妊娠中のむくみが夏にひどくなる理由|福岡市・常若整骨院が東洋医学で解説
結論から言うと、妊娠中のむくみは「仕方がない」で終わらせていい不調ではありません。ホルモン変化や子宮の圧迫だけでなく、体の水分を代謝する力そのものが低下しているとき、むくみは長引きます。特に夏は、エアコンによる冷えが下半身に蓄積し、自律神経が乱れることでむくみが悪化しやすい時期です。整体でむくみそのものを取ることはできませんが、体の緊張をゆるめ、血流とリンパの流れを整えることで、水分が動きやすい体づくりをサポートすることができます。
この記事は、妊娠中のむくみがなかなか引かない方、夕方になると足がパンパンになる方、夏に入ってから特にひどくなったと感じている方に向けて書いています。
- 妊娠中のむくみが長引く根本には、体の水分代謝を担う「脾(ひ)」と「腎(じん)」への二重の負担がある
- 夏はエアコンの冷えが血管を収縮させ、下半身の血行が悪化してむくみを重くする
- 整体は体の緊張をゆるめ、水分が動きやすい状態を作るサポートの立場であり、産婦人科との連携が前提になる
なぜ妊娠中のむくみは長引くのか
妊娠中のむくみが長引く方には、体の水分を動かす力が落ちているケースがほとんどです。
妊娠すると体内のホルモン環境が大きく変わります。プロゲステロンをはじめとするホルモンの影響で、血管が拡張しやすくなり、血管の壁から水分が組織に漏れ出しやすくなります。同時に、妊娠中の血液量は妊娠前に比べて約40から50パーセント増加しますが、増えるのは液体成分(血漿)の方で、赤血球の割合は相対的に低下します。血液が薄まった状態になるため、水分が血管の外に出やすくなるのです。
さらに、赤ちゃんの成長につれて子宮が大きくなると、下腹部にある腸骨静脈という太い血管が圧迫されます。足から心臓に戻るはずの血液がせき止められた形になり、下肢に水分が溜まります。これが妊娠後期に足のむくみが急激にひどくなる大きな理由の一つです。
問題は、これだけではありません。「病院で異常なし、妊娠中だから仕方ない」と言われて、どこにも頼れずにいる方が多くいます。仕方ないわけではありません。体の緊張が抜けていないこと、エアコンの冷えが蓄積していること、消化力が落ちて水分代謝が滞っていること、精神的な不安やストレスが巡りを止めていること、これらが複合して「長引くむくみ」を作っています。体そのものの状態を整えることで、むくみが出にくくなっていく方はいます。
ただし、急激なむくみの悪化、顔や手のむくみ、頭痛や視力変化を伴うものは、妊娠高血圧症候群の可能性があります。その場合はすぐに産婦人科を受診してください。これは緊急のサインであり、整体の出番ではありません。
むくみの程度が「気になる」段階であっても、定期的な産婦人科の健診を継続することが大前提です。整体はその上で、体の状態を整える補完的なケアとして位置づけるものです。
夏に妊娠中のむくみが悪化するメカニズム
夏の妊婦さんの体には、ある矛盾が起きています。上半身は暑くて汗をかいているのに、足先はひんやり冷たい。この上下の温度差こそ、夏にむくみが悪化しているサインです。
一番の原因はエアコンです。エアコンが効いた室内に長時間いると、体は体温を一定に保つために血管を収縮させます。血管が収縮すると、血液やリンパ液の流れが細くなり、特に末梢、つまり手足の先の循環が落ちます。足先が冷たくなり、水分が流れず滞ります。
妊娠中の体は、ただでさえホルモンの影響で血管が拡張しやすく、水分が漏れやすい状態です。そこにエアコンの冷えが加わると、「広がろうとする血管」と「収縮させようとする冷え」が体の中で綱引きをします。この温度調節の混乱が、自律神経への大きな負担になります。
