骨盤底障害が長引く本当の理由|更年期後の悪化と骨盤底筋の過緊張ケア|福岡市・常若整骨院

結論から言うと、骨盤底障害が長引く方には、骨盤底筋の「弱さ」だけでなく「緊張が抜けない」という二つの問題が重なっているケースが多くあります。

原因は一つではありません。更年期以降のエストロゲン低下、慢性的なストレス、自律神経の疲弊、夏のエアコン生活による体の冷えが重なって、骨盤底の機能を乱します。この記事は、骨盤底障害がなかなか楽にならない方、特に更年期前後からこの悩みが深くなった方、骨盤底筋運動を続けても変化がない方に向けて書きました。整体でできることと、自分でできることを丁寧にお伝えします。

なぜ骨盤底障害は長引くのか

骨盤底障害が長引く方には、体の緊張が慢性化しているケースが多くあります。

骨盤底とは、骨盤の出口を下から支えるハンモック状の筋群です。膀胱・直腸・子宮を支え、排尿・排便・性機能に深くかかわります。この筋群は「締まりが弱い」だけが問題ではありません。慢性的なストレスや緊張が続くと、逆に「締まりすぎて動かせない」状態になることがあります。

医療の分野では、骨盤底筋が過剰に緊張した状態を「骨盤底筋の過緊張(ハイパートニック)」と呼びます。過緊張が続くと骨盤内の血流が低下し、筋肉に痛みを引き起こす物質が蓄積されます。その結果、慢性的な骨盤の重さ・痛み・排尿のしづらさ・便が出きらない感覚が重なって現れます。

骨盤底が弱いことと、骨盤底が固まっていること。この二つは全く逆向きの状態でありながら、「骨盤底障害」という一つの言葉にまとめられてしまいます。骨盤底運動(ケーゲル運動)を続けても変わらない方、締め方がわからない方、やればやるほど痛みが増す方がいるのは、このためです。

更年期前後に骨盤底障害が悪化しやすい大きな理由に、エストロゲンの急激な低下があります。エストロゲンとは女性ホルモンの一種で、骨盤底筋や膣粘膜の弾力を維持する働きがあります。このホルモンが更年期に急減すると、骨盤底の組織が弾力を失い、筋肉が疲れやすくなります。同時に更年期には自律神経のバランスが崩れやすく、それが骨盤底筋の緊張パターンに直接影響します。

加えて、夏のエアコン生活が骨盤底の状態を悪化させていることもあります。エアコンの冷気は下半身を中心に体の芯まで冷やします。冷えると血流が落ち、骨盤内の組織が硬くなります。骨盤底筋は骨盤の底にある深部の筋群であるため、冷気の影響を長時間受けやすく、夏に症状が悪化するという方は少なくありません。

症状が長引く背景には、体の緊張が根本に残っていることが多くあります。婦人科や泌尿器科で「異常なし」と言われたあとも症状が続いている方の多くは、体全体の緊張パターンと自律神経の疲弊が解消されていない状態にあります。場所だけを診るのではなく、体全体の状態から見ることが大切です。

骨盤底障害の「弛緩型」と「過緊張型」を分けて考える

骨盤底障害で最初に重要なことは、問題の「方向」を見極めることです。同じ骨盤底障害という名前でも、弛緩型と過緊張型では、必要なアプローチが全く異なります。

弛緩型の骨盤底障害は、骨盤底筋が弱くなった状態です。尿漏れ・骨盤臓器脱・内臓の下垂感・お腹に力を入れたときの漏れが主な訴えになります。産後・加齢・長期間の重労働によって起きやすく、骨盤底筋を正しく使えるよう回復させることが課題になります。

過緊張型の骨盤底障害は、骨盤底筋が慢性的に緊張したまま弛緩できなくなった状態です。慢性的な骨盤の重さや鈍い痛み・排尿に時間がかかる・便が出きらない感覚・下腹部の張り・性交時の痛みが主な訴えになります。心理的なストレスや不安・長期間の緊張状態によって起きやすく、骨盤底を「締める」ことに集中した運動は逆効果になることがあります。

