モートン病が繰り返す本当の理由|インソールで変わらない足趾痛と東洋医学・自律神経の視点|福岡市・常若整骨院

結論から言うと、インソールや靴を換えても足の指の付け根の痛みやしびれが繰り返す場合、その多くは足の局所だけでなく、全身の血液と気(エネルギー)の巡りが滞っている状態が背景にあります。

モートン病は、足の指の付け根にある神経が繰り返し圧迫されて起きる慢性的な足趾痛です。第3指と第4指の間に焼けるような痛み、しびれ、ビリビリした感覚が出るのが典型で、特に女性や立ち仕事の多い方に多く見られます。整形外科でインソールを処方されたり、靴を変えたりするところから多くの方が始めます。それでも「しばらくすると戻る」「仕事を続けていると必ず出る」「何年も同じ繰り返しだ」という相談が、当院にも絶えません。

この記事は、次の3点を中心にお伝えします。一つは、なぜモートン病が繰り返すのか、足の内側で起きていることの理由です。二つ目は、整体でできることとできないことを正直にお伝えします。三つ目は、東洋医学の視点で足趾の神経痛をどう読み解くか、です。インソール歴が長い方、手術を勧められたが踏み切れていない方、どこに行っても変わらないと感じている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

なぜモートン病は長引くのか

なぜモートン病が長引くかというと、足の局所だけでなく、体全体の血流と筋緊張のバランスが崩れているケースが多くあります。

足の指の付け根に走る神経(総趾神経)が、足趾の骨(中足骨)と横中足靱帯の間で圧迫され続けることで、神経が肥厚し炎症を起こすというのがモートン病の基本的なメカニズムです。先端の細い靴・ヒールの高い靴・立ち仕事での繰り返しの衝撃が、神経への慢性的な刺激として積み重なります。

ここまでは多くの医療機関でも説明されます。問題は「なぜインソールで一時的に楽になっても、またすぐに戻るのか」です。

圧迫を減らすことと、圧迫に耐えられる体にすることは、別の話です。インソールは圧力を分散する道具として機能しますが、それを使う体の「状態」は変わりません。血流が乏しい体、末梢の組織が慢性的に栄養を受けられていない体では、神経の周囲の軟部組織が固くなっています。腱・靱帯・神経鞘が弾力を失った状態では、少しの圧迫でも痛みやしびれが出やすくなります。

逆に言えば、同じ靴・同じ歩行量でも、体全体の巡りがよい状態では神経への刺激への対応力が違います。圧迫されても、組織が回復する余力があるのです。

自律神経の緊張も見落とせない要因です。自律神経とは、体のアクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)のようなシステムです。アクセルが長期間踏まれた状態、つまり交感神経が過剰に働き続けると、末梢の血管が収縮します。足先・指先への血流が細くなります。

立ち仕事が長い・睡眠が十分に取れない・仕事と家事の両立で休む間がない、といった生活が続くと、体は知らないうちに戦闘モードを保ち続けます。その結果、足趾の組織は慢性的な血流不足になり、神経がわずかな刺激にも敏感に反応するようになります。「我慢できる程度の痛み」が何年も続くのは、この状態の表れです。

もう一つ、夏特有の問題があります。エアコンの冷えが加わることで、夏でも足趾の血流が著しく低下します。室内外の温度差が大きくなると、体は体温を保つために末梢の血管をさらに締めます。販売員や保育士・看護師のように冷房の効いた室内で長時間立ち続ける職種では、夏こそ足元の血流が悪くなりやすいです。「夏なのになぜか痛みが増している」という相談はその典型です。

さらに付け加えると、足の親指の外反(外反母趾)・扁平足・ハイアーチなど、足のアーチ構造の変化がある場合は、特定の指の付け根に荷重が集中しやすくなります。これは足の問題ですが、骨盤・股関節・腰の歪みが連動しているケースも多く、足だけを見ていると見落とします。骨盤の傾き一つで、体重のかかり方が数センチ単位でずれることがあります。