外気温とエアコンの設定温度の差が5度以内であれば、体への負担は比較的少ないとされています。夏の福岡市は外気温が35度前後になることもあり、室内を25度に設定すると10度差になります。この温度差の中を一日に何度も行き来することで、体の体温調節機能は疲れ果てていきます。
さらに、エアコンの冷えは足元から入ります。デスクワーク中や座った状態では、足元の冷えが特に溜まりやすい。暑いから薄着をしているため、お腹も冷えやすくなっています。上半身は暑さを感じていても、下半身と内臓はしっかり冷えている、という状態が夏の妊婦さんの体の中で起きています。
この冷えが積み重なることで、消化機能が落ち、水分代謝が乱れ、むくみが慢性化していきます。夏のむくみが悪化するのは、暑さのせいだけではなく、エアコンと外気の温度差による継続的な負担が原因です。
整体と妊娠中のむくみ
整体はむくみそのものを取ることはできません。まずここを明確にしておきます。
むくみは体内の水分バランスの問題であり、直接的に排水するのは医療行為です。整体の役割は、体の緊張をゆるめ、血流やリンパの流れが整いやすい状態を作るサポートです。
具体的には、骨盤や背骨の歪みが強いと、下半身への血流が滞りやすくなります。背中や股関節の筋肉が緊張していると、静脈やリンパ管を周囲から締め付ける形になり、水分の流れを妨げます。これらの緊張をゆるめることで、体本来の水分代謝が働きやすくなる方はいます。
妊娠中の施術では、うつ伏せの姿勢は取りません。横向き(側臥位)または仰向けで行い、お腹への圧迫を避けながら施術を進めます。妊娠週数によって対応できる範囲が変わりますので、初回は必ず現在の状態と週数を詳しくお伝えください。
整体ができることとできないことを丁寧に伝えてくれる院を選ぶことが大切です。「完全にむくみを消せる」「必ず変わる」という言い方をする院には注意が必要です。体の変化には個人差があり、どのような施術も結果を保証することはできません。
福岡市で妊娠中のむくみに対応する整体を探す方へ
福岡市内にはマタニティ整体を掲げる院が複数あります。選ぶときに確認してほしいのは3点です。
まず、妊婦さんへの施術実績があるかどうかです。妊娠中の体は非妊娠時と大きく異なります。ホルモンの影響で関節が緩みやすい状態にあり、強い刺激は逆効果になることがあります。妊婦さんへの施術経験と、産婦人科との連携に理解がある院を選んでください。
次に、カウンセリングをしっかり行うかどうかです。妊娠週数、むくみの部位と程度、他に気になる症状を丁寧に聞く院は、安全への配慮があります。顔や手のむくみ、急激な体重増加、頭痛、視力変化を確認する姿勢がある院は信頼できます。
最後に、施術後の変化をどう説明するかです。「むくみがすぐ取れる」ではなく「体の流れが整いやすくなる」「緊張が抜けやすくなる」という言い方をする院は、施術の本質を理解しています。整体師の説明が医療的な診断・断言を含まず、産婦人科との連携を前提にしていれば、安心できる目安になります。
常若整骨院の考え方
常若整骨院では、妊娠中のむくみを「体の水分代謝がうまく働けていないサイン」として捉えます。ホルモン変化や子宮の圧迫は避けられない要因ですが、その上に「冷え」「緊張」「消化力の低下」「感情の滞り」が積み重なることで、むくみは長引きます。この積み重なりの部分を整えることが、私たちにできることです。
施術の前に、むくみの状態、生活習慣、食べているものの傾向、ストレスの状態、睡眠の質を丁寧に聞きます。これはカウンセリングであると同時に、体の状態を見立てるための情報収集です。体と心は一体であり、疲れや不安が緊張として体に現れているとき、その緊張をゆるめることが回復しやすい土台を作ります。
施術では、骨盤周囲の筋肉の緊張をゆるめ、背骨と股関節の動きを整えます。合わせて、気功を使って体のエネルギーの流れを整えるアプローチを行います。気功とは、体の滞りをゆるめ、内側からの回復力を引き出す技法です。施術後に「体が軽くなった」「足が温かくなった」と感じる方がいます。
