変形性股関節症が長引く理由と自律神経の関係|夏の悪化・東洋医学の視点から|福岡市・常若整骨院
なぜ変形性股関節症は長引くのか
変形性股関節症が長引く方には、体全体の緊張が慢性的に抜けていないケースが非常に多くあります。
股関節の痛みは、多くの場合「股関節だけの問題」ではありません。股関節は、上半身と下半身をつなぐ要であり、腰・骨盤・膝・足首と連動して体を支えています。股関節に過度な負担がかかり続けているとき、その背景には骨盤の傾き・腰回りの緊張・全身の姿勢パターンが必ずあります。股関節だけを診ていても、その背景にある体全体の問題が残ったままでは、変化が起きにくいのです。
変形性股関節症の主なメカニズムは、関節軟骨の摩耗です。長年にわたって股関節に負担がかかり続けると、クッションの役割をしている関節軟骨がすり減ります。軟骨がすり減ると骨同士がこすれて痛みが生じ、さらに進むと骨棘と呼ばれるとげ状の突起が形成されます。こうして可動域が狭まり、日常動作が困難になっていきます。
日本では変形性股関節症の女性患者の80パーセント前後に、子どもの頃の発育性股関節形成不全や臼蓋形成不全(骨盤の受け皿部分の発育が不十分な状態)が背景にあるとされています。これは西洋人と比べて日本人女性に多い特徴で、「体形が原因」ではなく、股関節の形そのものの問題です。この点は、発症した方が「自分の生活が悪かった」と自分を責めないためにも、知っておいてほしい事実です。
ただし、同じように軟骨がすり減り、X線上で同じような変形があっても、日常の痛みがほとんどない人と、歩くたびに激痛が出る人がいます。その差はどこから来るのでしょうか。
現場で長年見ていると、痛みが強く出やすい方に共通するのは、体が慢性的に緊張した状態が続いていることです。筋肉が常に固まっていると、関節への圧力がさらに増します。逆に、体全体の緊張がゆるんでくると、同じ構造上の変化があっても痛みの出方が変わってくることがあります。変形そのものより、体の緊張の度合いが日常の痛みを左右していることが少なくないのです。
もうひとつ見逃されがちなのが、慢性の痛みによって自律神経が長期間疲弊していることです。痛みが続くと、体は常に「危険信号が出ている状態」になります。これは体のアクセルにあたる交感神経が優位になり続けることを意味します。この状態が長引くと、筋肉への血流が落ち、回復力が低下し、炎症が長引きやすくなります。痛みが自律神経を乱し、自律神経の乱れがさらに痛みを悪化させる、という悪循環が生まれるのです。
夏に悪化しやすいという方も多くいます。夏の日中は暑さで外に出たくない・動きたくないという状態が続き、活動量が落ちて股関節周囲の筋肉が固まります。一方、室内ではエアコンによって体が冷やされ続け、筋肉と血管が収縮します。屋外の高温と屋内の冷えを繰り返すことで、体温調節の仕組みに大きな負荷がかかります。この「冷えと暑さの往復」は、自律神経に慢性的な疲労を蓄積させます。真夏でも股関節が「冷えた状態」になって痛みが出やすくなるのは、そういう仕組みがあるためです。
変形性股関節症と整体の関係
整体が変形性股関節症に対してできること・できないことを、はっきりお伝えします。
できないことは、すでに変形した骨・軟骨そのものを元通りに戻すことです。変形は構造上の変化であり、整体の手技でその変化を消すことはできません。「整体に行けば変形が戻る」という期待をそのままにしておくと、患者さんにも施術者にとっても不誠実な関係になります。
では整体で何ができるのか。
股関節を取り巻く筋肉・靭帯・骨盤・腰まわりの緊張をゆるめることができます。体全体の重心バランスを整えることで、股関節にかかる圧力を分散させやすい状態にするサポートができます。自律神経が働きやすい体の土台をつくることで、慢性痛の悪循環を少し和らげやすくするアプローチができます。東洋医学の視点から体全体の気と血の流れを整えるアプローチは、局所のケアでは届かないところに働きかける方法のひとつです。
整体は「体がよりよく機能するための環境づくり」をする場所です。薬でも手術でもない、第三の選択肢として、医療機関の治療と並走して活用できます。
ただし、強い炎症がある急性期・歩けないほどの激痛があるとき・発熱や腫れを伴うとき・転倒などで急激に状態が変化したときは、まず整形外科で診てもらうことを優先してください。整体は、医療機関での診断を受けた後に活用することが大切です。
