクリニックに通いながら、並行して通えますか?
はい、並行して通えます。薬は医師の指示どおりに続けてください。当院は薬に口を出さず、冷えや睡眠、首肩の緊張など薬ではカバーしにくい面を受け持ちます。
頭皮を強く揉まれたり、刺激されたりしますか?
いいえ、頭皮を強く揉んだりこすったりはしません。首、背中、お腹、足の緊張をゆるめて、呼吸が深く入る状態をつくることが中心です。
鍼やお灸は使いますか?
当院ではご希望や体の状態に応じて、鍼灸も選べます。無理にお勧めすることはありません。初回は触診を中心に進め、必要を感じたときにご相談します。
女性の薄毛も同じように見てもらえますか?
はい、同じ見立ての枠組みで見ます。産後、更年期、無理なダイエットのあとなど、背景がさまざまなので、問診を丁寧に行います。女性特有の症状は、婦人科や皮膚科での確認もお勧めします。
何回くらい通えば変化がありますか?
変化の出方は人によって違い、一概にはお答えできません。多くの方は、眠りやすさや体の軽さを先に感じます。髪の見え方は、それよりずっと後からついてくる印象です。
ツボ押しを自分でやってもいいですか?
やっても構いません。ただ、強く押す必要はありません。太渓あたりを手のひらで温めるくらいで十分です。痛みを我慢して押すのは、かえって体を緊張させます。
初めて行くとき、何を伝えればいいですか?
髪が気になり始めた時期、その頃の生活の変化、睡眠の状態、通院や服薬の有無を教えてください。うまく話せなくても大丈夫です。こちらから質問しながら進めます。
まとめ
薄毛が気になり始めて、誰にも言えずにいる方、医療機関に通いながらも、体のだるさや冷えが残っている方へ。東洋医学のアプローチは、髪を直接どうこうするものではなく、髪に回る余力を体にもう一度つくる試みです。
一人で鏡の前で悩み続ける前に、まず体の緊張をゆるめるところから始めてみてください。医療機関と役割を分けながら、無理のない形で並走します。
院長プロフィール
冨高誠治。柔道整復師・鍼灸師。施術歴20年、25,000人の患者さんを施術してきました。福岡市早良区・西新駅から徒歩圏の常若整骨院で、東洋医学の見立てをもとに、体の緊張をゆるめる施術と日常のアドバイスを行っています。
季節ごとの体の整え方を、メールでお届けしています。よければ、どうぞ。
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