施術の後には、ご自宅でできるセルフケアをお伝えします。施術室で受けるのは週に一度でも、生活のすべての時間が体を作ります。食べ方、冷えの予防、体の動かし方、これらをセットで整えることで、むくみが出にくい体に近づいていきます。
東洋医学から見た妊娠中のむくみ
東洋医学では、むくみを「水毒(すいどく)」または「水滞(すいたい)」と呼びます。水毒とは、体の中に水分が正しく流れずに溜まっている状態のことです。水が動かず、滞って重くなっている。それがむくみの正体です。
この水毒を生み出しやすい臓器として、東洋医学では脾(ひ)、腎(じん)、肺(はい)を挙げます。妊娠中は特に、脾と腎への負担が重なります。
脾とは、消化・吸収を担うと同時に、体の水分を正しい場所に運ぶ機能を持つ臓器です。わかりやすく言えば、体の中の「工場」のような役割で、食べたものをエネルギーに変え、余分な水分を外に出す機能を担います。脾の機能が落ちると、食べたものをうまくエネルギーに変えられなくなり、水分が体の中で停滞します。妊娠中はつわりや食欲の変化で消化力が落ちやすく、脾が疲れた状態になりやすい。これが「脾虚(ひきょ)」と呼ばれる状態です。脾虚の人は、食後にお腹が張る、便がゆるい、疲れやすい、足のむくみが特に午後から夕方に強くなる、という傾向があります。
腎とは、東洋医学における生命力の貯蔵庫のような臓器です。腎は体の水分代謝全体を統括する役割も持っています。妊娠中は赤ちゃんの成長のために腎の精(回復力の貯金のようなもの)が集中して使われるため、腎に余裕がなくなります。腎の機能が落ちると、水分を全身に配る力が弱まり、特に下半身に水が溜まりやすくなります。これが「腎虚(じんきょ)」と呼ばれる状態です。腎虚のむくみは、押すとへこむ、戻りが遅い、足が重だるい、腰に疲れが抜けない、という形で出ることが多くあります。
さらに妊娠中は、不安やストレス、将来への心配を抱えやすい時期です。東洋医学では、感情のつかえや精神的な緊張は「気滞(きたい)」として体に現れます。気滞が続くと、体のエネルギーの流れが滞り、水分の代謝も連動して落ちます。気滞×脾虚×腎虚が重なると、水毒のむくみは特に頑固になります。
妊娠中のむくみで多いのは、以下の3つのパターンです。
脾虚湿盛(ひきょしつせい)と呼ばれるタイプは、消化力の低下が中心です。食後に眠くなる、お腹が張る、便がゆるい、倦怠感が強い、という方です。冷たい飲食物を多く取っている、甘いものをよく食べている、という食習慣と重なることが多くあります。
腎陽虚(じんようきょ)と呼ばれるタイプは、体を温める力の低下が中心です。足先が冷たい、腰が重い、夜間頻尿がある、疲れが抜けない、という方です。もともと冷え性で、夏のエアコンでさらに悪化しやすいのがこのタイプです。
気滞水停(きたいすいてい)と呼ばれるタイプは、感情的な緊張が中心です。不安が強い、眠りが浅い、気候の変化に敏感、ため息が多い、という方です。精神的な緊張が体の緊張と連動して、水分の流れを止めています。
東洋医学では、むくみを単に「水が溜まっている」ではなく、「どの臓器の力が落ちているか」で見立てます。脾虚が強ければ消化を助けるアプローチ、腎虚が強ければ下半身を温めて腎の回復を助けるアプローチ、気滞が強ければ体の緊張をゆるめて気の流れを通すアプローチ、それぞれを組み合わせて整えていきます。
このとき参考になるツボとして、足三里(あしさんり)と豊隆(ほうりゅう)があります。
足三里は、膝のお皿の外側のくぼみから指4本ぶん下、すねの外側にあります。脾胃の働きを補い、消化力と水分代謝を整える万能のツボとされています。脾虚のむくみが気になる方に向いています。
豊隆は、膝と足首のちょうど中間あたり、すねの少し外側にあります。水毒を流すツボとして古くから使われています。体の中に余分な水が溜まっていると感じるときに参考になります。