また、変形の進行度が高く、日常生活に大きな支障が出ている場合は、手術が最善の選択肢になることもあります。その判断は整形外科医と丁寧に話し合ってください。整体師が「手術しなくても大丈夫ですよ」と断言するのは、医療行為の範囲を超えています。
福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと
福岡市で変形性股関節症に対応した整体院を探すとき、いくつか確認しておくべき視点があります。
まず、問診をしっかり取るかどうかです。股関節の痛みは、発症時期・進行度・日常生活への影響・他の持病・薬の有無・過去の施術歴によって、施術のアプローチが大きく変わります。初回に十分な問診時間を取らず、すぐにベッドに寝かされるような院は、個別の状態に合わせた対応が難しいことがあります。
次に、「なぜ今の症状が出ているのか」を丁寧に説明してくれるかどうかです。体に何が起きているのかを分かりやすく伝えられる整体師は、見立ての力があります。「とりあえず緩めておきます」だけでは、根本的なアプローチになりにくいです。
また、手術を勧める場面・整形外科への受診が必要な場面を、きちんと伝えてくれる院かどうかも重要な判断基準です。整体院で状態が改善したとしても、定期的な経過観察のために整形外科への受診を続けることは大切です。整体師と医師の役割は異なり、それぞれが必要です。
さらに、体全体を診るアプローチかどうかを確認してください。股関節だけをほぐすのではなく、骨盤・腰・足首・全身の姿勢と連動させて診る院のほうが、長期的に見て変化が出やすいことが多いです。変形性股関節症は「股関節の病気」ですが、体全体の問題でもあります。
常若整骨院の考え方
常若整骨院では、変形性股関節症に対して「体全体のエネルギーの流れを整えることが先」という考え方で施術を行っています。
股関節の変形は「結果」です。その手前には、長年にわたる姿勢の癖・緊張の積み重ね・生活習慣・自律神経の疲弊があります。結果に直接手を加えるだけでなく、その手前にある流れを整えることが、体が回復しやすい状態へ向かう道だと考えています。
施術の流れとしては、まず丁寧なカウンセリングから始めます。股関節の痛みの経緯はもちろん、生活習慣・考え方の癖・ストレスの状況・日常での動き方なども含めて、体の全体像を把握します。カウンセリングで深く話を聞くほど、施術の精度が上がります。「なぜこの人にこの症状が出ているのか」の見立てが、施術の質を決めるからです。
次に、体の可動域・重心・緊張の場所を確認します。股関節だけでなく、腰・骨盤の傾き・肩の高さ・歩き方・呼吸のパターンなども含めて観察します。
施術は、気功をベースにした体全体へのアプローチです。強く押したり、無理に動かしたりするのではなく、体が本来持っている回復力が働きやすい状態をつくります。施術後に「体が温かくなった」「呼吸が深くなった」「腰の重さが減った」と感じる方が多くいます。
施術と並行して、セルフケアの指導も行っています。週に一度の施術より、毎日の生活習慣の積み重ねのほうが、長期的には影響が大きいからです。「早く来なくていい状態をつくること」が、施術の最終的なゴールです。
東洋医学から見た変形性股関節症
東洋医学の視点では、変形性股関節症には腎・肝・脾の3つの臓の働きが深く関わっています。
「腎」とは、東洋医学における生命力の貯金のような役割を持つ臓の働きです。腎は骨を主るといわれ、骨・関節・歯の丈夫さを根本で支えています。関節軟骨の摩耗が進みやすい年代(特に40代以降)は、この腎の働きが落ちてくる時期と重なります。腎の働きが低下した状態を腎虚と呼びます。腎虚になると、骨や関節を内側から支える力が弱まり、変形が進みやすくなると考えます。また腎は、冬の冷えや長年の疲労・精神的な消耗によっても弱りやすい性質があります。
「肝」とは、東洋医学において筋肉・靭帯・腱への血の供給を担う臓の働きです。肝は筋を主るといわれ、関節周囲の軟部組織が柔軟に動くために必要な血液を届ける役割があります。肝の血が不足した状態(肝血虚)では、筋肉・靭帯が栄養不足になり、硬くなりやすくなります。股関節周囲の筋肉がいつも張りやすい方・夜に足がつりやすい方・爪が割れやすい方は、肝血虚の傾向があることがあります。また、ストレスや感情の抑圧が続くと肝の気の流れが滞り(肝気鬱滞)、気血の巡りが悪くなって関節の回復が遅れる原因になります。