更年期以降の女性には、この二つが重なるケースが特に多くなります。弛緩して尿漏れもある一方で、骨盤内の深部は固まって痛みもある、という状態です。どちらが先かを探すより、体全体の緊張と冷えを緩めながら、骨盤底が本来の動きを取り戻せる状態を整えることが先決です。

骨盤底筋は、横隔膜・腹横筋・多裂筋(たれつきん)と連動して腹腔内圧を調整しています。体が深く息を吸うとき、横隔膜が下がり、骨盤底が少し下がります。吐くときに横隔膜が上がり、骨盤底が自然に引き上がります。この「呼吸と骨盤底の連動」が滑らかに起きていることが、骨盤底機能の前提条件です。

慢性的に体が緊張していると、横隔膜の動きが浅くなり、この連動が崩れます。呼吸が浅い・お腹に常に力が入っている・肩が上がりっぱなし、という方は、まず体全体の緊張と呼吸のパターンを整えることが、骨盤底へのアプローチの出発点になります。

骨盤底障害と整体の関係

整体が骨盤底に直接的な筋力をつけることはできません。整体の役割は、骨盤周辺の筋肉・関節の緊張を緩め、骨盤底が自然に機能しやすい体の状態を整えることです。

骨盤底筋は、股関節・仙骨・腰椎・呼吸筋と深く連動しています。骨盤周囲の筋肉が固まっていると、骨盤底は本来の動きができません。整体では、股関節周辺・仙骨・腰の深部筋の緊張をほぐし、呼吸と骨盤底が連動しやすい状態を整えます。

また、自律神経のブレーキに当たる副交感神経が働くことで、骨盤底は自然に弛緩します。排尿・排便のコントロールは副交感神経が主に担います。慢性的にアクセル(交感神経)が優位な状態では、骨盤底が緩む機会が減り、緊張が積み重なります。施術で体全体の緊張を丁寧に緩めることで、副交感神経が入りやすくなり、骨盤底の過緊張が落ち着いてくることがあります。

骨盤底障害には、施術の内容だけでなく、日常生活で体がどういう状態にあるか、何が緊張を作り出しているかを把握することも大切です。一人ひとりの体の状態と生活の背景を丁寧に聞いて、それに合わせたアプローチを組み立てることが重要です。

福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと

福岡市で骨盤底障害に対応できる整体を探すとき、まず確認してほしいことがあります。

「骨盤矯正」と「骨盤底障害のケア」は別のことです。骨盤の位置を調整するだけでは、骨盤底筋の緊張や弛緩のパターンは変わりません。特に過緊張型の骨盤底障害は、体全体の緊張パターンと自律神経の状態を含めて見立てる必要があります。

大切なのは、初回のカウンセリングで症状を丁寧に聞いてもらえるかどうかです。いつから悩んでいるか、どんな状況で悪化するか、他に気になる症状はないか、日常のストレスや睡眠の状態、更年期や出産の経験など、体全体の状態を把握してから施術を組み立てる整体師を選ぶことが重要です。

症状だけを見て、全員に同じメニューを当てはめる施術では、骨盤底障害は変わりにくい傾向があります。弛緩型か過緊張型かを見極め、東洋医学的な体質の傾向も含めて、一人ひとりに合ったアプローチができる施術者を選んでください。

更年期以降の女性の場合、泌尿器科・婦人科で一度診てもらい、重篤な疾患がないことを確認した上で整体を受けることをすすめます。両方を並行して活用することが、最も着実な方法です。

常若整骨院の考え方

常若整骨院では、骨盤底障害を骨盤だけの問題として見ていません。体全体の緊張パターン、自律神経の状態、呼吸の深さ、日常生活での姿勢と動き、ストレスと感情の積み重ねまで含めて、総合的に見立てます。