どちらのツボも強く押すのではなく、じんわり温めるか、やさしく3秒かけて押す方法が体に合っています。ただし、妊娠中のツボへのアプローチは必ず産婦人科医に相談してから行ってください。妊娠中は押してはいけないとされているツボがあります。自己判断でのツボ押しは控えることをお勧めします。
自律神経と妊娠中のむくみの関係
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経系統です。活動・緊張・興奮に関わる交感神経(アクセル)と、休息・回復・消化に関わる副交感神経(ブレーキ)が、体の状態に合わせて自動的にバランスを取り合っています。
妊娠中はもともと自律神経への負担が大きい時期です。ホルモン変化、体の変化、育児への不安、仕事の継続か休職かの判断、出産への緊張、これらすべてが神経系への負荷になります。交感神経が長く優位な状態が続くと、血管が収縮し、内臓の働きが落ち、消化機能が低下します。これが脾虚と重なります。
さらに夏のエアコン環境が加わると、体は「暑い外」と「冷たい室内」を一日に何度も行き来します。体温調節のために自律神経は休まることなく働き続け、疲弊していきます。自律神経が疲れると体温調節の精度が落ち、冷えが蓄積します。冷えた状態では腎の働きも落ちます。腎虚が強まると水分代謝が乱れ、むくみが慢性化します。
自律神経の乱れ→体温調節の低下→エアコン冷えの蓄積→脾虚・腎虚の悪化→水毒→むくみの長期化。この連鎖が妊娠中のむくみを頑固にさせています。
体の緊張をゆるめることが、この連鎖を断ち切る最初の一手です。施術で筋肉と関節の緊張をゆるめることで、自律神経が整いやすい状態が作られます。日常のセルフケアで体を冷やさず、消化力を落とさないようにすることで、その状態が長持ちします。
妊娠中のむくみでよくある3つの相談
現場で多いのは、大きく3つのパターンです。
一つ目は、仕事を続けながら妊娠後期に入った方の相談です。デスクワークで長時間座っていると、ふくらはぎの筋肉が動かず、下肢の静脈血を心臓に戻すポンプ機能が働きません。仕事が終わるころには靴が脱げなくなる、靴下の跡がくっきり残る、という訴えが多くあります。体を動かす機会が少ないこと、エアコンの吹き出し口が足元にあること、緊張とストレスが続いていることが重なっています。
二つ目は、上の子の育児と妊娠が重なっている方の相談です。体を休める時間がなく、妊娠前から消化力が落ちていた、という方が多い印象があります。食事が手軽なものに偏り、冷たい飲み物を多く取るようになった、という背景があることもあります。疲れているのにうまく眠れない、これが自律神経の疲弊と重なって、むくみに出ます。
三つ目は、以前から「むくみやすい体質」と感じていた方の相談です。妊娠前から夕方に足がパンパンになることがあり、妊娠してから特にひどくなった、という方です。もともと脾虚や腎虚の傾向があり、妊娠によってその負担が一気に表面化したケースが多くあります。「どこに行っても変わらない」と感じてきた方の中には、こうした体質の問題が根本にあることがあります。
実際のご相談から(3つの事例)
以下の事例は、実際にあった相談をもとにした事例です。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
事例1:30代、妊娠33週、事務職。妊娠後期に入ってから夕方になると足がひどくパンパンになるようになった。靴下の跡が翌朝まで残ることもある。仕事中はずっと座りっぱなしで、オフィスはエアコンが強めにかかっている。産婦人科では「むくみは問題ない範囲」と言われたが、あまりにも辛くてどうにかしたかった。