「脾」とは、東洋医学において消化吸収と水分代謝を担う臓の働きです。脾の働きが落ちると、余分な水分が体内に滞り(水毒・湿邪)、関節内に水が溜まりやすくなります。これが関節の重さ・朝のこわばり感・むくみにつながります。また、脾は摂取した食べ物から全身へ栄養を届ける力も持っているため、脾の働きが弱いと体の修復に必要な栄養が届きにくくなります。甘いものや冷たい飲食が多い方は、脾を傷めやすい傾向があります。
この3つの臓の視点から変形性股関節症を診ると、「骨の衰え(腎虚)」が中心なのか、「筋肉・靭帯への血の不足(肝血虚)」が中心なのか、「水分代謝の乱れ(脾虚・水毒)」が中心なのかによってアプローチが変わります。体全体を診て、その人に合ったケアの方向性を見立てることが、東洋医学的なアプローチの本質です。
ツボという観点でも、いくつかご紹介します。
太渓(たいけい)は、内くるぶしの頂点とアキレス腱の間のくぼみにあります。腎の経絡に属するツボで、腎の働きを整えるときに使われます。冷えやすい方・疲れが抜けにくい方に特に意識したいポイントです。
三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本分ほど上、すねの骨の後ろぎわにあります。肝・脾・腎の3つの経絡が交わる場所で、血の巡りと水分代謝を整えるとともに、疲労の回復を助けるとされます。
環跳(かんちょう)は、お尻の外側にあります。大転子(股関節の外側で触れる骨の出っ張り部分)とお尻の割れ目(仙骨の端)を結んだ線の、外側から3分の1あたりのくぼみです。股関節周囲の気の流れを整えるツボで、坐骨神経の走行にも近い場所です。
これらのツボを優しく押さえる・お湯で温める・温かいタオルを当てるだけでも、血の巡りを整える助けになります。ただし、炎症が強いときや、腫れ・熱感がある部位に直接刺激を加えるのは避けてください。
自律神経と変形性股関節症の関係
自律神経とは、体のアクセルとブレーキのような働きをする神経系です。活動・緊張時に働く交感神経(アクセル)と、休息・回復時に働く副交感神経(ブレーキ)のバランスが、体の状態を大きく左右します。
慢性的な股関節の痛みがある状態では、体は常に「警戒状態」を続けています。痛みは脳にとって危険のサインであり、そのサインが出続けることは、交感神経を優位にし続けることを意味します。交感神経が長期間優位になると、血管は収縮し、筋肉への血流が落ちます。血流が落ちると、関節周囲の組織への栄養供給と老廃物の排出が滞り、炎症が長引きやすくなります。これが痛みをさらに悪化させます。
痛みが自律神経を乱し、自律神経の乱れが痛みを悪化させる。この悪循環を知らないと、局所のケアだけでは変わりにくい理由が見えてきません。
夏のエアコン生活は、この悪循環をさらに加速させます。屋外の高温と屋内の冷えを繰り返すことで、体温調節の仕組みに継続的な負荷がかかります。自律神経は体温調節の中心的な役割を担っているため、この負荷が毎日続くと自律神経が慢性的に疲弊します。自律神経が疲弊した状態では、股関節周囲の血流が落ちやすく、筋肉が固まりやすく、痛みが出やすい体の状態になります。
また、慢性痛を持つ方は睡眠の質が落ちることが多いです。夜間に痛みがあって眠れない、または眠りが浅くて何度も目が覚めるという状態が続くと、副交感神経が働く時間が確保できず、体の回復が進みません。睡眠の問題と慢性痛は互いに影響し合っています。
整体を通じて体全体の緊張をゆるめることは、副交感神経を働かせるきっかけになります。施術後に「ほわっと温かくなった」「眠くなった」「深く呼吸できるようになった」と感じるのは、副交感神経が優位になっているサインです。この状態が、体の回復を後押しします。
実際に多いケース
現場でよく見る変形性股関節症の相談パターンをお伝えします。
一番多いのは、「長年の股関節の違和感をだましだまし過ごしていたが、ある時期から急に痛みが強くなった」というケースです。変形自体はゆっくり進みますが、あるきっかけで痛みが急増することがあります。転居・仕事の変化・家族の問題・精神的なストレスなど、自律神経に大きな負荷がかかった後に起きやすい傾向があります。「特に転んだわけでもないのに急に悪化した」という方は、このパターンであることが多いです。