施術の前に、まずカウンセリングで今の体の状態を丁寧にお聞きします。症状がいつから始まったか、生活の中でどんなことがかかわっているか、東洋医学的な体の傾向はどうか。こうした情報が施術の精度を大きく変えます。

施術では、骨盤周辺と全身の筋肉・関節の緊張を丁寧にゆるめ、体の深部の巡りを整えます。気功の技術を活用し、体のエネルギーの滞りにもアプローチします。施術後には、自宅でのセルフケアを具体的にお伝えします。骨盤底の状態は、日常の中で何をするか・何をやめるかで大きく変わるからです。

体全体が整ってくると、骨盤底も自然に機能しやすくなります。骨盤底障害への整体は、骨盤底に直接触れることよりも、体全体の緊張を緩め、回復しやすい状態を整えることを中心に進めます。

施術と日常のセルフケアの両輪で、骨盤底が回復しやすい体の土台を整えていきます。

東洋医学から見た骨盤底障害

東洋医学の視点では、骨盤底障害は腎陽虚(じんようきょ)・脾虚(ひきょ)・気虚(ききょ)という三つの臓の連鎖として読むことが多くあります。

腎陽虚とは、腎の「温める力・固める力」が落ちた状態です。東洋医学の「腎」とは、生命力の貯金庫のような臓で、生殖・泌尿・骨・腰を担当します。腎陽虚になると、骨盤内を温める力が不足し、膀胱・子宮・腸を正しい位置に固めておく「固摂(こせつ)の力」が弱まります。固摂とは、体の内容物を正しい場所に留めておく気の働きです。固摂の力が落ちると、尿漏れ・頻尿・骨盤臓器の下垂感・腰のだるさ・下腹部の冷えが現れやすくなります。

更年期後にエストロゲンが急減することは、東洋医学では「腎精(じんせい)が消耗した」状態と読み解きます。腎精とは生命力の根本エネルギーで、老化・生殖・骨の強さに関わります。更年期以降、多くの女性がこの腎精の消耗を背景に、泌尿器・婦人科系の不調を経験します。

脾虚とは、脾の「気を上に持ち上げる力(昇清力)」が低下した状態です。東洋医学の「脾」は消化と気血の生産を担い、臓器を正しい位置に持ち上げる働きを持ちます。脾が弱ると気が下に落ちやすくなり、骨盤臓器が下垂しやすくなります。疲れやすさ・食欲のなさ・軟便・下腹部の膨満感を伴うケースが多いです。

気虚とは、全身の気が不足した状態です。気が足りないと、体の各部位を固めておく力が落ちます。尿・便・臓器を正しい場所に留めておく固摂の働きは、気の力によって支えられています。疲れると症状が悪化する・踏ん張るときに漏れやすい・慢性的な倦怠感がある、という方は気虚が根本にあることが多くあります。

この三つの臓の弱りは単独ではなく、連鎖として現れます。腎が消耗すると脾を支える力が落ち、脾が弱ると気の生産が落ちて気虚が深まり、さらに腎の回復力が落ちる、というループになりやすいのです。更年期以降に骨盤底障害が悪化しやすいのは、このループが加速しやすい時期でもあるからです。

骨盤底障害に関連するツボの場所

三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本分上、すねの骨の後ろぎわです。腎・脾・肝の三つの経絡が交わる場所で、泌尿器・婦人科系の不調に広く使います。頻尿・尿漏れ・下腹部の張りに対して、体全体の回復を促すツボです。入浴後などに親指でゆっくり10秒ほど押さえると、骨盤内に温かさが通りやすくなります。

太渓(たいけい)は、内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみです。腎そのものの力を補う最も基本的なツボです。足首の後ろに指を当てると脈を感じる場所があります。そこをやさしく5〜10秒押さえ、数回繰り返します。腎陽虚が根本にある骨盤底障害では、このツボを毎日続けることが大切です。