見立てでは、エアコン冷えによる下肢の血流低下と脾虚が重なっており、長時間の座位が静脈の戻りを妨げていた。施術では骨盤と背骨周囲の緊張をゆるめるアプローチを行い、仕事中にできる対策(足首を動かす・椅子の高さ調整・薄いレッグウォーマーの使用)をお伝えした。数週の通院後、「夕方の足の重さが前ほどでなくなった」「朝に靴下の跡が残らなくなった」と話してくださった。体が楽になった体験が増え、出産への不安も少し和らいできた、とのことだった。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
事例2:28代、妊娠28週、上の子2歳を育てながら妊娠中。子どもの世話で体を休める時間がほとんどなく、食事は手軽なものが多くなっていた。夏に入ってから特に手足がむくみやすくなり、午前中から足首がだるいと感じるようになった。
カウンセリングで食習慣を確認すると、冷たい飲み物を多く取っており、甘いもの・パン類を頻繁に食べていた。脾虚の傾向が強く、消化力そのものが落ちている状態だった。施術と合わせて、温かい飲み物へのシフト、食事内容の見直しをご提案した。「足の重さがだいぶ落ち着いた」「午後までなんとか動けるようになった」と少しずつ変化が出た。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
事例3:35代、妊娠31週。もともとむくみやすい体質で、妊娠前から夕方に足が重くなることがあった。妊娠してからはそれが毎日になり、朝から足首がだるい日も出てきた。産婦人科でも整骨院でも「仕方ない」と言われ続け、諦めかけていた。
見立てでは、脾虚と腎陽虚が重なっており、下半身の冷えが強い状態だった。もともとの体質として腎虚の傾向があり、妊娠によってその負担が表面化していた。施術では体の深部の緊張をゆるめることに注力し、足首から膝にかけての施術も行った。セルフケアとして、お風呂での温め方、足上げの習慣、こまめな常温の水分補給をお伝えした。「前ほどパンパンにならなくなった」「夕方でもなんとか動ける」という声をいただいた。生活全体の改善が重なったことで、身体の緊張が抜けやすくなった印象があった。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
自宅でできるセルフケア
妊娠中のセルフケアは、無理なくできるものに絞ることが大切です。体に負担をかけない範囲で継続できるものだけを選んでください。
足首をゆっくり回す。左右それぞれ5から10回、ゆっくりと円を描くように回します。座ったままでも横になりながらでもできます。ふくらはぎの筋ポンプを助ける最もシンプルな動作です。1時間に1回、座ったまま行うだけで下肢の血流が変わります。
ふくらはぎをやさしくさすり上げる。足首から膝に向かって、手のひら全体で包むようにやさしくなでるだけでかまいません。強くもみほぐさず、流すイメージで行います。むくみがひどい状態では強い刺激は逆効果になることがあるため、触れる程度の力加減から始めてください。
横になって足を10センチ程度上げる。クッションやバスタオルを足首の下に置くだけでできます。10から15分横になることで、下肢に溜まった水分が少し動きやすくなります。特に夕方から夜にかけてお勧めです。仰向けが苦しい週数であれば、横向きに寝て足の間にクッションを挟む形でも構いません。
飲み物は常温か温かいものに切り替える。冷たい飲み物は脾(消化力・水代謝)を弱めます。夏でも、白湯やノンカフェインのお茶を少量ずつこまめに取る習慣が、水毒の予防につながります。脱水も体に良くないため、我慢して水分を控えるのではなく、「冷たすぎないものをこまめに飲む」ことが大切です。
お腹と足を冷やさない。薄い腹巻き、レッグウォーマー、ゆったりしたソックスなど、お腹と足首を温めることがむくみ予防に直結します。エアコンの風が直接当たらない座り方をするだけでも変わります。冷えが怖いからと暖めすぎてのぼせないよう、足元を中心に温める意識を持ってください。