二番目に多いのは、「整形外科でリハビリを続けているが、あまり変化を感じられない」というケースです。運動療法は変形性股関節症に有効なアプローチですが、体全体の緊張が強い状態では、筋力がついても痛みが残ることがあります。体全体の緊張をゆるめるアプローチと組み合わせることで、「動くのが怖くなくなった」「同じ動きでも楽になった」と変化を感じる方がいます。
三番目は、「手術を勧められたが、もう少し他の選択肢を試してから決めたい」というケースです。変形の程度と日常の痛みは、必ずしも比例しません。手術の判断は整形外科医とよく相談することが前提ですが、手術前に体全体の緊張と回復力を整えておくことで、術後の回復がスムーズになることがあります。
四番目は、「股関節だけでなく、腰・膝・足首・肩も同時に痛む」というケースです。股関節に問題があると、体は無意識にかばう動きをします。その代償として、腰・膝・反対側の股関節などに余分な負担がかかります。この場合、股関節だけを診るのではなく、体全体の重心と緊張のパターンから整えていく必要があります。
3人の事例
ここでご紹介するのは、常若整骨院に相談に来られた方の中から3つのケースをまとめたものです。個人が特定されないよう、年齢・詳細は変更しています。また、効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
仕事のストレスが重なって悪化したケース
50代の女性。若いころから股関節の違和感があり、整形外科で変形性股関節症の初期〜中期と診断されていました。それまでは「多少痛いが歩けるから大丈夫」とやり過ごしていたところ、仕事の繁忙期が続いた時期から急に痛みが強くなりました。座っているだけでも股関節の奥がうずき、階段の上り下りが怖くて手すりを探すようになっていました。
カウンセリングで話を聞いていくと、仕事だけでなく家族の問題も同時期に重なり、ずっと気が張った状態が続いていたことがわかりました。「体が休めていない」という感覚を、ご本人はずっと抱えていたとおっしゃいました。
施術では、腰・骨盤・股関節周囲の深部の緊張をゆるめることと、自律神経が落ち着きやすい体の状態をつくることに重点を置きました。数回の施術とセルフケアを続けた後、「階段が少し怖くなくなった」「夜に股関節がうずく感覚が減ってきた」と変化を感じはじめました。「股関節の痛みがストレスとこれほど関係しているとは考えていなかった」という言葉が印象に残っています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
育児と家事の負担が積み重なったケース
40代の女性。3人の子どもを育てながら、家事のほとんどを一人でこなしていました。産後から股関節の違和感が続いていましたが、育児が忙しく「自分のことは後回し」という状態で受診できないまま数年が経過。痛みが無視できなくなってから整形外科を受診し、変形性股関節症の初期と診断されました。
体が常に動き続け、休む時間がない生活の中で、股関節への負担が積み重なっていました。施術では、骨盤まわりの深い疲弊と緊張をゆるめることを中心に進めました。セルフケアとして、就寝前に10分間だけ仰向けで腸腰筋をゆっくりゆるめる時間を持つよう提案しました。
数週間後、「寝るときの股関節の痛みが落ち着いてきた」「朝の動き出しが少し楽になった」という変化が出てきたとのことでした。「自分の体に時間をかけること自体が、長い間できていなかったと気づいた」という言葉が印象に残っています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
どこに行っても変わらなかったケース
60代の女性。20年以上前から股関節に痛みがあり、整形外科・整体・鍼灸・マッサージ・漢方・民間療法など、様々な方法を試してきました。しかし長続きする変化が得られず、「もう諦めかけていた」という状態で来院されました。
お話を聞く中で、「長年ずっと気を張って生きてきた」という感覚をご本人がお持ちで、「力を抜くという感覚が、体感レベルでわかっていない」ことがわかりました。施術では気功のアプローチで体全体のエネルギーの流れを整えることに集中しました。