関元(かんげん)は、へそから指4本分下です。腎の気を補い、下腹部を温めます。骨盤底の冷えが気になる方は、蒸しタオルを当てて数分温めるだけでも、下腹部に温かさが戻りやすくなります。夜寝る前に行うのに向いています。

足三里(あしさんり)は、膝の外側の骨の出っ張りから指4本分下です。脾胃を強め、気を補います。気虚が背景にある骨盤底障害では、このツボを日常的に刺激することで体全体のエネルギーを底上げしやすくなります。

食事の面では、黒豆・黒ごま・クルミ・海藻類・エビなど黒や濃い色の食材が腎を補うとされています。意識的に取り入れることが、腎の回復を支えます。

自律神経と骨盤底障害の関係

自律神経の乱れが骨盤底に与える影響は、見落とされがちです。

自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような仕組みです。アクセルに当たる交感神経は緊張・活動・戦闘の状態を担い、ブレーキに当たる副交感神経はリラックス・休息・回復を担います。この二つが交互に滑らかに働くことで、体は正常に機能します。

慢性的なストレスが続くと、アクセルが踏みっぱなしの状態になります。これが自律神経の疲弊です。アクセルがかかり続けると、全身の筋肉が緊張したままになります。骨盤底筋も例外ではありません。骨盤底が慢性的に緊張すると血流が落ちて老廃物が蓄積し、重さ・痛み・違和感が続きます。

排尿・排便のコントロールは副交感神経が主に担います。副交感神経が働くことで膀胱が緩み、尿が排出されます。アクセルが優位な状態では副交感神経が十分に働かず、「出したいのに出にくい」「残尿感がある」「スムーズに排便できない」という症状につながります。

更年期以降は、ホルモンの変動と自律神経の乱れが連動して起きやすい時期です。エストロゲンの低下は脳の視床下部の働きに影響し、自律神経のバランスを崩しやすくします。骨盤底障害が更年期を機に悪化するケースが多いのは、このホルモンと自律神経の二重の影響があるためです。

整体でできることの一つは、この自律神経の「ブレーキが踏めない状態」を緩めることです。体全体の緊張をほぐすことで副交感神経が入りやすくなり、骨盤底が自然に動きやすくなります。これが、整体が骨盤底障害に関わることができる根本的な理由です。

実際に多いケース

骨盤底障害の相談で多い状態をいくつかご紹介します。

更年期前後から急に尿漏れや頻尿が始まったという方がいます。産後から何年も経って再び悪化した、という方もいます。デスクワークや立ち仕事で下腹部が重くなってきた、という方も多いです。

深い悩みとして多いのが、婦人科や泌尿器科で「異常なし」または「加齢によるもの」と言われ、その後どこに行けばいいかわからないまま時間が経ってしまったというケースです。「尿漏れは年齢的に仕方がない」と諦めているうちに、体全体の緊張が積み重なって、腰痛・下肢のむくみ・全身の疲れやすさまで出てくるパターンは少なくありません。

骨盤底の過緊張については、「骨盤底運動をしてみたが、やるたびに下腹部が痛くなる」「座り続けると骨盤の中が重く苦しい」「以前より体を動かすのがつらくなった」という相談がきっかけになることがあります。こうした方の多くは、骨盤底を強くしようとするのではなく、まず体全体の緊張を緩めることが必要な状態にあります。

更年期後の骨盤底障害は、症状が一つではなく複数の不快な感覚が重なって現れることが特徴です。「どれが主訴かわからない」という方ほど、体全体の緊張パターンと東洋医学的な体質から丁寧に見立てることが重要になります。

3人の事例

以下は、実際に来院された方々の状態と経過のご参考例です。効果には個人差があり、同様の回復を保証するものではありません。整体は医療行為ではありません。症状に応じて、必要に応じ医療機関の受診を組み合わせてください。