モートン病と整体の関係

モートン病に整体ができることは、体全体の緊張を緩め、気血の巡りを促し、足に過度な負担をかけている全身の歪みに働きかけることです。神経そのものを直接「治す」ことは整体ではできません。その点を最初に正直にお伝えします。

整形外科では、インソール・ステロイド注射・手術といった対処が主になります。これらは圧力を直接取り除く・神経の炎症を抑えるアプローチで、症状の程度によっては必要です。一方で、「圧迫されやすい体の状態」を整えるアプローチは、整体の守備範囲です。

骨盤・腰椎・股関節・膝・足首の連なりを評価し、どこかに歪みがあると足の着き方が変わり、特定の指の付け根への荷重が増します。この歪みを緩めると、中足骨への圧力分散が改善します。ふくらはぎ・足首周りの筋緊張を丁寧にゆるめることで、足趾への血流が戻りやすくなります。

また、カウンセリングでは生活習慣も確認します。立ち仕事後にどうケアしているか、睡眠の質、食事の内容、日常のストレスの状況。これらは全て足の末梢循環に影響します。

整体での変化は、足趾の神経への直接処置ではなく、「体全体の環境を整えることで、神経が回復しやすい状態に近づける」というイメージです。「施術の後、足が温かくなった」「軽くなった気がする」という感覚は、血流が戻りはじめたサインです。

インソールを使うこと自体は否定しません。ただし、インソールを使いながら体全体の緊張が高い状態のままであれば、土台は変わらないまま表面だけを整えることになります。インソールと全身のケアを組み合わせることで、変化が出やすくなります。

福岡市で整体を探す人が知っておくべきこと

整体院を選ぶとき、モートン病で確認してほしいポイントが三つあります。

一つ目は、足だけを診るのか、全身を診るのかです。神経圧迫の直接原因は足にあります。ただし繰り返す原因は全身にあるケースがほとんどです。骨盤・腰・股関節・膝の連動を見ずに、足だけを処置する院では根本的な変化につながりにくいことがあります。カウンセリングで「どんな仕事をしているか」「普段どんな靴を履いているか」「体のほかの部分に不調はあるか」を確認してくれる院を選んでください。

二つ目は、施術内容の説明がわかりやすいかどうかです。何をどういう理由でやるのかを説明してくれる院は、見立てに根拠があります。「とりあえずほぐします」だけではなく、「ここの筋緊張を緩めることで足への荷重分散が変わります」といった説明ができる院の方が、その方固有の原因を踏まえた施術になっています。

三つ目は、セルフケアを教えてくれるかどうかです。整体院での施術は週1時間あるかないかです。残りの167時間の生活で何をするかが、変化を左右します。毎日の生活の中でできること・気をつけることを具体的に教えてくれる院を選んでください。

また、整形外科との並行受診を歓迎する院を選ぶことも大切です。モートン病は、神経の肥厚が進んでいる場合・長期間変化がない場合・痛みが強くて日常生活に支障が出ている場合は、注射や手術が有効な選択肢になります。整体と医療を対立させず、それぞれの役割を補い合える関係が、患者さんにとって最もよい環境です。

常若整骨院の考え方

当院が大切にしているのは、体の緊張をゆるめることが回復の入り口になるという考え方です。

モートン病の方が来院されるとき、多くの場合「足だけが問題」ではありません。長い時間をかけて、仕事・育児・生活の負担が積み重なった結果として、足の症状が表に出ているケースが多いです。

初回のカウンセリングでは、いつから、どんな状況で悪化したかを時間をかけて確認します。足の話だけでなく、仕事の内容・睡眠の状態・食事のこと・気になっていることも、必要であれば聞かせていただきます。施術は、骨格の歪みを整えることと体全体の筋緊張を緩めることを組み合わせて行います。気功を取り入れたエネルギーの巡りを整えるアプローチも組み合わせています。