初回の施術後、「体が温かくなった」「これほど力が抜けた感覚は初めて」と驚かれました。継続していく中で、「股関節の痛みが完全になくなったわけではないが、怖くなくなった」「歩くことへの不安が減った」「夜に眠りやすくなった」という変化が生まれました。「痛みと戦うのをやめたら、なぜか楽になった気がする」という言葉が印象的でした。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。
自宅でできるセルフケア
変形性股関節症の方が自宅でできるケアを、現実的なものに絞ってお伝えします。
股関節を冷やさないことが最初の基本です。夏はエアコンで室内が思いのほか冷えており、股関節周囲の筋肉が固まりやすい状態が続きます。薄手のひざ掛けを腰・股関節に当てる、室温設定を26〜28度にするなど、冷やしすぎない工夫をしてください。
腸腰筋(股関節の奥にある深部の筋肉)を毎日ゆっくりゆるめる習慣を持つことも助けになります。仰向けに寝て片方の膝を胸に引き寄せ、反対側の股関節前面が伸びる感覚を10〜20秒ほど保ちます。無理に引っ張らず、「気持ちよい」と感じる範囲で行います。炎症が強いときや、引き寄せること自体が痛いときは行わないでください。
椅子に座る生活を基本にしましょう。正座・あぐら・床への直座りは、股関節に余分な負担をかけます。椅子に座り、足の裏が床につく高さで使うことで、股関節への圧力を分散できます。
深呼吸を一日3回、意識的に行います。吸って4秒、吐いて8秒を目安に、ゆっくり吐くことに集中します。呼吸は自律神経に直接働きかける、最もシンプルで誰でもできる方法です。
歩く量は急に増やさず、「少し物足りないかな」くらいの量を毎日続けることが基本です。翌日に痛みが強くなるような量・強度は控えてください。動かなさすぎも固まる原因になります。
夜は早めに布団に入ることも、回復力を保つために大切です。睡眠は、体の修復が進む時間です。慢性痛を抱えている方ほど、睡眠の質と量を意識的に確保することが必要です。
医療機関との連携について
変形性股関節症は、整体だけで完結させるべき症状ではありません。整形外科での定期的な診察と、整体でのサポートを組み合わせることが、体に対して誠実な選択です。
次のような状態では、まず整形外科を受診することを優先してください。強い痛みで歩けなくなった場合、股関節に熱感・腫れ・赤みがある場合、夜間に安静にしていても痛みが続く場合、脚の長さが左右で大きく変わってきた場合、転倒・外傷後に急激に状態が変化した場合です。これらはレッドフラグ(緊急性が高いサイン)であり、整体より先に医療機関の判断が必要です。
また、変形が進行している場合は、整形外科でのX線検査による定期的な経過観察を続けることが必要です。変形の現状を把握しないまま施術を進めることは、適切なアプローチを妨げます。
常若整骨院では、整形外科での診断と経過観察を前提として、その上で体全体の状態を整えるサポートをしています。薬や手術の判断は医師に、体全体の緊張・自律神経・生活習慣の整え方のサポートは整体に、という役割分担で、並走していただくことが最も体にとって有益です。
FAQ・よくある質問
Q1. 変形性股関節症は整体で改善しますか?
関節の変形そのものが戻るわけではありませんが、体全体の緊張をゆるめ、血の巡りを整えることで、日常の痛みが落ち着いてくる方がいます。「歩くのが怖くなくなった」「夜に眠りやすくなった」という変化を感じる方がいます。効果には個人差があり、保証はできません。
Q2. 変形性股関節症にストレスは関係しますか?
関係します。慢性的なストレスは自律神経を乱し、血管収縮・筋肉の緊張増加・炎症の長期化につながります。精神的なストレスが大きい時期に痛みが強くなる方は、体全体のケアと並行して、精神的な負荷を下げる工夫も重要です。
Q3. 夏に股関節の痛みが悪化するのはなぜですか?
エアコンによる冷えで股関節周囲の筋肉と血管が収縮すること、活動量の低下で筋肉が固まること、暑さと冷えの繰り返しで自律神経が疲弊することが重なるためです。夏でも「冷え」は股関節の大敵です。室温管理と股関節の保温が助けになります。
Q4. 整形外科でのリハビリと整体は同時に受けられますか?
受けられます。整形外科での運動療法と、整体での体全体のアプローチは役割が異なります。かかりつけの整形外科医に整体に通っていることを伝えておくと、経過を共有しやすくなります。
Q5. 初期・中期・末期で整体のアプローチは変わりますか?