仕事のストレスが続いていたAさん(50代・女性)

50代で更年期を迎えたAさんは、数年前から頻尿と下腹部の重さに悩んでいました。職場での責任が重く、常に緊張した状態が続いていました。婦人科では「骨盤底筋が緩んでいる」と言われ、骨盤底筋運動を続けましたが、いくらやっても変化を感じられませんでした。

カウンセリングで状態を詳しく確認すると、骨盤底の問題というより、全身が慢性的に緊張した状態にあることが見えてきました。呼吸が浅く、お腹に常に力が入っており、下半身が冷えていました。婦人科での見立ては弛緩型でしたが、施術してみると骨盤底の深部に過緊張のパターンも重なっていることがわかりました。

体全体の緊張を緩め、骨盤周囲と仙骨周辺の施術を続けました。自宅では腹式呼吸と関元への温熱ケアをお伝えしました。施術を重ねるうちに、「下腹部の重さが軽くなってきた」「夜中にトイレで起きる回数が減ってきた」「体全体が楽になった気がする」とおっしゃるようになりました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

育児と家事を一人で抱えてきたBさん(40代・女性)

40代のBさんは、第二子の出産後から尿漏れが続いていました。二人の子育てと家事を一人でこなしながら、休む間もなく体を使い続けてきました。産後の骨盤矯正にも通いましたが、根本的な変化は感じられませんでした。

来院のきっかけは、尿漏れに加えて骨盤周辺の慢性的な鈍い痛みが出てきたことでした。「骨盤底を締めようとするとむしろ痛い」という訴えから、弛緩だけでなく過緊張のパターンが重なっていると判断しました。

施術では、骨盤底を直接強めるのではなく、股関節・仙骨周辺・腰の深部筋の緊張をほぐすことから始めました。体全体の巡りが整ってくると痛みが和らぎ、「気がつくと尿漏れを気にしなくなった日が出てきた」「下腹部が軽くなってきた」とおっしゃっていました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

どこに行っても変わらなかったCさん(60代・女性)

60代のCさんは、閉経後から骨盤臓器脱と頻尿に悩んでいました。泌尿器科・婦人科・理学療法士と複数の専門家に相談しましたが、「年齢的に仕方がない」と言われることが多く、改善を感じられないままでした。「もうこの体と付き合っていくしかないと思っていた」とおっしゃっていました。

東洋医学的に見ると、腎陽虚が深く、下半身全体の冷えが著明で、疲れやすさ・腰のだるさ・睡眠の浅さも重なっていました。骨盤底の問題は「症状の一つ」であり、根本には腎の力が消耗していることがある、と伝えると、「そういう見方があるとは知らなかった」と話していました。

腎を補う施術とセルフケアの組み合わせで続けるうちに、「下半身が温かくなってきた感じがする」「夜のトイレの回数が落ち着いてきた」「以前より体全体が軽く感じる」という変化が出てきました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

自宅でできるセルフケア

骨盤底障害のセルフケアは、「骨盤底を締める」だけが方法ではありません。特に過緊張型や更年期後の方は、まず「ゆるめる・温める・整える」から始めることが大切です。

腹式呼吸を1日3回行ってください。仰向けで膝を立て、鼻からゆっくり息を吸ってお腹を膨らませ、口からゆっくり吐き出します。吐くときに骨盤底が自然に引き上がる感覚を確認します。急がず、1回2〜3分で十分です。呼吸が整うと骨盤底との連動が戻ってきます。

下腹部と腰を冷やさないことが基本です。エアコンの効いた環境では、腹巻きやひざ掛けで骨盤周りを保温してください。夏でも湯船に浸かることは、骨盤底の緊張を緩めるのに有効です。熱いシャワーよりも、ゆっくり浸かる入浴が骨盤内の血流を整えます。冷たい飲み物を控え、常温か温かい飲み物を意識してください。