セルフケアは必ず最後にお伝えします。施術で変化した体の状態を、自宅でも保ちやすくするための日常の工夫です。院での施術は変化の「きっかけ」であり、毎日の生活の中で体を整え続けることが本当の変化につながります。

当院が目指すのは、患者さんが早く「卒業」できることです。依存してもらうより、自分で体の舵取りができる状態になってもらうことを最終的なゴールにしています。施術と生活習慣の両方を丁寧に見ていく院です。

東洋医学から見たモートン病

東洋医学では、モートン病の慢性化や繰り返しに、脾虚・腎虚・肝血虚という三つの臓の働きの低下が関係していると考えます。一つひとつ説明します。

脾(ひ)とは、消化・吸収・水分代謝を司る働きのことです。現代医学の脾臓とは異なり、胃腸全体の機能に近い概念です。脾が弱ると、体の中で水がうまく流れずに停滞し、むくみや水毒(すいどく)が生じます。水毒とは、体に余分な水分が滞った状態です。

足のむくみが強い状態では、中足骨の間にある組織がふくらみ、神経への圧迫が高まります。さらに、脾は四肢(手足)に栄養を届ける役割も持っており、脾が弱ると足先の組織の回復が遅くなります。脾虚の方に多い傾向として、疲れやすい・消化が弱い・食後に眠くなる・冷たいものをよく食べる・足がよくむくむ、といった特徴があります。

腎(じん)とは、体の根本的な回復力の貯金のような働きです。骨・関節・腱・軟骨に栄養を届ける源でもあります。腎の働きが低下すると、組織が乾燥・硬化しやすくなり、中足骨周辺の靱帯や腱が弾力を失います。その結果、神経の周囲のクッションとなる組織が薄くなり、圧迫への耐性が落ちます。

腎虚は、40代以降の方・更年期を迎えた方・長年の過労が続いている方に多く見られます。東洋医学では「腰は腎の府」と言い、腰への疲労の蓄積と足の不調が連動することもあります。更年期の時期にモートン病が初めて現れたり、急に悪化したりする方には、腎虚の関与を考えることがあります。

肝(かん)とは、血を蓄え、体の筋・腱・末梢神経に血を届ける働きです。肝が蓄える血が不足する状態(肝血虚)になると、神経や腱が十分な栄養を受けられなくなります。足の指先のビリビリした感覚、夜に痛みが増す傾向、目が疲れやすい、爪が薄く割れやすい、といった特徴は肝血虚のサインとして見立てることがあります。特に夜間の痛みやしびれが強い方は、この肝血虚の要素が関係していることが少なくありません。

三つの臓の働きが合わさると、むくんで組織が圧迫されやすい環境の中で(脾虚)、組織そのものが弱って回復しにくい状態があり(腎虚)、神経に血が届かない(肝血虚)という、足趾の神経が最も傷みやすい条件が出来上がります。インソールで圧力を分散しても変わらない状態の一つの理由が、ここにあります。

東洋医学のアプローチでは、この三つの臓の状態を見ながら施術の方向を決めます。同じ「モートン病」でも、脾虚が主体の方と腎虚が主体の方では、施術のポイントが変わります。

ツボとしては、次の三点がよく用いられます。

三陰交(さんいんこう)は、内くるぶしの頂点から指4本ぶん上、すねの骨の後ろぎわにあります。脾・肝・腎の三つの経絡が交わる重要なツボで、冷えやむくみ、血の巡りを整えるのに活用されます。押すと少しじんわりした感覚があれば、場所が合っています。一日数回、温かいお風呂の中や入浴後に押すのが取り入れやすいです。

公孫(こうそん)は、足の内側、親指の付け根の骨(第一中足骨)の後ろ端から少し後ろ、土踏まずが始まる手前のくぼみにあります。脾の経絡(脾経)の络穴で、消化機能と水代謝を整えるとされています。足のむくみや消化の弱さがある方によく使われます。