変わります。炎症が強い時期には体全体の緊張をゆるめて血流を整えることを中心にします。末期で手術を検討している段階では、手術後の回復を見据えた体の状態づくりという位置づけになります。進行度によって最適なアプローチが異なるため、現在の状態を整形外科で確認してから来院いただくことが望ましいです。
Q6. 変形性股関節症の手術は避けられますか?
変形の程度・日常生活への影響・年齢・全身状態によって異なります。整体で日常の痛みを落ち着かせながら生活の質を保てている方もいれば、手術が最善の選択肢になる方もいます。その判断は整形外科医と丁寧に話し合ってください。整体師が「手術は必要ない」と断言することはしません。
Q7. 体重が増えると股関節への負担は増えますか?
増えます。歩行時は体重の3倍前後、階段では6〜7倍前後の負荷が股関節にかかるとされています。体重を1〜2kg減らすだけでも、股関節への負担が数キロ単位で変わります。体重管理は、現実的に効果的なアプローチのひとつです。
Q8. 痛みがないときは運動してよいですか?
一般的には、痛みが落ち着いているときに軽い運動(プール歩行・平地ウォーキング・自転車など)を行うことは推奨されています。ただし、翌日に痛みが強くなるような量・強度は避けてください。「少し物足りないかな」くらいが適量の目安です。
Q9. 変形性股関節症に良い食事はありますか?
特定の食事で変形が改善されるわけではありませんが、体の炎症を長引かせないという観点で、甘いもの・精製された炭水化物・冷たい飲食の過剰摂取を控えることが助けになることがあります。骨と関節を支える栄養として、カルシウム・ビタミンD・良質なたんぱく質を意識することも大切です。極端な食事制限より、バランスよく食べることが基本です。
Q10. 東洋医学の視点では、変形性股関節症はどう見ますか?
腎(骨・関節を支える力)・肝(筋肉・靭帯への血の供給)・脾(水分代謝と栄養の運搬)の3つの臓の働きが関わっていると考えます。骨の衰えが中心か、筋肉の硬さが中心か、水分代謝の乱れが中心かによって、アプローチの方向が変わります。体全体を診て、その方に合った見立てから施術を始めます。
Q11. 変形性股関節症は遺伝しますか?
家族歴がある場合はリスクが上がるとされています。ただし、遺伝だけで決まるわけではなく、生活習慣・体重・姿勢・活動量など、変えられる要因も大きく関与します。
Q12. 妊娠・出産後に股関節の痛みが出ました。変形性股関節症ですか?
産後の股関節の痛みは、骨盤のゆるみや産後の姿勢変化が原因であることも多く、変形性股関節症とは別の問題であることもあります。自己判断はせず、まず整形外科で診断を受け、原因を確認することをお勧めします。
まとめ
福岡市で変形性股関節症に悩んでいる方へ。
股関節の変形は構造上の変化であり、整体でその変形を元に戻すことはできません。しかし、変形があっても、日常の痛みが落ち着き、歩くことへの不安が減り、生活の中でできることが増えていく可能性はあります。
そのために大切なのは、股関節だけを診るのではなく、体全体の緊張・自律神経の状態・生活習慣のパターンを含めて整えていくことです。慢性痛の背景には、長年積み重なった体の緊張とエネルギーの滞りがあります。その流れを整えることが、体が回復しやすい状態に向かう起点になります。
「手術を勧められたが、まず自分でできることをやってから決めたい」「どこに行っても変わらなかったが、諦めたくない」「病院では進行を止める方法はないと言われた」という方は、一度ご相談ください。
整体は「すべてを変える場所」ではありません。しかし、体全体の緊張をゆるめ、回復しやすい土台をつくるサポートをする場所として、医療機関と並走しながら活用していただけます。一人で抱え込まず、まずは体の緊張をゆるめることから始めてみてください。
院長プロフィール
冨高誠治(とみたか・せいじ)。福岡市・常若整骨院院長。整体師・気功師として施術歴20年、延べ25,000名を施術。整体・東洋医学・気功を組み合わせ、慢性の痛み・自律神経の乱れ・体の深い疲弊に悩む方への施術を専門とする。「体の不調は結果であり、その手前にあるエネルギーの流れを整えることが回復の起点」という考えのもと、カウンセリングから施術・セルフケア指導まで一貫して行っている。整体師向けの教育活動も行い、「頼れる先生を全国に増やす」ことを理念としている。