長時間座ったままにしないこと。30分に一度立ち上がって、骨盤をゆっくり動かしてください。歩くことは骨盤底に自然なリズムを取り戻す最もシンプルな方法です。1日15〜20分でも構いません。

睡眠を6時間以上確保してください。腎が回復するのは深い睡眠中です。夜更かしが続くと腎の消耗が積み重なり、骨盤底の回復が遅れます。就寝前のスマホを減らし、部屋を換気して早めに布団へ入る習慣を意識してください。

症状を責めないことも、大切なセルフケアです。「なぜ良くならないのか」と自分を追い詰めると、体の緊張はさらに増します。骨盤底の問題は、長年の緊張と疲弊を体が抱えてきたサインです。まず力を抜くことから始めてください。

医療機関との連携について

骨盤底障害は、整体だけで対応できないケースもあります。

骨盤臓器脱が重度の場合は、外科的な対応が必要になることがあります。尿漏れや頻尿が改善しない場合は、泌尿器科での検査・薬物療法・骨盤底理学療法が有効なことがあります。更年期症状が強い場合は、婦人科でホルモン補充療法(HRT)を検討することも選択肢の一つです。

整体は医療行為ではありません。症状を診断したり、病気を根本から取り除いたりする立場にはありません。整体の役割は、体全体の緊張を緩め、自律神経の働きを整えやすい状態をつくり、体が回復しやすい土台を整えることです。

次のような症状がある場合は、まず医療機関を受診してください。骨盤臓器が体外に出てくる感覚・尿が全く出なくなる・突然の強い下腹部の痛み・排尿時の強い痛みや血尿・下肢の麻痺やしびれを伴う排尿障害。これらは整体の対応範囲を超えた状態です。

医師・理学療法士・整体師がそれぞれの専門性を活かして連携することで、骨盤底障害の状態は変わっていきます。

FAQ・Q&A

骨盤底障害とはどのような状態ですか?

骨盤底障害とは、骨盤の底を支えるハンモック状の筋群(骨盤底筋)が正常に機能しなくなった状態の総称です。尿漏れ・頻尿・骨盤臓器脱・慢性骨盤痛・便秘・排尿困難など、さまざまな症状として現れます。弛緩型と過緊張型の二方向があり、アプローチが異なります。

更年期になると骨盤底障害が悪化するのはなぜですか?

更年期以降はエストロゲンが急激に低下し、骨盤底筋や膣粘膜の弾力が失われやすくなります。同時に自律神経のバランスも崩れやすくなり、これが骨盤底筋のコントロールを乱します。エストロゲンの低下と自律神経の乱れが重なることで、更年期以降に悪化するケースが多くなります。

骨盤底筋運動を続けていますが変わりません。なぜでしょうか?

骨盤底筋運動が効果を出すためには、骨盤底筋がある程度弛緩できる状態が必要です。過緊張型の骨盤底障害では、さらに締める運動が逆効果になることがあります。変化がない場合は、まず全身の緊張を緩めることから始める必要があります。

整体で骨盤底障害は楽になりますか?

整体が「骨盤底筋を直接強くする」ことはできません。ただし、骨盤周囲の緊張をほぐし、呼吸と骨盤底の連動を取り戻し、自律神経の働きを整えやすくすることで、骨盤底が機能しやすい状態に近づけることができます。変化の感じ方には個人差があります。

骨盤底の過緊張とはどのような状態ですか?

骨盤底の過緊張とは、骨盤底筋が慢性的に緊張したまま弛緩できなくなった状態です。主な症状は、骨盤の慢性的な重さや痛み・排尿のしづらさ・便が出きらない感覚・性交時の痛みなどです。ストレスが多く緊張が続く状態の方に多く見られます。

夏になると骨盤底の症状が悪化する気がします。なぜですか?