深呼吸を一日3回。息をゆっくり吐き切る。緊張が入っているとき、呼吸は無意識に浅くなっています。吐く息を長くすることで副交感神経(ブレーキ)が優位になり、体の緊張が少しゆるみます。腹式呼吸でお腹を動かすことで、内臓の血流も助けます。
これらは医療行為ではなく、日常の体のケアとして行うものです。むくみがひどい場合、急激に悪化した場合、顔や手のむくみが出た場合は、必ず産婦人科に相談してください。
医療機関との連携について
整体は医療行為ではありません。整体師には診断を下す権限も、薬を処方する権限もありません。
妊娠中のむくみには、体の疲れや冷えから来るものと、妊娠高血圧症候群のような医療的な問題から来るものがあります。顔や手のむくみ、急激なむくみの悪化、頭痛、視力が変わった感じ、上腹部の痛み、これらは妊娠高血圧症候群のサインとして知られています。これらがある場合は、整体より先にすぐに産婦人科を受診してください。
整体は、産婦人科での診察で「医療的に問題ない」と確認された上での体のケアとして活用するものです。整体を受けることは、医療的な治療の代わりになりません。定期的な健診を続けながら、体の緊張をゆるめるサポートとして整体を活用してください。
かかりつけの産婦人科の先生に「整体を受けたい」と相談してから来院いただくと、こちらも安心して施術に臨むことができます。整体と産婦人科は競合するものではなく、それぞれの役割を持って妊婦さんの体を支えるものです。
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠何週から整体を受けられますか?
一般的には安定期(妊娠16週前後)以降から受け付けている院が多くあります。ただし院によって対応できる時期が異なります。受診前に必ず院に確認し、かかりつけの産婦人科医に相談してから来院するのが安全です。
Q. 妊娠中の整体は安全ですか?
妊婦さんへの施術経験がある院、横向きや仰向けで対応できる院であれば、一般的には安全に行えます。ただし、前置胎盤、切迫早産、妊娠高血圧症候群などの診断がある方は施術をお断りする場合があります。現在の状態を詳しくお伝えください。
Q. むくみは整体で取れますか?
むくみそのものを直接取ることは整体にはできません。体の緊張をゆるめ、血流やリンパの流れが整いやすい状態をサポートすることが整体の役割です。水分代謝が落ちているケースでは、体の状態が整ってくることでむくみが出にくくなる方はいます。
Q. 夏にむくみが特にひどいのはなぜですか?
エアコンの冷えによって血管が収縮し、下半身の血流が落ちるためです。外気温との温度差が大きいと自律神経への負担も増し、体温調節機能が疲弊します。上半身は暑く下半身は冷えている「矛盾の体」が夏の妊婦さんの体の中で起きています。
Q. 靴下の跡がくっきり残るのは問題ですか?
跡が翌朝まで残るほどのむくみが続く場合、産婦人科に相談することをお勧めします。特に顔や手のむくみ、急激な体重増加を伴う場合は、妊娠高血圧症候群の可能性があるため、早めに受診してください。
Q. 食事で気をつけることはありますか?
塩分の取り過ぎに注意することは基本ですが、それ以外に、冷たい飲食物を控えることが水分代謝には有効です。東洋医学では脾(消化力・水代謝)を弱める食べ方として、冷たいもの・甘いもの・脂っこいものの過剰摂取が挙げられます。無理に我慢するのではなく、少しずつ温かいものを取り入れる習慣にするだけで変わります。
Q. 三陰交というツボはむくみに効くと聞きましたが、妊娠中に押していいですか?
三陰交(さんいんこう)は一般的にむくみに効くツボとして知られていますが、妊娠中は子宮や卵巣への作用があるとして、押すことを避けるべきツボとされています。妊娠中は自己判断でのツボ押しは控え、施術者に任せてください。