湧泉(ゆうせん)は、足裏の前の1/3あたり、足の指をぐっと曲げたときに最もくぼむ点です。腎の経絡が始まるツボで、体の深部を温め、根本のエネルギーを補うとされています。足浴のときに、タオルをかけてこのツボを刺激すると、全身がじんわり温まりやすくなります。

これらのツボへの刺激は、症状の消失を保証するものではありません。体の環境を整えていくための日常的な取り組みとして、医療機関での治療と並行して続けることに意味があります。

自律神経とモートン病の関係

自律神経とは、心臓・血管・消化器など全身の臓器を、無意識のうちに調整している神経のシステムです。アクセル(交感神経)とブレーキ(副交感神経)が交互に働くことで、体のバランスが保たれています。

モートン病が長引いている方に共通しているのが、交感神経が過剰に働き続けている状態です。長時間の立ち仕事・家事と仕事の二重の負担・睡眠不足・スマートフォンを手放せない日常。これらは全て、体のアクセルを踏み続ける要因です。

アクセルが踏みっぱなしの体では、末梢の血管が締まります。その結果、足先・足の指先への血流が細くなります。神経は血流によって栄養される組織です。血流が乏しい末梢神経は、わずかな刺激にも敏感に反応します。「少し歩いただけでビリビリが出る」「歩き始めの一歩が特に痛い」「立ち仕事の終盤になると急に出る」という状態は、血流が足りていない神経のサインと見ることができます。

ブレーキ(副交感神経)が優位になると、末梢の血管が開いて足先まで血流が届きやすくなります。施術の後や、深く息を吐いた直後に「足が温かくなった」「体がじんわりする」という感覚があれば、副交感神経が優位になったサインです。

特に注意が必要なのが、「仕事中は我慢できているのに、帰宅してから急に痛くなる」というパターンです。仕事中はアドレナリンで体が緊張を保っています。仕事が終わって気が緩んだ瞬間に、急に血流が変化して痛みが出ることがあります。これは東洋医学の観点では肝気(体のエネルギーの流れ)が急に変化する状態と重なります。

整体でできることの一つは、体全体の緊張を緩めてブレーキを呼び起こすことです。足趾の直接ケアと並行して、体がほっとゆるむ状態を作ることが、神経の回復を助ける土台になります。施術後に眠くなる・深い呼吸が出る、という方は、ブレーキが戻ってきたサインです。

実際に多いケース

当院でモートン病の相談として多いのは、次のような方々です。

立ち仕事が長い職種の方は、数の上でも多くいます。販売員・保育士・看護師・調理師・飲食業など、一日中立って動き続ける方は、足の指への累積した負担が大きくなりやすいです。特に硬いフロアの上・薄底の靴での長時間立位が続く場合、中足骨への繰り返しの衝撃が蓄積します。仕事を休めないため、痛みを我慢しながら動き続けるうちに慢性化するケースが多いです。

40代以降の女性で、更年期の時期と重なった方もよく来られます。エストロゲンの低下にともない、骨・関節・腱の質が変化する時期です。以前は何年も同じ靴を履いても何もなかったのに、急に足趾が痛くなり始めた、という相談は珍しくありません。東洋医学では腎の働きの低下(腎虚)がこの変化に関係していると見ます。

長年インソールを使い続けているが、なかなか変化のない方もいます。インソールは道具として有効ですが、全身の緊張や冷えがある状態ではその恩恵が限定的になることがあります。「何年も続けているのに、繁忙期になると必ず出る」という場合、体全体のアプローチを加えるタイミングかもしれません。

整形外科で手術を勧められたが、仕事や育児の都合でなかなか踏み切れない方もいます。手術は有効な選択肢の一つです。ただし、全身麻酔・入院・回復期間が必要になる場合もあり、タイミングを選ぶ方もいます。今の状態を少しでも楽にしておくためのケアとして整体を選ぶ、という方には、施術と日常ケアの組み合わせを提案しています。