夏のエアコン生活による骨盤周辺の冷えが関係している可能性があります。冷えると骨盤内の血流が低下し、骨盤底筋の柔軟性が落ちます。下半身の深部にある骨盤底筋は冷えの影響を受けやすい場所です。下腹部や腰を温めるケアで状態が落ち着く方が多くいます。

東洋医学の「腎」と骨盤底障害はどうつながりますか?

東洋医学の「腎」は、生命力の貯金庫のような臓で排尿・生殖・腰・骨の機能を担います。腎の力が落ちると(腎虚)、骨盤内を温めて固める力が弱まり、尿漏れ・頻尿・骨盤臓器の下垂感につながります。特に更年期後の骨盤底障害は、腎精の消耗と深く関係します。

産後から何年も経ちますが、今からでも整体で状態は変わりますか?

産後から年数が経っていても、体の緊張が解けることで状態が変わるケースがあります。体の回復力は年齢だけで決まるものではなく、体全体の緊張と巡りの状態によっても変わります。ただし、変化の内容と時間には個人差があり、すべての症状が楽になることを保証することはできません。

セルフケアで大切なことは何ですか?

骨盤底障害のセルフケアで最も大切なことは、「締める」練習の前に「ゆるめる」環境を整えることです。腹式呼吸・下腹部を冷やさない習慣・十分な睡眠・歩くことの継続が基本です。症状を自分責めしないことも、回復を支える大切な要素です。

医療機関と整体、どちらを先に受けるべきですか?

骨盤臓器の脱出・強い痛み・血尿・麻痺を伴う場合は、まず医療機関の受診を優先してください。慢性的な不快感・軽度の尿漏れ・重さが続いている場合は、整体と医療を並行して受けることも有効です。泌尿器科・婦人科で異常がないと言われた場合でも、体全体の緊張と自律神経の観点からアプローチできることがあります。

骨盤底障害は高齢になってもケアを続ける意味がありますか?

年齢に関わらず、体全体の血流と緊張の状態を整えることは意味があります。腎の力を補い、骨盤内を温めるケアは年齢を問わず継続できます。高齢になるほど冷えと気虚が深まる傾向があるため、むしろ継続的なケアが重要になります。

骨盤底障害に良い食事はありますか?

東洋医学の腎を補う観点では、黒豆・黒ごま・クルミ・エビ・海藻類など、黒や濃い色の食材が参考になります。甘いものや冷たい飲み物は脾を弱めやすいため、控えめにすることが骨盤底の回復を支えます。食事の細かな調整については、栄養士や医師にも相談してください。

まとめ

福岡市で骨盤底障害に悩んでいる方へ。特に更年期前後から症状が深くなった方、骨盤底筋運動をやっても変わらない方、婦人科や泌尿器科で「異常なし」と言われたけれどつらさが残っている方へ。

骨盤底障害は、骨盤底筋だけの問題ではありません。体全体の緊張、自律神経の状態、体の冷え、長年積み重ねてきた疲労が重なった結果として現れています。弛緩型か過緊張型か、東洋医学的な体質の傾向はどうかを見極めながら整えることが大切です。

一人で抱え込まずに、まず体の緊張をゆるめることから始めてください。セルフケアで変化を感じることもあります。それでも変わらないときは、専門家の力を借りることをためらわないでください。

常若整骨院では、カウンセリング・施術・セルフケアをセットで、あなたの状態に合わせてお伝えします。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたか せいじ)。福岡市・常若整骨院(とこわかせいこついん)院長。整体・気功を軸とした施術歴20年。延べ25,000名の施術を行ってきた。

身体の不調はエネルギーの滞りから始まるという考えに基づき、体だけでなく心・生活習慣・考え方のクセまで含めた総合的なアプローチを実践。患者さんが「早く卒業できる状態」を目標に、施術とセルフケアの両立を大切にしている。

骨盤底障害・更年期後の不調・自律神経の乱れを抱える方々の相談に、東洋医学と気功の視点を組み合わせた見立てで対応している。