Q. 産後のむくみはいつまで続きますか?
産後のむくみは一般的に1から2週間程度で落ち着く方が多いとされています。出産時に大量の輸液が入ることや、体が水分を溜め込もうとする反応が起きるためです。産後2週間を過ぎてもひどいむくみが続く場合は、産婦人科に相談してください。
Q. マタニティヨガやウォーキングはむくみに効きますか?
産婦人科医が許可した範囲内での適度な運動は、ふくらはぎの筋ポンプ機能を助け、血流を改善する効果があります。特にウォーキングはふくらはぎの筋肉を使い、下肢の静脈血を心臓に戻す働きを助けます。ただし、体調が優れない日や強いむくみがある日は無理をしないことが大切です。
Q. 夫や家族にできるサポートはありますか?
足首から膝にかけてのやさしいマッサージが、妊婦さんの気持ちと体の両方を楽にします。強くもまず、手のひらで包みながら足首から膝に向けてなでるだけで十分です。体を冷やさないように室温を調整する、冷たい飲み物を控えた飲み物を用意する、休める時間を確保するための家事分担も、間接的にむくみの予防につながります。
Q. 整体と産婦人科を同時に受けていいですか?
はい、むしろ望ましい形です。産婦人科での定期的な健診を続けながら、体の緊張をゆるめるサポートとして整体を並行して活用するのが理想的です。受診前に産婦人科医に「整体を受けてもいいか」を確認することをお勧めします。整体側も、医師の判断を優先した上で施術を行います。
Q. 産後も引き続き整体を受けられますか?
産後は体の回復を助ける時期として、整体の活用が有効です。骨盤の状態が安定してきたころから、骨盤ケアと合わせてむくみのアプローチも続けることができます。産後の体は妊娠前とは異なるため、出産後の状態を改めてお伝えください。
Q. 「足を高くして寝ると良い」と聞きましたが、どのくらいの高さがいいですか?
足首から膝あたりまでが、心臓よりわずかに高くなる程度(10から15センチ程度)が目安です。高くしすぎると腰に負担がかかることがあります。また、妊娠後期は仰向けで長時間寝ることで子宮が下大静脈を圧迫する場合があるため、横向き寝を基本にして、足の間にクッションを挟む形にすると快適です。
まとめ
福岡市で妊娠中のむくみに悩んでいる方へ。
夏になってから特に足がひどくなった、夕方になると靴が履けなくなる、横になっても翌朝まで跡が残る、そんな日々が続いているとしたら、その体は「もう少しゆっくりしてほしい」と伝えているかもしれません。
病院では異常なしと言われたけれど、つらさは本物です。そこに気づいてほしいと思います。
むくみは「妊娠中だから仕方ない」で終わらせていい不調ではありません。体の緊張が抜けていないこと、エアコンの冷えが蓄積していること、消化力が落ちて水分代謝が滞っていること、これらを整えることで、むくみが出にくい体に変わっていく方はいます。
整体はむくみを直接取る手段ではありません。体本来の力を取り戻すためのサポートです。産婦人科での定期的な健診を続けながら、体の緊張をゆるめることから始めてみてください。
急激なむくみの悪化、顔や手のむくみ、頭痛、視力変化が伴う場合は、整体ではなく産婦人科に先に相談してください。体の状態は個人差があり、すべての方に同じ対応ができるわけではありません。
一人で抱え込まず、体の声を聞きながら、できることから整えていきましょう。常若整骨院はそのそばに寄り添います。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか せいじ)。常若整骨院(福岡市)院長。施術歴20年、延べ25,000名を施術。整体・気功・東洋医学を組み合わせた施術を行い、妊娠中から産後の体のケア、慢性的な不定愁訴、自律神経の乱れに悩む方を中心に対応している。「症状は結果であり、その人の体と生き方ごと整える」という考えのもと、カウンセリング・施術・セルフケアをセットで提供している。