3人の事例

効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。ここで紹介するのはあくまで一例です。

一人目は、40代前半の女性・量販店の販売員の方です。3年以上、第3・4指の間に焼けるような痛みがあり、整形外科でインソールを処方されていました。繁忙期になると必ず戻るというパターンを繰り返していました。当院のカウンセリングで話を整理してみると、仕事のストレスが高まる1〜2週前から症状が出始めているという流れが浮かんできました。ご本人は「足が痛い」とだけ感じていて、ストレスとの関係を自覚していなかったのです。施術では、足だけでなく腰・骨盤・ふくらはぎの緊張を丁寧に緩めることに重点を置きました。並行して、帰宅後の足浴と腹部保温を毎日続けていただくようにお伝えしました。数ヶ月が経つ頃には、繁忙期に入っても以前ほど痛みが強くならなくなってきた、とのことでした。体が楽になり、立ち続ける時間が少し延びても大丈夫になってきた、と話されていました。

二人目は、50代の女性・二人のお子さんを育てながらパート勤務をされている方です。子育てと仕事でほとんど休む時間がなく、足のしびれを数年間放置していました。「我慢できないほどではないから」と後回しにしてきたのですが、下のお子さんの入学を機にやっと来院されました。体全体の疲労がかなり蓄積しており、自律神経の緊張が強い状態でした。足だけでなく、首・肩・背中の緊張を先に緩めることから始め、セルフケアとして寝る前の腹部保温と足首の円回しを続けていただきました。少しずつですが、朝起きたときの足のビリビリ感が和らいできた、睡眠の質が上がった気がする、とおっしゃっていました。体が楽になり、子育てでの動き回りが少し苦ではなくなってきた、との言葉が印象に残っています。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

三人目は、60代の女性・整形外科・整体・接骨院をいくつも転々とされてきた方です。「もうどこに行っても変わらない」という言葉とともに来院されました。東洋医学的な見立てとして、長年の疲労蓄積による腎虚と肝血虚が強く、足趾だけでなく体全体の回復力が落ちている状態と見ました。一度の施術で変化するというより、継続的なケアが必要であることを最初に率直にお伝えしました。足の痛みが「なぜ出ているか」の説明が、ご本人にとってまず大きな変化だったとのことです。半年以上継続してこられた中で、「まだ完全ではないけれど、以前の5割くらいになってきた感じがする」とのことでした。毎日の生活の中でできることが少し増えた、外出が怖くなくなってきた、と話してくださいました。効果には個人差があり、回復を保証するものではありません。

自宅でできるセルフケア

症状が強い場合は、まず医療機関を受診してください。以下は、体の環境を整えるための日常的な取り組みです。

足趾を動かす習慣をつける。靴を脱いで、足の指を一本ずつゆっくり動かします。特に薬指(第4指)と小指は、靴の中でほとんど動かされていないことが多いです。一日一回、寝る前に行うだけでも足趾の血流が戻りやすくなります。全部の指を広げて保つだけでも有効です。

足首を丁寧に回す。座った姿勢で足首をゆっくり外回り・内回り各10回。ふくらはぎと足首の筋緊張を緩め、末梢への血流を促します。気血の流れは足首から先で滞りやすく、ここを動かすことで巡りが変わります。

腹部と腰を温める。お腹や腰を冷やさないことが、脾と腎の働きを助けます。夏でもクーラーの風が直接当たる環境では薄い腹巻きが有効です。内臓が温かい状態が保たれると、末梢への気血の供給が安定します。

立ち仕事の後に足浴をする。40度前後のお湯に10〜15分、足をつけるだけで末梢の血流が変わります。全身入浴が難しい日でも足浴は取り入れやすいです。湧泉(足裏の前1/3のくぼみ)を浴中に軽く刺激すると、体の芯から温まりやすくなります。

寝る前のスマートフォンを減らす。交感神経を夜まで踏み続けないために、寝る1時間前からスマートフォンを遠ざけます。副交感神経が優位になることで、夜間に足の組織が回復しやすくなります。

痛みを我慢して歩き続けない。「我慢して動けば慣れる」という考えは、神経の炎症を悪化させるリスクがあります。痛みが出ている日は無理に歩行距離を増やさず、足を休める選択をしてください。痛みは体からの信号です。

冷たい飲食を控える。冷たいものを頻繁に取ると、体の中心(脾胃)が冷えて水代謝が落ちます。夏でも常温か温かいものを選ぶ習慣が、むくみの予防につながります。

医療機関との連携について

モートン病は、整体だけで対応できる状態と、医療が必要な状態があります。次のような場合は、まず整形外科を受診することを強くお勧めします。

急激に痛みやしびれが強くなった場合。足趾に麻痺のような感覚が出た場合。立つことや歩くことが困難になった場合。長期間(6か月以上)変化がなく悪化傾向が続いている場合。ステロイド注射を受けたが症状がさらに悪化した場合。

整体は医療行為ではなく、診断・治療を行う立場にありません。あくまで体の緊張を緩め、回復しやすい状態を作るサポートです。整形外科での診察・画像検査・適切な処置は、専門医が判断します。

「整体で大丈夫と言われたから医者には行かなかった」という状況にはならないように、当院では整形外科との並行受診を推奨しています。薬による痛みのコントロール・適切なインソールの処方・神経への注射・手術の判断は整形外科が行います。整体はその土台にある全身の環境を整える役割です。両方を組み合わせることで、よりよい状態に近づきやすくなります。

また、症状が重い場合は、心理士・理学療法士・神経内科など複数の専門職と連携することもあります。長期間の痛みは、痛みそのものへの恐怖や、活動を避ける習慣を作ることがあります。そうした場合は、体へのケアと並行して、日常生活のリズムを取り戻すためのサポートが必要になることもあります。

よくある質問

Q. モートン病は整体で楽になりますか?

整体は神経圧迫を直接取り除くことはできません。ただ、全身の緊張を緩め、骨格の歪みを整え、足趾への血流が改善しやすい環境を作るサポートができます。インソールや靴を変えても変わらない方には、全身のアプローチが変化のきっかけになることがあります。医療との並行受診をお勧めします。

Q. インソールはやめた方がいいですか?

インソールは意味がないのではなく、単体では足りないことがあります。圧力を分散するという効果はあります。全身の緊張・冷え・血流不足が続く状態では、インソールの効果が限定的になりやすいです。インソールと全身のケアを組み合わせることで、より変化が出やすくなります。

Q. どのくらいの頻度で通えばよいですか?

状態や生活環境によって異なります。一般的には週1回から月2回程度で始め、変化を見ながら調整します。来院頻度より、毎日のセルフケアを続けることの方が変化に影響します。

Q. 何年も続いている場合でも変わりますか?

年数が長いほど組織の変化が深くなっている可能性はあります。ただ「変わらない」と決まっているわけではありません。体の緊張が緩み、血流が戻ることで、長年変わらなかった状態が少しずつ変化することがあります。年数が長い場合は変化にも時間がかかることが多く、継続的なケアが前提になります。

Q. 手術を勧められています。整体と組み合わせることはできますか?

手術前後を問わず、全身の状態を整えておくことは意味があります。手術前に体全体の緊張を緩めておく、手術後の回復期に血流を促すセルフケアを取り入れる、といった組み合わせ方があります。手術の判断と時期は必ず主治医の整形外科医とご相談ください。

Q. 夏に特に悪化する気がします。原因は何でしょうか?

エアコンの冷えが末梢血流を低下させることが多いです。冷房の効いた室内に長時間いると、足元に冷気が溜まります。足趾の組織が冷えると、神経への刺激に対してより敏感になります。夏でも足元の保温を意識することが大切です。靴下・腹巻きを活用してください。

Q. 第3・4指だけでなく、他の指の間が痛い場合もありますか?

モートン病は第3・4指の間に最も多く見られますが、第2・3指の間に出ることもあります。また、外反母趾・内反小趾などほかの足の問題と合併していることもあります。症状の場所がどこであれ、足趾のしびれや焼けるような痛みが続く場合は整形外科で確認することをお勧めします。

Q. 更年期以降に始まった場合、どういう対応が必要ですか?

更年期以降は腎虚(東洋医学でいう体の根本的な回復力の低下)の要素が強くなります。組織の質の変化が背景にあるため、局所だけのアプローチより全身の土台を整えるケアが重要になります。体を温める習慣・睡眠の確保・疲労の回復を丁寧にすることが、足趾の回復を支える土台になります。

Q. 予防するためにできることはありますか?

足に合った靴の選択・先端に余裕のあるデザイン・適切なクッション性の確保は基本です。それに加えて、足趾を動かす習慣・足首の柔軟性を保つ・冷え対策・疲労の蓄積を回避すること、が日常の予防につながります。立ち仕事の方は、1〜2時間ごとに座る・体重を左右交互にかけるなどの小休止も有効です。

Q. 東洋医学的な見立てとは何ですか?

東洋医学では足の症状を足だけで見るのではなく、体全体の「流れ」として読みます。脾(水代謝)・腎(組織の回復力)・肝(筋・神経への血液供給)のどこが弱っているかを見て、施術の方向を決めます。画一的な「モートン病のプロトコル」ではなく、その方の体の状態に合わせた施術になります。

Q. 子育て中で長時間の通院が難しいのですが。

施術は15〜30分程度です。長時間の拘束は必要ありません。時間のない方ほど、日常の中でできるセルフケアを伝えることに力を入れています。来院の間隔が開いても、セルフケアを続けていれば状態を保ちやすくなります。

Q. モートン病と外反母趾は関係がありますか?

関係があることが多いです。外反母趾があると親指の付け根が突き出し、足全体の体重のかかり方が変わります。その結果、第3・4指の付け根への荷重が増えることがあります。外反母趾と同時に診ることで、荷重分散の全体像が見えやすくなります。

まとめ

福岡市でモートン病に長く悩んでいる方へ。

インソールを換えた、靴を変えた、安静にした。それでも変わらなかった場合、足の局所だけを変えるアプローチには限界がある状態かもしれません。体全体の血液と気の巡りが滞り、足趾の神経を取り巻く環境が整っていないことが、繰り返す背景にあります。

東洋医学の視点では、脾・腎・肝の三つの臓の働きが低下した状態が、慢性的な足趾の神経痛の下地になることがあります。むくんだ組織が神経を圧迫しやすくし(脾虚)、組織そのものが弱って回復しにくくなり(腎虚)、神経に血が届かない(肝血虚)。この三つが重なると、インソールで圧力を減らしても変わりにくい状態が続きます。

病院で「手術を勧めます」と言われた方も、「どこに行っても変わらない」と感じている方も、まずは一度、体全体の緊張をゆるめることから始めてみてください。体の土台が整うことで、神経が回復しやすい環境が少しずつ作られていきます。

一人で抱え込まず、まず体の状態を聞かせてください。整体院は医療機関ではありませんが、体の緊張を緩めるサポートとセルフケアを通じて、あなたが自分の体の舵取りをできる状態を目指します。

福岡市の常若整骨院では、カウンセリング・施術・セルフケアをセットで提供しています。

院長プロフィール

冨高誠治(とみたか せいじ)。福岡市に常若整骨院を構え、整体・気功・東洋医学を軸に20年の施術経験を持ちます。延べ25,000名以上の施術に携わってきました。体の不調は結果であり、その手前にある生活習慣・考え方・体の緊張を含めて整えることを大切にしています。患者さんが早く自立できることを目指し、施術と日常ケアの両方から向き合っています。腕のある先生が全国に広がることを願い、整体師向けの教育活動も行っています。